27-2007年連載

2007/12/28

2007年 連載<目次>

■「Web2.0時代のWebマーケティング」(2006年10月10日連載開始)

第1回・Web2.0とは何か
第2回・Web2.0の主たる構成要素
第3回・Web2.0的企業の共通点
第4回・個人が情報発信の主役に
第5回・ブログ
第6回・トラックバックとRSS
第7回・RSSリーダ
第8回・ブログを自社サイトで運用する方法
第9回・ポッドキャスティング
第10回・SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
第11回・知識共有サイト(Q&Aサイト)
第12回・Wiki(ウィキ)
第13回・ソーシャルブックマーク
第14回・ユーザーレビューサイト
第15回・ネットラジオ
第16回・ビデオ共有サイト
第17回・サーチエンジン最適化
第18回・サーチエンジンの順位が決まる要素
第19回・サーチエンジンマーケティング
第20回・CGM分析
第21回・クチコミマーケティング
第22回・ロングテール
第23回・CMSツール
第24回・アクセスログ分析
第25回・拡大するインターネット広告市場
第26回・主流になりつつある成果報酬型広告
第27回・リスティング広告
第28回・ブログ広告
第29回・RSS広告・ポッドキャスティング広告
第30回・コンテンツ連動型広告
第31回・行動ターゲティングと文脈ターゲティング
第32回・アフィリエイト
第33回・インターネットCM
第34回・進化する広告の効果測定基準
第35回・インターネット広告市場の新しい動き
第36回・ショッピング専用サーチエンジン
第37回・高度化するパーソナライズ
第38回・RSSを活用した情報配信
第39回・ドロップシッピングは新しい販路になるか
第40回・不正アクセスからサーバを守るためのセキュリティ
第41回・「Web2.0的サービス」の特徴は時間消費型サービス
第42回・携帯電話向けサーチエンジンが生み出すビジネスチャンス
第43回・巧妙化するフィッシング詐欺
第44回・Web2.0を支えるテクノロジー
第45回・アメリカで導入進むメール送信者認証技術
第46回・YouTubeがインビデオ広告を採用した狙い
第47回・位置情報サービスの仕組みと可能性
第48回・Web2.0的サービスを次々リリースするGoogleの狙い
第49回・はてなが提供するユニークなサービス
第50回・Web2.0を活かしたWebマーケティングとは

■「数字で見るインターネット業界」(2007年10月15日連載開始)

第1回・ブロードバンド普及率
第2回・インターネット広告市場規模
第3回・電子商取引(対消費者向け取引)市場規模
第4回・ブログ・SNS利用者数
第5回・オンラインショッピング利用経験
第6回・デジタルコンテンツ利用体験
第7回・モバイルコマース市場規模
第8回・EC化率
第9回・SEO(サーチエンジン最適化)市場規模
第10回・Webサイト構築市場規模
第11回・ビデオ共有サイトの利用実態

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2007/12/25

第11回・ビデオ共有サイトの利用実態

Web2.0的サービスの象徴ともいえるビデオ共有サイトの利用時間が2007年に入って急増しています。ビデオ共有サイトは数多く存在していますが、日本での利用率が高いのが、YouTubeとニコニコ動画の2つです。ネットレイティングスが毎月公表している日本のインターネット利用動向調査によると、11月に家庭のPCからアクセスした総利用時間は、YouTubeが8億9700万分、ニコニコ動画が7億5000万分となっています。

マクロミルが2007年6月に実施した「インターネット動画サイトの利用実態調査」によると、YouTubeの認知率は72%、利用経験のある人は49%と、ほぼ半数の人がYouTubeを利用したことがあると回答しています。YouTubeは、若い人ほど利用経験が高く、また同年代では女性よりも男性の方がよく利用しているという結果が出ています。なお、eMarketerが行った調査によると、アメリカでも男性の利用率が高いという結果がでています。

YouTubeは2006年に利用者が一気に増えた経緯もあり、ネットレイティングスが公表している総利用時間は、1年前(2006年12月)と比較して約30%の伸びにとどまっています。これに対して、日本で急速にシェアを拡大しているのがニコニコ動画です。2007年1月にβ版を公開してまだ1年経過していませんが、総利用時間ではYouTubeに肩を並べるまでに成長しました。ニコニコ動画は、1人あたりの利用時間が長いのが特徴です。ネットレイティングスによると、2007年8月にはニコニコ動画の1人あたりの利用時間は3時間14分となり、Yahoo! JAPAN(3時間5分)やmixi(2時間52分)を上回ったことがわかりました。ちなみに、YouTubeの1人あたりの利用時間は約1時間で、いかにニコニコ動画の平均利用時間が長いかがわかります。

アメリカでもビデオ共有サイトの利用が定着しています。Harris Interactiveが2007年11月に実施した最新の調査によると、インターネットで動画を見たことがある人は全体で8割を超え、65%がYouTubeの利用経験があると回答しています。特に、18~24歳の年齢層の利用経験率は85%に達していて、若い人により利用されている点では日本と共通しています。comScoreの統計によると、アメリカではインターネットで月間約90億回のビデオが再生されていて、利用者がビデオを閲覧する時間は平均で月間3時間、1回当たりの再生時間は約2.7分(いずれも2007年7月)となっています。

ビデオ共有サイトは、情報源としての価値も高まりつつあります。当「WEBマーケティング研究会」が2007年7月から8月にかけて実施した「インターネットを使った情報収集に関するアンケート」では、プライベート目的の情報源としてよく利用するサイトとして、「YouTubeなど動画共有サイト」と回答した人が43.6%に達しました。実際にビデオ共有サイトからヒット商品も数多く誕生していて、今後流行やトレンドの発信源としても注目されるでしょう。

※「数字で見るインターネット業界」は今回をもって連載終了となります。2008年からは新しい連載がスタートいたします。

【参考URL】
テレビ局サイトの総利用時間(Total Minutes)が3カ月連続のマイナスに
http://csp.netratings.co.jp/nnr/PDF/Newsrelease12192007_J.pdf

インターネット動画サイトの利用実態調査
http://www.macromill.com/client/r_data/20070619movie/index.html

Video-Sharing Sites Jockey for Position In U.S.
http://www.comscore.com/press/release.asp?press=1496

7月のオンラインビデオ平均視聴時間は3時間――米調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/14/news046.html

YouTube人気は健在もアマチュア動画に興味薄…、著作権規制に不満も
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/12/22/008/

「インターネットを使った情報収集に関するアンケート」結果概要
http://www.webdbm.jp/2007/10/post_2eaf.html

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 ◎初出:2007年12月25日
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2007/12/17

第10回・Webサイト構築市場規模

Webサイト構築ビジネスは、すでに大きな市場が形成されていますが、今後も日本版SOX法への対応や、定期的なWebサイトのリニューアルなどで、市場規模は安定成長が見込まれています。

矢野経済研究所が2006年8月に実施した調査によると、2006年の対消費者向け(B2C)ECサイト構築市場規模はおよそ3兆5,800億円と推計されています。この数字には、サーバなどのハードウェア、ECサイト用のソフトウェア、各種システムインテグレーション、サポートやアウトソーシングなどが含まれていますが、Webのデザインや制作などは含まれていません。同社では2010年に市場規模が5兆4,000億円まで拡大すると予想しています。

Webサイト構築市場で、今後成長が期待できる分野の一つがパッケージソフトの市場です。矢野経済研究所の調査では、ECサイト向けパッケージソフトの市場は全体の約3%と試算していますが、数年内にB2CのECサイト構築を予定している企業のうち、およそ16%がパッケージソフトを導入してサイト構築を行う構想を持っていることがアンケート調査で判明しました。今後、市場全体に占めるパッケージソフトの割合が高まると予想されます。

Webサイトの構築の戦略立案から設計、デザイン、コピーライティング、運用更新まで、Webサイトに関する上流工程から下流工程までの業務をカバーする「Webインテグレーション」の市場規模については、ミック経済研究所が2006年度から2010年度までの市場予測を発表しています。Webインテグレーション事業を手がける主要51社の2006年度売上は前年比25.7%増の539億7,000万円で、その数字から推計した市場全体の規模は約700億円と見込まれます。また、2007年度以降も年平均14.8%の成長が続き、2010年度には市場規模は1,220億円に拡大すると予測しています。

また、調査対象となった主要51社のうち、回答のあった13社のWebインテグレーション事業を分析すると、Webインテグレーション事業の売上の比率は、PC向けのWebサイトが8割弱、モバイルサイトが2割強で、1クライアント当たりの平均単価は1,339万円という数字になっています。

【参考URL】
2006年におけるECサイト構築市場は3兆5,800億円程度に
http://www.yano.co.jp/press/pdf/206.pdf

ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望2007年
http://www.mic-r.co.jp/mr/00167/index.html

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 ◎初出:2007年12月17日
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2007/12/10

第9回・SEO(サーチエンジン最適化)市場規模

SEO(サーチエンジン最適化)の市場規模が拡大しています。アウンコンサルティングが2007年1月に行った集計によると、2006年の国内SEO市場規模は前年比24%増の79億7000万円になりました。内訳をみると、SEO業務を企業内で完結させる「インハウス」が49億7000万円(前年比19%増)、SEO業務を外部の専門業者に委託する「アウトソーシング」が16億5000万円(前年比38%増)、SEOを支援するソフトウェアやASPなどの「ツール」が13億6000万円(前年比28%増)となっています。今後もSEO市場は成長を続け、同社では2010年には121億円規模に成長すると予測しています。

海外でもSEO関連のサービスは大きな市場になっていますが、「SEO」とリスティング広告などの「サーチエンジン広告」を合わせた「サーチエンジンマーケティング(SEM)市場」として市場規模が集計されるのが一般的のようです。非営利団体Search Engine Marketing Professional Organization(SEMPO)が発表した2006年の北米のSEM市場規模は前年比62%増の94億ドル(約1兆300億円)に達しました。2011年には186億ドル(約2兆500億円)まで拡大すると予測しています。

この数字と比較するため、日本のSEM市場規模を試算してみましょう。「2006年(平成18年)日本の広告費」によると、日本のインターネット広告市場規模は3630億円で、そのうち930億円がサーチエンジン広告です。SEMPOの基準に合わせると、日本の2006年のSEM市場規模はSEOが80億円、サーチエンジン広告が930億円で合計1010億円です。北米の市場規模に比べると、まだ1/10の規模ということになります。

一方、この分野で急成長をしている中国が日本を激しく追い上げています。イギリスのコンサルティング会社Analysys社の調査によると、中国の2007年上半期のSEM市場規模は11億5000万元(約172億円)となりました。同社では、2007年の通期では前年比71%増の26億8000万元(約402億円)まで拡大すると見込んでいます。また、サーチエンジンに広告を掲載する企業数についても、2007年には47万2000社と前年に比べて16%増えるとしています。

【参考URL】
2006年のSEO国内市場規模は約80億円
http://www.auncon.co.jp/corporate/pdf/20070122.pdf

Search Engine Marketing Is a Rocket: Spending Is Up 62%
http://www.sempo.org/news/releases/02-08-07

中国の2007年サーチエンジンマーケティング市場規模は26億8000万元と予測
http://www.enet.com.cn/article/2007/0809/A20070809770366.shtml

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 ◎初出:2007年12月10日
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2007/12/03

第8回・EC化率

すべての商取引額のうち、電子商取引化された取引額の割合をEC化率と表現します。経済産業省では、毎年、日本とアメリカで電子商取引に関する市場調査を実施して、その結果を公表しています。その中から、B-C電子商取引のうち小売とサービスの合計、および狭義のB-B電子商取引について、日本市場とアメリカ市場の特徴を比較してみましょう。ちなみに、経済産業省では、狭義の電子商取引を「インターネット技術を用いたコンピュータ・ネットワーク・システムを介して商取引が行われ、かつその成約金額が捕捉されるもの」と定義しています。

まず、B-C電子商取引のうち小売とサービスの合計について、取引額とEC化率を比較してみます。日本は、2005年が2兆1,580億円でEC化率は1.60%、2006年が2兆7,060億円でEC化率は2.03%となっています。これに対してアメリカは、2005年が10兆2,220億円でEC化率は3.73%、2006年が12兆3,050億円でEC化率は4.37%で、取引額、EC化率ともに日本市場を大きく上回っています。

カテゴリー別で見ると、アメリカ市場でEC化が特に進んでいるのは「総合小売業」の8.99%、続いて「スポーツ・本・音楽・玩具小売業」が4.56%となっています。日本の総合小売業のEC化率(2.23%)と比較すると、いかにアメリカで総合小売業という業態がインターネットで普及しているかがわかります。一方で、日本のEC化率の方が高いカテゴリーもあります。「宿泊・旅行業、飲食業」では、日本が2.18%なのに対して、アメリカでは1.14%にとどまっています。このほか、日本のEC化率の方が高いと思われるカテゴリーは、「電気製品小売業」、「医薬化粧品小売業」や「家具・家庭用品小売業」などがあります。

総合小売業とは百貨店やスーパーのような業態ですが、アメリカでEC化のけん引役となっているのは「衣料品」のようです。Forrester Research社が2007年5月に発表した電子商取引市場の調査によると、アメリカでの2006年カテゴリー別売上高は、「衣料品・アクセサリ・靴」が「コンピュータ(ハードウェア及びソフトウェア)」を逆転して初めて第1位となりました。

一方、狭義のB-B電子商取引(小売やその他サービス業を除く)については、取引額、EC化率ともに日本がアメリカを大きくリードしています。2006年の数字を比較すると、日本が146兆8,050億円でEC化率は12.6%に達しているのに対して、アメリカは93兆660億円でEC化率は4.4%となっています。企業間取引の分野においては、全般的に日本のEC化が先行していることが数字にはっきり表れています。

【参考URL】
「平成18年度電子商取引に関する市場調査」の結果公表について
http://www.meti.go.jp/press/20070511003/denshishoutori-p.r.pdf

Online Clothing Sales Surpass Computers, According To Shop.org/Forrester Research Study
http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,1145,00.html

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 ◎初出:2007年12月3日
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2007/11/26

