WEBマーケティング研究会(東京都港区南青山・株式会社アイプラネット内)は、企業の購買担当者が購買プロセスにおいてメーカーなどが運用するB to Bサイトをどのよう活用しているのかその実態を調べるために、インターネットパネルを使ったアンケート調査による、「B to Bに関する購買行動調査」を実施した。
■アンケート実施の背景と目的
最近、メーカーなど運営するB to Bサイトを活用して製品の購買を行う企業の担当者が増えている。購買にいたるまでのプロセスは様々だが、一般的な購買プロセスとしては、
1、課題認識(業務の必要性や課題から購買を考える段階)
2、比較検討(課題解決のために何を導入するか製品・サービスを比較検討する段階)
3、検証(ある程度、購買する製品・サービスが絞られ優位性を検証する段階)
4、承認(購買する製品・サービスが決定し、社内説得の段階)の4つのプロセスがあるとされる。
それぞれのプロセスにおいて、購買担当者がB to Bサイトがどのように活用しているのかを購買担当者に直接聞いた調査は、これまであまり行われていなかった。
そこでWEBマーケティング研究会では、企業の購買担当者を対象に実施する「B to Bに関する購買行動調査」を企画し、以下の5つの項目について約30問の質問を設計した。
1、最近に行ったWebでの業務用製品の購買実態
2、最近にWebで購買した製品の購買プロセス
3、購買プロセスにおける情報源
4、購買プロセスにおける企業サイトの利用
5、購買プロセスのおけるインターネット広告の接触
本調査では、企業の購買担当者が各購買プロセスにおいて実際に行ったことを分析して、B to Bサイトに求められている情報や機能を明らかにすることを目的にしている。本調査の結果が、B to Bサイトを運営する企業にとって少しでも役立つことを期待する。
なお本調査では、企業の購買担当者のうち、製品の選定に関与している人を対象としている。また、製品についても「製造機器など本業に関わる設備、機器、システム」に限定していて、「消耗品、オフィス機器など本業とは直接関係のない間接材」および「加工や製品製造のための原材料」は対象に含まれない。
■アンケート実施概要
調査期間:2009年9月1日(火)~9月3日(木)
調査方法:インターネットによるパネル調査
調査対象:外部のインターネットパネルに登録している人の中から、以下の3つの条件をすべて満たしている人を抽出して調査を依頼した。
1、従業員数50人以上の会社に勤務する会社員である
2、製造機器など本業に関わる設備、機器、システムなどの選定に関与している
3、メーカーなど企業サイトに月1回以上アクセスしている
有効回答数:313件
■結果概要
◎Webでの購買プロセス(課題認識、比較検討、検証、承認)は7割が3ヶ月未満で完了
「専門知識が必要な」製品を「3つ以内の候補」から「5人以内が関与」して「3ヶ月未満で購買」
最近に購買した製品について質問したところ、製品の特性としては「専門知識が必要」(73%)であり、候補にあがった「3製品以内」(95%)から、社内の「5人以内」(81%)が関与して、「3ヶ月未満」(70%)で一連の購買プロセス(課題認識、比較検討、検証、承認)が完了したことがわかった。製品の価格帯は1000万円未満が74%、不定期もしくは定期的なメンテナンスが必要な製品が73%を占めている。

◎購入した製品を知ったきっかけは「メーカーのWebサイト」や「メーカーの担当者」
メーカーのWebサイト(27%)、メーカーの担当者(20%)、同業者・社内スタッフ(18%)で6割以上を占める
最近に購買した製品を知ったきっかけを一つだけ聞いたところ、「メーカーのWebサイト」(27%)、「メーカーの担当者」(20%)、「同業者・社内スタッフ」(18%)の上位3つで6割以上を占めた。4位の「見本市・展示会」は7%と上位3つからは大きく離された。また、ベンダーからの情報としては、「ベンダーの担当者」(5%)、「ベンダーのWebサイト」(1%)と、メーカーに比較すると数字がかなり低い結果となった。数値は決して高くないものの、「インターネット広告」で購買した製品を知った人も2%いた。
◎購買プロセスにおいて「メーカーのWebサイト」の影響力が大きい
「メーカーのWebサイト」は、よく利用する情報源では64%、直近の購買で役に立った情報源では51%
普段から業務でよく利用する情報源を複数回答形式で聞いたところ、上位3つは「メーカーのWebサイト」(64%)、「メーカーの担当者」(40%)、「同業者・社内スタッフ」(39%)と最近に購買した製品を知ったきっかけと同じ順位になった。続いて、「サーチエンジン」(39%)、「見本市・展示会」(32%)、「業界紙・業界雑誌」(29%)と、サーチエンジンが普段からよく利用されていることがわかった。また、最近の購買行動において役に立った情報源でも、「メーカーのWebサイト」(51%)、「メーカーの担当者」(39%)、「同業者・社内スタッフ」(28%)と上位3つは同じ順位になった。

