27-2007年連載

2007/12/28

2007年 連載<目次>

■「Web2.0時代のWebマーケティング」(2006年10月10日連載開始)

第1回・Web2.0とは何か
第2回・Web2.0の主たる構成要素
第3回・Web2.0的企業の共通点
第4回・個人が情報発信の主役に
第5回・ブログ
第6回・トラックバックとRSS
第7回・RSSリーダ
第8回・ブログを自社サイトで運用する方法
第9回・ポッドキャスティング
第10回・SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
第11回・知識共有サイト(Q&Aサイト)
第12回・Wiki(ウィキ)
第13回・ソーシャルブックマーク
第14回・ユーザーレビューサイト
第15回・ネットラジオ
第16回・ビデオ共有サイト
第17回・サーチエンジン最適化
第18回・サーチエンジンの順位が決まる要素
第19回・サーチエンジンマーケティング
第20回・CGM分析
第21回・クチコミマーケティング
第22回・ロングテール
第23回・CMSツール
第24回・アクセスログ分析
第25回・拡大するインターネット広告市場
第26回・主流になりつつある成果報酬型広告
第27回・リスティング広告
第28回・ブログ広告
第29回・RSS広告・ポッドキャスティング広告
第30回・コンテンツ連動型広告
第31回・行動ターゲティングと文脈ターゲティング
第32回・アフィリエイト
第33回・インターネットCM
第34回・進化する広告の効果測定基準
第35回・インターネット広告市場の新しい動き
第36回・ショッピング専用サーチエンジン
第37回・高度化するパーソナライズ
第38回・RSSを活用した情報配信
第39回・ドロップシッピングは新しい販路になるか
第40回・不正アクセスからサーバを守るためのセキュリティ
第41回・「Web2.0的サービス」の特徴は時間消費型サービス
第42回・携帯電話向けサーチエンジンが生み出すビジネスチャンス
第43回・巧妙化するフィッシング詐欺
第44回・Web2.0を支えるテクノロジー
第45回・アメリカで導入進むメール送信者認証技術
第46回・YouTubeがインビデオ広告を採用した狙い
第47回・位置情報サービスの仕組みと可能性
第48回・Web2.0的サービスを次々リリースするGoogleの狙い
第49回・はてなが提供するユニークなサービス
第50回・Web2.0を活かしたWebマーケティングとは

■「数字で見るインターネット業界」(2007年10月15日連載開始)

第1回・ブロードバンド普及率
第2回・インターネット広告市場規模
第3回・電子商取引(対消費者向け取引)市場規模
第4回・ブログ・SNS利用者数
第5回・オンラインショッピング利用経験
第6回・デジタルコンテンツ利用体験
第7回・モバイルコマース市場規模
第8回・EC化率
第9回・SEO(サーチエンジン最適化)市場規模
第10回・Webサイト構築市場規模
第11回・ビデオ共有サイトの利用実態

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2007/12/25

第11回・ビデオ共有サイトの利用実態

Web2.0的サービスの象徴ともいえるビデオ共有サイトの利用時間が2007年に入って急増しています。ビデオ共有サイトは数多く存在していますが、日本での利用率が高いのが、YouTubeとニコニコ動画の2つです。ネットレイティングスが毎月公表している日本のインターネット利用動向調査によると、11月に家庭のPCからアクセスした総利用時間は、YouTubeが8億9700万分、ニコニコ動画が7億5000万分となっています。

マクロミルが2007年6月に実施した「インターネット動画サイトの利用実態調査」によると、YouTubeの認知率は72%、利用経験のある人は49%と、ほぼ半数の人がYouTubeを利用したことがあると回答しています。YouTubeは、若い人ほど利用経験が高く、また同年代では女性よりも男性の方がよく利用しているという結果が出ています。なお、eMarketerが行った調査によると、アメリカでも男性の利用率が高いという結果がでています。

YouTubeは2006年に利用者が一気に増えた経緯もあり、ネットレイティングスが公表している総利用時間は、1年前(2006年12月)と比較して約30%の伸びにとどまっています。これに対して、日本で急速にシェアを拡大しているのがニコニコ動画です。2007年1月にβ版を公開してまだ1年経過していませんが、総利用時間ではYouTubeに肩を並べるまでに成長しました。ニコニコ動画は、1人あたりの利用時間が長いのが特徴です。ネットレイティングスによると、2007年8月にはニコニコ動画の1人あたりの利用時間は3時間14分となり、Yahoo! JAPAN(3時間5分)やmixi(2時間52分)を上回ったことがわかりました。ちなみに、YouTubeの1人あたりの利用時間は約1時間で、いかにニコニコ動画の平均利用時間が長いかがわかります。

