511-地域別・世界のWebビジネス最新事例

2011/09/12

第10回・オセアニア

オセアニアの定義には諸説ありますが、一般的には14の独立国を含む合計33の国と地域で構成されます。地域内の総人口は約3540万人で、そのうちインターネット利用者は総人口の60.2%にあたる約約2130万人です。オセアニアにおける中心的な国は、オーストラリアとニュージーランドです。この2国のインターネット利用者数は約2060万人で、域内のインターネット利用者全体の約97%を占めます。パプア・ニューギニアの人口は約620万人でニュージーランド(約430万人)を凌ぎますが、パプア・ニューギニアのインターネット利用者数は12万5000人、人口普及率はわずか2%にとどまっています。今回はオーストラリアとニュージーランドの2国に主に焦点をあてます。

オーストラリアは英語圏ということもあり、比較的早い時期からインターネットが普及しました。オーストラリア市場の特徴として、SNSの利用率が非常に高い点があげられます。Facebookの利用者数は2011年6月時点で1040万人に達しており、人口全体に対する浸透率は47.9%と世界最高水準です。comScoreが発表したデータによると、2010年12月のインターネット総利用時間のうち、21.9%がSNSに費やされており、ポータルサイト(19.7%)、インスタントメッセンジャー(11.6%)を上回りました。1年前と比べると、ポータルサイトやIMが大きく比率を落としているのに対して、SNSは5.3ポイント上昇しています。

調査会社Frost & Sullivanが発表したレポートによると、2011年のオーストラリアの消費者向け電子商取引市場規模は136億豪ドル(約1兆1000億円)となる見込みです。オーストラリアの人口が約2200万人であることを考慮すれば、電子商取引はかなり普及しているといえるでしょう。今後も年率10%程度の成長を続け、2015年には217億豪ドル(約1兆7600億円)になると予測されています。インターネット広告の市場規模は、2010年度(2010年7月~2011年6月)に13億5000万豪ドル(約1090億円)、さら2014年度には22億2000万豪ドル(約1800億円)まで拡大すると見込まれています。

ニュージーランド市場は、一言でいえばオーストラリアとの共通点が多いといえます。インターネット利用者の人口普及率は83.9%とオーストラリア(78.3%)より若干高く、Facebookの人口浸透率は46.8%とオーストラリアとほぼ同じ水準です。Frost & Sullivanによると、ニュージーランドの2011年電子商取引市場規模は前年比12%増の26億8000万NZドル(約1690億円)になる見込みです。小売売上全体に占めるEC化率は5.1%と欧米並みの水準です。今後も年率12%程度で成長して、2015年には42億2000万NZドル(約2660億円)に達すると予測されています。

第10回・オセアニア
国数・地域内人口 33ヶ国・地域、約3540万人(2011年)
インターネット利用者数 約2130万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 60.2%
好調続く豪州市場 オーストラリアのインターネット利用者数は約1700万人(人口普及率78.3%)とオセアニア全体の約8割を占める。消費者向け電子商取引市場も順調に成長しており、市場規模は2015年には217億豪ドル(約1兆7600億円)に拡大する見込み。
高いFacebook浸透率 オーストラリア、ニュージーランド共にFacebookの利用率が非常に高い。2011年6月時点の人口に対する浸透率は、オーストラリアが47.9%、ニュージーランドが46.8%になっている。オーストラリアでは、インターネット利用時間の22%がSNSに費やされている。
主なネット関連企業 オーストラリアのショッピングサイトでは、「Amazon.com」やeBayのオーストラリア版「ebay.com.au」の利用者が多い。ニュージーランドでは、1999年に創業した地元のオークションサイト「Trade Me」が根強い人気を誇っている。また、クーポン共同購入サイトも「Grab One」など2010年以降増えている。

電子商取引が盛んなオーストラリアとニュージーランドでは、アクセスランキング上位に「PayPal」や地元の大手銀行のサイトなど、オンライン決済やオンラインバンキングに関するサイトが数多く出てくるのが特徴です。オーストラリアのショッピングサイトとしては、アメリカ「Amazon.com」やeBayのオーストラリア版「ebay.com.au」がよく利用されています。ニュージーランドでは、1999年に創業した地元のオークションサイト「Trade Me」が会員数250万人を擁する人気サイトです。2010年以降クーポン共同購入サイトも数多く登場しており、たとえばニュージーランドの「Grab One」などが有名です。

