第4回・オンライン決済市場
消費者向けの電子商取引市場が拡大するに伴い、オンライン決済市場も順調に成長しています。野村総合研究所が公表した市場規模予測によると、オンライン決済市場はPCとモバイルの合計で2009年度に2383億円に達し、さらに2010年度には2760億円、2014年度には4735億円と2009年度以降、年平均成長率14.7%で拡大する見込みです。この数値は、消費者向け電子商取引市場の年平均成長率(12.7%)よりも高くなっています。なお、同社では市場規模を「インターネットなどを通じて商品やサービスの購入が行われる際に、第三者である決済機関(銀行等)が、手数料など取引参加者から取得する金額の合計」と定義しています。
一方、ミック経済研究所が公表した調査報告書では、オンライン決済の4サービス(電子マネー決済、ネットバンク決済、モバイルキャリア決済、クレジットカード決済)とオンライン決済代行サービスの合計として2010年度の市場規模を2086億円と予測しています。2086億円の内訳は、金額の大きい順にモバイルキャリア決済607億円、クレジットカード決済600億円、オンライン決済代行サービス600億円、ネットバンク決済170億円、電子マネー決済109億円となっています。同社では、オンライン決済代行サービスの伸び率が高く、2011年度には最大規模の市場になると予測しています。
オンライン決済市場については、日本では「サービス提供会社が受け取る収入額」なのに対して、海外では「オンライン決済による取引額」が市場規模として集計されるのが一般的です。Javelin Strategy & Researchが公表した調査結果によると、アメリカの2009年オンライン決済市場規模は前年比10.8%増の2050億ドル(約18兆4500億円)になりました。同社では、オンライン決済の種類を国際ブランドのクレジットカード、自社発行クレジットカード、デビットカード、PayPalに代表される新しい決済方法(ニューペイメント)の大きく4種類に分類しています。国際ブランドのクレジットカードの比率は徐々に低下していて、2008年は54.8%でしたが2014年には39.4%まで低下すると同社では予測しています。
中国のオンライン決済市場は驚異的な成長を続けています。iResearchは、中国の2009年オンライン決済市場が前年比110%増の5766億元(約8兆700億円)になる見込みであると発表しました。2010年には1兆元(約14兆円)の大台に乗せ、さらに2013年には2兆7500億元(約38兆5000億円)に達すると予測しています。仮に同社の予測通りに成長を続けた場合、2012年頃にはアメリカの市場規模を上回る可能性があります。一方、2010年3月に易観国際が発表したレポートによると、中国の2009年オンライン決済市場規模は5550億元(約7兆7700億円)で、そのうちアリババのオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」が約52%を占めています。
| 2010年予測 | それ以降の予測 | ソース(発表時期) | |
| 日本 (手数料収入) |
2760億円 | 2014年度に4735億円 | 野村総合研究所 (2009年12月) |
| 日本 (手数料収入) |
2086億円 | 2013年度に2712億円 | ミック経済研究所 (2009年8月) |
| アメリカ (取引総額) |
約2360億ドル (約21兆2400億円) |
2014年に約4110億ドル (約36兆9900億円) |
Javelin Strategy & Research(2010年2月) |
| 中国 (取引総額) |
1兆元 (約14兆円) |
2013年に2兆7500億元 (約38兆5000億円) |
iResearch(2009年12月) |
オンライン決済においてシェアを大きく伸ばしているのが、アメリカeBay傘下のPayPalや中国の支付宝など、Javelin Strategy & Researchがニューペイメントと分類している新しい決済方法です。同社では、アメリカにおいて2014年にはオンライン決済市場の約14%をニューペイメントが占めるようになると予測しています。一方、中国で圧倒的なシェアを誇る支付宝は、2010年3月に利用者数が全世界で3億人に達したと発表しました。利用者数1億人に達したのが2008年8月でしたので、その後およそ1年半で利用者数は3倍に急増したことになります。
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◎初出:2010年4月26日
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