2016年のWebマーケティング注目キーワード

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「2016年のWebマーケティング注目キーワード」第8回・Apple Pay

「Apple Pay」とは、Appleが2014年10月に提供を開始したモバイル決済サービスです。クレジットカードを提示することなく、端末に保存されたカード情報をNFC(近距離無線通信技術)を使って店頭などの決済端末に送信する「コンタクトレスEMV」と呼ばれる方式を採用しています。店頭での利用以外にも、iPhoneアプリ内や外部のECサイトなどでカード情報などを入力することなく代金の支払いが可能です。その際のユーザ認証には、iPhoneやiPad、Apple Watchなどに搭載されている指紋認証センサ「Touch ID」が使われます。Apple Payは、アメリカやイギリスなど合計9の国・地域で提供されていますが、現時点で日本では提供されていません。

世界的に見てもiPhoneのシェアが高いことで知られる日本でApple Payのリリースが遅れているのは、日本では「おサイフケータイ」が普及していることと関係があります。おサイフケータイに使われている「FeliCa」はType-Fに分類されるNFCを採用していますが、Apple Payが対応しているNFC(Type-A/B)とは互換性がありません。日本ではFeliCaが主流になったため、Type-A/Bに対応する決済端末があまり普及していません。現状では決済で使える店舗が少ないため、Appleは日本でのサービス開始に慎重にならざるを得ませんでした。一方、iPhoneはFeliCaに対応していないので、おサイフケータイが利用できないという状況が続いてきました。

最近になって、その状況が大きく変化する兆しが出てきています。2016年3月、一部メディアが年内にも日本でApple Payの提供が開始されるだろうと報じました。7月に入ると、Bloombergが今年秋に発売予定の新型iPhoneにはFelica機能が搭載される見込みと伝えました。FeliCaを採用する「Suica」などの複数の交通系ICカード業者は、Appleとの提携交渉を進めているようです。Felicaチップ搭載とApple Payのサービス開始には直接関係はありませんが、FeliCa対応によって様々な日本独自の決済サービス利用が可能になることを考えると、新型iPhoneの登場に合わせてApple Payが日本でも開始される可能性が高まったとみられています。

日本経済新聞などの報道によると、Googleはモバイル決済サービス「Android Pay」を2016年秋にも日本で開始する方針であることがわかりました。Android Payは、2015年9月に開始された決済サービスで、現在はアメリカのほか、イギリス、シンガポール、オーストラリアでも提供されています。基本的な機能は、ほぼApple Payと同じですが、Android Payはカード情報をクラウド上に保持するため、対応機種がiPhone 6などに限られるApple Payとは異なり、Android 4.4以上のOSを搭載していれば、ハードウェア仕様を問わないという特徴があります。このタイミングでAndroid Payの日本上陸が発表されたのは、Apple Payを意識したものとも考えられます。

第8回・Apple Pay
キーワード Apple Pay
概要 クレジットカードを提示することなく、端末に保存されたカード情報をNFCを使って店頭などの決済端末に送信するモバイル決済サービス。iPhoneアプリ内の決済やECサイトでの決済にも利用できる。年内に日本上陸の噂も。
注目の背景 秋に発売されるiPhoneの新機種に「FeliCa」が搭載される見込みと報じられ、Apple Payの日本上陸の可能性も高まっている。それに合わせるかのように、今年秋のGoogle「Android Pay」の日本上陸も伝えられた。
今後の予想 Apple PayやAndroid Payの日本展開においては、対応する決済端末の普及が課題。自国で使っている決済サービスを日本訪問時にも利用したい観光客のニーズに対応することで、決済端末の普及が進むと予想される。

中国センテント社は、中国で圧倒的なシェアを誇るメッセージングアプリ「WeChat(微信)」を使った決済サービス「WeChat Pay」を訪日観光客向けに提供を開始しました。アプリに表示されるQRコードを店頭の専用端末にかざすことで、その場で銀行口座から引き落とされる仕組みです。Apple Payが日本で成功するには、対応する決済端末の普及が課題になりますが、インバウンド需要がその起爆剤になるかもしれません。今後は、韓国Samsungが2015年8月に開始した「Samsung Pay」の日本上陸も予想されるなど、スマホを使った決済手段が多様化することは間違いありません。スマホにおける販売機会の拡大が期待できるでしょう。

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◎初出:2016年9月5日
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