2016年のWebマーケティング注目キーワード

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「2016年のWebマーケティング注目キーワード」第7回・BuzzFeed Japan(BuzzFeed日本版)

「BuzzFeed Japan(BuzzFeed日本版)」とは、アメリカBuzzFeed社とヤフーの合弁会社が2016年1月に開設したニュースサイトです。マスコミが運営するニュースサイトと異なる点は、BuzzFeedがSNSにシェアされる記事を配信して、ネット上のクチコミ拡散を主目的にしていることです。「真面目なネタからバカな話まで」を広く扱うことを掲げており、クチコミの発信源になりやすいニュースアプリやまとめサイトなどの性格を併せ持ったニュースサイトと表現できます。各国サイトの翻訳記事に加え、日本のオリジナル記事が豊富に掲載されています。トップページからプルダウンで言語を選択することで、全世界12サイトの記事を原文で閲覧できます。

BuzzFeedがアメリカでサイトを開設したのは2006年のことです。当初は、いわゆる面白記事に特化しており、SNSで拡散されやすいコンテンツを提供する「バイラルメディア」として注目され急速に知名度を獲得しました。その後、2011年にはアメリカの政治専門メディアから編集長を迎え、社会性のある本格的な記事にも力を入れるようになりました。各国の現地語サイトも順調に増加し、2016年2月のユーザ数は全世界で2億人を超えています。BuzzFeedの各記事は、主要SNSに簡単にシェアできるボタンが設置されており、BuzzFeedへのアクセスの約75%は、FacebookやTwitter、PinterestなどのSNS経由によるものです。

運営するBuzzFeed Japanによると、日本版の読者数の伸びは2月中旬以降に軌道に乗り、他国での創刊後の動向と比較しても日本版の読者獲得のスピードは圧倒的に早いとのことです。しかし、読者が記事に投稿するリアクションやコメントは、アメリカ版の記事に比較するとまだかなり少ないのが現状です。日本版の読者属性を分析したところ、アメリカ版に比べて18~34歳のミレニアル世代の比率が低いことが判明しています。日本版の記事は「Yahoo!ニュース」にも配信されていて、SNSに比べて利用者の年齢層が高いポータルサイト「Yahoo!Japan」からの流入比率が高いことも原因の一つと考えられます。

BuzzFeedの主な収益源は、企業にスポンサードされたコンテンツ、いわゆる記事体広告の掲載によるものです。日本版においても、2016年10月から広告展開を本格的に開始することが発表されています。具体的には、広告主のために3種類の記事体広告を制作して、BuzzFeed日本版や主要なSNSに配信します。広告料金は、記事体広告の制作費と、記事の閲覧回数(Cost Per View)で決まります。配信された記事が読者にシェアされて拡散した分については、追加料金はかかりません。つまり、多く拡散される記事体広告を制作できれば、実質的な広告料金は大きく低下することになります。

第7回・BuzzFeed Japan(BuzzFeed日本版)
キーワード BuzzFeed Japan(BuzzFeed日本版)
概要 BuzzFeed社とヤフーの合弁会社が2016年1月に開設した、「真面目なネタからバカな話まで」を広く扱うことを掲げたニュースサイト。SNSでシェアされる記事を提供して、ポータルサイトやSNSからアクセスを集めている。
注目の背景 本家・BuzzFeedは「バイラルメディア」の草分け的存在。現在、世界に12の現地語サイトがあり、ユーザ数は2億人を超えている。記事の閲覧回数(Cost Per View)をベースとした記事体広告で業績を伸ばしている。
今後の予想 日本でも記事体広告を2016年10月から本格的に展開予定。日本版では各記事のリアクションやコメントがまだ少ないが、記事体広告の開始をきっかけに日本版記事のシェアも増え、利用者数も増えることが期待される。

アメリカでは、BuzzFeedの記事体広告はブランド認知や好感度の向上などに効果が高いと評価され、広告料収入を大きく伸ばしてきました。日本でもコンテンツの一部として見てもらう目的で制作されるネイティブ広告の市場が成長しているため、BuzzFeedの記事体広告が日本の広告主に受け入れられる可能性は十分にあるでしょう。BuzzFeed日本版の課題は、日本での知名度をさらに上げ、各記事のリアクションやコメントの数、シェアされる回数を増やすことに尽きます。サイト構成や記事のレイアウトなど、基本的にはアメリカ版をそのまま踏襲していますが、今後は日本向けどこまでローカライズできるかも注目されます。

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◎初出:2016年8月29日
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