第10回・Spoon Browser Sandbox
Webページに一般的に使われているJavascriptやCSSはブラウザに依存する部分も多く、Webの制作にあたっては主要なブラウザでの動作確認の作業が欠かせません。最近では主要なブラウザも、Internet Explorer、Firefox、Opera、Safari、Google Chromeの5種類にのぼり、さらに各ブラウザに複数のバージョンが存在しますので、すべてのブラウザのすべてのバージョンをチェックするとなると、各バージョンが使えるPCを用意するだけでも大変です。そんな時に大いに役立つのが、アメリカSpoon社が無料で公開しているブラウザチェックツール「Spoon Browser Sandbox」です。
Spoon Browser Sandboxは、Spoon社が開発したアプリケーション仮想化技術を使うことにより、ブラウザをPCにインストールすることなく、あたかもインストールしたかのように起動させることができるツールです。Spoon Browser Sandboxでは、現在、主要ブラウザ5種類の計18のバージョンが利用でき、起動したブラウザからネット上のサイトはもちろん、ハードディスク内のHTMLファイルを開くことも可能です。つまり、Spoon Browser Sandboxを使えば、新たにブラウザを一切インストールせずに、計18種類のブラウザで制作途中のページの表示や動作の確認ができるのです。
Spoon社は、2010年6月に社名が現在のものに変更されるまでは、Xenocodeという社名でした。Xenocode社は、2003年にMicrosoftの技術者が中心になってアメリカ・シアトルに設立されたベンチャー企業です。独自に開発したアプリケーション・ストリーミング技術「Xenocode」のデモを兼ねて2009年2月に開設されたのが、「Xenocode Browser Sandbox」です。その後、社名の変更に伴い、サイト名もSpoon Browser Sandboxに変更されました。同社のサイトspoon.netでは、同じ仮想化技術を応用してユーティリティやゲームなど様々なアプリケーションが提供されています。
Spoon Browser Sandboxを利用するには、会員登録や個人情報の入力は一切必要ありません。Spoon Browser Sandboxのページに最初にアクセスすると、ボタンをクリックして「Spoon-Sandbox.exe」のダウンロードを求められます。これはブラウザのプラグインとして機能し、一度ダウンロードすると、以後はブラウザと一緒に自動的に起動して常駐します。(Spoon Browser Sandboxを使わなくなれば、簡単に削除できます。)後はSpoon Browser Sandboxに掲載されている18種類のブラウザ画像をクリックするだけで、30秒から1分程度で選んだブラウザが立ち上がります。
| ツール名 | Spoon Browser Sandbox |
| URL | http://www.spoon.net/browsers/ |
| 運営者 | Spoon(本社:シアトル) |
| 機能の概要 | アプリケーション仮想化技術により、ブラウザをPCにインストールすることなく、あたかもインストールしたかのように起動させることができるツール。現在、主要な5種類のブラウザの計18バージョンを利用することが可能。 |
| 特徴 | 利用にあたっては、会員登録や個人情報の入力は一切必要なし。初回のみ、プラグインのプログラムのダウンロードが求められる。spoon.netでは、同じ仮想化技術を応用してユーティリティやゲームなど様々なアプリケーションも提供されている。 |
インターネットを通じてアプリケーションの機能を提供する方法としてはSaaSが知られていますが、Spoon社のようなアプリケーション仮想化技術を使えば、インストール不要に加えてローカル環境で使用できるという、SaaSにはないメリットも提供できそうです。今後、Webサービスの機能を特定の環境で試してもらいたい場合などのプラットフォームとしての活用が広がる可能性もあると思われます。
※連載「マーケティングに役立つ無料ツール」は、今回で終了となります。10月からは新連載がスタートいたしますので、ご期待ください。
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◎初出:2010年9月27日
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