第4回・旧ソ連諸国
今回は、独立国家共同体(CIS)を構成する12ヶ国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、モルドバ、グルジア)を旧ソ連諸国として取り上げます。域内の総人口は約2億7600万人、そのうち37.3%にあたる約1億300万人がインターネットを利用しています。国別の人口普及率をみると、高い順にアルメニア(47.1%)、ベラルーシ(46.3%)、アゼルバイジャン(44.4%)、ロシア(43.0%)となっています。一方、中央アジアのトルクメニスタン(1.6%)とタジキスタン(9.3%)では、10%に達していません。
域内で中心となるのは、人口では域内全体の50.3%、インターネット利用者数では域内全体の58.0%を占めるロシアです。ロシアではIT化に力を入れており、2010年には連邦プログラム「情報社会」を策定しました。主な目標としては、2014年にすべての行政サービスを電子化することや、2020年にブロードバンドの世帯普及率を80%に引き上げることなどを掲げています。市場調査会社PMRによると、独立国家共同体12ヶ国の電気通信市場規模は2010年に363億ユーロ(約4兆1000億円)に達しましたが、そのうち70.2%にあたる255億ユーロをロシアが占めました。ロシアはSNSの利用が盛んなことでも知られます。イギリスTNSが世界46ヶ国を対象に実施した調査でも、ロシアはSNSの平均利用時間の長さで世界2位でした。
CitibankとGoogleが共同で実施した調査によると、ロシアの2010年消費者向け電子商取引市場規模は、前年比約60%増の約195億ドル(約1兆5600億円)に急増しました。ロシア以外の旧ソ連諸国については、国別の市場規模に関する統計がほとんど存在しませんが、前述の電気通信市場と同様にロシアが域内の市場の7割を占めると仮定した場合、域内全体の2010年市場規模は約280億ドル(約2兆2400億円)と推計することができます。なお、CitibankとGoogleの調査結果では、ロシアの消費者向け電子商取引市場規模は、2012年には260億ドル(約2兆800億円)を超えると予測していて、それに伴いロシア以外の旧ソ連諸国での市場拡大も期待されます。
| 国数・地域内人口 | 12ヶ国、約2億7600万人(2011年) |
| インターネット利用者数 | 約1億300万人(2010年6月~2011年3月) |
| 人口普及率 | 37.3% |
| IT化に注力するロシア | 旧ソ連諸国12ヶ国の電気通信市場のほぼ7割をロシアが占める。ロシアでは、2010年に連邦プログラム「情報社会」を策定し、2014年にすべての行政サービスの電子化、2020年にブロードバンドの世帯普及率80%などを目標に掲げる。 |
| EC市場規模 | ロシアの2010年消費者向け電子商取引市場規模は約195億ドル(約1兆5600億円)。電子通信市場と同様に、ロシアが旧ソ連諸国のうち約7割の市場規模を占めると仮定した場合、域内の市場規模は約280億ドル(約2兆2400億円)と推計される。 |
| 主なネット関連企業 | ロシアでもっとも有名なショッピングサイト「ozon.ru」は、ネット書店としてスタートして現在では総合通販サイトに成長。ロシアやウクライナなど旧ソ連諸国では、Facebookよりも、VkontakteやOdnoklassnikiの利用者が圧倒的に多い。 |
ロシアでは、ロシア語でサービスを提供するWebサイトが大きなシェアを握っているのが特徴です。利用者数の多いサイトとしては、サーチエンジン・ポータルサイトの「Yandex」、SNSの「Vkontakte」、フリーメールサービスの「Mail.ru」などがあります。SNSでは、VkontakteとOdnoklassniki、MoiMirの3つがロシア語圏での3強で、特にVkontakteはロシアやウクライナを中心に、約1億人の利用者がいます。ロシアの「ozon.ru」は、もともと書籍を販売するサイトとしてスタートしましたが、取り扱い商品を拡張して今ではもっとも有名な総合通販サイトに成長し、「ロシア版アマゾン」とも表現されています。
-----------------------------------------------------------------
◎初出:2011年7月25日
-----------------------------------------------------------------
| 固定リンク