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 ◎初出:2011年9月12日
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2011/09/05

第9回・アフリカ

アフリカは、合計57の国と地域から構成されています。地域内の総人口は約10億3800万人で、そのうちインターネット利用者は総人口の11.5%にあたる約1億1900万人です。国別のインターネット人口普及率をみると、一番高いモロッコ(41.3%)をはじめ、チュニジア(33.9%)、エジプト(24.5%)など北アフリカ諸国の数字が高くなっています。アフリカでもっともインターネット利用者数が多いナイジェリアの人口普及率は28.3%、新興国として注目されている南アフリカは13.9%です。インターネット利用者数は、エジプト、モロッコ、チュニジア、ナイジェリア、南アフリカの5ヶ国でアフリカ全体の約74%を占めています。

アフリカでは固定電話があまり普及していません。2009年の固定電話世帯普及率をみると、エジプト、モロッコ、チュニジアの北アフリカ諸国でも60%前後、南アフリカでは30%弱、ナイジェリアにいたっては5%程度にとどまっていて、PCからのインターネット接続は無線モデムが中心です。一方、携帯電話の人口普及率は高く、2010年6月時点でチュニジア109.5%、南アフリカ91.1%、モロッコ88.0%などとなっています。ただし、インドや南米と同様に、プリペイド式が大半を占めています。今後は、携帯ブロードバンドの普及により、アフリカのインターネット接続環境も改善することが期待されています。

エジプトは中近東やヨーロッパとの繋がりも強く、電子商取引が比較的発展しています。Arab Advisors Groupが公表した調査報告書によると、エジプトの2009年消費者向け電子商取引の市場規模は21億ドル(約1620億円)に達しています。南アフリカでは近年電子商取引が急拡大しており、Goldstuckによると2010年の市場規模は20億2800万ランド(約220億円)でしたが、2011年には26億~28億ランド(約290億~310億円)になると予測されています。一方、約4400万人とアフリカ最大のインターネット利用者数を抱えるナイジェリアでは、電子決済の仕組みが整備されてないこともあり、電子商取引の市場がまだ確立されていません。

2011年1月に発生したエジプトやチュニジアの大規模反政府デモでは、FacebookやTwitterが大きな役割を果たしたとされています。2011年6月時点のFacebook利用者数はアフリカ全体で約3070万人で、総人口に対する浸透率は約3%です。アラビア語圏で人気の高いエジプトの「Maktoob.com」や、南アフリカで1000万人を超える利用者がいる携帯SNS「MXit」など、地元のソーシャルメディアが高い支持を得ている点を考慮すると、アフリカにおいてもソーシャルメディアが定着しつつあるといえます。ちなみに、Facebookの人口浸透率ではチュニジアが24.5%と、モロッコ(11.2%)やエジプト(8.9%)などと比べて高いのが目立ちます。

第9回・アフリカ
国数・地域内人口 57ヶ国・地域、約10億3800万人(2011年)
インターネット利用者数 約1億1900万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 11.5%
ネット普及率にばらつき モロッコ(41.3%)、チュニジア(33.9%)、エジプト(24.5%)など北アフリカのインターネット人口普及率が比較的高い反面、中央や南では普及率数%の国も多く、地域によって大きなばらつきがある。南アフリカも13.9%にとどまっている。
ネット接続は無線がメイン 南アフリカでは固定電話普及率が低く、PCのインターネット接続は無線モデムが主流になっている。携帯電話の人口普及率は南アフリカで90%を超えるなど、固定電話普及率を大きく上回っている。今後、携帯電話からの接続が伸びると期待される。
主なネット関連企業 エジプトの「Maktoob.com」はアラビア語圏で人気の高いコミュニティサイト。2009年にアメリカYahooの傘下に入った。南アフリカの「kalahari.net」は1999年に開業した老舗的ショッピングサイト。南アフリカでは個人間取引も盛んで、「bidorbuy.co.za」の人気が高い。「MXit」は南アフリカでもっとも利用者数の多い携帯SNS。ナイジェリアの「vconnect.com」は、ローカルサーチエンジンで地元企業約20万社が登録されている。

エジプトの「Maktoob.com」は、2009年にアメリカYahooの傘下に入り、「Yahoo! Messenger」や「Yahoo! Mail」のアラビア語版が提供されています。南アフリカの上場企業Naspersは、前述の携帯SNS「MXit」のほか、1999年開業の老舗ショッピングサイト「kalahari.net」などを運営しています。南アフリカではネットオークションなどの個人間取引も盛んで、売買を仲介してくれる「bidorbuy.co.za」が人気サイト上位にランキングされています。ナイジェリアの地元企業を英語で検索できるサーチエンジン「vconnect.com」には、約20万社が登録されています。

