インターネット関連市場の最新予測・2016年版

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「インターネット関連市場の最新予測・2016年版」第8回・デジタルサイネージ市場

屋外や店頭、交通機関などに設置される薄型ディスプレイ使った表示機器のことを、一般的にデジタルサイネージと表現します。アメリカでも、デジタルサイネージという単語が使われますが、看板など屋外の広告媒体を意味するOOH(Out-of-Home)の頭にDigitalの「D」をつけてDOOHとも表記されます。デジタルサイネージ市場は、ハードウェア(ディスプレイ、セットトップボックス)関連の費用、ソフトウェアの導入および運用費、コンテンツ制作費、デジタルサイネージ広告売上などで構成されます。その中でも、インターネットを経由した広告配信技術やディスプレイの表現力向上に伴い、デジタルサイネージ広告の市場が急速に拡大しています。

富士キメラ総研が公表した調査報告書によると、2014年の国内デジタルサイネージ市場規模は1054億円となりました。内訳は、システム販売/構築が544億円、デジタルサイネージ広告が320億円、コンテンツ制作/配信サービスが190億円となっています。デジタルサイネージ広告の内訳は、交通広告が190億円、ビルボード(屋外ビジョン)が75億円、インストアメディア他が55億円という構成です。市場規模は今後も拡大を続け、2020年には全体で2717億円(うちデジタルサイネージ広告は1500億円)になると予測しています。デジタルサイネージ広告の中では、インストアメディア他が2020年には550億円と2014年比10倍に急拡大する見込みです。

アメリカの調査会社Global Market Insightsは、世界のデジタルサイネージ市場規模が2023年に230億2000万ドル(約2兆4400億円)になるという予測を発表しました。世界の市場においても、デジタルサイネージ市場の拡大を牽引するのはデジタルサイネージ広告です。会計事務所PwCが発表した年次報告書によると、世界のデジタルサイネージ広告売上は2014年の97億1000万ドル(約1兆300億円)から、2019年には180億4000万ドル(約1兆9100億円)に拡大すると予測しています。2014年におけるデジタルサイネージを含むOOH広告全体の売上は363億2000万ドルでしたので、デジタルサイネージの比率は約27%になります。

世界最大の市場規模を誇るアメリカでは、OOH広告に占めるデジタルサイネージ広告の比率はすでに4割を超えています。アメリカの調査会社eMarketerによると、2015年のデジタルサイネージ広告売上は29億6000万ドル(約3100億円)で、OOH広告全体の40.8%を占めました。ちなみにOOH広告は、マスメディアやインターネット広告などを含む広告市場全体では3.9%という比率になっています。同社の予測では、2018年にOOH広告に占めるデジタルサイネージ広告比率が50%を突破し、2019年には57.5%まで拡大する見込みです。2019年におけるデジタルサイネージ広告売上は、44億7000万ドル(約4700億円)と見込まれています。

第8回・デジタルサイネージ市場
2015年見込み 2016年以降の予測 ソース(発表時期)
日本 1054億円
(2014年実績)
2020年に2717億円 富士キメラ総研
(2015年10月)
日本(デジタルサイネージ広告) 320億円
(2014年実績)
2020年に1500億円 富士キメラ総研
(2015年10月)
世界 2023年に230億2000万ドル
(約2兆4400億円)
Global Market Insights
(2016年5月)
世界(デジタルサイネージ広告) 97億1000万ドル
(2014年実績)
2019年に180億4000万ドル
(約1兆9100億円)
PwC
(2015年6月)
アメリカ(デジタルサイネージ広告) 29億6000万ドル
(約3100億円)
2016年に32億9000万ドル
2019年に44億7000万ドル
eMarketer
(2015年10月)

(本記事では、1ドル=106円のレートで換算しています。)

デジタルサイネージ市場は、高解像度の「4K」および「8K」の放送サービスや顔認識技術、人工知能などの実用化によってビジネスチャンスがさらに拡大するでしょう。デジタルサイネージの形態も多様化が進み、前面に大型液晶ディスプレイを搭載したデジタルサイネージ自販機も増えつつあります。総務省は、2015年3月に公開した文書の中で、2020年の東京オリンピック開催に向けて観光案内や大会情報の発信、非常時おける災害情報等の提供を目的としたデジタルサイネージの整備を進めるアクションプランの策定を提言しています。ここ数年で、日本のデジタルサイネージ市場も大きく成長することが期待されます。

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◎初出:2016年6月6日
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