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2011/06/13

第10回・大規模災害発生時の対応事例(2)

東日本大震災では、ソーシャルメディアが震災関連の情報源として存在感が高まりました。野村総合研究所が実施した「震災関連のメディア接触動向に関する調査」によると、ソーシャルメディアを「重視しているメディア」と回答した人は複数回答形式で18.2%にのぼりました。一方、MJモバイルが東日本大震災の発生時にソーシャルメディアをどのような目的で利用したかについて調査したところ、一番多かったのはTwitterが「情報の収集」、Facebookが「友人・知人の状況確認」で、ユーザーは利用目的でソーシャルメディアを使い分けていることもわかりました。

前回紹介したセラクの調査結果によると、調査対象になった計100サイトのうち、震災関連情報の発信手段にソーシャルメディアを活用した企業は7%にとどまりました。この数字からは、情報源としてソーシャルメディアを利用した人が多かった割に、緊急時にソーシャルメディアから情報を発信できた企業は少なかったという印象を受けます。理由としては、企業の公式アカウントであることを十分に周知できていなかったことや、企業が公式発表をソーシャルメディアを通じて行う際のポリシーや担当する部署など組織の体制が準備できていなかったことなどが考えられます。

Beat Communicationが関東圏の大手企業100社を対象に実施した調査によると、震災直後の連絡手段としてソーシャルメディアを利用した人の割合は携帯電話や携帯メールには及ばなかったものの、固定電話や公衆電話を上回りました。災害時の連絡手段としてSNSのような仕組みが必要か、という問いに対しては81%が必要であると回答しています。震災発生後、Webサイトで顧客対応がスムーズにできた企業からは、「社員の安否確認」と「社員向け情報提供」を一元化できる仕組みを整備できていたため、社員の不安も解消し顧客対応に素早く着手できた、という声が聞かれました。

第10回・大規模災害発生時の対応事例(2)
活用目的 ソーシャルメディア活用の注意点
顧客向け情報提供 なりすましによる偽情報の拡散を防ぐため、日頃より公式アカウントであることを周知させておく。また、公式発表をリリースする際にどのような手順で誰が責任を持って行うかという体制とポリシーを準備しておくことが重要になる。
社員の安否確認 緊急時に社員の安否が確認できないと業務に支障が出て、顧客や取引先への対応も遅れる結果となる。部署ごとに異なったソーシャルメディアを利用していてはかえって混乱するので、情報を一元化して管理できる仕組みが必要。
社員向け情報提供 的確な顧客対応を行うには、会社の被災状況や営業再開予定などについて正しい情報を共有する必要がある。固定電話がつながりにくい状況では、社内SNSなどが情報共有手段として有効。

Webを通じた復興支援活動で評価された試みとしては、本田技研工業がGoogle Earth向けに被災地の道路状況データを公開した事例があります。Googleマップと連携して携帯電話からもデータを参照できるようになり、被災地向け物資の輸送などに大きく貢献しました。日経BPコンサルティングが実施した復興支援活動に積極的な「企業名想起調査」(4月度)では、災害用伝言版や復興支援ポータルサイトをいち早く開設したソフトバンクが1位となり、本田技研工業も24位にランクされています。Webによる対応が企業のブランドイメージを高める結果につながったことがわかります。

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 ◎初出:2011年6月13日
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