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 ◎初出:2011年9月5日
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2011/08/29

第8回・東アジア(韓国、台湾)

一般的に東アジアには、日本のほか、中国、韓国、台湾、北朝鮮、モンゴルの計6ヶ国が分類されます。中国についてはすでに単独で取り上げており、北朝鮮・モンゴルについては公式統計が乏しいことから、今回は特に韓国と台湾の2ヶ国に焦点をあてます。インターネット利用者の人口普及率は、韓国80.9%、台湾70.0%と高水準に達しています。両国に共通する特徴は、SNS利用者の比率が非常に高い点です。comScoreのデータによると、2011年3月におけるインターネット利用者に対するSNS普及率(リーチ)は、韓国で90%を超えており、台湾でも90%弱です。ちなみに、日本は約55%でした。(ただし、comScoreのデータには携帯端末からのアクセスは含まれていません。)

韓国は、もっともブロードバンド環境が整った国として知られています。アメリカCisco Systemsが毎年実施している調査によると、韓国は通信速度や普及率などブロードバンド環境のランキングで2年連続首位となりました。Facebookの利用者数は2011年6月現在、約370万人にとどまっていますが、これは地元企業が運営するSNS「Cyworld」が圧倒的なシェアを早くから確保しているためです。Twitterの利用者数は過去1年間で2倍以上に増加しており、今後はFacebookの利用者数も増えると予想されています。2010年の消費者向け電子商取引市場規模は約25兆2000億ウォン(約1兆7600億円)に達し、初めて百貨店やスーパーの売上を上回りました。今年に入ってからも順調に成長を続け、4四半期連続で20%台の成長率を記録しています。

韓国市場では、大手ネット企業NHN Corporation、Daum Communications、SK Groupの3社が運営するポータルサイトやSNSが上位を寡占しています。NHN Corporationはポータルサイト「NAVER」や日本にも上陸しているオンラインゲーム「Hangame」、Daum Communicationsはポータルサイト「Daum」やブログサービス「Tistory」、SK Groupは人気SNS「Cyworld」やポータルサイト「NATE」を運営しています。ECサイトとしては、eBayの傘下に入ったショッピングモール「Gmarket」の人気が高く、その他には「11st.co.kr」や「Naver.com Shopping」などが有名です。

台湾はFacebookの浸透率が高い点が大きな特徴です。台湾のFacebook利用者数は、2011年6月時点で人口の約43%にあたる990万人に達しています。台湾資策會MICによると、2010年の消費者向け電子商取引市場規模は、前年比2割以上増加して3580億台湾ドル(約9500億円)に達しています。内訳を見ると、消費者向け電子商取引全体の約43%にあたる1530億台湾ドル(約4050億円)はオークションなどC2Cが占めており、この点は中国と事情が似ているといえます。日本企業の進出も目立ち、ユニクロ、セブンイレブン、楽天などが台湾でECサイトを運営して高い人気を得ています。

第8回・東アジア(韓国、台湾)
国数・地域内人口 2ヶ国、約7180万人(2011年)
インターネット利用者数 約5560万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 77.4%
ブロードバンド大国・韓国 韓国は、一般家庭におけるブロードバンド回線速度が世界で最も速いことで知られる。インターネット利用者の人口普及率は80%を突破。消費者向け電子商取引市場も順調に拡大し、4四半期連続で20%台の成長率を記録している。
台湾でFacebook浸透 台湾ではFacebookが急速に普及し、2011年6月時点の利用者数は人口の約43%にあたる990万人に達している。2010年の消費者向け電子商取引市場規模は、前年比2割以上増えて3580億台湾ドル(約9500億円)に拡大した。
主なネット関連企業 韓国でFacebook浸透率が低いのは、地元企業が運営するSNS「Naver」や「Cyworld」などの人気が高いため。ECサイトでは、eBayの傘下に入った「Gmarket」や、「11st.co.kr」、「Naver.com Shopping」などが有名。台湾では、ショッピングモールの「PChome Store」、台湾版Amazonとも呼ばれる「博客来」などのシェアが高い。また、ユニクロをはじめ、楽天市場など日本企業の進出も目立つ。