アメリカでもビデオ共有サイトの利用が定着しています。Harris Interactiveが2007年11月に実施した最新の調査によると、インターネットで動画を見たことがある人は全体で8割を超え、65%がYouTubeの利用経験があると回答しています。特に、18~24歳の年齢層の利用経験率は85%に達していて、若い人により利用されている点では日本と共通しています。comScoreの統計によると、アメリカではインターネットで月間約90億回のビデオが再生されていて、利用者がビデオを閲覧する時間は平均で月間3時間、1回当たりの再生時間は約2.7分(いずれも2007年7月)となっています。

ビデオ共有サイトは、情報源としての価値も高まりつつあります。当「WEBマーケティング研究会」が2007年7月から8月にかけて実施した「インターネットを使った情報収集に関するアンケート」では、プライベート目的の情報源としてよく利用するサイトとして、「YouTubeなど動画共有サイト」と回答した人が43.6%に達しました。実際にビデオ共有サイトからヒット商品も数多く誕生していて、今後流行やトレンドの発信源としても注目されるでしょう。

※「数字で見るインターネット業界」は今回をもって連載終了となります。2008年からは新しい連載がスタートいたします。

【参考URL】
テレビ局サイトの総利用時間(Total Minutes)が3カ月連続のマイナスに
http://csp.netratings.co.jp/nnr/PDF/Newsrelease12192007_J.pdf

インターネット動画サイトの利用実態調査
http://www.macromill.com/client/r_data/20070619movie/index.html

Video-Sharing Sites Jockey for Position In U.S.
http://www.comscore.com/press/release.asp?press=1496

7月のオンラインビデオ平均視聴時間は3時間――米調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/14/news046.html

YouTube人気は健在もアマチュア動画に興味薄…、著作権規制に不満も
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/12/22/008/

「インターネットを使った情報収集に関するアンケート」結果概要
http://www.webdbm.jp/2007/10/post_2eaf.html

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 ◎初出:2007年12月25日
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2007/12/17

第10回・Webサイト構築市場規模

Webサイト構築ビジネスは、すでに大きな市場が形成されていますが、今後も日本版SOX法への対応や、定期的なWebサイトのリニューアルなどで、市場規模は安定成長が見込まれています。

矢野経済研究所が2006年8月に実施した調査によると、2006年の対消費者向け(B2C)ECサイト構築市場規模はおよそ3兆5,800億円と推計されています。この数字には、サーバなどのハードウェア、ECサイト用のソフトウェア、各種システムインテグレーション、サポートやアウトソーシングなどが含まれていますが、Webのデザインや制作などは含まれていません。同社では2010年に市場規模が5兆4,000億円まで拡大すると予想しています。

Webサイト構築市場で、今後成長が期待できる分野の一つがパッケージソフトの市場です。矢野経済研究所の調査では、ECサイト向けパッケージソフトの市場は全体の約3%と試算していますが、数年内にB2CのECサイト構築を予定している企業のうち、およそ16%がパッケージソフトを導入してサイト構築を行う構想を持っていることがアンケート調査で判明しました。今後、市場全体に占めるパッケージソフトの割合が高まると予想されます。

Webサイトの構築の戦略立案から設計、デザイン、コピーライティング、運用更新まで、Webサイトに関する上流工程から下流工程までの業務をカバーする「Webインテグレーション」の市場規模については、ミック経済研究所が2006年度から2010年度までの市場予測を発表しています。Webインテグレーション事業を手がける主要51社の2006年度売上は前年比25.7%増の539億7,000万円で、その数字から推計した市場全体の規模は約700億円と見込まれます。また、2007年度以降も年平均14.8%の成長が続き、2010年度には市場規模は1,220億円に拡大すると予測しています。

また、調査対象となった主要51社のうち、回答のあった13社のWebインテグレーション事業を分析すると、Webインテグレーション事業の売上の比率は、PC向けのWebサイトが8割弱、モバイルサイトが2割強で、1クライアント当たりの平均単価は1,339万円という数字になっています。

