« Vol. 11-28 MicrosoftがInternet Explorer 10のプレビュー版を公開 | トップページ | Vol. 11-29 アメリカの2010年インターネット広告売上は過去最高の260億ドル »

2011/04/18

第3回・DRサイト

DR(ディザスタリカバリ)サイトとは、通常時に稼動しているシステム(プライマリサイト)に何らかの障害が発生した時に、プライマリサイトに代わってサービス提供などを行う予備システムや設備のことです。プライマリサイトに対する言葉として「セカンダリサイト」、もしくは、いつでも切り替えできるようスタンバイしているので「待機系」とも呼ばれます。DRサイトを準備する目的は、プライマリサイトが自然災害などによって使えなくなったとしてもサービスを継続して提供することですので、プライマリサイトとは物理的に離れた場所に設置するのが一般的です。

DRサイトは、システムの待機状態を温度差で表現できます。一瞬の中断も許されないサービス、たとえば金融機関のオンラインバンキングのようなサービスでは、プライマリサイトとまったく同じシステムをDRサイトとして常に稼動させておく必要があります。この状態をホットもしくはアクティブと表現します。一方、復旧に若干の時間的猶予が認められるサービスでは、システムを組み込んだDRサイトを電源を切った状態で用意しておき、緊急時にバックアップデータの読み込みや設定作業を手動で行う方法がよく採用されます。これを、コールドもしくはスタンバイと表現します。

コア事業においてはホットなDRサイトを保有するのが理想ですが、同じシステムを常に2つ稼動させておくには2倍以上のコストがかかります。そこでサービスの重要性によって、ホットとコールド、さらにその中間であるウォームを使い分けているのが実状です。たとえば、ECサイトのWebサーバはホット、メールサーバはウォームという具合です。コールドなDRサイトには、Amazon EC2/S3などのパブリッククラウドを活用する企業が増えています。Amazonのサービスでは、仮想的なDRサイトをS3上に構築しておけば、稼動させるまでは課金されないためコストダウンが見込めます。

第3回・DRサイト
関連キーワード 概要と特徴
コールドスタンバイ 同じ構成のシステムを2系統用意して、一方をDRサイトとして、稼動させない状態で待機させておくシステム多重化の手法。
パブリッククラウド 一般向けに提供されるWebサービスのこと。これに対して、企業が自社内だけで利用するものをプライベートクラウドと表現する。
DNSレコード ドメインに関するマスターデータ(ゾーン情報)やホストのIPアドレス、メールサーバ名などDNSサーバに登録される情報のこと。

WebサイトにおけるDRサイトでは、Webサーバなどのハードウェアやシステムの準備に加え、プライマリサイトと同じURLでDRサイトにつながるようにDNSサーバのレコード変更を行う必要があります。プライマリのWebサーバが反応するかどうかを常時監視して、自動的にDNSレコードを変更する仕組みを構築している企業もありますが、DNSレコードは重要な情報なので、人による判断で手動で変更する方が実践的かもしれません。WebサーバとDNSサーバをデータセンターなどに委託している場合は、DNSのレコード変更方法などを事前に確認してマニュアル化しておくことが推奨されます。

-----------------------------------------------------------------
 ◎初出:2011年4月18日
-----------------------------------------------------------------

|

« Vol. 11-28 MicrosoftがInternet Explorer 10のプレビュー版を公開 | トップページ | Vol. 11-29 アメリカの2010年インターネット広告売上は過去最高の260億ドル »