2016年のWebマーケティング注目キーワード

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「2016年のWebマーケティング注目キーワード」第10回・vCPM(viewable CPM)

「vCPM(viewable CPM)」とは、表示1000回あたりの広告単価を示すCPMに、視認可能を意味するビューアブルの頭文字を加えた造語で、Googleは「視認範囲のインプレッション単価」と日本語に訳しています。インターネット広告の業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)は、「視認範囲のインプレッション」の条件を、バナー広告では「広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出すること」、動画広告では「広告の50%以上の面積が画面に露出して連続して2秒以上再生されること」と定義しています。なお、動画広告については、再生されるのは動画の冒頭部分である必要はないとしています。

Webに配信されるバナー広告は、画面に広告が表示される前にページを遷移するなど、実際にユーザの目に入らないことが思ったより多いのではないかという指摘に対して、Googleは2012年に広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出した回数をカウントするツール「Active View」を提供するなど、バナー広告の信頼性を確保するための対応を積極的に進めてきました。2014年12月には、ディスプレイ広告の総インプレッションの56.1%は「視認範囲のインプレッション」の条件を満たしていないとするレポートを公表して、インプレッション課金の広告では視認範囲のものだけを課金対象にすることが望ましいという考えを示しました。

Googleは、視認範囲のインプレッションだけを課金対象にするという方針を実行に移し、2015年11月にAdWordsのディスプレイ広告のCPM入札をvCPMに移行しました。移行後は、従来のCPM入札は廃止されて、vCPMに一本化されています。これまでAdWordsのディスプレイ広告はCPC入札が大半を占めていましたが、vCPMで入札ができるようになったことで、今後はvCPM入札の割合が増加するとみられています。ただし、従来のCPM入札の時と同等のトラフィックを得るためには、視認範囲となる可能性が高い広告枠に広告が掲載されやすくなるよう入札単価を高めに設定する必要があります。

今後は、AdWordsにならってvCPM入札を導入するアドネットワークが増えることも予想されます。vCPMへの移行は、ディスプレイ広告の確実な露出によって企業のブランド価値を高めたい広告主にとっては朗報と言えます。もっとも、vCPM入札によって視認範囲となる可能性の高い広告枠での露出が増えることと、クリックやクリック後のコンバージョンなどの反応率が高まることとは必ずしも一致しません。広告の視認性を重視するならvCPM入札、クリックやクリック後のコンバージョンを重視するならCPC入札と、広告の目的に合わせて入札方法を柔軟に切り替えることが重要になるでしょう。

第10回・vCPM(viewable CPM)
キーワード vCPM(viewable CPM)
概要 「視認範囲のインプレッション」1000回あたりの広告単価のこと。バナー広告では「広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出」、動画広告では「広告の50%以上の面積が画面に露出して連続して2秒以上再生」が条件。
注目の背景 Googleが2015年11月にAdWordsのディスプレイ広告のCPM入札をvCPMに移行。広告の目的が視認性重視かコンバージョン重視かによって、入札方法をvCPMとCPCで柔軟に使い分けられるようになった。
今後の予想 AdWordsにならってvCPM入札を導入するアドネットワークが増え、徐々にvCPMがスタンダードになる可能性も。動画広告においては、視認範囲になってからの再生時間を測定する基準が統一されることが望まれる。

動画広告では、視認範囲になってからの再生時間を測定できるため、動画の平均視聴時間が広告の重要な評価基準になりつつあります。動画は冒頭から見てもらうことで効果を最大化できますので、前回に紹介したTeadsのインリード広告など、多くのメディアが視認範囲になってから動画の再生を開始し、視認範囲でなくなると停止する仕様を採用しています。動画の再生時間が長ければ長いほど、視聴者の関心をより得られたと推測できます。しかしながら、動画の再生時間の測定方法や平均値の算出方法などはメディアによって異なるケースも見られ、業界の統一基準の策定が望まれます。

※連載「2016年のWebマーケティング注目キーワード」は、今回で終了となります。

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◎初出:2016年9月26日
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