「ブロガー実態調査」結果概要
WEBマーケティング研究会(東京都港区南青山・株式会社アイプラネット内)は、日本で運営されているブログとブロガーの実態を調査するために、インターネットパネルを使ったアンケート調査によって、PC向けブログを運営している「ブロガー」を対象に「ブロガー実態調査」を実施した。
■アンケート実施の背景と目的
総務省の情報通信政策研究所が2008年の7月に公表した「ブログの実態に関する調査研究」の調査結果によると、ネットで公開されている国内ブログの総数は約1,690万で、そのうち月1回以上更新されているアクティブなブログは約300万となっている。また、全世界で7,000万を超えるブログを検索対象にしているアメリカのTechnoratiは、2006年第4四半期の「記事投稿数」は、日本語の記事が37%と英語の36%を抜いて最大のシェアになったと発表した。
このように、日本ではブログという消費者発信型メディアが広く普及しているものの、ブログを運営する「ブロガー」の実態についてはあまり明らかになっていない。そこで、WEBマーケティング研究会では、現在PC用ブログを運営しているブロガーを対象に、ブロガーの行動や考え方からタイプ分類をし、ブロガータイプ別にどのような特徴があるのかを調査するために「ブロガー実態調査」を実施した。
本調査を行う前に、インターネットパネルからブロガーを抽出するための予備調査(有効サンプル数:1万人)を実施したところ、個人的にPC用のブログを1つ以上開設している人は全体の32%、さらに「月1回以上更新」という条件を加えた割合は、全体の23%となった。性別によるブログの開設率の違いはほとんどなく、年代別では20代がもっとも多く、年代が高くなるにつれて開設率が低くなるという傾向が出た。また、20代~40代の未既婚別では「未婚者」のほうがブログのアクティブ率が高いことがわかった。
■アンケート実施概要
調査期間:2008年8月26日(火)~8月27日(水)
調査方法:インターネットによるパネル調査(調査機関:株式会社マクロミル)
調査対象:外部のインターネットパネルに登録している全国の20歳~65歳の男女
(ただし、広告代理店・調査会社に勤務している人は除く)
割付:男女半々、20代100人、30代150人、40代150人、50~65歳100人
スクリーニング条件:ブロガー(PC用ブログを開設して月1回程度以上更新している人)
有効回答数:520件
■ブロガーの分類
約50問の設問のうち、ブロガーのタイプ分類の要素となり得ると思われる設問でクロス集計して分析したところ、「ブログの更新頻度」と「ブログ運営によって得られる収入」の2つで特徴的な差が見られた。
◆最も頻繁に更新しているブログの更新頻度
1日に何度も 4%
1日1回程度 21%
週に数回程度 30%
週に1回程度 18%
月に数回程度 19%
月に1回程度 9%
◆ブログ運営による収入(月平均)
0円 65%
1円~1000円未満 19%
1000円~5000円未満 6%
5000円~1万円未満 3%
1万円~10万円未満 2%
把握していない 5%
◎更新頻度とブログ運営による収入でブロガーを5つのグループに分類
そこで、更新頻度については「高頻度(週1回以上)」と「低頻度(月1回~月数回)」の2つに、収入については「高収入(月額1000円以上)」、「収入あり(月額1000円未満)」と「0円」の3つに分類し、2つの項目を掛け合わせてグループ分けを行った。低頻度で高収入を得ている人がいなかったため、回答者は各グループの特徴から命名した以下の5グループに分類された。
・ブログプロ型(高頻度高収入) 50人(10%)
・発展途上これから型(高頻度収入あり) 95人(18%)
・気分伝える情熱型(高頻度0円) 233人(45%)
・ちゃっかりマイペース型(低頻度収入あり) 38人( 7%)
・とりあえず開設型(低頻度0円) 104人(20%)
◎【ブログプロ型】=複数のブログを運営し、宣伝方法も知り尽くした「高頻度高収入」層
男性が6割強を占め、5歳きざみの年代では40~44歳が32%ともっとも高い。また、複数のブログを運営している比率が5つのグループでもっとも高く、「5つ以上」運営している人も28%にのぼる。アフィリエイトによる副収入をブログ開設の目的にして、テーマもあらかじめ決めてから開設する人が他のグループと比べてかなり高いのが特徴。企業の製品やサービスの情報を記事にしたり、企業からのアプローチにも対応したり、企業との関係を前向きに考えている。ブログの宣伝方法にも、他のグループには見られない特徴があり、ブログの特性やネットにおけるクチコミの効果などもよく知っていると思われる。
