079-Webサイト効果測定の基本指標

2010/03/15

第8回・離脱ページ

「離脱ページ」とは、各セッションで最後にアクセスされたページのことで、出口ページとも表現されます。入口ページと同様に、セッション数と同じだけ離脱ページのデータが存在します。一般的なアクセス解析ツールでは、各ページごとにそのページから離脱した「離脱数」と「離脱率」が計測できます。離脱率は、離脱数を離脱ページのページビュー数で割って算出されます。Google Analyticsでは、離脱数の多い順に離脱ページの一覧を表示できますので、利用者がどのページから多く離脱しているのかを確認することができます。

離脱ページを分析する目的はいくつかあります。注文や資料請求完了など利用者の目的が完結したと思われるページの離脱率が高いのは問題ありませんが、次のページへの誘導を目的としたページの離脱率が高い場合は、ユーザビリティに欠陥があると推測できます。また、離脱率の高い離脱ページのセッションを抜き出して分析すれば、特定の入口ページを経由して入ってきた人の離脱率が高いことが判明することもあります。その特定の入口ページが、主にリスティング広告経由の入口だった場合は、リスティング広告のキーワードやランディングページが最適化できていない可能性が考えられます。

利用者がサイトを離脱する理由は様々です。離脱ページの滞在時間が計測できれば、その理由を推測する手がかりになるでしょうが、サイト滞在時間の回にも触れましたように、離脱ページは次にアクセスしたページが存在しないため、離脱ページの滞在時間は計測できません。何ページか閲覧してきて、急にコンテンツ量が増えて精読する負担がかかるとそのページで離脱率が高くなるとも言われています。ECサイトの場合、ページビュー数の少ないコンテンツを思い切ってリストラして、サイト全体の量を軽くすることが改善策になることもあります。その際には、セッションあたりのページビュー数と離脱率の推移の関係など他の指標もヒントになるかもしれません。

第8回・離脱ページ
指標の名称 意味と特徴 注意点
離脱ページ 一連のセッションで最後にアクセスされたページ。「出口ページ」とも表現される。離脱ページから離脱率が高い経路を分析してサイト構造やランディングページの改善につなげる。 離脱ページの滞在時間は記録に残らないので、離脱ページがどれだけ読まれたかはわからない。
特定ページの離脱率 特定のページにおける離脱回数をページビュー数で割った数値。次のページへの誘導を目的にしたページの離脱率が高い場合は、問題点を解明して改善を行う必要がある。 離脱率は高くなくても「戻る」操作で前のページに戻ってしまう率が高いページには問題がある。

サイトの問題点を発見するという観点では、離脱数の多いページだけに問題があるとは限りません。たとえば、探しているコンテンツがあると期待して開いたページで目的が達成できなければ、次のページには進まずに「戻る」ボタンをクリックして一つ前のページから再度探すことはよくあります。戻るがクリックされたページに問題があったとしても、いったん戻った後に他のページから離脱してしまうと、問題があるページが離脱ページにはカウントされません。セッションの流れを分析して、前のページに戻るという逆行が多いページがないかどうかを調べることも重要です。

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 ◎初出:2010年3月15日
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2010/03/08

第7回・入口ページ

「入口ページ」とは、利用者がサイトを訪問した時に最初にアクセスしたページのことで、具体的には各セッションが開始されたページのことを指します。つまり、セッション数と同じだけ入口ページのデータが存在することになります。サーチエンジンを経由してサイトにアクセスされた場合、検索結果に表示されるページが入口ページとなりますので、入口ページの解析はサーチエンジン最適化に欠かせません。すべてのセッションのうち、サイトのトップページが入口ページになった割合を「トップページ入口率」と表現します。

Googleがサービスを開始した2000年頃をきっかけに、トップページ入口率は大きく低下しています。アクセス解析サービス「サイトグラム」を提供して年間15億ページビューを解析しているHARMONYによると、現在トップページ入口率は約3割となっています。2000年当時は、トップページ入口率は約7割と言われていましたので、この10年で様変わりしていることがわかります。30分間操作がないと、それ以降の操作は新しいセッションとみなすなど、アクセス解析ツールの仕様が変化していることもトップページ入口率の低下に影響していると思われます。また、人気ネットショップの中にはトップページ入口率が5割を超えているサイトも珍しくなく、一概にトップページ入口率が高いことが悪いとはいえません。