第7回・モバイルコマース市場規模

日本のモバイル関連ビジネスは、すでに大きな市場に成長しています。総務省の委託を受けてモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が実施した携帯電話コンテンツ市場規模の調査によると、2006年の「モバイルコンテンツ市場」と「モバイルコマース市場」の合計が9,285億円となったことがわかりました。内訳は、モバイルコンテンツ市場は3,661億円(前年比16%増)、モバイルコマース市場は5,624億円(前年比38%増)となっています。モバイルコマース市場は、物販系(モバイル通販)、サービス系(興行チケット、旅行チケット、航空チケット、鉄道チケット)、トランザクション系(証券取引手数料、オークション手数料、公営競技手数料)の3分野で構成されますが、特に物販系は前年比68%増と伸び率が高くなっています。

情報通信総合研究所が2007年8月に発表した「携帯電話サービス普及による日本経済への波及効果」では、モバイルコンテンツとモバイルコマースが生み出す経済波及効果が試算されています。同社によると、経済波及効果とは、商品やサービスの売上高ではなく、原材料費や中間サービス部分を除いた付加価値部分の合計であり、GDPと同じ概念とのことです。2006年の経済波及効果は、モバイルコンテンツが3,801億円、モバイルコマースは2,378億円ですが、2010年にはモバイルコンテンツが9,225億円、モバイルコマースは1兆4,870億円に拡大すると予測しています。モバイルコンテンツとモバイルコマースを合計した数字で見ると、2010年は2006年と比較しておよそ4倍にあたります。

モバイル関連ビジネスの市場が大きく拡大している背景として、携帯電話の機能が向上していることに加えて、携帯電話だけでインターネットを利用している人が若年層を中心に増えていることがあげられます。インプレスA&Dが発行した「インターネット白書2007」によると、日本のインターネット利用者数は2007年3月時点で約8,227万人ですが、携帯電話・PHSのみでインターネットに接続している人がそのうち約1,400万人を占めています。

モバイルマーケティングデータ研究所では「モバイルコマースに関する利用動向調査」を定期的に実施していますが、2007年2月実施の調査では、モバイルコマースの経験者比率は、20代(51.8%)、30代(60.3%)、40代以上(58.4%)がいずれも50%を超えました。同研究所の最新調査によると、2007年10月の1ヶ月間にモバイルでショッピングを利用した人は30.5%となっています。この調査は、携帯電話専用のポータルサイトやコミュニティで実施されていて、アクティブユーザを対象にしていることは考慮する必要はあるものの、携帯電話でのショッピングが定着していることを示しているといえます。

【参考URL】
2006年 モバイルコンテンツ関連市場の合計は、9,285億円
http://www.mcf.to/press/images/2007_MobileContents_market_scale.pdf

モバイルコンテンツ、コマースの経済波及効果は2010年で2006年の4倍の2.4兆円
http://www.icr.co.jp/press/press20070824.html

携帯ショッピングサイトは公式サイトやメールマガジンで探す
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20344880,00.htm

【第10回】モバイルコマース利用動向調査(2007年10月度)
http://mmd.up-date.ne.jp/news/detail.php?news_id=113

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 ◎初出:2007年11月26日
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2007/11/19

第6回・デジタルコンテンツ利用体験

財団法人デジタルコンテンツ協会が実施した国内デジタルコンテンツ市場規模調査によると、2006年の市場規模は前年比8.3%増の2兆7,699億円になりました。デジタルコンテンツは、音楽CDやゲームソフトなどCDやDVDに記録されて流通するパッケージソフトと、インターネットや携帯電話でダウンロードするオンライン配信に大きく分類できますが、2006年はパッケージ67.5%、オンライン配信32.5%という比率になっています。前年比で伸び率が高いジャンルは、携帯電話向け電子書籍(前年比331.3%増)、PC用オンラインゲームのアイテム課金(前年比116.6%増)、PC向け電子書籍(前年比69.7%増)、PC向け音楽配信(前年比42.1%増)などとなっています。

今回は、パソコンや携帯電話でデータをダウンロードして利用する代表的な3つのコンテンツ「動画配信」、「音楽配信」、「電子書籍」について、今後の成長予測と利用実態を見ていくことにします。

動画配信サービスは、インターネットCMの広告料収入と有料コンテンツ利用料で成り立っています。三菱総合研究所とgooリサーチが実施した「第6回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」によると、「Gyao」などの無料動画配信サービスを利用している人が51.4%と過半数を超えました。動画配信サービス大手の「Gyao」は、登録会員数が1,500万人を突破し、同社の説明によると週1回以上視聴する会員は約300万人にのぼっています。インターネット広告推進協議会(JIAA)が集計した2006年のインターネットCM市場規模は約50億円となっています。

財団法人デジタルコンテンツ協会の調査では、2006年の音楽配信市場規模は、パソコン向けは前年比42.1%増の310億円、着メロ市場が縮小している携帯電話向けは前年比0.5%減の1,602億円となりました。マイボイスコムが2007年1月にWebサイトで行ったアンケート調査では、無料の音楽配信を利用したことのある人は57%と過半数を超え、有料の音楽配信を利用したことのある人も40%に達しています。野村総合研究所では、着メロ・着うたなどの楽曲の一部のみを配信するサービスを除いた、従来CDで販売されていた楽曲データを配信するビジネスの市場規模として、2011年に795億円になると予測しています。同社の定義では、2006年の市場規模は188億円にとどまりますので、それを基準にすると、およそ4.2倍の大きな伸びになります。

インプレスR&Dが出版した「電子書籍ビジネス調査報告書2007」によると、2007年3月時点での電子書籍市場規模は約182億円で、そのうち約106億円が電子コミックになっています。電子コミックの内訳は、パソコン向けが約24億円、携帯電話向けが約82億円で、携帯電話向けの電子コミックが、電子書籍市場全体の約45%を占めています。インフォプラントが2007年5月にiモード利用者を対象に実施したアンケート調査でも、電子書籍の認知率は91.8%、ダウンロード経験者は40.2%と利用率の高さを表す結果となりました。シード・プランニングが2007年6月に公表した調査結果によると、2012年には電子書籍全体で930億円、うち電子コミックは710億円に急成長すると予測しています。

【参考URL】
国内デジタルコンテンツ市場、3兆円突破へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/08/news062.html

電子書籍の市場規模は182億円、対前年度比約2倍に拡大 うち電子コミックの市場規模は106億円
http://www.impressrd.jp/news/071116/eb

ブロードバンドコンテンツに関する調査
http://research.goo.ne.jp/database/data/000517/index.html

有料音楽コンテンツのダウンロード経験者は40%,マイボイスコムの調査から
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070223/128095/

電子書籍・コミックのダウンロード経験者は約4割
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20349760,00.htm

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 ◎初出:2007年11月19日
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2007/11/12

第5回・オンラインショッピング利用経験

経済産業省の「平成18年度電子商取引に関する市場調査」では、オンラインショッピング利用者数や購入経験率については調査が行われておりません。比較的信頼性が高いと思われる調査結果としては、「インターネット白書2007」があります。それによると、オンラインショッピングの利用経験があるのは全体で73.6%となっています。性別・年代別では、女性30代がもっとも高くて86.5%、以下、男性40代、男性30代、女性20代という順で、ここまでが80%を超えています。

一方、オンラインショッピングは、利用開始時期によって大きな差があるという調査もあります。富士通総研の「インターネットショッピング2007」によると、「実質2年以内」のビギナーは、オンラインショッピングでの年間購入が平均8.3回で合計72,482円にとどまったのに対して、「実質5年以上」のベテランは年平均15.2回で合計159,438円購入していることがわかりました。

モバイルを使ったショッピングについても、かなり浸透していることを示すデータがあります。モバイルマーケティングデータ研究所の「モバイルコマースに関する利用動向調査」によると、2007年9月の1ヶ月間にモバイルでショッピングを利用した人は27.2%となっています。モバイルの調査では、どの媒体を使って調査するかによってショッピング経験率は大きくブレてしまう傾向がありますが、1ヶ月でほぼ3割の利用者という数字は、かなり実情に近いものではないかと思われます。

eMarketer社では、その1年間にオンラインショッピングを利用した人を毎年発表していて、2006年の利用者数は、イギリス2,480万人、ドイツ2,720万人、フランス1,450万人としています。オンラインショッピングで最大の市場規模を誇るアメリカの場合、年間の約半分を売り上げる「ホリデー・シーズン(年末商戦)」1ヶ月間でのオンラインショッピング利用者数が参考になります。2007年のホリデー・シーズンの予測が出揃ってきましたが、その中でJupiterResearch社は、期間中に前年比6%増の1億2,600万人がオンラインショッピングを利用すると予想しています。

オンラインショッピングの利用経験率では、中国はまだまだ発展途上のようです。中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)の「第20次中国互換網発展状況統計報告」によると、2007年6月末時点のインターネットユーザー数は1億6,200万人ですが、アンケート調査からオンラインショッピング利用者は全体の26%程度と推測していて、今後、利用経験率は日本や欧米に徐々に近づいてくると予想されています。

【参考URL】
サイトの信用性が問われる時代――『インターネット白書2007』に見る個人のネット利用動向
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/08/29/1780
http://www.sublate.jp/___data___/2007/html/list2-5.htm

ネットショッピング歴ベテランとビギナー、年間購入金額に2倍の差
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/08/30/16747.html

European E-Commerce on Pace to Reach EUR323 Billion in 2011
http://www.emarketer.com/Article.aspx?id=1005231

JupiterResearch Expects US Holiday Online Retail Sales to Exceed $39 Billion this Year
http://www.jupiterresearch.com/bin/item.pl/press:press_release/2007/id=07.10.22-holiday-retail.html/

中国のネット人口は1億6,200万人、ブロードバンド人口も1億人を突破
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/20/16378.html

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 ◎初出:2007年11月12日
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2007/11/05

第4回・ブログ・SNS利用者数

ブログ利用者については、他の人が開設したブログを閲覧している人の数(アクセス・ユーザー数)、ブログを開設できるサービスに会員登録している件数(アカウント数)、実際にブログを開設して記事を書いている人の数(ブロガー数)、公開されているブログのサイト数など、様々な統計が存在します。SNSは会員登録制のため、SNSにアクセスしている人はアカウント保有者に限られますので、アクセス・ユーザー数のデータがSNS利用の実態に近いものと考えられます。

ビデオリサーチインタラクティブが発表した2006年の国内アクセス・ユーザー数は、ブログが2,687万人、SNSが1,104万人、両方にアクセスしたユーザーが1,057万人となっていて、ブログ利用者を基準にすると、約4割の人がSNSも利用していることになります。公式な統計としては、総務省の情報通信白書で「ブログ及びSNSの登録者数」調査結果が収録されています。それによると、2006年3月末時点でブログ登録者数の合計が868万人、SNSは716万人となっています。

野村総合研究所は、2006年度のブログサイト数は1,302万サイトで、2011年度には約4割増の1,814万サイトになると予測しています。一方、SNSの登録者数は2006年度の1,250万人が2011年度には5,111万人に急成長するとしています。SNS登録者数について、今後は招待を必要としない登録制のSNSが増えるため、登録者数に占めるアクセス・ユーザー数の割合は低下していくとコメントしています。

ブログ専用サーチエンジンTechnoratiが定期的に集計している世界のブログ投稿データによると、日本語の投稿記事が全体の約4割を占め、英語に並ぶ水準になっています。しかし、この分野でも今後急成長が予想されるのが中国です。投稿記事の言語では中国語はまだ1割弱ですが、サーチエンジンの百度が発表した「2006年中国博客(ブログ)発展報告」によると、2006年11月時点でブロガー人口が1,987万人、ブロガー1人あたり2.6サイトを運営していて、中国語のブログサイト数は世界で5,230万サイトに達しているようです。

全世界のSNS利用者数については、イギリスの調査会社Datamonitor社が調査報告書を発表しています。2007年末の全世界のSNS利用者数は2億3,000万人に達し、少なくとも2009年までは利用者数が伸び続けるだろうと予測しています。2007年末時点でのSNS利用者の地域別分布は、アジア太平洋35%、ヨーロッパ中近東28%、北米25%、カリブ海ラテンアメリカ12%となっています。

【参考URL】
SNSサイト・ブログサイトへの2006年1年間トータルの訪問者は、2,700万人超
http://www.videoi.co.jp/release/20070219.html

ブログ及びSNSの登録者数(平成18年3月末現在)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060413_2.html

ブログ・SNS市場は5年後に7.6倍、ネット広告市場は2倍に──NRI予測
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/21/news057.html

ソーシャルネットワーキングの成長は2009年までにピークに--アナリストが予測
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20359290,00.htm

百度、最新の中国ブログ統計を発表。中国語のブログは5,230万に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/12/15/14262.html

調査会社コムスコア、世界のSNSの成長に関する統計を発表
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20353921,00.htm

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 ◎初出:2007年11月5日
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2007/10/29

第3回・電子商取引(対消費者向け取引)市場規模

電子商取引の市場は、対消費者向け取引と企業間取引に大きく分類することができます。ここでは、オンラインショッピングなどの対消費者向け取引(B-C)にスポットを当てて主要国の市場規模を比較することにします。電子商取引市場の調査で実績のあるeMarketer社では、B-C市場規模について、「物品とサービスの販売額(オンライン旅行、興行チケット、デジタルコンテンツのダウンロードを含む)」と説明しています。日本の経済産業省が実施している電子商取引市場調査でも、B-Cの中にサービス業(宿泊・旅行・飲食)や情報通信業が含まれていて、ほぼ同じ定義となっています。

経済産業省の「平成18年度電子商取引に関する市場調査」によると、2006年の日本のB-C市場規模は、前年比27%増の4兆3,910億円となっています。同報告書ではアメリカの市場規模についても調査していて、アメリカのB-C市場規模は、2006年には19兆2,700億円(前年比20%増)と、日本のほぼ4.4倍の規模になっています。アメリカの市場規模と比較すると、日本の市場はまだまだ成長余地があるようにも思われます。

ヨーロッパでも電子商取引市場は大きく拡大しています。eMarketer社の調査報告書によると、2006年のB-C市場規模は、イギリス556億ドル(約6兆3,940億円、1ドル=115円で換算、以下同様)、ドイツ271億ドル(約3兆1,170億円)、フランス125億ドル(約1兆4,380億円)となっていて、イギリスの市場規模は日本を大きく上回っています。ヨーロッパ全体の市場規模では、2006年の1,330億ドル(約15兆2,950億円)が、2011年には4,070億ドル(約46兆8,050億円)とほぼ3倍に拡大すると予測されています。

