第3回・HTML5
HTML5とは、現在Webに主に使われている「HTML4」の機能拡張版として、Web関係の標準化団体・W3C(World Wide Web Consortium)とWHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)が共同で策定作業を進めているHTMLの新しい仕様のことです。W3CがHTML5の最初の草案を公開したのは2008年1月で、その時には2010年9月に正式な勧告としてリリースする予定でしたが、その後、XMLの文法に従ってHTMLを再定義した「XHTML」の後継版であるXHTML2の開発を中止するなどの方針変更があり、現時点ではHTML5の正式勧告は2012年3月以降になると見込まれています。
W3Cでは、HTMLは急速にXMLベースに移行すると予想して、2000年に「XHTML1」を勧告、さらにXHTML1の機能を拡張したXHTML2の策定にも着手していました。その一方で、Web2.0をきっかけに、WHATWGが中心となりJavaScriptやCGIなどとの連携性を強めた新しいWebの仕様開発が進められてきました。その結果、2008年にはW3CとWHATWGが共同してHTML5の策定作業を行うことになり、XHTML2の開発は中止、HTML4の後継仕様がHTML5に一本化されました。HTML5では、文書の記述方法だけでなく、Webアプリケーションのプラットフォーム的要素が含まれている点が大きな特徴です。
FirefoxやChromeなど主要ブラウザではすでにHTML5の一部機能が実装されていて、先日リリースされたInternet Explorer9のβ版もHTML5に対応しています。YouTubeでは、HTML5に対応したブラウザで利用すると、Flashがインストールされていない場合にはHTML5プレーヤーで動画が再生されるという新しいコードフォーマットを開発し、現在テストを実施しています。HTML5の正式勧告はまだですが、このようにすでにHTML5の機能を活用したサービスの提供が開始されています。今後、アプリケーション機能強化を志向するWebサイトではHTML5への移行が加速すると予想されます。
| テクノロジー名 | HTML5 |
| 技術の概要 | HTML4の機能拡張版として、W3CとWHATWGが共同で策定作業を進めているHTMLの新しい仕様。現時点では2012年3月以降に正式勧告となる予定。 |
| 普及状況 | 正式勧告に先立ち、主要ブラウザではすでにHTML5の一部機能が実装されている。YouTubeやニコニコ動画など、HTML5のサービスの提供が開始されていて、今後HTML5へ移行するサイトが増える見込み。 |
| 考えられる影響 | HTML5には、Webアプリケーションのプラットフォーム的要素が含まれている点が大きな特徴。HTML5導入によって、Webアプリケーション開発が容易になり、サイトの操作性や利便性が向上することが期待される。 |
Webサイトが持つ意味をコンピュータに理解させ、コンピュータ間で処理を行なわせるための技術「セマンティックWeb」の実現を目指したXHTML2の構想の一部はHTML5に引き継がれました。よって、HTML5には、Webアプリケーション開発のプラットフォームとしての仕様に加えて、セマンティックWebの要素も含まれています。セマンティックWebの技術は、すでにRSSリーダーやマッシュアップ開発支援などに実用化されていますが、HTML5を導入するサイトが増加するに伴い、セマンティックWebという概念が再び注目を集める可能性は高いといえるでしょう。
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◎初出:2011年1月31日
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