入口ページを解析する理由の一つは、入口ページによって直帰率が大きく異なることです。前述のHARMONYが公開している参考指標によると、サイト全体の直帰率が47.5%に対して、トップページの直帰率は32.5%となっています。利用者が最初にアクセスしているページに入口ページとしての機能が欠けているため、サイト全体の直帰率を高めてしまっている可能性が高いと推測されます。トップページ入口率が3割だとすると、残り7割の人はトップページ以外のページを最初に開いていることになり、実際にどのページが入口ページとして使われているかを把握することが重要です。

第7回・入口ページ
指標の名称 意味と特徴 注意点
入口ページ 一連のセッションで最初にアクセスされたページ。サーチエンジンの検索結果を経由したアクセスが増えると、トップページ以外が入口ページとなる割合は高くなる。 リスティング広告などからリンクを張って最初に表示する「ランディングページ」とは異なる。
トップページ入口率 すべてのセッションのうち、サイトのトップページが入口ページだった割合。アクセス経路多様化に伴い低下していて、現在では20%から30%が平均というデータがある。 SEOを施すとトップページ入口率は低下するが、平均値より高くても問題があるとは限らない。

入口ページの利用回数が多い順に並べると、トップページを含めた上位20~30ページで全体の7~8割を占めるのが一般的です。その上位30ページに、トップページで提供されているナビゲーション機能など、入口ページとしての機能が備わっているかという視点で改善を加え、入口ページ別の直帰率、さらに入口ページ別のコンバージョン率の向上を目指します。また、リファラー情報と連動した解析によって、ある入口ページが特定のキーワードの検索結果からのアクセス率が高いことがわかれば、ランディングページとしての役割を強化することで、コンバージョン率を改善できるでしょう。

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 ◎初出:2010年3月8日
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2010/03/01

第6回・リファラー

リファラーとは、現在開いているページを基準にして、一つ前のページのURL情報を指します。日本語では「参照元」と表現されることもあります。ブラウザがWebサーバに対してURLのリクエストを送る際には、HTTPリクエストヘッダも一緒に送る仕組みになっていますが、この中に含まれる「HTTP_REFERER」と呼ばれる環境変数がリファラーです。Webページのハイパーリンクをクリックした場合や、入力フォームからCGIなどのプログラムにデータを送信した場合などは、ブラウザに記録されている一つ前のページのURLがHTTP_REFERERとして自動的にWebサーバに送信されます。(ちなみに、HTTP_REFERERは本来ならREFERRERが正しい綴りになりますが、環境変数を表す場合は、HTTP_REFERERが使われます。)

リファラーは、サーチエンジン最適化を行う上で欠かせない情報です。検索結果ページのURLには利用者が入力したキーワードがエンコードされて含まれていますので、リファラーに含まれる文字列を解析することで、どのサーチエンジンでどんなキーワードやフレーズを入力してWebサイトにアクセスしたかがわかります。一般的なアクセス解析ツールでは、検索されたキーワードやフレーズを主要サーチエンジン別に集計してくれます。使われた検索キーワードの回数と検索結果の順位の関係を分析して、順位を上げることでアクセスをもっとも効率よく増やせる可能性があるキーワードを絞り込みます。

アクセス解析ツールですべてのリファラーが得られるわけではありません。リファラーが取得できないケースは主に2つが考えられます。URLの直接入力やブックマークの利用、メール本文のリンク経由など参照した一つ前のページがそもそも存在しない場合と、セキュリティソフトによってブラウザがサーバにHTTP_REFERERヘッダを送信しない設定になっている場合です。匿名情報とはいえ、直前にどんなWebサイトを閲覧したかがわかるリファラーを第三者に伝えたくない、と考える人が増えていることも事実です。

第6回・リファラー
指標の名称 意味と特徴 注意点
リファラー 現在開いているページを基準にして、一つ前のページのURL情報。HTTPリクエストヘッダの環境変数HTTP_REFERERとしてブラウザからサーバに送信される。 セキュリティソフトによってブラウザがHTTP_REFERERをサーバに送信しない設定にしている人も増えている。
検索キーワード サーチエンジンで利用者が入力したキーワードやフレーズ。リファラーとして記録されたURLに含まれている。サーチエンジン最適化には欠かせない情報。 検索キーワードはサーチエンジン別に集計して、検索結果の表示順位との関係を分析する。