驚異的な成長が確実視されているのが中国市場です。2006年のB-C市場規模は25億ドル(約2,880億円)にすぎませんが、2010年には180億ドル(約2兆700億円)と予測していて、実にこの期間の平均成長率は年64%になります。ちなみに、アジアでは中国に続いてインドも大きな潜在力を持っているとして、日本、韓国、中国、インドの4ヶ国合計の市場規模は、2010年に1,150億ドル(約13兆2,250億円)拡大すると見込まれています。(いずれもeMarketer社の調査による)

【参考URL】
「平成18年度電子商取引に関する市場調査」の結果公表について
http://www.meti.go.jp/press/20070511003/denshishoutori-p.r.pdf

European E-Commerce on Pace to Reach EUR323 Billion in 2011
http://www.emarketer.com/Article.aspx?id=1005231

Asia-Pacific B2C E-Commerce:China, Japan and South Korea
http://www.emarketer.com/Reports/All/Em_b2c_ecom_asia_feb07.aspx

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 ◎初出:2007年10月29日
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2007/10/22

第2回・インターネット広告市場規模

日本のインターネット広告市場については、複数の企業から調査結果が公表されています。まず、電通が毎年発表している「日本の広告費」2006年版によると、2006年のインターネット広告市場規模は3,630億円と推計されています。ミック経済研究所では、業界の広告代理店24社に取材するなど主要50社の取扱高から市場規模を3,200億円と推計、また野村総合研究所は、2011年までの国内IT主要5市場分析の中で2006年のインターネット広告市場規模を3,554億円と算出しています。

今後、大きな成長率が期待されているのが検索連動型広告とモバイル向け広告です。電通総研では、2011年のインターネット広告市場規模を7,558億円と予測していますが、そのうちパソコン向けの検索連動型広告が2,265億円(30%)、モバイル向け広告(検索連動型も含む)が1,284億円(17%)となっています。前出「日本の広告費」によると、2006年は検索連動型広告が930億円(26%)、モバイル向け広告が390億円(11%)ですので、特にモバイル向け広告の予想成長率が高いことがわかります。野村総合研究所でも、モバイル向け広告の急拡大が寄与して2011年には市場規模が7,417億円まで拡大すると予測しています。

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ブロードバンド加入者数が日本よりも多いアメリカや中国の市場規模と比較してみましょう。インターネット広告協議会(IAB)が四半期ごとに発表しているデータによると、2007年第2四半期のアメリカのインターネット広告市場は51億ドルになりました。年間ベースではおよそ200億ドルとなり、1ドル=115円で換算してもおよそ2兆3,000億円と日本の6倍以上の数字になります。ちなみに、2007年上半期の形態別のシェアは、検索連動型広告が41%、ビデオ広告を含むディスプレイ広告が32%、バナー広告が21%などとなっていて、日本よりも検索連動型広告のシェアが高いのが特徴です。

Nielsen//NetRatingsによると、2007年上半期の中国インターネット広告市場規模は39億8,000万元に達しました。年間ベース約80億元を1元=15円で日本円に換算すると約1,200億円になり、現時点では日本の1/3程度の規模ということになります。中国のIT専門調査会社Analysys Internationalは、2010年には115億6,300万元(約1,734億円)に達すると予測しています。ただ、ブロードバンド加入者数の伸びを考えると、中国のインターネット広告市場は予測以上に速いスピードで拡大する可能性も高いと思われます。

【参考URL】
2011年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望
http://www.nri.co.jp/news/2006/061221.html

電通総研によるプレスリリース
http://dci.dentsu.co.jp/pdf/publication_070416.pdf

INTERNET ADVERTISING REVENUES SOAR AGAIN, NEAR $5 BILLION IN Q1 07
Industry Continues to Set New Records; Revenues Up 26% from Same Period Last Year
http://www.iab.net/news/pr_2007_06_06.asp

2010年のネットワーク広告市場規模は115.63億元 - 中国
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/12/04/383.html

【中国】今年上半期、中国インターネット広告市場規模は約40億元
http://japan.internet.com/wmnews/20070831/26.html

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 ◎初出:2007年10月22日
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2007/10/15

第1回・ブロードバンド普及率

電子商取引など市場の成長性を予測する上で、欠かせない指標の一つがブロードバンド普及率です。日本では、FTTH、ADSL、CATV、FWAの契約件数の合計を「ブロードバンド加入数」として総務省が四半期ごとに発表しています。最新の発表によると、2007年6月末現在、日本全国のブロードバンド加入数は約2715万件(世帯普及率52.5%)となっています。地域の格差は縮まっているものの、東京都の普及率は70.1%と全国平均と比べてかなり高くなっています。

ブロードバンド専門の調査会社Point Topic社が四半期ごとに公表しているレポートによると、2007年第2四半期末の全世界のブロードバンド加入数は3億1,360万件で、前四半期末と比較して4.9%増加しました。全世界の接続形態シェアは、ADSL 64.3%、CATV 22.5%、FTTH 12.8%となっていますが、地域によって大きなばらつきがあります。たとえば、アメリカではCATVのシェアが52.0%、カナダでも50%を超えるなど、北米ではCATVによる接続が主流になっていますが、日本ではCATVの比率は、2007年6月末現在ブロードバンド加入数全体の13.6%です。

ブロードバンド加入数では、日本はアメリカ、中国についで第3位ですが、世帯普及率では韓国が91.5%と圧倒的に高く、以下香港、モナコと続き、第10位のノルウェーが73.1%となっています。日本、アメリカ、イギリスは世帯普及率では、ほぼ同じ水準になっています。ちなみに、アメリカのブロードバンド世帯普及率は、調査会社Parks Associates社によると、2007年末には約55%になると予測されています。

日本のブロードバンド事情には、他国に見られない大きな特徴があります。2007年6月末現在、日本全国のFTTH契約件数は966万件(世帯普及率18.7%)に達していて、東京都に限ると31.2%とすでにADSLの普及率(30.8%)を逆転しています。平均転送速度では、日本は世界をリードしていると言っていいでしょう。

【参考URL】
関東管内におけるブロードバンドの普及状況《東京都のブロードバンドの普及率が70%を突破》
http://www.kanto-bt.go.jp/if/press/p19/p1909/p190926.html

World Broadband Statistics Q2 2007(要会員登録)
http://point-topic.com/content/dslanalysis/World+Broadband+Statistics+Q207.pdf

U.S. Residential Broadband Penetration to Exceed 50% in 2007
http://newsroom.parksassociates.com/article_display.cfm?article_id=2866

国内世帯の半数がブロードバンドを利用、「インターネット白書2007」調査
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/13/16029.html

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 ◎初出:2007年10月15日
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2007/10/01

第50回・Web2.0を活かしたWebマーケティングとは

Web2.0という言葉は、日本でもすっかり定着した感がありますが、ビジネス活用はこれからが本番です。Web2.0は「Webの世界はこのように変化している」というトレンドや動きをまとめた概念であり、Web2.0の構成要素を見ていくと、企業側の変化よりも、むしろ消費者側の考え方や行動の変化が大きく影響していることに気づきます。その一つとして、すべての消費者が何らかの形で情報発信者となっていく行動スタイルをあげることができると思います。

では、変化しつつつある消費者の行動スタイルに対して、企業はどのようなマーケティング手法を採用するのが効果的なのでしょうか?そのヒントが、論文「What is Web2.0」にあります。その中でTim O'Reilly氏は「Web2.0時代には、ユーザー貢献がもたらすネットワーク効果が市場優位を獲得する鍵となる」と書いています。また、「宣伝を広告だけに依存しているようなサイトまたは製品は、Web2.0的ではない」とも書いています。これはインターネット広告の効果を否定しているのではなく、クチコミなど消費者の購買活動に大きな影響を与えるメディアを活用して宣伝効果を最大化することが、Web2.0時代に求められているWebマーケティングであるという意味です。

ユーザー参加型のマーケティングが効果的とはいえ、単にブログやSNSなどのコミュニティを開設するだけでは十分とはいえません。Web2.0的と表現されるビジネスモデルでは、参加者が増えるほど充実していく「集合知」を共有することで参加者にメリットを還元している例が数多く見られます。参加者が前向きに関与すればするほど、得られるメリットが増えるのでさらに利用時間が増えていく、そのような仕組みを構築できれば、理想的なWebマーケティングに近づいたと言えるのではないでしょうか。

※長い間ご購読ありがとうございました。次回からは新シリーズがスタートします。お楽しみに。

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 ◎初出:2007年10月1日
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2007/09/25

第49回・はてなが提供するユニークなサービス

はてなは、2001年7月に知識共有サイトの「人力検索はてな」を開始して以来、Web更新チェックの「はてなアンテナ」、ブログの「はてなダイアリー」、ソーシャル・ブックマークの「はてなブックマーク」など、16種類の自社開発のサービスを提供しています。「技術的に面白いもの、他社では提供していないものを提供する」という理念で新しいサービスを開発に力を入れていて、日本を代表する「Web2.0的」企業と評価されています。

「はてなダイアリー」は、書いた文章に含まれるキーワードに自動的にリンクが設定されて、キーワードによってブログがつながる仕組みを備えています。キーワード情報はRSSでも提供されていて、2007年8月には日本語入力システム「ATOK」と連動して、ダイアリーのキーワードをATOKの変換候補として表示したり、意味を参照できたりするツールが発表されました。ブログに書かれた文章が「集合知」として実用化された好例です。

「はてなブックマーク」は、日本ではよく使われているソーシャル・ブックマークの一つです。一定数以上の人がブックマークに登録したページは「注目エントリー」として表示され、その直後ははてなブックマーク経由のアクセス数が急増するという効果があります。ソーシャル・ブックマーク経由のアクセスは、全体から見ると割合はまだ低いかもしれませんが、その影響力は徐々に大きくなってきていて、Webマスターからも注目されています。

はてなは収入源にも特徴が見られます。一番ウエイトの大きいのは広告料収入ですが、人力検索はてななどで質問者が費用を負担する有料制を導入していて、質問者が支払ったポイントの一部が本部の手数料となります。また、「bk1はてな」や「TSUTAYA online はてな」として、ECサイトに専門の知識共有サイト機能を提供しています。ECサイトを運営する企業にとっては、問い合わせ窓口の省力化に加えてクチコミ効果も期待でき、お互いの特徴を活かしたコラボレーションといえます。

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 ◎初出:2007年9月25日
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2007/09/19

第48回・Web2.0的サービスを次々リリースするGoogleの狙い

Googleは1998年にサーチエンジンを開始して以来、広告料を主な収入源にしています。決算書を見ると、キーワード連動広告「アドワーズ」と、主に個人のWebサイトやブログに表示されるコンテンツ連動のテキスト広告「アドセンス」の割合がほぼ半々になっています。今では、先進的なWeb2.0的サービスを提供する企業というイメージがありますが、そのきっかけになったのが2004年に開始したGoogleマップとGoogle Earthでした。

Googleマップは、Ajax(第44回・Web2.0を支えるテクノロジーを参照)を本格的に採用しているのが特徴です。Ajaxでは、あらかじめデータをXML形式で取得しておいて、その後の操作はパソコン上だけで行うため、快適に地図の画面を動かせるいうメリットがあります。この操作性は「リッチなユーザー体験」と表現され、Web2.0の要素の一つにもあげられています。

Googleの戦略として特筆すべき点は、積極的にWebAPIの形で機能を無料開放してきたことです。たとえば、GoogleマップのWebAPIを使えば、自社サイトで不動産の物件情報をGoogleマップの地図上に表示することができます。このように複数のサービスを組み合わせて提供する「マッシュアップ」という手法がすでに多くのサイトで採用されています。マッシュアップの例としては、Googleマップなど合計21のWebAPIを組み合わせて作られた「MashMaxセールス・ガジェッツ」などが参考になるでしょう。

一方、アクセスログ分析のGoogle Analyticsなど、サイト管理者向けサービスの提供にも力を入れています。Googleは、Webマーケティングを行う企業がGoogleと契約することで、必要なサービスをすべて利用できるような関係を目指しているように思われます。また、将来的にはネットに載っていない情報までも検索の対象に含めるような壮大な構想を持っているといわれ、今後Googleがどのような新しいビジネスモデルを開発していくか、大いに注目されます。

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 ◎初出:2007年9月18日
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2007/09/10

第47回・位置情報サービスの仕組みと可能性

GPSは、人工衛星から送られてくる電波を受信して、地球上のどの位置にいるかを表示してくれるシステムです。2万キロの上空には12時間で地球を周回しているおよそ30のGPS専用人工衛星があり、1.2/1.5GHz帯の電波でデータを地上に送信しています。複数の衛星から送られてくるデータを組み合わせることで緯度、経度、高度などを数十メートルの精度で知ることができる仕組みで、カーナビや携帯電話などすでに多くの製品に応用されています。

調査会社のStrategy Analyticsのレポートによると、GPS機能を搭載した製品は2010年には世界で8800万台に成長すると見込まれています。日本では、KDDIがGPS搭載携帯電話を早くから発売していて、GPS機能を搭載した携帯電話は2007年3月時点で2000万台を突破しました。総務省の答申によって、第3世代(3G)携帯電話にはGPS機能が標準搭載されることになっていますので、今後GPS機能が使える携帯電話の台数は急増すると見込まれています。

もっとも普及している携帯電話向けGPSサービスは、公共交通機関、車、徒歩などすべての移動手段について最適な経路を検索できるトータルナビゲーションサービス「NAVITIME」で、有料会員がおよそ50万人に達しています。自分がいる場所に近い施設や店舗の情報を検索できるのは、GPS機能が搭載された携帯電話の強みです。利用者の位置をピンポイントで認識して、タイムリーな情報を提供するサービスが普及していくでしょう。

現時点でGPSサービス利用率は、機能搭載機種を持っている人の10%以下にとどまっていますが、GPS機能が身近に感じられるようなサービスが2007年4月1日にスタートしました。緊急通報時に位置情報を自動的に通知するシステムで、警察庁や海上保安庁、消防庁が「携帯電話からの緊急通報」に対して、的確に現場へ急行できるようになりました。GPSの便利さが広く認識され、GPSビジネスが大きく拡大するきっかけになるかもしれません。

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 ◎初出:2007年9月10日
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2007/09/03

