第2回・リモートバックアップ
災害対策として基本になるのは、システム復旧に必要な最新のデータが失われずに保存されているということです。バックアップの主な方法としては、ローカル環境で直接テープドライブなどの媒体にコピーする方法と、ネットワークを介して別のコンピュータにデータをコピーする方法があります。後者の方法を、リモートバックアップと表現します。ディスクを丸ごとバックアップしておくと安心かもしれませんが、バックアップの目的は、いざという時にシステムを素早くリストアすることですので、保存するファイルやディレクトリを最適化しておく必要があります。
大規模な自然災害を想定した場合、バックアップデータをどこに保存すべきかという観点も必要になります。最近では、サーバやストレージの仮想化によって、メインシステムが動かなくなった場合に、バックアップシステムに自動的に切り替えるフェイルオーバーと呼ばれる技術を採用する企業が増えています。事業継続性に優れた仕組みですが、実際は同じデータセンター内で運用されるケースが多いといわれています。データセンターは耐震性の高い施設に作られているものの、バックアップシステムは地理的に離れた別のデータセンターで運用することが理想的といえます。
Webサイトにおけるデータのバックアップは、静的ファイルやCGIによって生成されたログなどであれば、一般的なバックアップツールで十分かもしれません。ファイルの更新時間をチェックして、前回のバックアップからの差分だけを保存するなど、実状に合ったバックアップ方法を選択できます。ショッピングサイトなどECサイトでは、顧客データベースなど連動するデータベースのバックアップも考慮しなければなりません。データベース管理システムには、バックアップのデータベースを別のサーバに作成して、内容を同期させるレプリケーションという機能があります。
| 関連技術 | 概要と特徴 |
| 仮想化技術 | システムの資源を仮想的に分割したり統合したりする技術。複数のディスクを1台のディスクとして利用することをストレージの仮想化という。 |
| フェイルオーバー | メインのシステムに障害が発生した場合に、自動的にバックアップシステムに切り替えるシステム冗長化技術のこと。 |
| レプリケーション | 負荷分散やデータ保護の目的で、同じデータベースのバックアップを別のサーバに作成して、常に同期させる機能のこと。 |
Webサイトについても、バックアップの考え方や目的は同じです。仮想化やレプリケーション、フェイルオーバーなどの技術を組み合わせて、災害発生時にもサービスを中断することなく、Webサイトの運用を継続できる仕組みを準備しておくことが重要です。Webサイトのバックアップを支援するサービスとしては、クラウドを利用したリモートバックアップサービスが数多く登場しています。これらの有料サービスでは、海外に設置されたデータセンターなどバックアップ先を自由に選択できたり、ブラウザからの操作でリストアができたり、簡単な操作で運用できるのが特徴です。
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◎初出:2011年4月11日
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