リファラーが取得できなかったセッションを、アクセス解析ツールでは「ノーリファラー」などと表現しています。ノーリファラーのうち、ブックマークからの訪問などリピート訪問の取り扱いについては、アクセス解析ツールによって考え方が若干異なるようです。たとえば、Google Analyticsでは以前アクセスした際のリファラーが残っていれば、その情報を参照する仕組みになっています。将来的にブラウザ側から送られてくるヘッダ情報の仕様が変更されれば、現在はノーリファラーとして一括分類されている情報が、ブックマーク経由などさらに詳しいリファラーとして活用できるようになる可能性もあります。

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 ◎初出:2010年3月1日
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2010/02/22

第5回・CPA(Cost Per Acquisition)

Webサイトのアクセス解析を行う大きな目的の一つとして、ネット広告の効果測定があります。最近では、サーチエンジンのキーワードに連動してテキスト広告を表示するリスティング広告が主流になりつつありますが、リスティング広告ではキーワードによってクリック単価が異なるため、どのキーワードに出稿するのが効果的かを検証することが重要になります。その際、指標としてよく使われるのがCPAです。CPAとは「Cost Per Acquisition」の略語で、購入や資料請求などのコンバージョン獲得単価を意味します。キーワードごとのCPAを比較することで、もっともコストパフォーマンスのいいキーワードを見つけることができます。

リスティング広告の場合、広告をクリックして最初に表示されるページによってコンバージョン率は大きく左右されると言われています。そこで、キーワード別にキーワードの内容に合った特設ページ(ランディングページ)を作成して、リスティング広告にリンクを設定する手法を取るのが一般的です。特定のキーワードでCPAがよくない場合、ランディングページがコンバージョン率を下げている可能性もあり、「ランディングページ最適化」を行ってCPAが改善するかどうかを検証する必要があります。

CPAは、ECサイトにおける購入やB2Bサイトにおける資料請求や会員登録などあらゆるコンバージョンに応用できますが、ECサイトの購入コンバージョンでは、低額商品のCPAと高額商品のCPAを単純比較するのは難しいでしょう。そのようなケースでは、ROAS(Return On Advertising Spend)と呼ばれる指標が使われます。ROASは、広告料に費やしたコストに対する売上額を示したもので、通常は広告料1円あたりの売上額で表示されます。資料請求や会員登録についても、コンバージョン1件あたりの価値をあらかじめ登録しておけば、たとえば会員登録のROASを自動的に算出してくれる解析ツールもあります。

第5回・CPA(Cost Per Acquisition)
指標の名称 意味と特徴 注意点
CPA(Cost Per Acquisition) 商品の購入や会員登録などのコンバージョン1件あたりの獲得コスト。広告の媒体や連動するキーワード別にCPAを測定して、コストパフォーマンスを比較する。 ECサイトでは、商品の価格帯によってコンバージョン獲得の難易度が異なるので、単純比較できない。
ROAS(Return On Advertising Spend) ネット広告に費やしたコスト1円あたりの売上高。CPAと異なり、数値が高い方が広告のコストパフォーマンスがいいことを表す。 広告費用の回収率として%で表記されることもある。

ネット広告の効果測定には、間接コンバージョンをどう評価するかという課題があります。間接コンバージョンの代表例としては、バナー広告などのディスプレイ広告が記憶に残り、時間をおいてサーチエンジンなどを経由して広告主のサイトを訪問して注文に至るというポストインプレッション効果があります。アメリカcomScoreの調査によると、ディスプレイ広告に接触した人の18%が関連する検索を行い、29%が広告主のブランドサイトを訪問していたことがわかりました。今後、間接コンバージョンを捕捉して、そのCPAやROASも測定できるようなツールが普及すれば、ディスプレイ広告の評価は大きく変化するかもしれません。

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 ◎初出:2010年2月22日
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2010/02/15

第4回・コンバージョン率

「コンバージョン率」とは、一定期間の間にサイトを訪問したユニークユーザー数のうち、商品の購入や会員登録など具体的なアクションを起こした人の割合を指します。コンバージョンを日本語に直訳して「転換率」と表現することもあります。たとえば、月間のユニークユーザー数が1万人で、その月に商品を購入した人が100人なら、購入コンバージョン率は1%ということになります。サイト全体のコンバージョン率に加えて、集客した媒体別のコンバージョン率を測定することも可能で、ネット広告の効果測定指標としても広く使われる指標です。