第46回・YouTubeがインビデオ広告を採用した狙い

いよいよYouTubeが本格的にビデオ広告の配信を開始しました。Googleは2006年10月にYouTubeを買収して以来、どのビデオ広告のフォーマットを採用するか模索を続けてきました。結局採用されたのは、ビデオ再生開始からおよそ15秒後に、画面の下部20%くらいのスペースに半透過の広告が表示され、視聴者が広告部分をクリックすると一時停止して広告映像が流れる「インビデオ広告」と呼ばれる形式です。クリックしなければ表示は10秒ほどで消え、ビデオ広告を見なくてもいいようになっています。

ビデオ広告のフォーマットとしては、ビデオ再生開始前に広告が先に流れる「プリロール広告」が多くのサイトで採用されています。プリロール広告は、視聴者全員に対してビデオ広告を放映できるメリットがある反面、広告の途中で視聴そのものをやめてしまう率が高く、多くのビデオコンテンツにプリロール広告を挿入すると、視聴者のサイト離れを招く可能性があるのが弱点です。

YouTubeの事前のテストマーケティングでも、プリロール広告は7割以上の人が途中で視聴を中断したという結果が出たため、ビデオ広告を見るかどうかを視聴者が選択できるインビデオ広告の採用を決めたようです。ちなみにテストでは、インビデオ広告は標準的なWebのディスプレイ広告の5倍から10倍のクリック率があり、ビデオ広告再生を選んだ人の75%が最後までビデオ広告を見たという結果が出ています。一種のオプトインですので、ビデオ広告を最後まで見た人のスポンサーに対する印象は悪くないと推測されます。

当初インビデオ広告は、コンテンツパートナーが提供するビデオのみに挿入され、パートナーには広告料収入の一部が還元されます。このあたりの仕組みは、サーチエンジンで採用されているアドセンスと似ています。YouTubeのインビデオ広告の効果をスポンサーがどう評価するか注目されます。なお、インビデオ広告が挿入されたビデオは、YouTube日本語版サイトからも視聴できますが、コンテンツパートナーに日本企業はまだ少ないため、日本語のビデオでは広告を見る機会は少ないかもしれません。

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 ◎初出:2007年9月3日
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2007/08/27

第45回・アメリカで導入進むメール送信者認証技術

スパムやフィッシング詐欺メールでは、送信者アドレスを偽装して、いかにも有名企業から送られてきたメールのように見せかけるのが常套手段です。そこで、企業は自衛手段として、電子メールの送信元のドメインを認証する技術を導入して、正当なメールサーバから送信されたことを受信者に確認してもらう動きが広がってきています。

メール送信者認証技術として、現時点で広く導入されているのは、MicrosoftのCaller ID for E-mailとSPFという2つの技術を組み合わせたSender IDです。Sender IDは、送信元のSMTPサーバのIPアドレスを送信元のドメインが承認しているかどうかを確認することで、メールを送信しているサーバを認証する仕組みです。送信側は、DNSに自社が使用するドメインのメールサーバ情報を登録しておくだけなので、メールサーバへの負荷も小さく実装しやすいというメリットがあります。

最近導入事例が増えてきているのが、電子署名技術を導入したDomainKeysというメール送信者認証技術です。DomainKeysは、Yahoo!とsendmail社が開発した認証技術で、送信元のSMTPサーバによって付加される電子署名で、ヘッダ情報や本文が改竄されていないことを認証する仕組みです。DomainKeysの特徴は、電子署名を使っているため、より確実性の高い認証ができることと、転送されても署名によって送信者が認証できることです。ただし、Sender IDと比較すると、サーバにかかる負荷が大きく、実装にもコストがかかるのが弱点でしょうか。

これらのメール送信者認証技術は、複数のものを組み合わせることもでき、たとえば、相手がSender IDにのみ対応している場合は、Sender IDによる認証を行い、両方に対応している場合は、両方で認証することが可能です。アメリカでの調査によると、Fortune 100の大企業では、2006年に約75%がSender IDを導入し、さらにその45%がDomainKeysを導入していることが判明しています。日本でも、今後メール送信者認証技術導入の動きが広がるでしょう。

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 ◎初出:2007年8月27日
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2007/08/20

第44回・Web2.0を支えるテクノロジー

Web2.0用に新たに開発されたテクノロジーというものは、特にありません。比較的前から実用化されていた規格や技術が、Web2.0的サービスを効率的に実現するテクノロジーとして脚光を浴びるようになっただけです。「What is Web2.0」の中でRich User Experiencesを実現する技術として取り上げられたAjaxは、Google Maps、Gmail、Google FinanceなどGoogleの新しいサービスに次々採用されて、一気に知名度が高まりました。Google Mapsで初めてAjaxを使ったWebアプリケーションを体験した、という人も多いのではないでしょうか。

Ajaxは、Asynchronous JavaScript+XMLの頭文字を組み合わせたもので、ベースになっているのはJavaScriptとXMLです。Ajaxという言葉も、1998年頃にはすでに存在していました。ただ、当時はWebアプリケーションを実装するためのハードウェア的な制限もあり、言葉としても定着しませんでした。最近になってAjaxを実装しやすい環境が整ったことで、Ajaxを採用するサイトが増えてきています。

Web2.0的サービスとして一番身近なのはブログでしょう。ブログに関連する技術としてRSSがあり、そのRSSを仕組みを使ってWebサイトやブログの更新情報を配信したり、ポッドキャスティングのような音声、映像ファイルを配信したりすることができます。このRSSも実は、Webページの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマットなのです。

Web2.0で中心的な技術といわれるAjaxもRSSも、ベースになっているのはXMLという点で共通しています。タグによってデータの項目名も設定できるため、電子商取引の文書フォーマットとしても広く普及しています。従来、ブラウザで閲覧するWebページは、テキストベースのHTMLが中心でしたが、タグでデータの意味を設定されたXMLベースに置き換わることで、提供できるサービスが大きく広がりました。XMLの活用度が高さが、Web2.0の特徴の一つといえるでしょう。

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 ◎初出:2007年8月20日
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2007/08/06

第43回・巧妙化するフィッシング詐欺

フィッシング詐欺の被害が依然として増えています。先日も、実在する日本の銀行名を騙った英文メールが大量に配信されるという事件がありました。フィッシング詐欺の典型的なパターンは、金融機関などを騙った偽のメールが届き、偽装されたサイトに誘導した上で、個人情報や暗証番号、クレジットカード番号などを盗み取るものです。

最近では、手口がますます巧妙化しているので注意が必要です。クロスサイト・スクリプティング(XSS)の脆弱性を悪用して、いったん本物のサイトが表示された後に、偽サイトにリダイレクトする、という手口も報告されています。また、偽サイトなのに、正式なSSL証明書を持っているサイトもあったり、従来の常識では安全と判断できるサイトであっても、安心はできなくなってきています。

フィッシング詐欺に勝手に名前を使われた企業は「被害者」です。しかし、被害者だからといって傍観しているわけにはいきません。脆弱性をつかれて本物のサイトが悪用されたりすると、セキュリティが甘い企業だという非難を免れません。サイトを運営する企業としては、フィッシング詐欺の最新手口に関する情報を常に収集して、自社サイトが悪用されない対策を講じることが求められるでしょう。

フィッシング詐欺メールは不特定多数へ無作為に送られますが、顧客がたまたまメールを受け取り、それがフィッシング詐欺であることに気づくと、「顧客リストが流出しているのではないか」と疑いを持つ人もでてきます。自社名を使ったフィッシング詐欺メールが送られているという事実を把握したら、すぐにサイトで顧客に注意を促すとともに、個人情報流出の事実はないことを発表するなどの対応をすべきでしょう。実際の被害が出ないうちに、顧客に対して地道な啓蒙活動を行うことも、顧客の利益を守るという意味で大切なことだと思います。

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 ◎初出:2007年8月6日
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2007/07/30

第42回・携帯電話向けサーチエンジンが生み出すビジネスチャンス

携帯電話向けのインターネット接続サービスは、メニューから簡単な操作でアクセスできる公式サイトと、URLを入力することでアクセスできる、いわゆる「勝手サイト」の2種類があります。NTTドコモのi-mode向けの勝手サイトは構築しやすいこともあり、i-modeが普及した当初からかなりの数の勝手サイトが存在していましたが、2003年頃にはすでに公式サイトよりも勝手サイトのほうがページビューが多くなり、現在では7対3の割合で勝手サイトのページビューの比率が大きくなっています。

2006年後半から、各キャリアが検索機能を強化する動きに出ています。KDDIが2006年7月からEZweb上でGoogleの検索エンジンを利用したサービスを開始したのに続き、NTTドコモも、gooなど9社と提携して2006年10月から検索サービスを強化しました。各キャリアが検索機能を強化するということは、「勝手サイトを検索できる機能が欲しい」というニーズに裏付けられているといえます。

フルブラウザの搭載など携帯電話の機能向上や、本格的な携帯電話向けのサーチエンジンサービスの開始によって、これからは一気に勝手サイトへのアクセスが増える可能性があります。その結果として、勝手サイトで商品を購入するモバイルコマースに大きなビジネスチャンスが生まれると予想されます。総務省が先日公表した調査結果によると、2006年のモバイルコマース市場は前年比38%増の5,624億円と急成長しています。

一方で、Googleをはじめ、パソコン向けにサーチエンジンを提供してきた企業がモバイル市場に力を入れる理由は、やはり広告市場の開拓です。電通が発表した2006年のモバイル広告市場規模は、前年比35%増の390億円となりました。2007年以降パケット定額制がさらに普及することが予想されますので、今後数年でモバイル広告の市場はさらに大きく拡大するのは確実でしょう。

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 ◎初出:2007年7月30日
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2007/07/23

第41回・「Web2.0的サービス」の特徴は時間消費型サービス

先日、視聴率調査会社のNielsen//NetRatingsが、これまでのページビュー中心の指標を見直し、サイトの「総滞在時間」を重視する指標に変更することを発表しました。2006年以降、mixiやYouTube、ウィキペディアなど、Web2.0的サービスを提供しているサイトへの訪問者数が急増していることがデータにはっきり現れています。しかも、訪問者数の伸び以上に、総利用時間の伸びの方が大きいのが特徴です。

Web2.0的サービスは、ユーザーがコンテンツを追加したり、会員同士でコミュニケーションしたりするため、ユーザー数が増えれば増えるほどサイトを利用する価値が高まり、それがサイトの滞在時間の延長につながります。ネットレイティングス株式会社・代表取締役社長の萩原雅之氏は、実際のデータに基づき、Web2.0的サービスの特徴を「時間消費型サービス」だと以前から指摘していました。

従来のアクセスログ分析では、サイトの評価は訪問者数とページビュー数で測定するのが基本でした。Web2.0的サービスの場合、従来のページビューという基準が通用しなくなっています。たとえば、Ajaxを導入しているサイトでは、ユーザーサイドでコンテンツを表示させても、サーバとのやりとりが発生しない分はアクセスログには残らないため、ページビュー数には加算されません。そこで、ページビューに代わる指標としては、サイトにログインしてから利用を中止するまでの「利用時間」が注目されるわけです。

Web2.0的サービスに消費する時間が伸びているとはいっても、ユーザーがインターネットに使える時間には限りがあります。特定のサイトを利用する時間が増えれば、その分、何か他の時間を削減するしかありません。そう考えると、今までユーザーが複数のサイトやサービスを組み合わせて行っていたことを、効率的に簡単な操作でこなせるようなサービスが求められるようになるでしょう。

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 ◎初出:2007年7月23日
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2007/07/17

第40回・不正アクセスからサーバを守るためのセキュリティ

Web2.0的なサービスなどインターネットで個人情報が頻繁にやりとりされるようになると、どうしても不正アクセスの危険性が高まります。サーバに個人情報やクレジットカード情報など、狙われやすい情報が蓄積されているためです。不正アクセスの多くは、サーバで使われているCGIなどのインターフェイス、アプリケーション、OSの脆弱性を利用して、サーバ内部に侵入して情報を盗み出すことが目的です。

不正アクセスを防止する対策としては、ネットワーク内部のパソコンやサーバがウイルスに感染しないようにすることと、ファイアウォールを設置することが基本になります。ファイアウォールの基本的な機能は、どのユーザーにどのアプリケーションを利用させるかを定義し、そのルールに従ってパケットをフィルタリングして、不正アクセスと思われる要求があれば通信を遮断することです。

ファイアウォールは、正規のIDとパスワードでアクセスしてきた人には無条件で通信を許可しますので、IDとパスワードを不正に入手されると効果がありません。そのような正規ユーザーを装った攻撃に対抗する手段が、「IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)」です。IDSには、OSが記録するログを監視するホスト型と、リアルタイムでネットワークトラフィックを監視するネットワーク型があります。IDSは検知を主目的にしたシステムですでの、ファイアウォールのように自動的に通信を遮断するような機能はありませんが、どのような経路で侵入したかがわかれば、ファイアウォールの設定を変更して遮断するなど対策が講じられます。

個人情報や企業の機密情報が漏洩する事件は増える一方です。漏洩の原因を調査してみると、高度なハッキング被害にあった例はむしろ少なく、人的なミスによってやすやすと侵入を許しているケースが多く見られます。守るべきガイドラインを策定して、社員に徹底させることがセキュリティ強化に一番有効といえるかもしれません。

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 ◎初出:2007年7月17日
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2007/07/09

第39回・ドロップシッピングは新しい販路になるか

オンラインショッピングの新しい販売形態として、ドロップシッピングという言葉がよく使われるようになりました。ドロップシッピングとは、(購入客に商品を)「直送する」という意味ですが、簡単に表現すれば、サイトで商品を販売して、注文が来ればメーカーや卸業者に依頼して、購入客に商品を直接送ってもらう仕組みのことです。

一見するとアフィリエイトと似ていますが、アフィリエイトとの決定的な違いは、ドロップシッピングの場合、あくまでも「売主」はショッピングサイト運営者で、購入客に対するサポートや代金回収の責任を負うことです。つまり、リスクが発生しないアフィリエイトに対して、ドロップシッピングは、在庫を持って販売している他のショッピングサイトと同じ責任を果たさなければなりません。その一方で、アフィリエイトの報酬が販売価格の3%から10%なのに対して、ドロップシッピングは販売価格は自由に設定できるので、販売に自信のある人は大きなマージンを得られるというメリットがあります。

通常、小ロットでは卸業者と継続的な取引は難しいのですが、これもロングテールの考え方と似ていて、取引先の小売店に1個の注文を発送するのも、取引先に依頼されて購入客に直接1個発送するのも手間は同じなので、売る側とすればドロップシッピングに対応することで注文数が増えれば大歓迎、という考え方です。購入客への発送までも代行してくれる、という点が、ショッピングサイトを少ない資金で開業したい、という人にとっては便利なサービスといえます。アフィリエイトのように、ドロップシッピングを利用して商品の販売を行う個人サイトが増えれば、企業にとって新しい販路になる可能性もあります。

