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2011/02/21

第6回・AR(Augmented Reality)

AR(Augmented Reality)とは、現実の風景に位置情報などを用いて取得した情報を仮想的に重ねて表示させるバーチャル・リアリティ技術のことです。日本語では「拡張現実」などと表現されます。研究は1990年代から行われてきましたが、日本では2009年に登場したiPhone用アプリ「セカイカメラ」によってARが身近なものとなりました。Gartnerが毎年発表しているテクノロジーの成熟度を示すハイプ・サイクル最新版によると、ARはタブレットPCやクラウドコンピューティングなどと共に、「黎明期」の次のステージにあたる「過度に期待されるピーク期」に分類されています。

ARを応用したサービスとしては、QRコードなどのARマーカーにスマートフォンなどのカメラをかざすと、現実の風景に重ねて仮想物体や文字情報が表示される「マーカー型AR」と、GPSや電子コンパス機能による位置情報が付加されたコンテンツが仮想空間上に表示される「位置情報型AR」があります。ARマーカーや位置情報に頼らず、カメラに映し出された現実の画像を瞬時に認識して、その画像に関連した情報や仮想物体を重ねて表示する「画像認識型AR」の実用化も進められていて、今後はこれらの技術を組み合わせることで、現実世界との連動性がより高まるでしょう。

現時点でARの普及を牽引しているのは、モバイル向けサービスです。イギリスの調査会社Juniper Researchによると、世界におけるモバイルARサービスの市場規模は、2014年までに7億ドル(約580億円)を超えると予想されています。日本では2010年以降、「ララコレ」や「セカイカフェAR」などAR技術を導入したモバイル向けソーシャルゲームが次々に登場しています。セカイカフェARは、プレイヤーがカフェのオーナーとなり、実際の位置情報に基づいたAR空間に屋台を出店し、他のプレーヤーと協力しながら売上高を競うゲームで、セカイカメラの技術をベースにしています。

第6回・AR(Augmented Reality)
テクノロジー名 AR(オーグメンテド・リアリティ、拡張現実)
技術の概要 現実の風景に位置情報などを仮想的に重ねて表示させるバーチャル・リアリティ技術。「マーカー型AR」や「位置情報型AR」などに分類できる。
普及状況 日本では、2009年に登場したiPhone用アプリ「セカイカメラ」がモバイルARサービス認知のきっかけになった。現在では、モバイル向けソーシャルゲームや教育、医療などの分野で活用が進められている。
考えられる影響 Juniper Researchによると、世界のモバイルARサービスの市場規模は、2014年までに7億ドル(約580億円)を超えると予想されている。今後はECサイトへの集客などマーケティング分野での活用が期待される。

ARはソーシャルゲーム以外にも、すでに教育や医療などの分野でも活用が進んでいます。今後期待されるのが、ECサイトでのユーザーエクスペリエンス向上や成果報酬型広告の配信などマーケティング分野での活用です。たとえば、ユーザーが撮影した室内の画像の上に、商品のCG画像を合成して配置できるレイアウトシミュレーターを提供するECサイトも登場しています。広告分野では、実店舗の看板にカメラをかざすと、その店が販売している商品の写真をポップアップ表示してECサイトの販売ページにリンクすることで、購買に直結する広告の実験が進められています。

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 ◎初出:2011年2月21日
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