台湾では、Facebook以外にも地元企業が運営するSNSが高い人気を誇っています。台湾のYahoo!が運営する「無名小站」は、1年ほど前までは台湾でもっとも利用者数の多いSNSでした。写真の共有機能が充実しているSNS「PIXNET」も4割近いリーチを持っています。ECサイトとしては、台湾最大のネット企業PChome Onlineが運営するショッピングモール「PChome Store」がもっとも利用されています。「博客来」は1996年にオンライン書店としてスタートした老舗で、現在では音楽、ファッション、食料品、家電など幅広い製品を扱っており、台湾版Amazonとも形容されています。

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 ◎初出:2011年8月29日
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2011/08/22

第7回・中欧

今回は、欧州連合(EU)加盟国のうち、ドイツ、オーストリア、スロベニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの7ヶ国を中欧諸国として取り上げます。域内の総人口は約1億5600万人、そのうちインターネット利用者は約1億1200万人で、インターネット人口普及率は71.9%です。国別の人口普及率をみると、高い順にドイツ(79.9%)、オーストリア(74.8%)、スロバキア(74.2%)となっています。ちなみに、EU加盟27ヶ国全体のインターネット人口普及率は67.3%なので、中欧諸国の普及率はEU平均よりもやや高いことがわかります。

インターネット普及率が高い中欧では、SNSなどソーシャルメディアの利用も盛んです。近年Facebookの利用者数が急増しており、2011年6月現在で域内のFacebook利用者数は約3760万人に達しています。特に、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、チェコ、オーストリアの5ヶ国では、Facebook利用者の人口浸透率が3割を超えています。ドイツではFacebook人口浸透率は23.9%と域内の平均以下にとどまっていますが、ドイツのFacebook利用者数は過去1年間で135.9%の増加率を記録して約1950万人となり、現時点ではFacebookがドイツでもっとも利用者の多いSNSになっています。

インターネット利用者が6500万人を超えるドイツはヨーロッパを代表する市場で、イギリス、ドイツ、フランスの3国でヨーロッパの電子商取引市場全体の約7割を占めています。Forrester Researchによると、ドイツの2010年電子商取引市場規模は200億ユーロ(約2兆2000億円)と見込まれています。2011年は前年比12%増、さらに2014年には370億ユーロ(約4兆1000億円)を超えると予測されています。comScoreによると、2010年10月のECサイト利用率はイギリス89.3%、フランス84.3%、ドイツ81.7%と3国の中ではドイツの利用率が一番低い結果となりました。同調査では、ポーランドの利用率は70.4%でした。

Nielsenから先日発表された最新統計によると、ドイツの2011年上半期のインターネット広告売上は前年同期比26%増の約13億ユーロ(約1430億円)に達しています。eMarketerは、ドイツのインターネット広告市場は、2014年には46億ユーロ(約5060億円)を超えると予想しています。インターネット広告においても、Facebookの影響力が大きくなりつつあります。comScoreによると、ドイツのディスプレイ広告のうち、2011年第3四半期のFacebook.comのシェアは8.3%でした。同時期、アメリカでは23.1%、イギリスでは31.1%をFacebook.comが占めており、今後Facebook浸透率が高くなるにつれ、ドイツでもFacebookのシェアが拡大すると予想されます。

第7回・中欧
国数・地域内人口 7ヶ国、約1億5600万人(2011年)
インターネット利用者数 約1億1200万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 71.9%
Facebookが急速に浸透 域内のFacebookの人口浸透率は24.1%まで上昇。ドイツでは、地元企業が運営する人気SNS「StudiVZ」の利用者数をFacebookが逆転。2010年1年間のFacebook利用者増加率は、ポーランド182.2%、ドイツ135.9%などが上位に並んでいる。
EC市場規模 Forrester Researchの予測によると、ドイツの2010年電子商取引市場規模は200億ユーロ(約2兆2000億円)に拡大。2011年も年率12%の成長を達成し、2014年には370億ユーロ(約4兆1000億円)を超えると予測されている。
主なネット関連企業 中欧でもショッピングの場としてオークションサイトが広く利用されている。eBayのドイツ版「ebay.de」やオーストリア版「ebay.at」のほか、ポーランドの「allegro」、ハンガリーの「vatera.hu」などが有名。