ただし、ドロップシッピングでは扱える商材が限られるという弱点があります。価格比較サイトで販売の実勢価格がすぐに検索できるような「定番商品」では、利益を大きく乗せて販売することが困難ですので、そのような商品をドロップシッピングで取り扱うサイトは少ないと予想できます。かといって、卸売り価格を下げすぎると、以前から取引している小売店より極端に安く販売する個人サイトが急増してしまい、お得意さんとの関係が悪化する危険性もあります。自社で取り扱っている商材がドロップシッピングに適しているかどうかを慎重に検討する必要があるでしょう。

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 ◎初出:2007年7月9日
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2007/07/02

第38回・RSSを活用した情報配信

ショッピングサイトでは、利用者が頻繁にサイトを訪問する仕組みをいろいろ工夫します。日本では、インターネットが普及し始めた頃から、「まぐまぐ」などメールマガジンを無料を配信できる仕組みがありましたので、メールマガジンを購読する行為は広く定着した感があります。しかし、迷惑メールが蔓延したため、メールマガジンの精読率、開封率は下がる一方といわれています。

新着情報の配信手段として、メールマガジンの弱点を補完できると期待されているのがRSSです。RSSリーダーで、ブラウザの「お気に入り」のように登録すると、RSS起動のたびに新着情報を自動的に取得して表示してくれますので、利用者にとっては新着情報がアップされた時だけ、タイムリーに訪問できるという便利さがあります。

RSSのもう一つの大きなメリットは、メールアドレスなどの個人情報を一切登録しなくてもRSSリーダーにサイトを登録するだけで利用できるという点です。利用者はメールアドレスを登録しなくてもいいので、気軽にRSSを利用できます。サイト運営者も、メールアドレスという個人情報を管理する手間が省けます。パソコンに常駐させるタイプのRSSリーダーであれば、サイトが更新されるとほぼ同時に、RSSの更新情報がメールやインスタントメッセージのようにRSSリーダーに表示されますので、実質的にリアルタイム配信をしているような即時性もあります。

RSS配信を有効に活用している事例としては、JTBの「お届けくん」があります。お届けくんとは、JTBが独自に開発して無料配布している常駐型のRSSリーダーです。新着情報があった時だけ、小さな画面で情報を表示してくれます。このお届けくんの面白い点は、簡単にプレゼントに応募できることです。その際、一切個人情報を入力する必要がありません。当選者には、お届けくんを通じて、RSSで当選通知が配信されます。なぜ、このようなことが可能かといえば、お届けくんをインストールする際に、個別認識するIDが自動的に振られ、どのお届けくんから応募があったかを特定することができるからです。

今後、ショッピングサイトでも同様に独自のRSSリーダーを配布して、「個人情報を登録しなくてもいい会員」を囲い込むような事例が増えてくるのではないでしょうか。

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 ◎初出:2007年7月2日
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第37回・高度化するパーソナライズ

パーソナライズとは、利用者の属性や過去の購買履歴などに合わせて、表示されるWebページやコンテンツを変えることを指します。別の言葉でいえば、ワン・トゥ・ワンの対応をすることです。Webサイトでは、IDとパスワードでログインしてもらうことで個人が特定できますので、パーソナライズしたサービスを提供するのには適したメディアといえます。

オンラインショッピングでもかなり前から様々なパーソナライズが実用化されていますが、もっともオーソドックスな機能は、利用者の過去の購買履歴や登録したお気に入りのリストを閲覧できるマイページ機能でしょう。ショッピングサイトの場合、同じ商品を定期的に注文するというニーズもありますので、商品ページを毎回開かなくても、マイページの購買履歴から簡単な操作で注文ができるようにしておけば、リピート注文率を高められる効果があります。

ECサイトにおけるパーソナライズは、金融サービスであればオンラインで株式売買の注文を取り次ぐ証券会社や、飛行機の予約、マイレージの特典利用ができる航空会社などで早い時期から導入されていました。特に、航空会社各社がWebサイトで提供しているパーソナライズは、かなり完成度の高いものになっています。各種割引運賃を選択でき、予約時には座席まで指定できるようになっています。また、予約が完了した後、チケットの購入期限が近づくとリマインダーメールが届くようになっていて、うっかりチケット購入を忘れていた人には便利な機能です。

パーソナライズを行う対象はWebサイトに限りません。電子メールを使ったメールマガジンでも、利用者の関心や過去の購買履歴に基づいて、掲載されるコンテンツを変えることで、パーソラナイズは可能です。顧客データベースをしっかり構築できていれば、メールマガジンのパーソナライズは比較的簡単に実施できますが、メールマガジンを本格的にパーソナライズしている事例は案外少ないようです。パーソラナイズはWebサイトで行い、メールマガジンは、Webサイトに定期的に訪問してもらうきっかけになれば、それで目的を果たしている、と考える企業が多いからかもしれません。

最近では、RSSのパーソナライズが注目されています。事例としては、海外旅行専用雑誌のエイビーロードがありますが、今後はオンラインショッピングサイトでも応用できそうな手法です。

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 ◎初出:2007年6月25日
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第36回・ショッピング専用サーチエンジン

消費者が自分でショッピングサイトを探す方法も、以前とはかなり変わってきています。買いたい商品やその商品を売っているサイトの情報を探す方法としては、一般的なサーチエンジンを使って商品名や品番、機能、スペックで検索する方法がまず思い浮かびます。

インターネット活用に少し慣れた人であれば、目的に応じていくつかの情報源を使い分けるでしょう。たとえば、買う商品がすでに特定できている場合は複数のショッピングサイトの販売価格が比較できるサイト、具体的な商品名が決まっていない場合はショッピング専用のサーチエンジン、プレゼントなどできるだけ多くの商品を短時間で見たい場合は大型ショッピングモール、という具合です。

アメリカのBecome.comは、4000万以上のサイトで掲載されている数百万の商品を対象に、商品の詳細情報や消費者のレビューが検索できるショッピング専用のサーチエンジンです。シンプルなトップページですが、買いたい商品の文字を入力し始めると、「ダイナミックサジェスチョン機能」でキーワードの候補を提示してくれ、検索に適したカテゴリーがわかる仕組みになっています。

日本のオンラインショッピング専用のサーチエンジンとしては、Yahoo!商品検索があります。Yahoo!ショッピングに出店している店舗の商品情報はすべて検索対象になるほか、Yahoo!にカテゴリー登録されているショッピングサイトの情報は、申請があれば無料で検索対象に加えてもらえます。アラジンは、登録料を払ったショッピングサイトの商品情報を定期的に収集して検索できるようにしたユニークなサーチエンジンです。

これまでは、小規模ショップにとっては、巨大な商品データベースに加えてもらうことが、大型ショッピングモールに出店する大きなメリットでした。しかし、Become.comのような、アメリカで実績があるショッピングサーチエンジンが日本で本格的なサービス提供を開始すれば、この状況は大きく変化する可能性があります。独立したショップでも、ショッピングサーチエンジンの利用度が高まれば、それをサイトへの誘導手段として活用できるでしょう。

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 ◎初出:2007年6月18日
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第35回・インターネット広告市場の新しい動き

最近日本でも注目されているインターネット広告として、電話着信課金型広告というものがあります。これは、インターネットでスポンサーの電話番号を告知して、その番号に電話がかかってきた回数によって広告料が課金される仕組みの広告です。アメリカでは、2004年頃から、pay-per-phone-call(PPCall)という名称で徐々に浸透してきています。日本の商慣習としても、電話での問い合わせ、資料請求の数に応じて広告料が課金されるという「成果報酬」は、スポンサーに受け入れられやすいといえるでしょう。

この電話着信課金型広告を、ポッドキャスティングで配信する企業が登場しています。ポッドキャスティングでは、自動的に記憶媒体に保存されますので、興味を持った人は何度か再生して電話番号を確認できますので、電話着信課金型広告との相性はいいかもしれません。また、電話着信課金型広告をバナー広告で配信するアフィリエイトもあります。この場合、バナーに電話番号が記載されているのではなく、バナーをクリックすると専用のフリーダイヤル番号が表示されたページが開き、その番号にかかってきた回数に応じて広告を掲載したサイトに報酬が支払われる仕組みになっています。

インターネット広告市場でホットな話題の一つが、GPSや地図情報を使ったエリア限定広告です。地図については、Googleが提供するGoogle MapやGoogle Earthが話題になっていることもあり、エリア限定のマーケティングを行いたい企業にとって、絶好のツールになります。最近では、携帯電話のGPSやiエリアの位置確認機能を活用したSNSも登場しています。GPS機能で自分の居場所情報を取得し、自分の居場所情報を表示させたレーダー(地図)で友達を増やしていけるのが最大の特徴です。

このようなサービスが普及して、自分の位置情報を登録してくれる会員が増えれば、位置情報が登録されたタイミングで、そのエリアに関連する広告を画面に表示したり、携帯電話にメールで配信するしたりすることは十分可能でしょう。以前から実用化されているサービスの一つに、定期券で駅を出た瞬間に、その駅の周辺の店舗やイベント情報を携帯電話に配信するサービスがありますが、これは改札機が定期券を読み取ることで位置情報を取得できるからこそ実現できるものです。改札機に代わる機能を地図サービスが果たすことになれば、エリア限定のインターネット広告の幅が大きく広がるでしょう。

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 ◎初出:2007年6月11日
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第34回・進化する広告の効果測定基準

インターネット広告が多様化するにつれて、広告の効果測定手法も進化してきています。サーチエンジンのキーワードに連動したリスティング広告やアフィリエイトなど広い意味での成果報酬型広告が増えてきていますので、費用対効果を測定するには、どうしても広告別のコンバージョン率を測定したり、リピート訪問率を測定したり、従来にはあまり重要視されなかった指標について測定する必要が出てきています。

セッション管理ができていれば、リファラ(参照元)と最初に開いたページの情報をキーにして、広告別の効果測定が可能です。リスティング広告では、使用されるキーワードによって誘導するページ(ランディングページ)を変えることで、コンバージョン率に差が生じるかなど、広告を出しながらトライ・アンド・エラーで広告効果の向上を狙うことになります。現状のログ分析システムが、柔軟な効果測定に対応できているかどうかを見直してみる必要があります。

インターネット広告の効果を詳しく測定したいというニーズから、ログ分析ソフトにも広告測定機能が強化されつつあります。特に、Googleに代表されるリスティング広告を利用する企業が増えているため、リスティング広告を想定した効果測定機能が充実しているようです。

インターネット広告にも、リスティング広告やコンテンツ連動のテキスト広告のように、クリックしてもらうことでサイトへの誘導を最大の目的にしているものもあれば、ストリーム形式のビデオ広告のように、テレビCMのように、企業のブランドイメージを高めて、間接的に商品の販促につなげようとするものもあり、これらの多様な広告を一つの効果基準で単純比較することはできません。

アメリカの調査会社comScore Networks社が発表した調査結果によると、消費者がサーチエンジンの検索結果やリスティング広告で特定商品の情報に触れた後、オンライン購入ではなくオフラインで購入したことがある人は全体の63%にも達していることがわかりました。どの商品を買うかを決めるにあたって、インターネット広告が貢献していることは間違いないのですが、これらの人はWebサイトで注文しないため「コンバージョン率」には反映されません。こういった可視化できないインターネット広告の効果をどう評価するか、今後の課題といえるでしょう。

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 ◎初出:2007年6月4日
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第33回・インターネットCM

ブロードバンドの普及によりネットで音声や映像コンテンツが数多く流通するようになりました。一部は有料で配信されているものもありますが、多くのコンテンツは無料で視聴できます。当然、ビジネスとして考える場合、コンテンツを無料で配信する場合は、インターネット広告が有力な収入源として候補にあがります。

インターネットでは数多くのビデオ広告がすでに存在しています。テレビのCMがインターネットで配信されているような印象から、業界では「インターネットCM」と呼ばれますが、しかしながら、ファイルの形式や配信方法が多様な上に、これらの広告の名称も「動画広告」、「ビデオ広告」などまちまちで、スポンサーにややわかりにくくなっていることは否めません。そこで、インターネットCMに関する基準を統一するため、インターネット広告推進協議会は「インターネットCM」の定義を発表しました。

「インターネット、携帯電話を含む通信回線上のサービス(広告主が管理するWebサイトを除く)の広告スペースにおいて、広告主の広告やマーケティング活動を目的として掲載されるもの。広告表現として映像および音声を使用し、TVCMのように時間軸で展開される広告」

配信技術については問わないものの、その場で再生されるストリーミング方式と、ファイルをいったん記憶媒体に保存するダウンロード方式については、コンテンツ提供者によって許諾条件が違うためどちらに該当するかを明示する必要がある、としています。

インターネット広告推進協議会によると、インターネットCMの市場規模は、2005年の段階ではまだ5億円とわずかな金額ですが、2006年については、広告付き無料動画配信サービスなどが開始されたことから30億円程度に達すると予測しています。ビデオ広告の追い風となりそうなのが、2006年以降日本でも大ブレイクした、YouTubeなどのビデオ共有サイトの存在です。ネットレイティングスの視聴率データを見ても、日本の利用者は、アメリカの利用者に比べてリピート率も高く、一人あたりが視聴する時間もかなり多いというデータが出ています。

ビデオ広告関連の大きな動きとしては、Googleが開始したClick-to-Play形式のビデオ広告があります。Click-to-Playとは、クリックされると再生されるビデオ広告のことで、バナー広告やテキスト広告と同様、クリックあたりの課金ができるタイプの広告です。それ自体は珍しいものではないかもしれませんが、アドセンスが配信されているサイトにこの広告が配信できる点が最大の特徴です。

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 ◎初出:2007年5月28日
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第32回・アフィリエイト

アフィリエイトとは、「提携する」という意味ですが、インターネットでビジネスを行う企業と提携して、Webやブログにバナー広告やテキスト広告を設置して、その広告をクリックしてスポンサーのサイトで商品を購入したり、資料を請求したりすると、購入代金の3%から10%もしくは資料請求1件につき数百円から数千円が広告を設置したWebやブログの運営者に報酬として支払われます。アメリカで、amazonが独自のアフィリエイトである「アソシエイト・プログラム」によって大きく売り上げを伸ばしたことから、同様のシステムを採用する企業が増え、その企業との契約を仲介するビジネスが誕生しました。

