第9回・オンライン決済市場
消費者向け電子商取引市場の拡大に伴い、日本でも急成長しているのがオンライン決済市場です。サイボウズ・メディアアンドテクノロジーが2008年6月に発表した「ネット決済サービス実態調査 2008年度版」によると、2007年度のオンライン決済市場規模は、決済手数料や初期費用・月額利用料金・オプショナルサービス費用など決済サービス提供会社が受け取る収入の合計として前年比12.6%増の約1880億円規模になりました。自動車や不動産など決済サービスが対応していない高額商品を除けば、オンライン決済サービス利用率はすでに40%程度に達していると記載されています。
2008年12月に野村総合研究所が公表した市場規模予測によると、オンライン決済市場はPCとモバイルの合計で2008年度に2220億円に、さらに2013年度には4562億円まで拡大する見込みです。2008年度から2013年度までの年平均成長率は15.5%となり、同時に公表された消費者向け電子商取引市場の年平均成長率(13.5%)よりも高くなっています。オンライン決済市場を牽引するのはモバイルで、2008年度に371億円(市場全体の約17%)が2013年度には21%にあたる965億円に拡大すると予測されています。
世界のオンライン決済市場については、いくつかの調査会社が予測を公表しています。日本の市場規模が「サービス提供会社が受け取る収入額」なのに対して、海外では「オンライン決済による取引額」が市場規模として集計されるのが一般的です。アメリカの調査会社Javelin Strategy & Researchが2008年11月に発表した予測によると、2008年の世界のオンライン決済額は1480億ドル(約13兆3200億円)となり、2013年には2680億ドル(約24兆1200億円)まで拡大するとしています。
中国では、アリババの電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を中心とした独自の市場を形成しています。中国の調査会社・易観国際が発表した「2008年第2四半期電子決算市場四半期観測」によると、2008年の第2四半期だけで中国のオンライン決済額は505億1200万元(約6570億円)に達しましたが、そのうち支付宝が実に58.3%に当たる294億3000万元(約3830億円)を占めています。艾端諮詢集団では、2008年の中国のオンライン決済額は2100億元(約2兆7300億円)に達すると予測しています。
| 2008年予測 | 補足事項 | ソース(発表時期) | |
| 日本 | 2220億円 | 2013年に4562億円 (※手数料などの収入額) |
野村総合研究所 (2008年12月) |
| 中国 | 2100億元 (約2兆7300億円) |
(※オンライン決済額)支付宝と騰訊財付通、中国銀聯電子支付で市場の4分の3を占める | 艾端諮詢集団 (2008年9月) |
| 世界 | 1480億ドル (約13兆3200億円) |
2013年に2680億ドル (約24兆1200億円) (※オンライン決済額) |
Javelin Strategy & Research (2008年11月) |
オンライン決済でもっともオーソドックスな手段はクレジットカード決済ですが、アメリカeBay傘下のPayPalや中国の支付宝など、クレジットカード番号を入力しなくていい決済方法が広がりつつあります。PayPalは全世界で約2億人、支付宝は中国を中心に約1億人のユーザを擁しています。アメリカでは、PayPalなどを含めた新しい決済手段がすでにオンライン決済の約2割を占めていて、近いうちに1/3までシェアを拡大すると予測されています。
-----------------------------------------------------------------
◎初出:2009年3月2日
-----------------------------------------------------------------
| 固定リンク
|