各国の人気サイトランキングを見ると、オークションサイトが上位に顔を並べています。ショッピングサイトとしても広く利用されていることがわかります。中欧で人気の高いオークションサイトとしては、eBayのドイツ版「ebay.de」やオーストリア版「ebay.at」のほか、ポーランドの「allegro」、ハンガリーの「vatera.hu」などがあります。ドイツでは、学生や社会人を対象にしたSNS「StudiVZ」やビジネス目的に特化したSNS「XING」がFacebookの上陸に先行して普及しました。いずれも1000万人を超える利用者がいます。

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 ◎初出:2011年8月22日
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2011/08/08

第6回・南アジア

南アジアとは、一般的には南アジア地域協力連合(SAARC)を結成した7ヶ国(インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルディブ)を指しますが、今回はインド、パキスタン、スリランカの3ヶ国を南アジア諸国として取り上げます。3ヶ国の総人口は約13億9800万人、そのうちインターネット利用者数は総人口の8.7%にあたる約1億2200万人です。国別の人口普及率は、インド8.5%(2010年12月)、パキスタン10.9%(2011年3月)、スリランカ8.3%(2010年6月)と大きな差はありません。人口普及率が2011年6月に36.2%に達した中国と比較すると、この地域のインターネット普及が遅れていることがわかります。

インドは、インターネット利用者の人口普及率やブロードバンド契約件数(2010年6月時点で947万件)はまだまだ低いものの、ITサービス市場は順調に拡大して2011年には95億ドル(約7600億円)に達するなど、「IT大国」とも称されるようになっています。インドの潜在力を強く感じさせるのが、携帯電話利用者数の伸びです。インドの携帯電話加入者数は2011年5月に8億4000万人を超え、2011年4月に9億人を突破した中国にほぼ並びました。スマートフォンの比率も急速に上昇中で、2014年には携帯電話全体に占める比率が18%になるという予測もあります。今後、スマートフォンを使ったインターネット利用者が急増すると期待されています。

インドでは、インターネット利用者が若年層に偏っていることもあり、ソーシャルメディアの利用が非常に盛んです。comScoreの発表した統計によると、2010年6月にSNSを利用したユニークユーザ数は約3320万人で、1年前に比べて43%も増えています。2009年6月時点では、インドの一番人気SNSはGoogleが運営する「Orkut」でしたが、2010年6月にはFacebookが逆転しました。Facebookの公式発表では、2011年6月時点のインドにおける利用者数は約2950万人になっています。インドではTwitterの人気は今一つで、前述のcomScoreの統計では、2010年6月のユニークユーザ数は約330万人にとどまっています。

Internet and Mobile Association of India(IAMAI)の発表によると、インドの2010年電子商取引市場規模は67億9000万ドル(約5400億円)と2007年(17億5000万ドル)に比べて約4倍の規模に拡大しました。さらに、2011年には100億ドル(約8000億円)に達すると予測されています。GroupM Media Indiaが発表した統計によると、インドの2010年インターネット広告市場規模は116億5000万ルピー(約210億円)となり、広告市場全体の4.0%を占めました。市場占有率4.5%のラジオ広告(132億5000万ルピー)を近いうちに逆転すると予想されます。ちなみに、日本では2004年にインターネット広告がラジオ広告を上回りました。

第6回・南アジア
国数・地域内人口 3ヶ国、約13億9800万人(2011年)
インターネット利用者数 約1億2200万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 8.7%
「IT大国」インド インターネットの人口普及率やブロードバンド化率は低いものの、ITサービス市場規模は2011年に95億ドル(約7600億円)規模に。携帯電話加入者数は、2011年5月に8億4000万人を突破。FacebookやOrkutなどSNS利用者数も急増している。
EC市場規模 Internet and Mobile Association of India(IAMAI)によると、インドの2010年電子商取引市場規模は67億9000万ドル(約5400億円)に拡大。2011年には100億ドル(約8000億円)に達すると予測されている。
主なネット関連企業 ショッピングサイトとしては、小売り大手Future Groupが運営する「futurebazaar.com」、1999年に開業した「indiaplaza.in」などが有名。ゲームSNSとして1000万人の会員を擁する「Ibibo」のようなベンチャー企業も多く誕生している。

