09-Webマーケティング最前線

2007/08/16

vol.1 日経ネットマーケティング編集長 渡辺博則氏インタビュー(3)

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「セオリーのないところにこそ情報ニーズがある」

■2007年後半、編集長の注目点は!?

-今年後半にかけてネットマーケティング業界で変化が起きそうな点は何でしょう?

一つ目は、ページビュー神話の崩壊ですね。先日ネットレイティングスで、滞在時間を指標に取り入れると。広告料金を決める際の、広告主と媒体みんなが納得できる落としどころを探る動きが活発になるでしょう。

補注:Nielsen//NetRatings(米)の2007年7月10日プレスリリース
「Nielsen//NetRatings Adds “Total Minutes” Metric to Syndicated Service as Best Measure of Online Engagement」http://www.netratings.com/pr/pr_070710.pdf

補注:「Nielsen//NetRatingsがサイト滞在時間を重視する方針に転換」
http://www.webdbm.jp/2007/07/index.html#entry-19584026

二つ目は、大手がやっているブログの分析に注目しています。ISPやベンダーがやっている分析。日本は世界一のblog大国だというデータが流れましたね。世界でも稀有な例です。(それだけ多くの日本人がblogを書くということは)下手なアンケート調査をするより、そこを情報の宝庫と見てはどうでしょう?有益な情報だけピックアップする仕方を見つけた人が、ビジネスチャンスをつかむのではないでしょうか。意味解析の技術も洗練されていくでしょう。

補注:Technorati(米)CEO、Dave Sifry氏2007年4月5日blog
http://technorati.com/weblog/2007/04/328.html

三つ目は、携帯の進化です。GPS(全地球測位システム)などの仕組みを使って、基地局の位置情報を活用できるようになっています。これをどう情報提供に使っていくか。例えば、マクドナルドとDocomoのメルマガクーポンのように、来店の決め技として使う例が、位置情報と連動させた形で具体的に出てくるでしょう。役に立つ場所、位置で送られてきた情報は必ずユーザーに受け入れられるはずです。携帯の使い方が一皮むけますね。見逃していると損をする。今後はどこのお店に行くのか、携帯が羅針盤になる時代になるかもしれません。

補注:日本マクドナルドホールディングス(株)2007年2月26日「マクドナルドとドコモが、おサイフケータイを中心としたe-マーケティングの共同推進に合意」
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2007/release-070226.html

こういった一つ一つを見ていけば、「うちの会社はどうするの?」が見えてくるのではないでしょうか。 

●渡辺博則氏 プロフィール

日経BP社日経ネットマーケティング編集長
http://netmarketing.nikkeibp.co.jp

1985年早稲田大学理工学部建築学科卒、85年リクルート入社。1990年日経BP社に入社。以降、日経コミュニケーション、日経ネットビジネス(日経マルチメディア)の記者・副編集長、2004年日経ニューメディア編集長、2006年日経コミュニケーション編集長を経て、現在日経ネットマーケティング編集長。一貫してメディア分野を担当している。

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 ◎初出:2007年8月16日 
 ◎取材:2007年7月18日
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2007/08/14

vol.1 日経ネットマーケティング編集長 渡辺博則氏インタビュー(2)

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「セオリーのないところにこそ情報ニーズがある」

■ネットマーケティングの浸透

-ネットマーケティングの関係部署はどこまで広がるんでしょう?

以前はネットといえば、宣伝部・広報部。コーポレートサイトのイメージでした。今では商品サイトが個別にいくつも立っている時代。事業部ごとにサイト運営が垂直になってきた印象です。

-ネットマーケティング担当者という職種はまだなさそうですね。

そうですね。細かい事例に落とすと、傾向が見えてくるかもしれません。事業部の販促担当者だったり、宣伝担当者だったり。「日経ネットマーケティング」は企業の経営企画、広報、広告・宣伝、販売促進、通販・EC、営業支援など、企業のマーケティング・コミュニケーション活動、顧客接点システムに携わるマーケティングリーダーを対象とします。

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-当「WEBマーケティング研究会」の会員と、近そうですね。ところでネットマーケティング担当者に必要なスキルとは何だと思われますか?

状況が刻々と変化するので、情報をもつのがベターでしょう。例えばSEO一つとっても、10年前とは検索エンジンのアルゴリズムがかわっているから、昔のやり方は通じない。リスティングもこの度Overtureが新システムに移行しましたね。webデザインの仕方、flashやajaxなどテクノロジーも変化が激しい。その中で、自分の業務の目的にどう役立つかを日々検証していくのは大変ですが。

-webの世界では、上司より部下の方がスキルも経験も多いといった逆転現象がありますが。

そうですね。例えば、企業の広報宣伝や販売促進の方々に聞いた話ですが、社内でこれをやりたいといっても
決裁権のある人が「うん」といわないと通らない。上司に決裁をもらうために、紙(雑誌)でそういう記事を出してほしいと言われました。紙をもって「他社はもう、こんな所まで進んでいますよ」と見せれば信頼してもらえるから、と。

この雑誌を通じて現場の若い人を応援していきたいですね。どういう企画書を書くと社内で通ったのか、ネットに疎い上層部に理解してもらえたのか、など。ネットでも日々最新情報が得られますがまとめて現状を整理する、評価・検証して見せていくというのは雑誌ならではの役割ではないでしょうか。

また、社内でもネットマーケティングに携わる部門が広がっていくことで、いずれチーフマーケティングオフィサーみたいなポジションが必要になっていくのではないでしょうか。経営層もわかってくると、組織どうすりゃいいのよ、ということにいずれなってくる。日本に米国型の組織があうのかはわかりませんが。組織論も手がけていきたいですね。

■ネットと携帯で相乗効果を!