◎【発展途上これから型】=収入アップを狙う専業主婦の比率が高い「高頻度収入あり」層
専業主婦の比率が高いのが特徴。多くの項目で【ブログプロ型】(高頻度高収入)と【気分伝える情熱型】(高頻度0円)の中間の値を示している。過去の記事数では【ブログプロ型】と比べて明らかに少なく、【気分伝える情熱型】とほぼ同じ。更新頻度を維持すれば、時間の経過とともに記事数では【ブログプロ型】に近づくが、それに伴って収入が増えるかどうか。現在は、記事数を増やしながら「高収入」に移行すべく経験を積んでいる途中と考えられる。
◎【気分伝える情熱型】=収入ゼロでもPVが少なくてもテンションを維持できる「高頻度0円」層
このグループには、もともと副収入に関心がなくアフィリエイトなどを設置していない人と、アフィリエイトを設置しているものの収入が0円という人の両方が含まれる。ブログの開設目的では、副収入にかかわる回答が低く、一方で日記や自分に関する記録、備忘録の比率が高くなっている。更新頻度は高いものの、ページビュー数は「50ページビュー未満」が60%を占めている。収入がなくてもページビュー数が少なくても、高い更新頻度を維持できているということは、5つのグループの中ではもっとも純粋に「ブログを運営すること」に情熱を持っているといえる。
◎【ちゃっかりマイペース型】=少ない手間で効率よくブログを運営する「低頻度収入あり」層
高い更新頻度でも収入0円の人が圧倒的に多いことを考えると、低い更新頻度で収入が得られていることは、上手にブログを運営しているとみることもできる。このグループは、年代では30~34歳の比率がもっとも高く、職業別では技術系会社員と自営業者の比率が高いのが特徴。本業が忙しくて更新頻度は低いものの、専門知識を生かして効率よくブログを運営している姿が想像される。
◎【とりあえず開設型】=友人との関係やSNSの日記を重視する「低頻度0円」層
ブログの対象として、実生活で関係のある友人・知人を想定している比率が高い。アクセス分析を行っていない人が47%と、どれだけの人に読んでもらったかについても、あまり関心がない。SNSで日記をつけている人を対象にした質問では、SNSの日記よりもブログの更新に力を入れている人は14%と他のグループに比べて極端に低くなっている。これらのことから、SNSの方に関心が向いていて、ブログについてはとりあえず開設し、友人・知人向けにたまに更新している、という人が多いと推測できる。
■結果概要
◎【ブログプロ型】の7割がアフィリエイトによる副収入目的でブログを開設
広告設置率はアフィリエイト広告86%、テキスト広告42%で最多
最新のブログを開設した目的は、【ブログプロ型】では「アフィリエイトプログラムによる副収入」が70%と圧倒的に高く、「報酬記事を書くことによる副収入」も20%と他のグループに比べて高い。それを裏付けるかのように、【ブログプロ型】の広告設置率は、アフィリエイト広告86%、テキスト広告42%でいずれも他のグループと比較してもっとも高くなっている。収入のない【気分伝える情熱型】と【とりあえず開設型】の開設目的は「日記や自分に関する記録、備忘録として」が他のグループと比べて高く、広告設置率は低くなっている。現在広告を設置している人は、全体で、アフィリエイト広告37%、テキスト広告14%という結果になった。
◎記事のジャンルは、【ブログプロ型】と【気分伝える情熱型】【とりあえず開設型】で傾向に差
【ブログプロ型】には、インターネット、投資、美容、健康、学習などが人気
ブログに書く記事のジャンル(内容)を複数回答形式で回答してもらったところ、全体では、「生活(日常の出来事・子育て・懸賞など)」がもっとも高く58%となった。以下、2位から5位までは30%台となっている。【ブログプロ型】は、「コンピュータ・インターネット」、「金融・投資」、「美容・ダイエット・ファッション」、「医療・健康」、「学習・資格」が他のグループと比較して高くなった。一方、「生活(日常の出来事・子育て・懸賞など)」は【気分伝える情熱型】と【とりあえず開設型】の比率が高い。
◎【ブログプロ型】は86%が何らかのアクセス分析を実施
宣伝方法にもクチコミやサーチエンジン対策などの手法を駆使
ブログのアクセス分析については、【ブログプロ型】は86%が何らかのアクセス分析を実施していることがわかった。逆に、【とりあえず開設型】は、分析を行っていない人が47%を占める。【ブログプロ型】と【ちゃっかりマイペース型】では、アクセス分析専用のASPやブログパーツを導入している人が多く、アクセス分析に熱心なことがうかがえる。アクセス数を増やすために、ブロガーが実施していることでは、【ブログプロ型】は「ブログランキング専用のサイトに登録している」、「特定のキーワードで検索結果上位になるよう、使用する言葉を工夫している」、「知らない人のブログに積極的にコメントの書き込みやトラックバックを行なっている」などの数値が高いという特徴が見られた。