インドで人気のあるショッピングサイトとしては、eBayのインドサイト「eBay India」、小売り大手Future Groupが運営する「futurebazaar.com」、1999年に開業した老舗「indiaplaza.in」などがあります。ポータルサイトとしては、アメリカNASDAQ市場にも上場しているSify Technologiesが運営する「sify.com」が有名です。sify.com内のショッピングモールは、前述のindiaplaza.inによって運営されています。また、欧米のネット企業で学んだ若者がインドで起業するケースも多く、たとえばゲームSNSとして1000万人の会員を擁する「Ibibo」のように国際的に成功を収めるベンチャー企業も誕生しています。

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 ◎初出:2011年8月8日
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2011/08/01

第5回・中国

今回は、インターネット利用者数が世界最大の中国を単独で取り上げます。中国ネットワークインフォメーションセンター(CNNIC)が発表した最新調査結果によると、2011年6月末時点のインターネット利用者は約4億8500万人と半年前の前回調査より2770万人増加し、総人口に対する普及率は36.2%に上昇しました。普及率をみるとまだ成長の余地は大きいと思われますが、30歳未満の利用者が全体の58.1%、職業別では学生が全体の29.9%を占めるなど、利用者が若年層に偏っている点は前回調査からほとんど変化はありません。また、これまで牽引役だった携帯電話の利用者数は約3億1800万人(前回調査比1500万人増)と伸び率が鈍化しています。

中国には、他の主要国にはない規制が存在します。ECサイト運営の許可を得るには中国に法人格が必要です。また、中国からFacebookやTwitterなど海外のソーシャルメディアへのアクセスは制限されています。Googleは2010年に中国から部分撤退しましたが、これも中国市場の特殊性を物語る例といえるでしょう。中国はソーシャルメディアの利用がさかんで、SNS利用者数は2010年12月に2億3500万人に達しましたが、前述の制限によってFacebook利用者数は2011年6月時点でわずか50万人にとどまっています。その一方、機能的にはFacebookとほとんど同じの中国語SNS「人人網」には、1億6000万人のアクティブユーザーがいます。

CNNICの発表によると、2010年の消費者向け電子商取引市場規模は5230億元(約6兆3000億円)に達しました。日本の2010年市場規模が約7兆8000億円ですので、2011年もしくは2012年には逆転するものと思われます。iResearchは、中国の消費者向け電子商取引市場規模は2014年には1兆1500億元(約13兆8000億円)を超えると予測しています。ただし、中国の消費者向け電子商取引市場は、約8割がネットオークションによる消費者間の取引が占めており、日本とは事情が大きく異なります。IT市場全体をみても2010年に1兆元(約12兆円)を突破していて、2011年には日本の市場規模を上回ることが確実視されています。

第5回・中国
国数・地域内人口 約13億3700万人(2011年)
インターネット利用者数 約4億8500万人(2011年6月)
人口普及率 36.2%
中国市場の特殊性 SNS利用者数は2010年12月時点で2億3500万人に達するなどソーシャルメディアの利用は盛んだが、FacebookやTwitterへのアクセスが制限されているため、SNSやミニブログサービスは地元企業が圧倒的シェアを握っている。
EC市場規模 2010年消費者向け電子商取引市場規模は5230億元(約6兆3000億円)と日本の2010年の市場規模(約7兆8000億円)に肩を並べつつある。iResearchは、2014年には1兆1500億元(約13兆8000億円)を超えると予測している。
主なネット関連企業 電子商取引分野では、「淘宝(タオバオ)」が市場全体の7割以上を占める。SNSサイトは「人人網」と「開心網」が2強。Googleが部分撤退したサーチエンジン分野では、「百度」が76%のシェアを占めている。

中国市場は海外企業の参入障壁が高いこともあり、現在は地元企業が大きなシェアを確保しています。中国を代表するECサイト「淘宝(タオバオ)」は、全世界に3億7000万人以上の会員を擁し、中国の電子商取引市場の7割以上を占めています。数多くあるSNSサイトのうち、ユーザー数が1億人を超えているのが「人人網」と「開心網」です。つい先日、Facebookが香港に拠点を設立して中国市場進出を表明しましたが、当面「人人網」の優位は揺るがないでしょう。サーチエンジン分野では、日本にも進出している「百度」が76%のシェアを握っており、中国国内のリーチ率では約9割と圧倒的強さを誇っています。

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 ◎初出:2011年8月1日
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2011/07/25