【参考URL】
2006年におけるECサイト構築市場は3兆5,800億円程度に
http://www.yano.co.jp/press/pdf/206.pdf

ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望2007年
http://www.mic-r.co.jp/mr/00167/index.html

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 ◎初出:2007年12月17日
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2007/12/10

第9回・SEO(サーチエンジン最適化)市場規模

SEO(サーチエンジン最適化)の市場規模が拡大しています。アウンコンサルティングが2007年1月に行った集計によると、2006年の国内SEO市場規模は前年比24%増の79億7000万円になりました。内訳をみると、SEO業務を企業内で完結させる「インハウス」が49億7000万円(前年比19%増)、SEO業務を外部の専門業者に委託する「アウトソーシング」が16億5000万円(前年比38%増)、SEOを支援するソフトウェアやASPなどの「ツール」が13億6000万円(前年比28%増)となっています。今後もSEO市場は成長を続け、同社では2010年には121億円規模に成長すると予測しています。

海外でもSEO関連のサービスは大きな市場になっていますが、「SEO」とリスティング広告などの「サーチエンジン広告」を合わせた「サーチエンジンマーケティング(SEM)市場」として市場規模が集計されるのが一般的のようです。非営利団体Search Engine Marketing Professional Organization(SEMPO)が発表した2006年の北米のSEM市場規模は前年比62%増の94億ドル(約1兆300億円)に達しました。2011年には186億ドル(約2兆500億円)まで拡大すると予測しています。

この数字と比較するため、日本のSEM市場規模を試算してみましょう。「2006年(平成18年)日本の広告費」によると、日本のインターネット広告市場規模は3630億円で、そのうち930億円がサーチエンジン広告です。SEMPOの基準に合わせると、日本の2006年のSEM市場規模はSEOが80億円、サーチエンジン広告が930億円で合計1010億円です。北米の市場規模に比べると、まだ1/10の規模ということになります。

一方、この分野で急成長をしている中国が日本を激しく追い上げています。イギリスのコンサルティング会社Analysys社の調査によると、中国の2007年上半期のSEM市場規模は11億5000万元(約172億円)となりました。同社では、2007年の通期では前年比71%増の26億8000万元(約402億円)まで拡大すると見込んでいます。また、サーチエンジンに広告を掲載する企業数についても、2007年には47万2000社と前年に比べて16%増えるとしています。

【参考URL】
2006年のSEO国内市場規模は約80億円
http://www.auncon.co.jp/corporate/pdf/20070122.pdf

Search Engine Marketing Is a Rocket: Spending Is Up 62%
http://www.sempo.org/news/releases/02-08-07

中国の2007年サーチエンジンマーケティング市場規模は26億8000万元と予測
http://www.enet.com.cn/article/2007/0809/A20070809770366.shtml

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 ◎初出:2007年12月10日
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2007/12/03

第8回・EC化率

すべての商取引額のうち、電子商取引化された取引額の割合をEC化率と表現します。経済産業省では、毎年、日本とアメリカで電子商取引に関する市場調査を実施して、その結果を公表しています。その中から、B-C電子商取引のうち小売とサービスの合計、および狭義のB-B電子商取引について、日本市場とアメリカ市場の特徴を比較してみましょう。ちなみに、経済産業省では、狭義の電子商取引を「インターネット技術を用いたコンピュータ・ネットワーク・システムを介して商取引が行われ、かつその成約金額が捕捉されるもの」と定義しています。

まず、B-C電子商取引のうち小売とサービスの合計について、取引額とEC化率を比較してみます。日本は、2005年が2兆1,580億円でEC化率は1.60%、2006年が2兆7,060億円でEC化率は2.03%となっています。これに対してアメリカは、2005年が10兆2,220億円でEC化率は3.73%、2006年が12兆3,050億円でEC化率は4.37%で、取引額、EC化率ともに日本市場を大きく上回っています。

カテゴリー別で見ると、アメリカ市場でEC化が特に進んでいるのは「総合小売業」の8.99%、続いて「スポーツ・本・音楽・玩具小売業」が4.56%となっています。日本の総合小売業のEC化率(2.23%)と比較すると、いかにアメリカで総合小売業という業態がインターネットで普及しているかがわかります。一方で、日本のEC化率の方が高いカテゴリーもあります。「宿泊・旅行業、飲食業」では、日本が2.18%なのに対して、アメリカでは1.14%にとどまっています。このほか、日本のEC化率の方が高いと思われるカテゴリーは、「電気製品小売業」、「医薬化粧品小売業」や「家具・家庭用品小売業」などがあります。

