第2回・LTE(Long Term Evolution)
LTE(Long Term Evolution)とは、光ファイバー並の高速データ通信を可能にする新たな携帯電話の通信規格です。現在のW-CDMAやCDMA2000など第3世代携帯電話(3G)の機能を大きく拡張する目的で、NTTドコモが「Super 3G」として開発した技術がベースになっています。次世代の第4世代携帯電話(4G)への橋渡し的役割が期待されることから、第3.9世代携帯電話(3.9G)とも呼ばれています。LTEには、データ通信におけるビット当たりの単価を従来の方式に比べて大幅に削減できるというメリットがあり、すでに主要国の多くの通信事業者が導入を表明しています。
NTTドコモは、2010年12月に日本初となるLTEの商用サービス「Xi(クロッシィ)」を開始しました。サービス開始当初は、データ通信のみのサービスとなり、USBタイプの端末などをパソコンに接続して利用する形になります。FOMAの通信速度の約10倍となる下り最大75Mbps(屋内の場合)の高速データ通信を実現しており、将来的には下り最大100Mbps程度に高速化される見込みです。2011年から発売される通話機能搭載端末では、通話には従来の3G方式が使われていますが、順次LTE対応エリアでIP電話(VoIP)方式に切り替える計画です。
モバイル端末向けのブロードバンドサービスとしては、すでに日本やアメリカなどで商用サービスが開始されているモバイルWiMAXがあります。モバイルWiMAXは、IEEE 802.16eという移動体の無線通信規格で、理論的には最大で75Mbpsのデータ通信が可能とされています。2009年7月に本サービスが開始されたUQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」では、下り最大40Mbpsと屋外ではLTEサービスのXi(下り最大37.5Mbps)を上回ります。ちなみに、UQコミュニケーションズはKDDIが中心になって2007年に設立された通信事業者です。
| テクノロジー名 | LTE(Long Term Evolution) |
| 技術の概要 | NTTドコモが2004年に「Super 3G」として発表した構想をベースに標準化された携帯電話の通信規格。光ファイバー並の高速データ通信が可能。 |
| 普及状況 | NTTドコモは、2010年12月に日本初となるLTEの商用サービス「Xi(クロッシィ)」を開始。当初は下り最大75Mbps(屋内の場合)の高速データ通信のみ。主要国の通信事業者がLTEの導入を予定している。 |
| 考えられる影響 | LTEには、データ通信コストを大幅に削減できるというメリットがあり、普及すればデータ通信料金が安くなることが予想される。スマートフォンでのオンラインテレビ視聴など携帯端末の利用形態が変化する可能性が高い。 |
サービス開始時期ではモバイルWiMAXが先行した形になりましたが、LTEは従来の携帯電話が進化した技術で、間もなく通話機能も利用できることから、日本のみならず、世界の主要国でLTEが次世代モバイルブロードバンドとして普及するのではないかと予想されています。スウェーデンのEricssonは、現在世界で5億人を超えているモバイルブロードバンド加入者数が2011年末までに10億人に達すると予測しています。同社では、LTEなどの普及によって、スマートフォンでのオンラインテレビ視聴などモバイルブロードバンドの利用形態が変化すると分析しています。
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◎初出:2011年1月24日
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