◎製品の価格帯によって購買した製品を知ったきっかけや役に立った情報に違い
製品の単価が1000万円以上では「メーカーの担当者からの情報」が大きなウエイトを占める
購買した製品を知ったきっかけは、単価100万円未満では、「メーカーのウェブサイト」(35%)、「同業者・社内スタッフ」(17%)、「メーカー担当者」(14%)なのに対して、単価1000万円以上では、「メーカー担当者」(33%)、「同業者・社内スタッフ」(15%)、「見本市・展示会」(13%)となった。単価1000万円以上の製品では、見本市・展示会がきっかけで知るケースも少なくない。また、購買過程において役に立った情報は、単価1000万円以上では、「メーカーの担当者からの情報」(65%)、「同業者や社内スタッフからの情報」(35%)、「メーカーのWebサイト」(30%)、「ベンダーの担当者からの情報」(24%)と、「メーカーの担当者からの情報」が大きなウエイトを占めていることがわかる。
◎比較検討・検証のプロセスでWebサイトの活用が進む
製品・技術情報の収集76%、導入事例情報の収集43%、技術資料請求41%、問い合わせ26%
購買する製品を決定する比較検討・検証のプロセスにおいて、「Webサイトで製品・技術情報収集」を行った人は76%(うち13%は頻繁に行ったと回答)に達した。同様にWebサイトを使って、「導入事例情報の収集」は43%、「製品パンフレットや技術資料の請求」は41%、「製品についての問い合わせ」は26%と、比較検討・検証のプロセスでWebサイトの利用率が高いことがわかった。
◎メーカーやベンダーのWebサイトでは「製品情報」や「プレスリリース」の充実を望む声が高い
「ホワイトペーパーや技術資料」は「充実を強く希望する」が24%と「製品情報」に次いで高い
購買予定の製品を製造・販売する企業(メーカーやベンダー)のWebサイトのコンテンツについて、どのようなコンテンツを閲覧しているか、そしてどのようなコンテンツの充実を希望するかを質問した。12に分類されたコンテンツのうち、「よく閲覧する」と「閲覧する」の合計が高かったのは、「製品情報」(95%)、「新製品発売などのプレスリリース」(77%)、「導入事例の紹介」(72%)、「ホワイトペーパーや技術資料」(64%)の順となった。充実を希望するコンテンツは、「強く希望する」と「希望する」の合計では同じ順位になったが、「強く希望する」だけを見ると「ホワイトペーパーや技術資料」(24%)が「製品情報」(45%)に次いで2位となった。
◎最近の購買で情報収集のためにサーチエンジンを利用した人が約7割
サーチエンジンを利用した人は66%、リスティング広告より検索結果を重視した人が85%
最近の購買において、情報収集目的でサーチエンジンを利用した人は66%と、ほぼ3人に2人の割合になった。表示される結果については、検索結果順位(自然検索)を優先する人が85%、うち検索結果のみを参考にするという人が38%を占めた。サーチエンジンを利用しなかった人に理由を複数回答形式で聞いたところ、「オフライン情報で十分」と回答した人が59%と一番多かった。

◎購買プロセス時のインターネット広告接触率は6割~7割、広告をクリックした人は2割~3割
課題認識と比較検討では「情報ポータルサイトのWeb広告」、検証では「メールマガジン広告」の影響が比較的大きい
日常業務におけるインターネットでの情報収集活動において、購買に関連するインターネット広告と接触する機会がどのくらいあるのか、また接触したインターネット広告に対してどのようなアクションを取ったことがあるのかを、インターネット広告の種類別に質問したところ、接触率はおおむね6割から7割の間に収まった。インターネット広告が購買プロセスに影響を与えたという回答は、「情報ポータルサイトのWeb広告」が一番多く、特に「課題認識」と「比較検討」のプロセスでの影響が大きかった。一方、「検証」プロセスへは「情報ポータルサイトが発行しているメールマガジンのテキスト広告」の影響が比較的大きかった。
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◎初出:2009年10月9日
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