アクセス解析ツールでコンバージョン率を測定するには、コンバージョンとして認められるページのURLを定義します。たとえば、商品の購入であれば、注文完了後に表示される「注文ありがとうございました」ページのURLをあらかじめ登録して、そのURLにアクセスされた回数をコンバージョン数としてカウントします。コンバージョン数をその期間のユニークユーザー数で割れば、自動的にコンバージョン率が計算されます。Google Analyticsでは、このURLの設定を「目標設定」と表現しています。資料のダウンロードをコンバージョンと定義したい場合は、ダウンロード完了後に何らかのページが表示されるようにしておき、そのページのURLを目標に設定すればいいでしょう。

一般的なショッピングサイトでは、サイト全体の購入コンバージョン率は平均1%から2%程度と言われています。ただし、サイト全体のコンバージョン率だけを計測してその推移を見ても、コンバージョン率を高めるための改善策は見えてきません。ECサイトでは、あるページまでたどり着くとコンバージョン率が明らかに高くなるキーとなるページが存在する場合が少なくありません。アクセス解析ツールで特定ページのURLを目標として設定すれば、そのページの「到達率」を測定できます。いくつかのページの到達率を測定すると、キーとなるページの到達率を下げている要因が見つかることがあります。その要因を取り除く改善を施し、仮説通りにページ到達率の上昇がコンバージョン率に連動するかを検証して、サイト全体のコンバージョン率向上を目指します。

第4回・コンバージョン率
指標の名称 意味と特徴 注意点
コンバージョン率 商品の購入や会員登録など具体的なアクションを起こしたユニークユーザーの割合。注文完了時に表示されるページのURLなどをコンバージョンとして設定する。 解析ツールによっては、URLに加えてコンバージョンを定義するタグを別に設置する必要がある。
ページ到達率 ユニークユーザー数のうち、特定のページに到達したユーザーの割合。コンバージョン率と同様に目標となるページのURLを設定して計測する。 任意のページの到達率を測定できるが、解析ツールによって設定できる目標URL数の上限が異なる。

アクセス解析ツールで、サイトへの進入経路別のコンバージョン率を測定することも可能です。最近では、サーチエンジン経由でいきなり商品詳細ページにアクセスしたり、ブログやSNSの投稿を経由したり、サイトへの進入経路は多様化する一方です。また、リスティング広告の場合は、キーワードによって最初に表示されるランディングページを使い分けるのが一般的になっています。ネット広告の費用対効果を最大化するためにも、コンバージョン率が高い進入経路を見つけて、その経路からの誘導を強化することが重要です。

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 ◎初出:2010年2月15日
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2010/02/08

第3回・サイト滞在時間

「サイト滞在時間」とは、文字通り訪問者がサイトに滞在した時間です。「利用時間」などと表現されることもあります。具体的には、あるページが開かれた時間(サーバからHTMLファイルが送出された時間)と次のページが開かれた時間の差でページごとの滞在時間を計測して、その時間を合計します。一般的な解析ツールでは、サイト全体の月間総滞在時間はもちろん、セッションごとやユニークユーザー1人あたりの平均滞在時間などが計測できます。

2007年7月、アメリカの視聴率調査会社Nielsen//NetRatingsは、これまでのページビュー数や訪問者数中心の指標を見直し、サイトの「総滞在時間」を重視する指標に変更することを発表しました。サイト間の総滞在時間の比率を分析すると、ページビュー数の比率よりも安定していることが判明したため、サイトの価値を推し測るには総滞在時間が最良の指標であると判断したようです。日本のネットレイティングスでも、Web2.0的サービスの特徴は「時間消費型サービス」であると指摘しています。訪問者がサイトでどれだけ時間を消費しているかが、サイトの評価につながることは間違いないでしょう。

実は、アクセスログから正確な滞在時間を計測するのは難しい面もあります。たとえば、最後に閲覧したページは、次のページの記録がサーバに残らないので滞在時間が測定できません。直帰の扱いは解析ツールによって若干異なりますが、Google Analyticsでは直帰した人の滞在時間はゼロと記録されます。タブを複数開いて他のサイトのページを閲覧しているようなケースでは、30分以内に元のページへ戻って操作を再開すると、他のサイトを閲覧していた時間も滞在時間として記録されます。ただし、今後はブラウザの仕様変更や解析ツールの技術向上によって、より正確な滞在時間が計測できるようになると期待されています。