◎【ブログプロ型】の52%がすでにブログパーツを導入済み
全体では35%が導入経験あるも、35%は意味を知らず認知度にギャップ
ブログパーツを「すでに自分のブログに導入している」のは、【ブログプロ型】が一番高く52%と過半数を超えた。【気分伝える情熱型】は25%、【とりあえず開設型】は10%とグループによって大きな差が出た。全体では、導入している人と過去に導入した経験のある人の合計が35%に達したものの、一方でブログパーツの意味を知らない人も35%存在していて、認知度に大きなギャップがあることもわかった。ブログパーツ設置の目的・動機は、「面白い・かわいいと思った」が55%と一番高かったが、「ブログ管理や運営に便利」や「ブログのデザイン性向上」という実用的な目的も多かった。
◎SNSで日記をつけている【ブログプロ型】の91%はブログ更新を重視
逆に【とりあえず開設型】は54%がSNSの日記の方を重視
SNSに登録をしている人は57%、登録していない人は43%という比率になった。SNSに登録している人のうち、「日記をつけている」(30%)と「日記はつけていない」(27%)はほぼ半々に分かれた。「SNSで日記をつけている」と回答した156人に対して、ブログの更新とSNSの日記の更新では、どちらにより力を入れているかを質問したところ、「SNSの日記の更新」が45%で、「ブログの更新」の35%を上回った。【ブログプロ型】は、「ブログの更新」に力を入れている人が91%と圧倒的に高い。反面、【とりあえず開設型】はSNSの日記の更新に力を入れている人が54%と過半数を超えている。
◎【気分伝える情熱型】は、SNSの日記や掲示板の投稿を情報源として活用
一方、【ブログプロ型】はポータルサイト、企業サイトなどを重視
ブログを書くために意識的に接触している情報源は、「テレビ番組の情報」がもっとも高かったが、2位から4位まではネットの情報源が占め、ブログ記事執筆のためにネットの情報源が活用されていることがわかった。【ブログプロ型】は、「ポータルサイト」、「企業サイト」、「懸賞・アフィリエイト情報サイト」を活用している比率が高かったのに対して、【気分伝える情熱型】は、SNSの日記や掲示板の投稿を情報源としている比率が他のグループと比べて際立って高かった。性別では、男性は「ポータルサイト」、「ニュースサイト」、「企業サイト」、女性は「SNSの日記や掲示板の投稿」、「懸賞情報サイト」などを重視する傾向が出ている。
◎【ブログプロ型】の58%が特定の製品・サービスを記事にした経験
記事にしたきっかけは自分の体験と「読者が興味を持つと思ったから」
ブログの記事として特定の企業の製品やサービスを取り上げた経験があるかどうかを聞いてみたところ、「メインにした記事を書いたことがある」(31%)と「話の中で触れたことはある」(30%)を合わせると、企業の製品やサービスを記事の中で紹介したことがあるブロガーは6割を超えていることがわかった。【ブログプロ型】は、「メインにした記事を書いたことがある」と回答した人が58%ともっとも高くなった。企業の製品やサービスについて記事を書こうと思ったきっかけは、全体では「自分で実際に体験してみて素晴らしいと感じたから」が75%となった。【ブログプロ型】は、「読者が興味を持つと思ったから」が他のグループと比較して際立って高いという特徴が見られた。
◎クチコミブログ広告サービスの登録率は【ブログプロ型】で34%
全体では、クチコミブログ広告の容認派は約8割
特定の企業の製品やサービスについての記事を書けば報酬がもらえる「クチコミブログ広告」については、「登録している」と回答した人は全体の13%にとどまった。その中で【ブログプロ型】(34%)と【発展途上これから型】(30%)は3割を超えているのが目立った。このようなブロガーが企業から報酬をもらって製品やサービスについて記事を書くクチコミブログ広告についてどう思うかを聞いたところ、「事実に基づいた記事であれば容認できる」が56%ともっとも高く、「企業・ブロガーともにメリットがあれば好ましいことだと思う」と合わせると容認派は約8割に達する。
■結果詳細
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◎初出:2008年11月11日
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