-「ネットとケータイで”売れる”仕組みを作る」というキャッチコピーがついていますね。両軸を打ち出すのは珍しいですね。

ご存知のとおり、ネットは伸びています。今後もこの傾向は変わらないないでしょう。今後は、ネットと携帯をどう活用していくかが発展の鍵となります。

ネットへのアクセスは家やオフィスにいる時だけではないですね。携帯も情報ツールとして普及していて、使い分け・組み合わせが普通になってきています。ネットと携帯は将来的にはシームレスになるだろうと思っています。

例えば携帯向けにキャンペーンメールを打った場合、その開封率はパソコンの比ではない。携帯にはパソコンにないメリットがあります。パソコンは席に着いたら見るもの、つまりメールにしても、時間軸をずらす使い方が基本といえます。一方、時間軸を持ったままのメールが携帯。同じインターネットの仕組みを使っているが、適用用途が違います。シームレスに組み合わせて使っていけば相乗効果が見込めます。

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<2007年7月(株)アイプラネット主催セミナーにてご講演中の渡辺博則氏>

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 ◎初出:2007年8月14日 
 ◎取材:2007年7月18日
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2007/08/06

vol.1 日経ネットマーケティング編集長 渡辺博則氏インタビュー(1)

「セオリーのないところにこそ情報ニーズがある」

2007年10月に日経BP社から「日経ネットマーケティング」が創刊されます。その編集長である渡辺博則氏に、当「WEBマーケティング研究会」を運営する(株)アイプラネットが主催するセミナー(7月11日開催)にご講演いただいたご縁で、直接取材させていただくことができました。

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<2007年7月 (株)アイプラネット主催セミナーにてご講演中の渡辺博則氏>

■なぜ今、あえて雑誌なのか

-「日経ネットマーケティング」とは、どんな雑誌ですか?

ネットとケータイで”売れる”仕組みを作る、マーケティング・リーダーのための実務情報誌です。webサイト「NET Marketing Online」や「NET Markering Forum」と連携した月刊専門誌になります。 例えば、企業の事業内容や商品・サービス内容を収集するときの情報源でインターネットは高いポイントを示しています。また、サービスの比較、購入にあたり32%が企業サイトを参考にしているというデータがあり、企業サイトの重要性が高まっています。ネット活用が企業の競争力を左右するのです。

補注:(財)経済広報センター2007年6月26日「情報源に関するアンケート」 http://www.kkc.or.jp/release/2007/rel0626.html

補注:ネットレイティングス2007年1月29日「ネット利用者の購買行動プロセス調査を実施」 http://www.netratings.co.jp/New_news/News01292007.htm

-ネットに情報が溢れている今、何故、あえて雑誌を創刊されるのですか?

「日経ネットマーケティング」の成り立ちは少し変わっています。最初は、2006年10月に立ち上げたwebサイトからスタートしました。次に2006年の11月、2007年6月の2回「NET Marketing Forum」というカンファレンスを開催しました。そして、雑誌「日経ネットマーケティング」を今秋創刊します。これまでであれば、雑誌からスタートするのですが、雑誌が最後に出るケースは社内でもめずらしいことです。

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2度目のカンファレンスでは2日間で2,692名に来場いただきました。その際、「webには情報が流通しているが、信頼性としてどうかなあ」「紙(雑誌)の方が上司に見せた時に信頼してもらいやすい」といった声が聞こえてきました。元々、雑誌創刊も想定していたのですが、参加者の皆さんの声を聞いて、手ごたえを感じました。

-雑誌だけを担当なさっているのですか?

いいえ。雑誌、webサイト、カンファレンスの三つを手がけているので多忙です。広告では近年、クロスメディアプロモーションという考え方がありますよね。「日経ネットマーケティング」はクロスメディア展開する媒体、とでもいいましょうか。真正面から会員制のような形態で媒体運営するのは、当社の中でも初めての試みです。

■なぜネットマーケティングなのか?

-「WEBマーティング研究会」としては、貴誌のキーワード「ネットマーケティング」が気になります。なぜそこに着目されたのですか?

「ネットマーケティング」というタイトルではありますが、見ているのはビジネス全体のマーケティングです。しかし、ネットの活用にはまだセオリー、確固たる手法が確立されているとはいえません。そこに情報ニーズがあると考えました。

クロスメディアマーケティングに最適解がないことからもわかるように、今は変革点にある時期です。手法が確立してしまったら、情報ニーズはしぼんでいきます。これからまだまだ世の中も変わっていくし、情報リテラシーも変わっていく。「ネットマーケティング」は、我々メディアが情報共有のために貢献できるエリアだと捉えています。どうせ雑誌をやるのなら役に立つエリアでやりたいですよね。やっているほうも楽しいし。そこで、携帯も含めてネットにスポットライトを当て、創刊することになりました。

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 ◎初出:2007年8月6日 
 ◎取材:2007年7月18日
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