総合小売業とは百貨店やスーパーのような業態ですが、アメリカでEC化のけん引役となっているのは「衣料品」のようです。Forrester Research社が2007年5月に発表した電子商取引市場の調査によると、アメリカでの2006年カテゴリー別売上高は、「衣料品・アクセサリ・靴」が「コンピュータ(ハードウェア及びソフトウェア)」を逆転して初めて第1位となりました。

一方、狭義のB-B電子商取引(小売やその他サービス業を除く)については、取引額、EC化率ともに日本がアメリカを大きくリードしています。2006年の数字を比較すると、日本が146兆8,050億円でEC化率は12.6%に達しているのに対して、アメリカは93兆660億円でEC化率は4.4%となっています。企業間取引の分野においては、全般的に日本のEC化が先行していることが数字にはっきり表れています。

【参考URL】
「平成18年度電子商取引に関する市場調査」の結果公表について
http://www.meti.go.jp/press/20070511003/denshishoutori-p.r.pdf

Online Clothing Sales Surpass Computers, According To Shop.org/Forrester Research Study
http://www.forrester.com/ER/Press/Release/0,1769,1145,00.html

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 ◎初出:2007年12月3日
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2007/11/26

第7回・モバイルコマース市場規模

日本のモバイル関連ビジネスは、すでに大きな市場に成長しています。総務省の委託を受けてモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が実施した携帯電話コンテンツ市場規模の調査によると、2006年の「モバイルコンテンツ市場」と「モバイルコマース市場」の合計が9,285億円となったことがわかりました。内訳は、モバイルコンテンツ市場は3,661億円(前年比16%増)、モバイルコマース市場は5,624億円(前年比38%増)となっています。モバイルコマース市場は、物販系(モバイル通販)、サービス系(興行チケット、旅行チケット、航空チケット、鉄道チケット)、トランザクション系(証券取引手数料、オークション手数料、公営競技手数料)の3分野で構成されますが、特に物販系は前年比68%増と伸び率が高くなっています。

情報通信総合研究所が2007年8月に発表した「携帯電話サービス普及による日本経済への波及効果」では、モバイルコンテンツとモバイルコマースが生み出す経済波及効果が試算されています。同社によると、経済波及効果とは、商品やサービスの売上高ではなく、原材料費や中間サービス部分を除いた付加価値部分の合計であり、GDPと同じ概念とのことです。2006年の経済波及効果は、モバイルコンテンツが3,801億円、モバイルコマースは2,378億円ですが、2010年にはモバイルコンテンツが9,225億円、モバイルコマースは1兆4,870億円に拡大すると予測しています。モバイルコンテンツとモバイルコマースを合計した数字で見ると、2010年は2006年と比較しておよそ4倍にあたります。

モバイル関連ビジネスの市場が大きく拡大している背景として、携帯電話の機能が向上していることに加えて、携帯電話だけでインターネットを利用している人が若年層を中心に増えていることがあげられます。インプレスA&Dが発行した「インターネット白書2007」によると、日本のインターネット利用者数は2007年3月時点で約8,227万人ですが、携帯電話・PHSのみでインターネットに接続している人がそのうち約1,400万人を占めています。

モバイルマーケティングデータ研究所では「モバイルコマースに関する利用動向調査」を定期的に実施していますが、2007年2月実施の調査では、モバイルコマースの経験者比率は、20代(51.8%)、30代(60.3%)、40代以上(58.4%)がいずれも50%を超えました。同研究所の最新調査によると、2007年10月の1ヶ月間にモバイルでショッピングを利用した人は30.5%となっています。この調査は、携帯電話専用のポータルサイトやコミュニティで実施されていて、アクティブユーザを対象にしていることは考慮する必要はあるものの、携帯電話でのショッピングが定着していることを示しているといえます。

【参考URL】
2006年 モバイルコンテンツ関連市場の合計は、9,285億円
http://www.mcf.to/press/images/2007_MobileContents_market_scale.pdf

モバイルコンテンツ、コマースの経済波及効果は2010年で2006年の4倍の2.4兆円
http://www.icr.co.jp/press/press20070824.html

