第5回・ジオフェンシング
Twitterに続いて、今年にブレイクすると予想されているのが位置情報を活用したサービスです。位置情報をベースにしたSNS「foursquare」の会員数が600万人を突破したり、GoogleがモバイルGoogleマップ上で位置情報を友達と共有できる「Google Latitude」を開始するなど、すでに海外では位置情報サービスは大きな盛り上がりを見せています。その位置情報サービスにおいて注目されているのが、地図上に仮想的な境界(フェンス)を設定して、特定の場所に友達や自分が入ったり出たりすると決められた処理を自動的に行う「ジオフェンシング」と呼ばれる技術です。
ジオフェンシング技術が実用化されると、GPS機能が搭載されたモバイル端末を持った家族や友達の行動をリアルタイムで追跡して、必要に応じて相手にメッセージを送るなどの対応をしてくれます。たとえば、子供が行動範囲として定めたフェンスの外に移動してしまうと、アラートが自動的に送られてくるような利用方法が考えられます。自動車の盗難防止や社員の勤怠管理システムなど、応用できるサービスは広範囲に及びます。将来はホームネットワークと連動させて、最寄り駅の改札を出ると自宅のエアコンを作動させるような使い方も可能でしょう。
すでにジオフェンシングが導入されている例としては、2010年8月にリリースされたAndroid向けアプリ「Neer」があります。Neerは、自宅、職場、駅など特定の場所を指定して仮想的なフェンスを構築しておくと、その場所に出たり入ったりした瞬間に友達との間で情報が共有される仕組みです。あらかじめ登録した友達のみに、テキストメッセージで場所の名称だけが送られるので、foursquareのように友達や自分の現在位置が地図上で公開されることもありません。友達が近くに来た時にメッセージを自動的に送るなど、仲間内での行動共有に適しています。
| テクノロジー名 | ジオフェンシング |
| 技術の概要 | 地図上に仮想的な境界(フェンス)を設定し、モバイル端末を持った人の行動をリアルタイムで追跡してあらかじめ決めた処理を自動的に行う。 |
| 普及状況 | Android向けアプリ「Neer」など、ジオフェンシング技術が一部導入されたサービスもあるが、本格的に普及するにはスマートフォンなどGPS機能が搭載されたモバイル端末のバッテリー性能向上が必要。 |
| 考えられる影響 | 子供の監視や自動車の盗難防止など、日常生活の安全や防犯に役立つサービスが利用できるようになると期待される。ソーシャル機能連携により、仲間内での新しいコミュニケーション手段になる可能性も。 |
ジオフェンシングは、親密度の高い人との新しいコミュニケーション手段として定着する可能性もあり、マーケティングチャネルとしても注目されています。しかし、ジオフェンシングが広く普及するには、モバイル端末の電源確保という大きな課題が残っています。現在の代表的なスマートフォンの機種では、GPS機能で定期的に位置情報を取得して、アプリを使ってバックグラウンド処理を行うとバッテリーは2時間程度しか持続しないのが現状です。ジオフェンシングがビジネスや日常生活において重要な役割を果たすようになるには、もう少し時間が必要かもしれません。
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◎初出:2011年2月14日
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