第10回・オセアニア
オセアニアの定義には諸説ありますが、一般的には14の独立国を含む合計33の国と地域で構成されます。地域内の総人口は約3540万人で、そのうちインターネット利用者は総人口の60.2%にあたる約約2130万人です。オセアニアにおける中心的な国は、オーストラリアとニュージーランドです。この2国のインターネット利用者数は約2060万人で、域内のインターネット利用者全体の約97%を占めます。パプア・ニューギニアの人口は約620万人でニュージーランド(約430万人)を凌ぎますが、パプア・ニューギニアのインターネット利用者数は12万5000人、人口普及率はわずか2%にとどまっています。今回はオーストラリアとニュージーランドの2国に主に焦点をあてます。
オーストラリアは英語圏ということもあり、比較的早い時期からインターネットが普及しました。オーストラリア市場の特徴として、SNSの利用率が非常に高い点があげられます。Facebookの利用者数は2011年6月時点で1040万人に達しており、人口全体に対する浸透率は47.9%と世界最高水準です。comScoreが発表したデータによると、2010年12月のインターネット総利用時間のうち、21.9%がSNSに費やされており、ポータルサイト(19.7%)、インスタントメッセンジャー(11.6%)を上回りました。1年前と比べると、ポータルサイトやIMが大きく比率を落としているのに対して、SNSは5.3ポイント上昇しています。
調査会社Frost & Sullivanが発表したレポートによると、2011年のオーストラリアの消費者向け電子商取引市場規模は136億豪ドル(約1兆1000億円)となる見込みです。オーストラリアの人口が約2200万人であることを考慮すれば、電子商取引はかなり普及しているといえるでしょう。今後も年率10%程度の成長を続け、2015年には217億豪ドル(約1兆7600億円)になると予測されています。インターネット広告の市場規模は、2010年度(2010年7月~2011年6月)に13億5000万豪ドル(約1090億円)、さら2014年度には22億2000万豪ドル(約1800億円)まで拡大すると見込まれています。
ニュージーランド市場は、一言でいえばオーストラリアとの共通点が多いといえます。インターネット利用者の人口普及率は83.9%とオーストラリア(78.3%)より若干高く、Facebookの人口浸透率は46.8%とオーストラリアとほぼ同じ水準です。Frost & Sullivanによると、ニュージーランドの2011年電子商取引市場規模は前年比12%増の26億8000万NZドル(約1690億円)になる見込みです。小売売上全体に占めるEC化率は5.1%と欧米並みの水準です。今後も年率12%程度で成長して、2015年には42億2000万NZドル(約2660億円)に達すると予測されています。
| 国数・地域内人口 | 33ヶ国・地域、約3540万人(2011年) |
| インターネット利用者数 | 約2130万人(2010年6月~2011年3月) |
| 人口普及率 | 60.2% |
| 好調続く豪州市場 | オーストラリアのインターネット利用者数は約1700万人(人口普及率78.3%)とオセアニア全体の約8割を占める。消費者向け電子商取引市場も順調に成長しており、市場規模は2015年には217億豪ドル(約1兆7600億円)に拡大する見込み。 |
| 高いFacebook浸透率 | オーストラリア、ニュージーランド共にFacebookの利用率が非常に高い。2011年6月時点の人口に対する浸透率は、オーストラリアが47.9%、ニュージーランドが46.8%になっている。オーストラリアでは、インターネット利用時間の22%がSNSに費やされている。 |
| 主なネット関連企業 | オーストラリアのショッピングサイトでは、「Amazon.com」やeBayのオーストラリア版「ebay.com.au」の利用者が多い。ニュージーランドでは、1999年に創業した地元のオークションサイト「Trade Me」が根強い人気を誇っている。また、クーポン共同購入サイトも「Grab One」など2010年以降増えている。 |
電子商取引が盛んなオーストラリアとニュージーランドでは、アクセスランキング上位に「PayPal」や地元の大手銀行のサイトなど、オンライン決済やオンラインバンキングに関するサイトが数多く出てくるのが特徴です。オーストラリアのショッピングサイトとしては、アメリカ「Amazon.com」やeBayのオーストラリア版「ebay.com.au」がよく利用されています。ニュージーランドでは、1999年に創業した地元のオークションサイト「Trade Me」が会員数250万人を擁する人気サイトです。2010年以降クーポン共同購入サイトも数多く登場しており、たとえばニュージーランドの「Grab One」などが有名です。
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◎初出:2011年9月12日
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