第7回・ネットバンク
最近のインターネット調査によると、インターネットで普通預金の残高参照や振込手続きなどがおこなえるインターネットバンキングの利用率は約7割に達しています。今では都市銀行をはじめ、数多くの銀行がインターネットバンキングのサービスを提供していますが、普及の大きなきっかけになったのが2000年に営業を開始したジャパンネット銀行のような、店舗を持たずインターネット専門で業務をおこなうネットバンクの登場です。今回はネットバンク主要4行(イーバンク銀行、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行)を取り上げます。
ネットバンクでは、決済などの基本機能に加え、資産運用に関するサービスが充実しているのが共通点です。各行とも、金融商品仲介業者として株式や外国為替証拠金取引(FX)のサービスを提供しています。イーバンク銀行では、資産運用のための情報サイト「イーファンタジア」を運用しています。また、証券会社や保険会社など、他の会社で保有している口座を一括管理できる資産管理ツールを提供している点も共通しています。ジャパンネット銀行の「JNBアグリゲーション」や、ソニー銀行の「人生通帳」などがこれにあたります。いずれも口座開設者は無料で利用できます。
銀行業務として幅広いサービスを提供する一方で、利用目的別に特徴を打ち出す動きも出ています。イーバンク銀行は、ネットオークションの決済などを想定して、個人間でメールのやりとりだけで手軽に送金できる「メルマネ」を提供しています。ジャパンネット銀行は、ネットショップを開業したい個人向けのコンテンツを充実させていて、売上代金を受け取る口座としての利便性をアピールしています。住信SBIネット銀行では、目的別に口座を分けられる「目的別口座」という他のネットバンクにはないサービスを提供しているのが特徴です。
ネットバンクでは、過去に不正アクセスで預金が引き出されるという事件も発生しており、各行ともセキュリティ強化には力を入れています。ジャパンネット銀行では、業界では初めてトークンによるワンタイムパスワードを2006年に導入しました。トークンで1分に1回生成される6桁の数字をパスワードとして使用する仕組みで、1分後には無効になるためパスワード盗難による不正行為を防止する効果があります。ワンタイムパスワードは、その後、三井住友銀行やみずほ銀行など主要銀行のインターネットバンキングでも採用されています。
| サイト名 | Webマーケティングの特徴 |
| ★イーバンク銀行 http://www.ebank.co.jp/ |
・楽天グループのサービスやサイトと連携を強化 ・資産運営サイト「イーファンタジア」を運営 ・預かり資産によって特典が受けられるプログラム ・メールで送金できる「メルマネ」 |
| ★ジャパンネット銀行 http://www.japannetbank.co.jp/ |
・他の口座状況をチェックできる「JNBアグリゲーション」 ・ワンタイムパスワードを採用したセキュリティ ・ネットショップ開業支援のコンテンツ ・提携証券会社の口座開設申し込み |
| ★ソニー銀行 http://moneykit.net/ |
・初心者投資家向けコンテンツが充実 ・外国為替証拠金取引(FX)に注力 ・「人生通帳」など資産管理ツールを提供 ・投資情報「マーケットニュース&レポート」 |
| ★住信SBIネット銀行 http://www.netbk.co.jp/ |
・金利と手数料などの条件面で定評 ・親会社運営のコミュニティ「SBIマネーワールド」 ・目的に合わせて活用する「目的別口座」を開設可能 ・株式投資に充当できる「SBIハイブリッド預金」 |
ネットバンク共通の課題と思われるのは、携帯電話での利用率向上です。楽天リサーチが2009年9月に実施した調査によると、携帯電話からのインターネットバンキング利用率は約16%で、1年前の調査からほとんど増えていないことがわかりました。携帯電話での利便性を改善する余地はありそうです。2008年7月、KDDIと東京三菱UFJ銀行は、携帯電話にアプリをインストールして利用する世界初の携帯電話専用ネットバンク「じぶん銀行」を開業しました。PCからの利用と携帯電話からの利用でネットバンクの業態が分かれるのかどうか、じぶん銀行の動向が注目されます。
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◎初出:2009年11月30日
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