携帯ショッピングサイトは公式サイトやメールマガジンで探す
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20344880,00.htm

【第10回】モバイルコマース利用動向調査(2007年10月度)
http://mmd.up-date.ne.jp/news/detail.php?news_id=113

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 ◎初出:2007年11月26日
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2007/11/19

第6回・デジタルコンテンツ利用体験

財団法人デジタルコンテンツ協会が実施した国内デジタルコンテンツ市場規模調査によると、2006年の市場規模は前年比8.3%増の2兆7,699億円になりました。デジタルコンテンツは、音楽CDやゲームソフトなどCDやDVDに記録されて流通するパッケージソフトと、インターネットや携帯電話でダウンロードするオンライン配信に大きく分類できますが、2006年はパッケージ67.5%、オンライン配信32.5%という比率になっています。前年比で伸び率が高いジャンルは、携帯電話向け電子書籍(前年比331.3%増)、PC用オンラインゲームのアイテム課金(前年比116.6%増)、PC向け電子書籍(前年比69.7%増)、PC向け音楽配信(前年比42.1%増)などとなっています。

今回は、パソコンや携帯電話でデータをダウンロードして利用する代表的な3つのコンテンツ「動画配信」、「音楽配信」、「電子書籍」について、今後の成長予測と利用実態を見ていくことにします。

動画配信サービスは、インターネットCMの広告料収入と有料コンテンツ利用料で成り立っています。三菱総合研究所とgooリサーチが実施した「第6回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」によると、「Gyao」などの無料動画配信サービスを利用している人が51.4%と過半数を超えました。動画配信サービス大手の「Gyao」は、登録会員数が1,500万人を突破し、同社の説明によると週1回以上視聴する会員は約300万人にのぼっています。インターネット広告推進協議会(JIAA)が集計した2006年のインターネットCM市場規模は約50億円となっています。

財団法人デジタルコンテンツ協会の調査では、2006年の音楽配信市場規模は、パソコン向けは前年比42.1%増の310億円、着メロ市場が縮小している携帯電話向けは前年比0.5%減の1,602億円となりました。マイボイスコムが2007年1月にWebサイトで行ったアンケート調査では、無料の音楽配信を利用したことのある人は57%と過半数を超え、有料の音楽配信を利用したことのある人も40%に達しています。野村総合研究所では、着メロ・着うたなどの楽曲の一部のみを配信するサービスを除いた、従来CDで販売されていた楽曲データを配信するビジネスの市場規模として、2011年に795億円になると予測しています。同社の定義では、2006年の市場規模は188億円にとどまりますので、それを基準にすると、およそ4.2倍の大きな伸びになります。

インプレスR&Dが出版した「電子書籍ビジネス調査報告書2007」によると、2007年3月時点での電子書籍市場規模は約182億円で、そのうち約106億円が電子コミックになっています。電子コミックの内訳は、パソコン向けが約24億円、携帯電話向けが約82億円で、携帯電話向けの電子コミックが、電子書籍市場全体の約45%を占めています。インフォプラントが2007年5月にiモード利用者を対象に実施したアンケート調査でも、電子書籍の認知率は91.8%、ダウンロード経験者は40.2%と利用率の高さを表す結果となりました。シード・プランニングが2007年6月に公表した調査結果によると、2012年には電子書籍全体で930億円、うち電子コミックは710億円に急成長すると予測しています。

【参考URL】
国内デジタルコンテンツ市場、3兆円突破へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/08/news062.html

電子書籍の市場規模は182億円、対前年度比約2倍に拡大 うち電子コミックの市場規模は106億円
http://www.impressrd.jp/news/071116/eb

ブロードバンドコンテンツに関する調査
http://research.goo.ne.jp/database/data/000517/index.html

有料音楽コンテンツのダウンロード経験者は40%,マイボイスコムの調査から
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070223/128095/

電子書籍・コミックのダウンロード経験者は約4割
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20349760,00.htm

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 ◎初出:2007年11月19日
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2007/11/12

第5回・オンラインショッピング利用経験

経済産業省の「平成18年度電子商取引に関する市場調査」では、オンラインショッピング利用者数や購入経験率については調査が行われておりません。比較的信頼性が高いと思われる調査結果としては、「インターネット白書2007」があります。それによると、オンラインショッピングの利用経験があるのは全体で73.6%となっています。性別・年代別では、女性30代がもっとも高くて86.5%、以下、男性40代、男性30代、女性20代という順で、ここまでが80%を超えています。