アフィリエイトの報酬は、主に次の3つに分類されます。商品を購入した時に購入代金の3%から10%程度が報酬として支払われる成果報酬型、資料請求1件につき500円などとアクションに対する報酬が固定されている定額報酬型、広告をクリックした回数によるクリック課金型です。インターネット広告を利用する企業にとっては、他のインターネット広告とアフィリエイトを組み合わせることで効果的なプロモーションが実施できるメリットがあります。

アフィリエイトは、スポンサーと「提携」することで、その企業の広告を自分のWebやブログに掲載できるようになります。仲介サイトで会員登録した後、仲介サイトが契約している数多くのスポンサーから、好きなスポンサーを選んで契約します。アフィリエイトに参加する人は、条件や取扱い商品・サービスを比較検討してスポンサーを選んだ後は、アドセンスや他の広告配信ネットワークと同様、アフィリエイト仲介サイトから提供される数行の文字列をHTMLのソースに貼り付けるだけで、後は自動的に契約したスポンサーの広告が表示されるようになります。

アメリカでは新規顧客獲得コストを下げる手段としてアフィリエイトの効果は広く認めれていて、主要なオンライン販売サイトでは何らかのアフィリエイトを実施していると言っても過言ではありません。アメリカに比べると、日本ではアフィリエイトの普及が遅れているようにも感じられますが、ここにきて日本でもようやく市場が本格的に拡大しはじめたようです。矢野経済研究所が発表した国内アフィリエイト市場に関する調査結果によると、2005年の市場規模は前年度比77%増の314億3500万円になる見込みとのことです。今後はブログの増加による個人アフィリエイトの拡大、2次元バーコードを使った携帯電話アフィリエイト市場の拡大などで成長は加速し、同社では2008年度には1064億円になると予測しています。

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 ◎初出:2007年5月21日
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第31回・行動ターゲティングと文脈ターゲティング

コンテンツ連動型広告にスポットが当たりがちですが、アメリカでは、文脈ターゲティングと行動ターゲティングの比較がちょっとした論争を呼んでいます。文脈ターゲティングとは、コンテンツの文章に合わせた広告を配信するという意味で、コンテンツ連動型広告の手法ことを指します。一方、行動ターゲティングとは、その人が過去にどのようなWebを閲覧して、どのような広告をクリックしたかという行動履歴に基づいて、その人の好みや関心事を類推して、もっとも適した広告を選んで表示するという手法です。

果たして、行動ターゲティングと文脈ターゲティングではどちらが効果が高いのか、それを実証する実験がアメリカで繰り返されています。一例をあげると、タコダシステムズ社は、閲覧者の視線に注目して、どちらの広告の方が注目を集めるかを調査しました。それによると、行動ターゲティング広告は文脈ターゲティング広告より注目されやすかったという結果が出ました。文脈ターゲティング広告は、文章や記事との関連性が高く、広告としては目立ちにくいという要因があるのでしょう。逆に、行動ターゲティング広告は、関連のない文脈で自分の興味のある広告が表示されるので、サプライズ効果が生まれ視線に影響しているものと思われます。

個人の行動履歴が十分に蓄積されているなら、行動ターゲティングの方が効果が高そうな気もします。しかし、あまりにも自分のことが知られていると思われると、「個人情報が漏洩しているのではないか」と不安になる人も出てきます。どういうデータを使って、どういう手法でターゲティングを行っているのかを一般消費者向けに公開する必要があるでしょう。

インターネット広告以外で行動ターゲティングが実用化されている例とすれば、amazonがWebサイトで提供している「レコメンデーション」があげられます。過去に購入した商品、閲覧したページ、サイト内検索に使ったキーワードなどの行動履歴から、おすすめの商品をピックアップしてマイページに表示する技術です。amazonの場合、取扱い商品のジャンルも多岐に渡り、amazon内での行動履歴だけで利用者の好みを類推することがある程度可能ですが、行動ターゲティングをインターネット広告に応用するには、やはり行動履歴に関するデータをどのように収集するかが問題になるでしょう。

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 ◎初出:2007年5月14日
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第30回・コンテンツ連動型広告

コンテンツ連動型広告とは、広告が掲載されるページに記載されている文章を解析して、そのページのテーマともっとも関連性が高い広告を選んで自動的に配信するものです。ブログに代表されるCGMでは、ページごとに書かれているテーマや内容が大きく異なるため、サイト全体を表現するジャンルを決めるのが困難になってきています。そこで、サーチエンジンが、これまで培ってきた検索技術を駆使して、ページごとに掲載されているコンテンツと広告文面の関連性をはじき出して、配信される広告を最適化する仕組みを開発しました。

コンテンツ連動型広告を、Webやブログに配信する業者は数多く存在しますが、その中でもっとも有名なのは、Googleのアドセンスでしょう。Googleの発表によると、2005年の時点で、世界中の約80億ページ以上に広告を配信しているそうです。コンテンツ連動型広告は、配信される広告が最適化されますので、どのページにどのスポンサーの広告が表示されるかはわかりません。また、表示された広告でも、クリック単価が異なりますので、単純に1クリックいくらと計算されるわけではなく、広告料の計算は配信業者に一任する形になります。

洗練されたテキスト広告なので、ページの複数個所に掲載されていても、視覚的に邪魔になることはあまりありません。また、記事内容に関連する広告が表示されますので、記事と記事の間に表示しても、違和感もそれほどありません。ブログ主宰者にとってみれば、ページごとにテーマも異なりますので表示される広告も種類が増えるので、広告料収入を得られるチャンスも増えます。スポンサーにも、自社の商品やサービスと関連性の高いページに広告が掲載されるので、クリックしてくれた人のコンバージョン率も比較的高くなるという期待があります。

サーチエンジン最適化を手がけるアウンコンサルティングのレポートによると、日本のコンテンツ連動型広告の2005年の市場規模は前年比167%増の80億円で、今後急成長が続き、2010年には1060億円に拡大すると予測しています。同レポートでは、2010年のインターネット広告全体の規模は6201億円と予測されていますので、市場全体の17%に相当する規模です。今のところ、コンテンツ連動型広告といえばアドセンスが大きく先行している感がありますが、最近になって新しい配信ビジネスも次々誕生しています。

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 ◎初出:2007年5月7日
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第29回・RSS広告・ポッドキャスティング広告

RSS広告とは、RSSリーダーに配信される情報の中に広告を掲載するもので、RSS広告専業のPheedo社では、RSSによる投稿全体が広告の「スタンドアローンRSS広告」とRSSの記事の中に広告を埋め込む「インラインRSS広告」に分類しています。RSS広告は、当然のことながら、RSSリーダーを利用している人にのみ配信される広告です。日本でも、ブログの普及に伴い、RSSリーダーの利用者は増えていますが、まだまだ一般のインターネット利用者に浸透しているとはいえません。

ポッドキャスティング広告は、ポッドキャスティングで配信されたオーディオあるはビデオ広告を指します。ポッドキャスティングはRSSを使って配信されていますが、ポッドキャスティングに対応したRSSリーダーもしくはポッドキャスティング受信の専用ソフトを使う必要がありますので、仕組みはRSS広告と似ていても、リーチできる層は異なっていると思われます。

RSS広告およびポッドキャスティング広告は、アメリカでも市場規模が急拡大しています。PQ Media社の調査によると、2005年の市場規模は、RSS広告が65万ドル、ポッドキャスティング広告が310万ドルとわずかな額にとどまっていますが、2010年には、RSS広告は1億2960万ドル、ポッドキャスティング広告は3億2700万ドルに急拡大すると予測しています。ちなみに、2010年のポッドキャスティング広告の市場規模は、ブログ広告(同社の予測では3億40万ドル)を逆転する計算です。

RSS広告が急成長する起爆剤になると期待されているのが、Windowsの次期バージョンVistaに標準装備されるInternet Explorer7.0です。詳細なスペックは不明ですが、RSSリーダーの機能があらかじめ組み込まれるといわれていて、利用者が「RSSリーダーを使っている」と意識することなく、RSSによる情報配信を利用できるようになると予想されています。

RSSリーダーを現在使用している人を対象に行ったアンケート調査では、RSS広告について約6割の人が「邪魔にならない程度ならよい」と肯定的で、しかも「配信されるRSSの内容に関連するものであれば歓迎」と情報源としてのRSS広告に期待する人も少なくありませんでした。メールマガジンなどと違って、メールアドレスなどの個人情報を登録しなくても、定期的に最新情報を受信できるRSSについては、利用者のニーズにも合っていることから、新しいWebマーケティング手法として定着するでしょう。

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 ◎初出:2007年5月1日
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第28回・ブログ広告

インターネット広告全体におけるブログ広告の比率はまだわずかですが、今後急成長するメディアとして期待されています。では、日本でブログはいったいどのくらい存在するのでしょうか?総務省の調査では、2006年3月末時点での「ブログ登録者数」は868万件になっていて、2006年夏には1000万件を突破していると思われます。この数字は、主に無料のブログサービスを提供している業者53社の登録者数を合計したもので、かなりのダブりがあると見られています。

ブログに掲載される広告には、ブログサービスを無料で提供している代わりに自動的に表示される広告と、ブログ主宰者が掲載を許可して表示される広告に分かれます。主宰者がブログの表示スペースに広告を掲載する場合は、その収入は基本的に主宰者のものになります。クリックあたりいくらと決められている成果報酬型広告やアフィリエイトなど、どの広告配信会社と契約するかは、主宰者が決定します。

ブログ広告で最近、よく見かけるのが、Googleが配信しているアドセンス広告です。この広告は、Webにも配信されるテキスト広告ですが、配信先のWebやブログの内容を解析して、本文にもっとも関連性が高いと思われる広告を表示する「コンテンツ連動型」広告です。アドセンスは、記事内容に関連性の高いテキスト広告なので、記事の途中に配置しても不自然ではありませんので、1ページに複数掲載できるなど、コンテンツ連動広告ならではのメリットがあります。

ブログサービス会社でも、ブログ広告を活性化する努力を行っています。たとえば、アメーバブログにはamazonのアソシエイト・プログラムが組み込まれていて、アソシエイトIDを取得すると、ブログに簡単にリンクを設定できる機能がついています。ブログで書いた記事に関係のある書籍を紹介して、amazonへのリンクを張るだけで、アフィリエイト収入を得るチャンスが広がるわけです。

インターネット広告の範疇からは外れるかもしれませんが、ブログ主宰者に対して報酬を支払い、特定の企業の商品をブログで記事にしてもらう、というビジネスも誕生しています。これは、ブログでのクチコミの広がりを狙った企業からの依頼で、ブログ主宰者に記事執筆を手配するものです。一見するとプロモーションには見えないので、うまくいけばクチコミ効果が期待できますが、その手口が消費者に透けて見えてしまうと逆効果になる恐れもあり、ビジネスモデルとしては微妙なところです。

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 ◎初出:2007年4月23日
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第27回・リスティング広告

Googleなどのサーチエンジンでキーワード検索を行うと、キーワードに関連したテキスト広告が検索結果のページの「スポンサー」枠に表示されます。これが一般的にリスティング広告と呼ばれているものです。リスティング広告は、スポンサーが指定したキーワードが使われた時にのみに表示され、さらにクリックされた回数のみ課金される成果報酬型のインターネット広告です。

日本では、2002年2月からGoogleがアドワーズ広告をスタートして、リスティング広告が広く利用されるようになりました。いくつかのサイトがリスティング広告を提供していますが、現実としては、GoogleやBIGLOBEに表示されるGoogleのアドワーズ広告と、Yahoo!JAPANやMSNに表示されるOvertureのスポンサードサーチの2つで圧倒的なシェアを占めています。

Googleのアドワーズ広告、Overtureのスポンサードサーチとも、口座を開設した後は、ブラウザでログインして広告出稿手続きを行います。キーワードの指定、クリック単価の決定から、説明文の記載、広告料金の決済まで、すべての手続きがオンラインで完了します。この手続きの簡単さも、リスティング広告が多くのスポンサーに受け入れられた一つの要因でしょう。

Googleのアドワーズ広告の場合、キーワードによって1クリックあたりの広告料金に大きな差があります。当然、多くの企業が希望するキーワードは高くなるため、需要と供給のバランスでクリック単価が決まります。実際のクリック単価は、クリック率(CTR)×キーワード落札価格(CPC上限)をベースにキーワード単価、掲載順位などを加味して算出されますが、基本的には広告の掲載順位が高くなるほどクリック単価も高くなります。

リスティング広告は、従来のインターネット広告と異なり、キーワードを指定できたり、説明文を自由に差し替えたり、1日あたりのクリック数上限を設定したり、広告主側で細かい設定ができることが大きな特徴ですが、すべての広告主がうまく使いこなせているわけではありません。キーワードの選び方から、説明文の使い分け、広告から誘導されるランディングページの使い分けなど、広告の効果を上げるためにできることはまだまだあるように思われます。リスティング広告のノウハウと蓄積できている企業とそうでない企業では、効果に大きな差が出るようになるでしょう。

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 ◎初出:2007年4月16日
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第26回・主流になりつつある成果報酬型広告

ここ数年、インターネット広告の主流になりつつあるのが、サーチエンジンのキーワードと連動する広告です。使用されたキーワードによって、検索結果のページの右上部分に表示されるテキスト広告のことで、一般的にリスティング広告と呼ばれています。サーチエンジンのキーワードに連動して広告を表示する仕組みは1998年頃に登場していましたが、この仕組みをGoogleが改良して、2000年10月に本格的に開始したのがアドワーズ広告で、その後、Overtureのスポンサードサーチなどいくつかのリスティング広告が登場しています。

リスティング広告は、クリックされた回数のみ広告料が発生する、一種の成果報酬型広告です。キーワードによって1クリックあたりの料金には幅がありますが、アドワーズ広告の場合、最低クリックあたり7円から利用できるため、小規模のネットショップにも気軽に使えるインターネット広告として日本でも普及しています。リスティング広告が早くから普及していたアメリカでは、すでにインターネット広告市場全体の4割以上を占めるにいたっています。