第4回・旧ソ連諸国

今回は、独立国家共同体(CIS)を構成する12ヶ国(ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、モルドバ、グルジア)を旧ソ連諸国として取り上げます。域内の総人口は約2億7600万人、そのうち37.3%にあたる約1億300万人がインターネットを利用しています。国別の人口普及率をみると、高い順にアルメニア(47.1%)、ベラルーシ(46.3%)、アゼルバイジャン(44.4%)、ロシア(43.0%)となっています。一方、中央アジアのトルクメニスタン(1.6%)とタジキスタン(9.3%)では、10%に達していません。

域内で中心となるのは、人口では域内全体の50.3%、インターネット利用者数では域内全体の58.0%を占めるロシアです。ロシアではIT化に力を入れており、2010年には連邦プログラム「情報社会」を策定しました。主な目標としては、2014年にすべての行政サービスを電子化することや、2020年にブロードバンドの世帯普及率を80%に引き上げることなどを掲げています。市場調査会社PMRによると、独立国家共同体12ヶ国の電気通信市場規模は2010年に363億ユーロ(約4兆1000億円)に達しましたが、そのうち70.2%にあたる255億ユーロをロシアが占めました。ロシアはSNSの利用が盛んなことでも知られます。イギリスTNSが世界46ヶ国を対象に実施した調査でも、ロシアはSNSの平均利用時間の長さで世界2位でした。

CitibankとGoogleが共同で実施した調査によると、ロシアの2010年消費者向け電子商取引市場規模は、前年比約60%増の約195億ドル(約1兆5600億円)に急増しました。ロシア以外の旧ソ連諸国については、国別の市場規模に関する統計がほとんど存在しませんが、前述の電気通信市場と同様にロシアが域内の市場の7割を占めると仮定した場合、域内全体の2010年市場規模は約280億ドル(約2兆2400億円)と推計することができます。なお、CitibankとGoogleの調査結果では、ロシアの消費者向け電子商取引市場規模は、2012年には260億ドル(約2兆800億円)を超えると予測していて、それに伴いロシア以外の旧ソ連諸国での市場拡大も期待されます。

第4回・旧ソ連諸国
国数・地域内人口 12ヶ国、約2億7600万人(2011年)
インターネット利用者数 約1億300万人(2010年6月~2011年3月)
人口普及率 37.3%
IT化に注力するロシア 旧ソ連諸国12ヶ国の電気通信市場のほぼ7割をロシアが占める。ロシアでは、2010年に連邦プログラム「情報社会」を策定し、2014年にすべての行政サービスの電子化、2020年にブロードバンドの世帯普及率80%などを目標に掲げる。
EC市場規模 ロシアの2010年消費者向け電子商取引市場規模は約195億ドル(約1兆5600億円)。電子通信市場と同様に、ロシアが旧ソ連諸国のうち約7割の市場規模を占めると仮定した場合、域内の市場規模は約280億ドル(約2兆2400億円)と推計される。
主なネット関連企業 ロシアでもっとも有名なショッピングサイト「ozon.ru」は、ネット書店としてスタートして現在では総合通販サイトに成長。ロシアやウクライナなど旧ソ連諸国では、Facebookよりも、VkontakteやOdnoklassnikiの利用者が圧倒的に多い。

ロシアでは、ロシア語でサービスを提供するWebサイトが大きなシェアを握っているのが特徴です。利用者数の多いサイトとしては、サーチエンジン・ポータルサイトの「Yandex」、SNSの「Vkontakte」、フリーメールサービスの「Mail.ru」などがあります。SNSでは、VkontakteとOdnoklassniki、MoiMirの3つがロシア語圏での3強で、特にVkontakteはロシアやウクライナを中心に、約1億人の利用者がいます。ロシアの「ozon.ru」は、もともと書籍を販売するサイトとしてスタートしましたが、取り扱い商品を拡張して今ではもっとも有名な総合通販サイトに成長し、「ロシア版アマゾン」とも表現されています。

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 ◎初出:2011年7月25日
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2011/07/11

第3回・東南アジア

今回は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の10ヶ国(インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)を東南アジア諸国として取り上げます。域内の総人口は約6億1400万人、そのうちインターネット利用者は約1億3600万人です。(調査時期は2009年6月~2011年3月と国によって異なる。)人口普及率は平均22.2%ですが、ブルネイ(80.7%)、シンガポール(77.8%)、マレーシア(64.6%)が欧米並の水準に達しているのに対して、ミャンマー(0.2%)、カンボジア(1.7%)、ラオス(7.5%)は10%を下回っており、国によって格差が大きいことがわかります。