一方、オンラインショッピングは、利用開始時期によって大きな差があるという調査もあります。富士通総研の「インターネットショッピング2007」によると、「実質2年以内」のビギナーは、オンラインショッピングでの年間購入が平均8.3回で合計72,482円にとどまったのに対して、「実質5年以上」のベテランは年平均15.2回で合計159,438円購入していることがわかりました。

モバイルを使ったショッピングについても、かなり浸透していることを示すデータがあります。モバイルマーケティングデータ研究所の「モバイルコマースに関する利用動向調査」によると、2007年9月の1ヶ月間にモバイルでショッピングを利用した人は27.2%となっています。モバイルの調査では、どの媒体を使って調査するかによってショッピング経験率は大きくブレてしまう傾向がありますが、1ヶ月でほぼ3割の利用者という数字は、かなり実情に近いものではないかと思われます。

eMarketer社では、その1年間にオンラインショッピングを利用した人を毎年発表していて、2006年の利用者数は、イギリス2,480万人、ドイツ2,720万人、フランス1,450万人としています。オンラインショッピングで最大の市場規模を誇るアメリカの場合、年間の約半分を売り上げる「ホリデー・シーズン(年末商戦)」1ヶ月間でのオンラインショッピング利用者数が参考になります。2007年のホリデー・シーズンの予測が出揃ってきましたが、その中でJupiterResearch社は、期間中に前年比6%増の1億2,600万人がオンラインショッピングを利用すると予想しています。

オンラインショッピングの利用経験率では、中国はまだまだ発展途上のようです。中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)の「第20次中国互換網発展状況統計報告」によると、2007年6月末時点のインターネットユーザー数は1億6,200万人ですが、アンケート調査からオンラインショッピング利用者は全体の26%程度と推測していて、今後、利用経験率は日本や欧米に徐々に近づいてくると予想されています。

【参考URL】
サイトの信用性が問われる時代――『インターネット白書2007』に見る個人のネット利用動向
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/08/29/1780
http://www.sublate.jp/___data___/2007/html/list2-5.htm

ネットショッピング歴ベテランとビギナー、年間購入金額に2倍の差
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/08/30/16747.html

European E-Commerce on Pace to Reach EUR323 Billion in 2011
http://www.emarketer.com/Article.aspx?id=1005231

JupiterResearch Expects US Holiday Online Retail Sales to Exceed $39 Billion this Year
http://www.jupiterresearch.com/bin/item.pl/press:press_release/2007/id=07.10.22-holiday-retail.html/

中国のネット人口は1億6,200万人、ブロードバンド人口も1億人を突破
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/20/16378.html

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 ◎初出:2007年11月12日
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2007/11/05

第4回・ブログ・SNS利用者数

ブログ利用者については、他の人が開設したブログを閲覧している人の数(アクセス・ユーザー数)、ブログを開設できるサービスに会員登録している件数(アカウント数)、実際にブログを開設して記事を書いている人の数(ブロガー数)、公開されているブログのサイト数など、様々な統計が存在します。SNSは会員登録制のため、SNSにアクセスしている人はアカウント保有者に限られますので、アクセス・ユーザー数のデータがSNS利用の実態に近いものと考えられます。

ビデオリサーチインタラクティブが発表した2006年の国内アクセス・ユーザー数は、ブログが2,687万人、SNSが1,104万人、両方にアクセスしたユーザーが1,057万人となっていて、ブログ利用者を基準にすると、約4割の人がSNSも利用していることになります。公式な統計としては、総務省の情報通信白書で「ブログ及びSNSの登録者数」調査結果が収録されています。それによると、2006年3月末時点でブログ登録者数の合計が868万人、SNSは716万人となっています。

野村総合研究所は、2006年度のブログサイト数は1,302万サイトで、2011年度には約4割増の1,814万サイトになると予測しています。一方、SNSの登録者数は2006年度の1,250万人が2011年度には5,111万人に急成長するとしています。SNS登録者数について、今後は招待を必要としない登録制のSNSが増えるため、登録者数に占めるアクセス・ユーザー数の割合は低下していくとコメントしています。