Webに掲載されるインターネット広告といえば、以前はバナー広告が主流でしたが、最近ではテキスト広告の割合が増えてきています。一例として、掲載されるWebやブログのコンテンツに関連した広告を自動的に配信してくれる、Googleのアドセンス広告を掲載するサイトが増えてきています。アドセンス広告は、Googleにサイト登録をして審査に合格すると、専用のタグが割り当てられます。数行のタグを掲載したいページのHTMLに挿入するだけで、コンテンツに関連した広告が配信されるようになり、クリックされた回数によって広告料がサイト主宰者に支払われる仕組みです。

アフィリエイトとは、バナー広告をクリックしてスポンサーのサイトへ移動した後、資料請求や商品購入など何らかのアクションを起こした場合にのみ、広告を掲載したサイト主宰者に報酬が支払われるタイプの成果報酬型広告です。特定のスポンサーと契約をして広告を掲載しますので、自動的に不特定のスポンサーの広告が配信されるバナー広告やアドセンス広告と違い、スポンサーをサイト主宰者が選べるという点です。スポンサーの立場から見ると、アフィリエイトは、資料請求や商品購入など具体的な成果が得られた件数に対してのみ報酬を支払えばいいわけですから、費用対効果の明確な広告として歓迎される傾向にあります。

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 ◎初出:2007年4月9日
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第25回・拡大するインターネット広告市場

インターネット広告は、インターネットの商用利用開始とほぼ同時に誕生しました。1994年10月に「HotWired」のサイトに14社のロゴが掲載されたのが最初と言われています。形状が横長の旗のように見えたことから、「バナー広告」と呼ばれるようになりました。インターネット広告の誕生は、その後のインターネットの発展に大きく寄与しました。広告料を収入源にした様々なビジネスモデルが登場しました。その後、インターネット広告の収入を当面の収益源として、軌道に乗った段階でサービスの有料化や収益源の多様化を目指すWebビジネスが数多く誕生していて、一部企業は株式上場を果たすなど、大きな成果をあげています。

バナー広告が登場した当初は、特定のサイトの一部を「期間契約」で提供する形がほとんどでした。つまり、雑誌などと同様にスペースを貸す、という考え方です。その後、スポンサーのニーズに沿う形で、インプレッション(露出)やクリック回数によって料金を設定する体系に変化していきました。その代表例が、クリック保証型と呼ばれるバナー広告です。クリック保証型バナー広告は、企業の運営するサイトや個人のサイトなどをネットワークして、大量の広告に同時にバナー広告を配信する形のビジネスモデルが定着しました。

ブロードバンド普及がきっかけで、日本のインターネット広告市場も大きく成長しました。電通が発表した調査結果によれば、2005年の日本のインターネット総広告費は前年比54.8%増の2808億円に達したとのことです。インターネット利用者の増加やブロードバンド回線の利用率の上昇などにより、豊かな表現を可能にする大容量のバナー商品や大型スペースなどの販売が好調だったことなどが大幅増につながりました。

一方、アメリカではさらに大きな市場が確立されています。インターネット広告業界団体のInteractive Advertising Bureau(IAB)が発表した、2005年のアメリカのインターネット広告市場は前年比で30%増の125億ドルと過去最高を記録しました。為替レートを110円で換算すると1兆3750億円になり、日本のおよそ5倍の市場規模となります。インターネット広告の定義が若干異なりますので、単純比較はできませんが、それでも日本のインターネット広告市場はまだまだ成長余地が高いことがわかります。

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 ◎初出:2007年4月2日
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第24回・アクセスログ分析

Webマーケティング活動は、ターゲットと想定している人をサイトに誘導して、資料請求や商品購入などの具体的なアクションをとってもらうことですが、効果的な手を打つためには、サイトの現状を正しく把握して効果測定を行うことが重要です。効果測定の基本は、Webサーバに残されるアクセスログの分析です。

アクセスログは、Webサーバへのリクエストを記録したものですが、ログを分析することで、どのページに最初にアクセスして、どのページで去っていったかがわかるセッション管理や、どのサーチエンジンでどんなキーワードを検索してアクセスしてきたかがわかるリファラなど、サイトの現状を知る上で重要なデータを得ることができます。特に、どんなキーワードが使われたかについては、サーチエンジン最適化やリスティング広告の効果測定に欠かせないデータといえます。

最近では、アクセスログ分析用のデータを外部で蓄積して、いろいろ設定を変えて自由に分析できるサービスをASP形式で提供する業者が増えています。外部にアクセスログを保存するために、HTMLに数行のソースを書き加える必要がありますが、ログ分析ソフトを使うことなく、ブラウザからリアルタイムの分析結果を閲覧できるというメリットがあります。時系列に並び替えたグラフや、一週間前の同じ曜日と比較したグラフなど、バリエーションに富んだグラフ化機能も魅力です。分析結果はCSV形式でダウンロードでき、手元でエクセル等で発表資料に加工することもできます。

2005年10月より、Googleがアクセスログ分析サービス・Google Analyticsを無料で提供をスタートして、大きな話題を呼びました。このサービスは、もともとアメリカのUrchin Software社が有料で提供していたサービスですが、Googleが同社を2005年3月に買収して、ほぼ同じサービスを無料化したものです。Googleにアカウントを開設すると日本からでも利用できます。

Google Analyticsは、英語によるサービスですが、サイト分析のレポート出力機能が充実していて、有料のアクセスログ分析サービスに引けを取りません。Googleは、サーチエンジンのキーワードに連動するリスティング広告・アドワーズ広告を提供していて、その効果測定に利用してもらうことを想定しているようです。

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 ◎初出:2007年3月26日
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第23回・CMSツール

サイトの役割が広範囲に及ぶようになり、Webコンテンツは増える一方です。新しい情報に更新したり、古いデータをアーカイブ化したり、コンテンツの管理に手間がかかるようになります。そこで、Webコンテンツの更新・管理を省力化するために、CMSを導入する企業が増えています。CMSが注目されている背景には、やはりブログなどCGMの影響があると思われます。ブログは、新しい投稿を書き込みと、自動的に古い情報からアーカイブ化されるなど、CMS的な機能も備えています。個人がブログの機能を使って毎日のようにサイトを簡単に更新できるようになり、企業としても同様の仕組みを自社サイトに取り入れられないかと意識するようになってきています。

CMSの基本的な機能は、Webページ制作に必要な画像など素材とレイアウトを指定したテンプレートを保存しておき、文字情報を入力するだけで同じクオリティのページを簡単に作れることです。本来なら、HTMLやCSSに関する知識がないとWebページの制作はできませんが、CMSを使うことで、ワープロ感覚でWebページの新規制作、更新が行えます。また、指定した時間にサーバにファイルをアップしてくれる機能がついているものもあります。

本格的なCMSを導入するとなると、かなりのライセンス料が必要になりますが、Webコンテンツ管理に特化したツールの中には、フリーウェアでありながら企業のサイトでも十分に使える便利なものも数多くあります。その多くはアメリカで開発されたものですが、一部のツールはオープンソースでボランティアによって日本語化されて、インターネットで配布されています。

CMSツールを使ってサイトを制作すると、サーチエンジン最適化の効果がある、とも言われることがあります。CMSを導入すると更新が楽になるので、頻繁に新しいページがアップされるようになります。更新頻度が高くなることも、サーチエンジンにはプラスと評価されます。CMSツールの中には、会員制のコミュニティサイトを構築できたり、アンケートページを自動作成できたり、様々な機能がついているものもあります。これらの機能を活用して、顧客との接触頻度を高めることができれば、マーケティングの成果も上がります。CMSツールは、もはやWebマーケティングを総合的に支援してくれるツールと考えてもいいかもしれません。

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 ◎初出:2007年3月19日
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第22回・ロングテール

ロングテールとは、直訳すると「長い尻尾」という意味です。インターネットで販売される商品と販売数量の多い順に並べると、よく売れている少数の商品に続き、あまり売れていない商品が長く横に続いているグラフになりますが、このあまりうれていない部分を動物の尻尾にたとえて表現したものです。アメリカの雑誌編集長が2004年10月に、自身の署名記事の中で、インターネットで販売される商品やサービスなどは、このロングテール部分の売り上げを積み上げると、全体では無視できない割合になる、という法則を発表して、「ロングテール」は一躍有名な言葉となりました。

「20:80の法則」では、頭(ヘッド)にあたる上位の顧客や商品に経営資源を集中することで、収益率を上げられることを説くものでした。つまり、ロングテールの部分には、あまりコストをかけるべきではない、という意味です。ロングテール理論は、ロングテール部分をきっちり取り込めれば、ビジネスとして成り立つ可能性がある、とロングテール部分を切り捨てることに否定的です。

新しい技術を使えば、大量品種を扱うためのデータベース構築も以前より低コストでできますし、あまり人気のない商品でもサーチエンジン経由で直接商品紹介ページに来る人は少数ながらいますので、人気のない商品全体ではかなりの集客数になります。アマゾンのように、大量のアイテムを常時在庫を持って販売するだけの体力のある企業であれば、たしかにロングテールの恩恵は受けられそうです。

なお、ロングテール理論は、ネット販売だけでなく、サイトへの集客にもあてはまるといわれています。Webサイトのコンテンツが充実すると、古いコンテンツはアーカイブ化されて、トップページから入ってきた人やリピート訪問者には、あまり閲覧されなくなります。しかし、ページとして残っている以上、サーチエンジンの検索対象になり、あまり使われないキーワードで検索した場合、古いコンテンツがヒットして、そのページに直接アクセスする人が少数ながらいます。アーカイブ化された古いコンテンツのページ数が増えていくにつれて、これらのページがきっかけでアクセスする人の量も徐々に増えていき、その割合も思ったより高くなる可能性があります。

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 ◎初出:2007年3月12日
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第21回・クチコミマーケティング

ブログが普及するにつれて、Webマーケティング業界でも「クチコミマーケティング」という言葉がよく聞かれるようになってきています。ブログに書かれている文章もおしゃべりに近いですし、トラックバックで即座に広がる様子は、まさにクチコミを連想させる現象です。もちろん、クチコミマーケティングは、インターネット上だけのことではありませんし、ブログなどのCGMだけがクチコミの発生源となるわけではありません。アメリカのクチコミマーケティング業界団体では、クチコミマーケティングを以下の11の種類に細分化しています。

バズマーケティング(Buzz Marketing)
バイラル・マーケティング(Viral Marketing)
コミュニティ・マーケティング(Community Marketing)
草の根マーケティング(Grassroots Marketing)
エバンジェリスト・マーケティング(Evangelist Marketing)
種まきマーケティング (Product Seeding)
インフルエンサー・マーケティング(Influencer Marketing)
社会運動マーケティング(Cause Marketing)
話題創造マーケティング(Conversation Creation)
ブランド・ブログ・マーケティング(Brand Blogging)
紹介プログラム(Referral Programs)

インターネットにおけるクチコミマーケティングで、よく成功例としてあげられるのが、フリーメールアドレスの普及です。フリーメールサービスは、自分の好きな文字列のメールアドレスが無料で作れます、というサービスで人気を得ました。思い通りのメールアドレスを手に入れた人は、友人に「新しいメールアドレスができたよ」とメールしたくなります。フッタ部分にサービス業者のURLが自動的に挿入されますので、メールを受け取った人は、そのサービスのことを知るという仕組みです。
インターネットの場合、クチコミがどのように伝達したかをトレースする技術も確立されつつあります。ブログでは、トラックバックという仕組みがありますので、トラックバックをたどることでクチコミの伝達経路がわかります。

アメリカのマーケティング会社の調査によると、インターネットユーザの約9割が電子メールで友人などにコンテンツを転送して共有していることがわかりました。興味深いのは、広告とわかるコンテンツなら転送しないという人は少数派だったことです。インターネットのクチコミで広がる要素は、やはり、面白い、楽しいということが最優先でしょうか。

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 ◎初出:2007年3月5日
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第20回・CGM分析

最近、インターネットで急に人気の火がついてブームになる現象が増えています。ちょっとしたことがブログや掲示板で話題になると、その話があっという間にネットで伝染します。これがブログに代表されるCGMの威力でもあり、怖いところでもあるといえるでしょうか。ブログに書き込まれる文章は、おしゃべりに近くまさに生の声といえます。一方で、ハンドルネームであってもブログを主宰している責任がありますので、その文章の中には、書いた人の意見や主張が含まれています。ブログに書き込まれた膨大な文章を分析することができれば、消費者のニーズや特定の商品やサービスに対する評判などを知ることができるのではないか、それを行うのがCGM分析です。

CGM分析を独自にやろうとすると、データ収集の段階から膨大な手間がかかってしまいますが、ブログの書き込みを解析してくれるサイトがいくつか登場しています。一種のサーチエンジンのような機能ですが、解析結果をグラフ化してくれたり、複数のキーワードの比較ができたり、使い方によっては非常に価値のあるマーケティングデータを収集することができます。

登場頻度のランキングであれば、ブログ検索の無料サービスを提供しているサイトはいくつもあります。たとえば、kizasiは、ブログに書き込まれた言葉から変化の「兆し」を発見できる、とても役に立つサイトです。「ここ数日、日本の株価が乱高下しています」とニュースを見たとしましょう。その原因を調べるには、株式専門新聞の記事を検索するのも一つの手ですが、それよりもkizasiに「株式市場」というキーワードを入力するだけで、簡単に株式市場で何が起きているのかを知ることができます。

実際に検索してみると、関連語として、「ゼロ金利解除」、「ニューヨーク株式市場」、「地政学的リスク」、「インド」、「北朝鮮」などが上位に表示されました。それぞれの関連語をクリックすると、実際にブログの中でどのように書かれているのかを表示できます。この期間、日本ではゼロ金利解除、ニューヨーク市場ではアメリカの景気減速懸念から株価続落、インドではテロ事件発生、北朝鮮のミサイル問題で地政学的リスク上昇、と様々な材料が日本の株価に影響していたことが瞬時にわかりました。ブログで頻繁に書かれている言葉を見れば、何がホットな話題なのかがよくわかります。

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 ◎初出:2007年2月26日
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第19回・サーチエンジンマーケティング

サーチエンジン経由でサイトに誘導できた人は、商品の購入や資料請求など具体的なアクションにつながる率が比較的高いといわれています。サーチエンジンでは、利用者が目的を持ってキーワードを入力しますので、キーワードに関連する商品やサービスに強い関心を持っている確率が高いためです。