第3回・サイト滞在時間
指標の名称 意味と特徴 注意点
サイト滞在時間 ページの滞在時間は、そのページが開かれた時間と次のページが開かれた時間の差で計測する。ページあたりの滞在時間をすべて合計したのが、サイトの総滞在時間になる。 最後に閲覧したページは、次のページの記録が残らないので滞在時間は計測できない。
再訪問率 サイトを訪問した人が、その後の一定期間でサイトを再訪問した比率。一般的なツールでは、クッキーを使って同一人物かどうかを判断する。 ユニークユーザー同様、クッキーだけで同一人物を捕捉できないケースが増えている。

サイト滞在時間は、ユニークユーザー数やページビュー数と同様、基本的には多い方が好ましいとされる指標ですが、サイトのカテゴリーによってセッションごとの滞在時間の意味が異なります。動画などのコンテンツを提供するサイトであれば、滞在時間の長さは気に入ったコンテンツの数に比例すると考えられます。一方、特定の製品を販売するサイトであれば、できるだけ時間をかけずに注文を完了できることが利用者のニーズに合っているといえます。滞在時間のデータだけ見ても利用者の満足度はわかりませんが、サイトを再度訪問した人の割合を示す「再訪問率」など、いくつかの指標を分析することで満足度の高さを推測することができます。

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 ◎初出:2010年2月8日
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2010/02/02

第2回・ページビュー数

「ページビュー数」は、訪問者によって閲覧されたページの総数のことで、具体的には一定期間にWebサーバから送出されたHTMLのファイル数を指します。Webページは基本的にはHTMLで書かれており、何らかのリンクをクリックして別のページに遷移すると新たにWebサーバからHTMLファイルが送られてきます。内容に興味を持った人は次々とページを閲覧するため、満足度の高いサイトほどページビューが多くなる傾向があります。ページビュー数はサイトの実力を比較する上で、ユニークユーザー数と並んで重視される指標の一つです。

今でもページビュー数は重要な指標であることは変わりませんが、ここ数年でページビューの評価が変化してきました。その主な理由は、ページ遷移ごとにHTMLを送出しないタイプのWebアプリケーションが増えたため、「閲覧したページ数=サーバから送出されたHTMLファイル数」という関係が必ずしも成り立たなくなってきているためです。たとえば、Web2.0的なサービスとして注目されたAjaxでは、ブラウザ側でコンテンツを表示させてページ遷移を行っても、そのたびにWebサーバからHTMLが送出されるわけではなく、ページビュー数が利用者の体感よりも少なくなることなどがあります。インターネット視聴率調査会社のデータによると、今でも総利用時間数は高い伸びを示しているにもかかわらず、総ページビュー数は2006年3月頃からほとんど増えていません。サイトの利用実態を正確に把握するには、いくつかの指標を組み合わせる必要があります。

ページビュー数を使った指標としては、サイト全体の月間ページビュー数のほかに、「1人あたりの平均ページビュー数」があります。1人あたりの平均ページビュー数は、月間ページビュー数を月間ユニークユーザー数で割ることで算出できます。1人あたりの平均ページビュー数は、サイトに掲載する商品数やコンテンツ数の増加に伴って増えていくことが理想的です。1人あたりの平均ページビュー数が順調に伸びているのに、注文数や資料請求数が伸びていない場合は、注文に至るまでに手順がわかりにくい、売れ筋の商品が品切れで類似商品を見つけにくいなど、ユーザビリティに問題が生じている可能性が考えられます。

第2回・ページビュー数
指標の名称 意味と特徴 注意点
ページビュー数 Webサイトから送出されたHTMLのファイル数。テキストの量や画像の数には関係なく、HTMLファイル1つで1ページビューとカウントする。リロードされた場合は重複でカウントされる。 AjaxやFlashコンテンツなど、HTMLファイルが送出されない場合はカウントされない。
直帰率 最初にアクセスしたページを閲覧しただけで、他のページを開くことなくサイトを離脱してしまう人の割合。直帰率が高くなると「1人あたりの平均ページビュー数」は低くなる。 キャンペーン実施期間などは直帰率が高くなるので直帰した人のデータを省いて分析することも。

1人あたりの平均ページビュー数の変化を見る上で注意すべき点もあります。サイトを訪問して最初のページだけで帰ってしまうことを「直帰」と表現します。ネット広告などのキャンペーンで短期間にサイトに多くの人を誘導した場合はどうしても直帰率が高くなり、その期間の1人あたりの平均ページビュー数が大きく落ち込むことがあります。そうなると、キャンペーンによる集客の影響なのか、それとも別の問題点があるのかが判断しにくくなってしまいます。そこで、ページビュー数とユニークユーザー数の両方から直帰した人のデータを差し引いてから、1人あたりの平均ページビュー数を算出するという分析方法が用いられることもあります。