ブログ専用サーチエンジンTechnoratiが定期的に集計している世界のブログ投稿データによると、日本語の投稿記事が全体の約4割を占め、英語に並ぶ水準になっています。しかし、この分野でも今後急成長が予想されるのが中国です。投稿記事の言語では中国語はまだ1割弱ですが、サーチエンジンの百度が発表した「2006年中国博客(ブログ)発展報告」によると、2006年11月時点でブロガー人口が1,987万人、ブロガー1人あたり2.6サイトを運営していて、中国語のブログサイト数は世界で5,230万サイトに達しているようです。

全世界のSNS利用者数については、イギリスの調査会社Datamonitor社が調査報告書を発表しています。2007年末の全世界のSNS利用者数は2億3,000万人に達し、少なくとも2009年までは利用者数が伸び続けるだろうと予測しています。2007年末時点でのSNS利用者の地域別分布は、アジア太平洋35%、ヨーロッパ中近東28%、北米25%、カリブ海ラテンアメリカ12%となっています。

【参考URL】
SNSサイト・ブログサイトへの2006年1年間トータルの訪問者は、2,700万人超
http://www.videoi.co.jp/release/20070219.html

ブログ及びSNSの登録者数(平成18年3月末現在)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060413_2.html

ブログ・SNS市場は5年後に7.6倍、ネット広告市場は2倍に──NRI予測
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/21/news057.html

ソーシャルネットワーキングの成長は2009年までにピークに--アナリストが予測
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20359290,00.htm

百度、最新の中国ブログ統計を発表。中国語のブログは5,230万に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/12/15/14262.html

調査会社コムスコア、世界のSNSの成長に関する統計を発表
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20353921,00.htm

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 ◎初出:2007年11月5日
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2007/10/29

第3回・電子商取引(対消費者向け取引)市場規模

電子商取引の市場は、対消費者向け取引と企業間取引に大きく分類することができます。ここでは、オンラインショッピングなどの対消費者向け取引(B-C)にスポットを当てて主要国の市場規模を比較することにします。電子商取引市場の調査で実績のあるeMarketer社では、B-C市場規模について、「物品とサービスの販売額(オンライン旅行、興行チケット、デジタルコンテンツのダウンロードを含む)」と説明しています。日本の経済産業省が実施している電子商取引市場調査でも、B-Cの中にサービス業(宿泊・旅行・飲食)や情報通信業が含まれていて、ほぼ同じ定義となっています。

経済産業省の「平成18年度電子商取引に関する市場調査」によると、2006年の日本のB-C市場規模は、前年比27%増の4兆3,910億円となっています。同報告書ではアメリカの市場規模についても調査していて、アメリカのB-C市場規模は、2006年には19兆2,700億円(前年比20%増)と、日本のほぼ4.4倍の規模になっています。アメリカの市場規模と比較すると、日本の市場はまだまだ成長余地があるようにも思われます。

ヨーロッパでも電子商取引市場は大きく拡大しています。eMarketer社の調査報告書によると、2006年のB-C市場規模は、イギリス556億ドル(約6兆3,940億円、1ドル=115円で換算、以下同様)、ドイツ271億ドル(約3兆1,170億円)、フランス125億ドル(約1兆4,380億円)となっていて、イギリスの市場規模は日本を大きく上回っています。ヨーロッパ全体の市場規模では、2006年の1,330億ドル(約15兆2,950億円)が、2011年には4,070億ドル(約46兆8,050億円)とほぼ3倍に拡大すると予測されています。

驚異的な成長が確実視されているのが中国市場です。2006年のB-C市場規模は25億ドル(約2,880億円)にすぎませんが、2010年には180億ドル(約2兆700億円)と予測していて、実にこの期間の平均成長率は年64%になります。ちなみに、アジアでは中国に続いてインドも大きな潜在力を持っているとして、日本、韓国、中国、インドの4ヶ国合計の市場規模は、2010年に1,150億ドル(約13兆2,250億円)拡大すると見込まれています。(いずれもeMarketer社の調査による)

【参考URL】
「平成18年度電子商取引に関する市場調査」の結果公表について
http://www.meti.go.jp/press/20070511003/denshishoutori-p.r.pdf

European E-Commerce on Pace to Reach EUR323 Billion in 2011
http://www.emarketer.com/Article.aspx?id=1005231

Asia-Pacific B2C E-Commerce:China, Japan and South Korea
http://www.emarketer.com/Reports/All/Em_b2c_ecom_asia_feb07.aspx

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 ◎初出:2007年10月29日
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