サーチエンジンから自社サイトへの誘導手段は、検索結果の上位表示されることだけではありません。最近では、キーワードと連動して、指定したキーワードで検索された時だけに広告を表示してくれる、キーワード連動広告がよく使われるようになっています。キーワード連動広告は、検索結果のスポンサーサイト枠にテキストで表示されるため、リスティング広告とも呼ばれます。サーチエンジン最適化とリスティング広告を組み合わせた「サーチエンジンマーケティング」を考えることが重要です。

リスティング広告は、特定のキーワードで検索された時のみに表示されますが、表示されるだけでは料金はかかりません。利用者が広告をクリックした回数分だけ、広告料金が発生します。また、クリック回数の上限や期間をこまめに指定できますので、少ない予算でも広告を出すことができるのも特徴の一つです。1クリックの料金は、指定するキーワードによって大きく異なりますが、一般的なキーワードの場合、1クリック10円~100円程度と非常にコストパフォーマンスの優れた広告といえます。

サーチエンジン最適化にしても、リスティング広告にしても、どのキーワードを選定するかが鍵となります。専門的な言葉は、見た目はカッコいいかもしれませんが、実際にその言葉で検索する人が少なければ、サイトに誘導できる人数も増えません。自社商品に興味がある人が検索に使いそうなキーワードを連想してピックアップしてみると、案外盲点になっているキーワードが見つかるかもしれません。

アクセスログの中のリファラ(参照サイト)情報を分析すれば、どのサーチエンジンで、どのキーワードを使って検索したページから訪問したか、かなり正確に補足することができます。よって、サーチエンジンマーケティングについては、効果測定を数値として算出しやすいといえるでしょう。サーチエンジン最適化を実施して、優先度の高いキーワードは検索結果の1ページ目に表示されるようにして、優先度が低く順位も低いキーワードについてはリスティング広告でカバーする、という方法は合理的と思われます。

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 ◎初出:2007年2月19日
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第18回・サーチエンジンの順位が決まる要素

サーチエンジンでは、検索結果の順位をどのように決めているのでしょうか。サーチエンジン運営会社によると、評価項目は100以上にのぼり、そのウエイト配分や計算式などは、不定期に見直されて改善されているそうです。詳しいアルゴリズムは非公開なのでわかりませんが、サイトの実力を測る要素として、リンクポピュラリティとテキストマッチの2つがメインになっていることは間違いありません。

リンクポピュラリティとは、簡単にいえば、外部サイトからのリンクの数と質を表します。外部サイトからリンクを張ってくれるということは、そのサイトの運営者から見て、リンクを張るに値するサイトと評価されていることになります。つまり、外部サイトからのリンクが多く張られているサイトは、客観的に評価されているサイトとみなすことができます。

テキストマッチとは、HTMLのソースの中で、キーワードがいかに使われているかを表すものです。使用頻度の高い単語は、基本的にはキーワードとしてのウエイトが大きくなります。ただし、回数だけが多くでも必ずしもポイントが高くなるわけではありません。他の言葉との関連や使われている位置によって重要度に差があります。

外部サイトからのリンクを増やすには時間がかかりますので、リンクポピュラリティを短期的に上げることは困難です。それに対して、テキストマッチのほうは、HTMLのソースを書き換えるだけで順位を上げる効果がすぐに出ることもあります。一般的な、サーチエンジン最適化の手法は、まずはテキストマッチの問題点を解析して、それを改善することが第一歩といえるでしょう。

アクセスログには、どのサーチエンジンでどんなキーワードを使って検索して訪問したかという記録が残ります。これをリファラといいますが、サーチエンジンの中ではYahoo!とGoogleが圧倒的に強いのが一般的です。よって、サーチエンジン最適化を考える場合、Yahoo!とGoogleの違いについて知っておくことが重要です。Yahoo!とGoogleは、リンクポピュラリティとテキストマッチを総合的に判断して順位を決定しているという基本的な仕組みは同じですが、どの項目をより重視するかに違いがあり、結果としてもYahoo!の順位とGoogleの順位では大きく異なる場合もあります。

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 ◎初出:2007年2月13日
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第17回・サーチエンジン最適化

これだけWebサイトの数が増えれば、たとえ魅力的なコンテンツを用意できたとしても、Webサイトを立ち上げただけではサイトの存在をなかなか知ってもらうことはできません。そこで、企業はこぞってサーチエンジン経由の訪問者を増やすことを考えます。Yahoo!やGoogleに代表されるサーチエンジンの利用率は高く、一般的なサイトのアクセスログを分析すると、新規訪問者の7割から8割がサーチエンジン経由でアクセスしていると言われています。サーチエンジンからの訪問者をいかにして増やすか、Webサイトの管理を行うWebマスターにとっては、大きな課題となっています。

有力サーチエンジンのほとんどはロボット型と呼ばれ、サーチエンジンが定期的にインターネット上に存在するWebサイトを巡回して情報を収集してくれます。よって、サーチエンジンに収録されるだけなら、特に手続きも費用も発生しません。しかし、問題はキーワードを入力した時に表示される検索結果の順位です。サーチエンジンによって、1ページに表示されるサイト数は異なりますが、アンケート調査によると、サーチエンジン利用者が検索結果を見るのは平均すると3ページ前後という結果が出ています。つまり、順位が低くて4ページ以降に表示されたのでは、大半の利用者の目に触れない、つまりサイトを訪問してもらえないことになります。

サーチエンジンの検索機能は、簡単にいうと「全文検索」で指定したキーワードと完全に一致した文字列が含まれているサイトを抽出します。しかし、キーワードの使用頻度や、ページのタイトルや説明文など、いくつもの基準を総合的に判断して、利用者が入力したキーワードと関連が強いと判断される順番で表示される仕組みになっています。

サーチエンジン最適化と聞くと、なにか特殊なテクニックを駆使して順位を上げるようなイメージを持っている人がいるかもしれません。たしかに、検索順位5位のサイトを3位に上げるには、特別な手が必要な場合もあります。しかしながら、50位のサイトを20位以内に持ってくることは、キーワードにもよりますが、それほど難しいことではありません。ページの内容を簡潔に表したタイトルを付ける、テキスト文の中に絞り込んだキーワードを上手に複数回盛り込むなど、比較的簡単なことでも順位を上げることに効果があります。

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 ◎初出:2007年2月5日
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第16回・ビデオ共有サイト

インターネットでは動画ファイルを投稿し、それを誰でも自由に閲覧できるビデオ共有サイトが流行しています。その火付け役となったのが、2005年12月に開設された「YouTube」というサイトです。これらのビデオ共有サイトは、プロ・アマ問わず、自作のビデオレターから本格的な映像作品、アーチストのプロモーションビデオまで、あらゆる種類の映像コンテンツが閲覧できるのが魅力です。クリエーターを支援する目的もあり、投稿者にコメントが残せてコミュニケーションできるSNS的な機能もあり、アメリカではこの種のサイトはSNSに分類されています。

YouTubeの特徴の一つは、短いビデオであれば会員登録の手続きも必要なく、リンクをクリックするだけでブラウザ上でビデオが再生される簡単さでしょうか。そのため、YouTubeのリンクが掲示板やブログ、SNSの日記などに記載する人が増え、それがきっかけでYouTubeを訪問して、その豊富なコンテンツが自由に閲覧できるのを知りハマってしまう、という人が急増しました。

この種のビデオ共有サイトで、しばしば話題になるのが著作権の問題です。YouTubeでも、投稿されたビデオは掲載される前にスタッフが一応チェックしているようですが、その著作権まで確認することは事実上不可能です。テレビの映像をそのまま使用しているものも少なくありません。日本のテレビ局が、映像を無断使用したビデオがアップされているとして、その削除をYouTubeに求めるという騒動も発生しています。

ビデオ共有サイトは、話題性が先行していますが、ビジネスモデル確立には大きな課題も残しています。YouTubeのようなビデオ共有サイトは、すでに150以上存在すると言われていますが、やはり多くのサイトがインターネット広告に収入を頼っています。そんな中で、独自のビジネスモデルを掲げるビデオ共有サイトも登場しています。「Eefoof.com」は、投稿されたビデオが閲覧された回数を測定し、全体のページビュー数に対する割合の高い投稿者に対して、得られた広告料の一部を分配すると発表しました。投稿者にインセンティブを提供することで、クオリティの高いビデオを多く集めようという狙いです。

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 ◎初出:2007年1月29日
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第15回・ネットラジオ

ブロードバンドの普及により、容量の大きな音声コンテンツや映像コンテンツをインターネットで楽しむ人が増えました。個人でも簡単に放送局が開局できることで人気があるのがインターネットのラジオ放送・ネットラジオです。ネットラジオは、大きく分類すると、録音した音声ファイルをサーバにアップし、利用者が好きな時にダウンロードして聴取する「ダウンロード型」と、あらかじめ決めておいた時間のみに生放送を配信する「ライブストリーミング型」の2つに分けられます。

簡単なラジオ番組であれば、無料のネットラジオサービスに会員登録すれば、すぐに放送を開始することができます。通常、音声データはWebサーバと同様、HTTPプロトコルで送信されますので、番組を聴いている、つまりサーバにアクセスしている人が正確に何人いるかがリアルタイムで表示されます。聴取者からはチャットを使って、放送中にメッセージが届きますので、まさにちょっとしたDJ気分でラジオ番組を持つことができます。

ネットラジオを聴いたことがきっかけでブログやコミュニティにアクセスするようになる人も少なくなく、自分のコミュニティへの集客手段としても効果があります。ネットラジオの魅力は、なんといっても簡単に開局できることです。フリーの音源でBGMや効果音を流したりするには多少、設備も必要ですが、「おしゃべり」だけならマイク1本だけで十分です。

企業が有料で放送するラジオ番組もありますが、エンターテインメント関係では、なかなか聴取者から小額の料金を徴収するのは大変でしょう。e-ラーニングの一環として、ネットラジオの機能を使ったオンライン講習などは、今後も徐々に広がっていくことが予想されます。

ビジネスモデルを考えた場合、他の無料サービスと同様、インターネット広告による収入が考えられますが、ボッドキャスティングなどのダウンロード型配信では、音声データが記憶媒体に保存されるので、繰り返し聴取してもらえる可能性があります。ファイルがサーバにアップされている間は、ダウンロード数が増えていくため、広告が到達する人間の数も多くなります。

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 ◎初出:2007年1月22日
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第14回・ユーザーレビューサイト

選択肢の多い商品を販売するビジネスでは、利用者のレビューを積極的に掲載することで、商品選択の参考にしてもらうサイトも以前からありました。たとえば、書籍や音楽CDを販売するサイトや、ホテルの予約を仲介するサイトなどです。実際に書籍を購入して読んだ人、ホテルに宿泊した人の感想や意見を投稿してもらい、掲載した場合には投稿者に謝礼を支払うような仕組みです。

最近では、商売を行っているサイトとは独立して、利用者のレビュー投稿に特化したサイトが数多く登場しています。これらのサイトは、利用者のレビューを自由に投稿・閲覧できることから、ユーザーレビューサイト、もしくはクチコミサイトと呼ばれています。

日本のユーザーレビューサイトとして、すでに大きな影響力を持つサイトとしては、化粧品関連に特化したアットコスメが有名でしょう。70万人の会員が登録されていて、11万種類の商品について、385万件のレビューが蓄積されています。多くの利用者がここに掲載されているレビューをもとに商品を比較して、最終的に購入する商品を決めています。また、カカクコムは、インターネットにおける商品の販売価格を収録したデータベースから、一番安く販売されているサイトを見つけることができる「価格比較サイト」ですが、ユーザーレビューにも力を入れています。消費者が「どの商品をどこで買うか」を決める際には、価格もレビューも両方重要な情報と考えられますので、消費者の立場にたつと、非常に実用的なサービスといえるでしょう。

ユーザーレビューサイトも、現在のところインターネット広告やアフィリエイトによる収入が中心ですが、特定ジャンルの商品に関するクチコミ情報を活用できるため、徐々に新しい収益源も確保できつつあります。たとえば、クチコミ情報のデータを時系列で解析することで、消費者に人気のある商品の機能や特徴などが見えてきます。この分析結果は、商品開発に力を入れるメーカーにとっては、貴重なデータとなるでしょう。また、インターネット広告についても、どの商品のクチコミ情報を閲覧したかという行動履歴に基づいた広告配信ができるようになりますので、付加価値の高い広告商品になります。

大手のユーザーレビューサイトの課題は、今後も中立性を保てるかどうかでしょう。影響力が大きくなるにつれて、メーカーからの広告も増えますので、広告がレビューを投稿する人の心理に影響を与えないような配慮が必要になると思われます。

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 ◎初出:2007年1月15日
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第13回・ソーシャルブックマーク

ソーシャルブックマークとは、簡単に説明すると、お気に入りのサイトのURLを登録しておく「ブックマーク」をインターネットで他の人と共有できるサービスのことです。人それぞれ、インターネットで情報を効率よく収集するための情報源を持っています。この情報をブックマークという形で参照できるようにすれば、お互いにメリットがあるはずです。そのような考えから、ソーシャルブックマークを利用する人が増えてきています。

ソーシャルブックマークの基本的な使い方としては、キーワードで検索をすると、登録されているサイトの人気順、新着順などの条件で結果が表示されます。人気順とは、そのサイトを何人がブックマークに登録しているかを示します。ブックマークをしている人が多いサイトは、それだけそのサイトを評価している人が多いと判断されますので、それを見て自分のブックマークに登録する人が増えます。よって、人気サイトはさらに登録者数が増える傾向にあります。

アメリカで人気を集めている「del.icio.us」というソーシャルブックマークでは、利用者にできるだけみんながブックマークをつけそうなサイトを登録してもらうように促すランキング制度があります。自分が登録したサイトを、他の人が自分のブックマークに追加したり、設定したキーワードを他の人が使ったりすると、自動的に評価が高まるという仕組みで、コラボレーティブランクと呼ばれています。

ランキングが上位になっても、なにか賞品がもらえるわけではありませんが、上位者のブックマークは、キーワード検索の際にも優先表示されるようになり、「その分野のサイトを選ぶ達人」として利用者の間で広く知られるようになります。その名誉が一種のインセンティブになっているわけです。

ソーシャルブックマークとしての役割に加え、達人のサイト選びの基準が検索結果に反映されるため、人間が順位を決めるサーチエンジンとしても注目されています。コラボレーティブランクは、他のビジネスモデルにも今後応用されることが期待できるでしょう。

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 ◎初出:2007年1月9日
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