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 ◎初出:2010年2月1日
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2010/01/25

第1回・ユニークユーザー数とセッション数

今回より「Webサイト効果測定の基本指標」の連載(計9回)を開始いたします。Webサイトの問題把握と施策の効果測定のためには、アクセスログ解析が欠かせません。最近では数多くのWeb解析ツールが登場していて、基本的な定量的情報は簡単に収集できる環境が整っています。しかし、Web解析で使われている基本指標については、解析ツールによって定義や計測方法が微妙に異なっていますので注意が必要です。そこで、アクセスログ解析によって計測される基本指標を毎回取り上げ、それぞれの指標の一般的な定義や特徴を見ていきます。最近のWeb解析ツールの動向などの情報も盛り込んでいく予定です。
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「ユニークユーザー数」は、ある期間にサイトを訪問した正味の人数のことで、同じ人が複数回訪問しても1人とカウントします。英語の頭文字をとって「UU数」とも表現されます。ユニークユーザー数は、そのサイトを訪問した人の数を表しますが、単に「訪問者数」と表現されている場合は、重複しないユニークな訪問者数なのか、のべ訪問者数なのかを確認する必要があります。

「セッション数」とは、ある期間に利用者がサイトを訪問した総回数のことです。最初にアクセスしたページからサイト内を閲覧して離脱するまでの一連の動きがセッションで、ビジット(訪問)も同じ意味で使われます。よって、ビジット数もセッション数と同じものを指します。最近では、30分以上操作が何も行われなかった場合、それ以降の操作は新しいセッションとしてカウントするのが一般的になっています。逆に、一度サイトを離脱して他のサイトへ移動しても、30分以内に戻ってくれば一つの継続したセッションとみなされます。タブブラウザの場合、タブを複数開いていても、同じセッションとしてカウントされます。

ユニークユーザー数とセッション数は、何人の見込み客が計何回サイトを訪問してくれているかという、もっとも基本になるデータです。ユニークユーザー数とセッション数がわからなければ、どんな種類の効果を測定しても、次の施策が打てなくなってしまいます。たとえば、月間300件の注文を獲得できているECサイトの場合、月間ユニークユーザー数が1万人なのか5万人なのかによって、注文数を増加させるために優先して実施すべきことは大きく異なってきます。

第1回・ユニークユーザー数とセッション数
指標の名称 意味と特徴 注意点
ユニークユーザー数 「UU数」。ある期間にサイトを訪問した正味の人数。クッキーを発行できない環境などでは、IPアドレスとユーザーエージェント情報を組み合わせて計測する方法もある。 クッキーを使った計測方法では、異なるPCやブラウザを使用した場合、重複してカウントされる。
セッション数 サイトにアクセスして離脱するまでの一連の動きである「セッション」の総回数。月間セッション数などと一定期間の数値で比較される。「ビジット数」とほぼ同じ意味で使われる。 30分以上操作が何も行われなかった場合、それ以降の操作は新しいセッションとみなされる。

最近では、様々な要因によって正確なユニークユーザー数を計測することが難しくなりつつあります。ユニークユーザー数もセッション数も、一般的にはWebサーバから訪問者のブラウザにクッキーを発行して計測します。クッキーに有効期限を設定することで、一定期間に新規に発行されたクッキー数をその期間のユニークユーザー数とみなすことができます。しかし、同じ人であっても異なるブラウザやPCを使った場合、携帯電話、スマートフォンのような携帯端末でアクセスした場合は、それぞれ別のクッキーが重複して発行されます。その一方で、セキュリティ強化のためにクッキーの受け取りを拒否する設定にしている人も増えていて、これはユニークユーザー数が実際よりも少なく計測される要因になります。アクセスログには、使われたブラウザの種類やバージョンを識別するUser Agentの情報が記録されていて、それを見ると携帯端末から訪問された割合がわかりますが、PCからの訪問とどの程度重複があるか、またクッキーを拒否している人がどの程度存在するかなどは、訪問者を対象にしたWebアンケートで得られた数値などを元に推測するしか方法はありません。

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 ◎初出:2010年1月25日
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