第4回・停電対策
今回の大震災では、地震による直接の被害がない地域でも長時間に渡って停電が発生し、Webサーバなどの電源確保の重要性が浮き彫りになりました。非常用発電機を備えたデータセンターでは、数日間の停電にも耐えられる設計になっていますが、自社でサーバを運営している場合には、独自の停電対策を講じる必要があります。停電の種類としては、送電系統の故障などにより電力の供給が完全に遮断される停電のほかに、落雷などが原因で起きる瞬間的な電圧低下による「瞬時停電」、ビルの点検や電力調整などあらかじめ停電する期間が決まっている「計画停電」などがあります。
瞬時停電の対策としては、UPS(無停電電源装置)の設置がもっともオーソドックスな方法です。常時インバーター方式のUPSでは、常にインバーターから電力が供給されますので、停電発生時にも特に切り替え操作は必要ありません。ただし、一般的なUPSで停電時に電力が供給できるのは最大30分程度です。非常用発電機が立ち上がるまで、あるいは、システムを正常にシャットダウンさせるまでの一時的な電源確保が主目的となります。停電の長期化が予想される場合、UPSが動作している時間に処理中のデータを保護しつつ、DRサイトへの切り替え操作を行うことになります。
東日本大震災直後に東京電力が発表した計画停電は、IT業界にも大きな混乱を引き起こしました。実施までの期間が短かったため十分な対策がとれず、ノートPCに大容量バッテリーとUPSを増設して、Webサーバとして使用することで急場を凌いだという例も少なくないようです。ノートPCはHDDのレスポンスが遅くなるという弱点があり、あくまでも臨時的な手段であることは言うまでもありません。現在では東京電力による計画停電は中止されていますが、夏にかけて再開される可能性に備えて、非常用発電機の設置やデータセンターへの移設を検討する企業も増えています。
| 関連キーワード | 概要と特徴 |
| UPS(無停電電源装置) | コンデンサー型UPSや電池式UPSなどがある。給電方式としては、常時インバーター方式や常時商用給電方式、ラインインタラクティブ方式など。 |
| 非常用発電機 | 自己発電設備などとも呼ばれる。業務用では、主にディーゼルエンジンやガスタービンエンジンが使われる。 |
| シャットダウン | システムの電源を切る前に正常に終了させる操作のこと。シャットダウンせずに電源を切ると、処理中のデータが失われる恐れがある。 |
停電が発生しても継続してWebサイトを稼動させることが理想といえますが、長時間の停電ではシステムをいったんシャットダウンさせる事態も想定しておかなければなりません。その際に重要になるのが、シャットダウンさせるサーバの順番です。Webサーバとデータベースサーバなどの連携を正しく把握した上で、シャットダウンさせる順番を決定します。また、電力供給が再開した場合に、システムをリモート操作で再起動して、バックアップデータからリストア作業を行う手順についてもマニュアル化しておくと、いざという時の素早い復旧に役立ちます。
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◎初出:2011年4月25日
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