アジアではインターネット利用者数世界一になった中国が注目されがちですが、人口約11億7000万人を抱えるインドも大きな潜在力を秘めています。そのインドが世界市場の約7割を独占している分野が、従来のBPO(Business Process Outsourcing)がITと融合して進化した、知的生産活動のアウトソーシングであるKPO(Knowledge Process Outsourcing)です。野村総合研究所では、2010年には世界のKPO市場規模が170億ドル(約1兆4000億円)まで拡大し、そのうちインドが120億ドルを欧米企業から受注すると予測しています。インドが「IT大国」と形容される理由の一つです。
インドでは、携帯電話契約者数が急激に増えている点が大きな特徴です。2010年7月に契約者数は約6億4000万人と、前年同月比約49%増という驚異的な数字を記録しましたが、2013年までには現在携帯電話契約者数で世界一の中国(2010年5月末時点で約8億人)を追い抜くと予想されています。Gartnerの調査結果によると、2012年には携帯電話の普及率は72.5%に達する見込みです。また、スマートフォンの販売も2009年以降に急増しています。携帯電話全体に占める割合は2010年上期の段階で5.2%ですが、2014年までに18%に上昇すると予測されています。
国際電気通信連合(ITU)の統計データよると、2008年11月時点のインドのインターネット利用者数は約8100万人、人口普及率は6.9%にとどまっています。eMarketerの予測では、今後インドでも急速にインターネット利用者数は増加し、2014年には1億7100万人になる見込みですが、同じ2014年の中国のインターネット利用者数は9億人に達すると予測されており、2013年前後に携帯電話契約者数が中国を追い抜くと見られることを考慮すると、インドにおけるインターネットの普及が中国やロシアなどの新興国と比べてかなり遅れているという印象は否めません。
インドのインターネット利用者は都市部在住の富裕層が中心のため、電子商取引は順調に規模を拡大しています。VISAが公表した調査結果によると、インドのインターネット利用者の57%が過去1年間にインターネットで商品を購入していて、1人あたりの年間平均購入額は2066ドルとなっています。eMarketerは、インドの消費者向け電子商取引市場規模は2009年の28億ドル(約2240億円)から、2011年には56億ドル(約4480億円)に倍増すると予測しています。インドの主なショッピングサイトとしては、Rediff Shopping、Indiatimes Shopping、Indiaplazaなどが有名です。
第5回・インド| インターネット利用者数 |
約8100万人(2008年11月) |
| 人口普及率 |
6.9% |
| 携帯電話契約者数 |
2010年7月の契約者数は約6億4000万人。2013年までに中国を追い抜いて世界一になる見込み。スマートフォンの割合は現在約5.2%、これが2014年までに18%に上昇すると予測されている。 |
| 消費者向け電子商取引 |
eMarketerによると、2009年の消費者向け電子商取引の市場規模は28億ドル(約2240億円)。インターネット利用者数の増加に伴い、2011年には56億ドル(約4480億円)に倍増する見込み。 |
| その他の特徴 |
インドでもSNSが急速に普及していて、Facebookの訪問者数が1年前の約2.8倍に急増。KPO(知的生産活動のアウトソーシング)市場では世界の約7割をインドが占めている。 |
インドでもSNSの利用者数が急増しています。comScoreの調査結果によると2010年7月のSNS訪問者数は前年同月比43%増となりました。特に、Facebookの訪問者数が約2090万人と約2.8倍に急増している点が目立ちます。インターネット広告市場は、Starcom MediaVest GroupとeMarketerのレポートによると、2010年には約102億ルピー(約190億円)にすぎませんが、2012年には約171億ルピー(約320億円)に拡大する見込みです。2010年には検索連動型広告のシェアがディスプレイ広告を上回り、モバイル広告も12%とシェアを拡大してきており、今後大きな成長が期待できる分野です。
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◎初出:2010年11月8日
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