域内のFacebookの利用者数は、2011年3月時点で合計7930万人に達しており、人口浸透率は12.9%、インターネット利用者に対する比率では58.2%と過半数を超えています。特に、シンガポール(52.3%)とブルネイ(51.0%)では、Facebookの人口浸透率が50%を超えています。ほとんどの国でFacebookが一番人気SNSの地位を獲得していますが、ベトナムだけはオンラインゲームから派生したSNSサイト「Zing」が会員数500万人を獲得して、Facebookの約128万人を大きくリードしています。東南アジア諸国でソーシャルメディアの利用率が高い理由としては、現在のインターネット利用者がリテラシーの高い富裕層に偏っているためと推測されます。

インターネット利用者の増加に伴い、東南アジア諸国の電子商取引市場も急成長しています。日本経済研究センターは、報告書「アジアの電子商取引の拡大」において、各国のインターネット人口普及率からEC化率を推測するという手法で2009年の電子商取引市場規模を試算しています。それによると、インドネシアが36億ドル(約2880億円)、シンガポールが19億ドル(約1520億円)、タイが17億ドル(約1360億円)、マレーシアが11億ドル(約880億円)、ベトナムが7億ドル(約560億円)などとなっています。インドネシアは、2010年12月における人口普及率が16.1%にとどまっているため、今後の成長余力は大きいと期待できます。

第3回・東南アジア
国数・地域内人口 10ヶ国、約6億1400万人(2011年)
インターネット利用者数 約1億3600万人(2009年6月~2011年3月)
人口普及率 22.2%
普及率に大きな格差 ブルネイ(80.7%)、シンガポール(77.8%)、マレーシア(64.6%)が欧米並の水準に達しているのに対して、ミャンマー(0.2%)、カンボジア(1.7%)、ラオス(7.5%)など10%に満たない国もあり、域内の格差が大きい。
EC市場規模 シンガポールのEC化率は日本と同じレベルで、2009年市場規模も19億ドルに。インドネシア(36億ドル)、マレーシア(11億ドル)、タイ(17億ドル)、ベトナム(7億ドル)はEC化率上昇に伴い、市場規模の成長が期待される。
主なネット関連企業 ベトナム最大のショッピングサイト「Vat Gia」は、独自の決済手段を提供して成長。最近ではクーポン共同購入サイトの運営も手がける。オンラインゲームで成功したVNG社の運営するSNS「Zing」は、ベトナムで一番人気を誇っている。

タイで圧倒的知名度を誇るECサイト「TARAD.com」は、2009年に楽天の子会社になりました。2011年6月には、タイ製品を日本語で購入できるサービスを開始しています。楽天はインドネシアでも、現地でTV局などを経営するメディア企業PT Global Mediacom社と合弁会社を設立して、今年にもインドネシアでショッピングモール事業を開始する計画です。一方、前述のベトナム最大のSNS「Zing」を運営するオンラインゲーム大手VNG社やベトナム最大のECサイト「Vat Gia」には、サイバーエージェントが出資を行っています。今後、日本のインターネット関連企業の東南アジア諸国への進出や投資がますます活発になることは間違いないでしょう。

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 ◎初出:2011年7月11日
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2011/07/04

第2回・北欧

今回は、北欧理事会(Nordic Council)に加盟している5ヶ国3地域のうち、独立国5ヶ国(スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイスランド)を北欧諸国として取り上げます。北欧諸国の総人口は約2490万人で、総人口の89.9%にあたる約2240万人がインターネットを利用しています。世界経済フォーラムが発表した2010年のICT活用度総合ランキングでも、スウェーデンが1位、フィンランドが3位、デンマークが7位、ノルウェーが9位と北欧の4ヶ国が10位以内にランクインしました。北欧諸国でいかにインターネットが普及しているかがわかります。

北欧諸国では、ソーシャルメディアの利用率も非常に高くなっています。2011年3月時点のFacebook利用者数は北欧全体で約1160万人に達しています。総人口比では46.6%、インターネット利用者比では51.9%にのぼります。Facebakersは、Facebookの人口浸透度が40%を超えている29ヶ国のランキングを発表していますが、アイスランドが3位、ノルウェーが8位、デンマークが16位、スウェーデンが22位とここでも4ヶ国がランクインしています。スウェーデンの通信会社Glocalnetが2008年に早くもFacebookで顧客サービスを開始するなど、企業によるソーシャルメディア活用も早い段階から行われています。

北欧諸国の電子商取引は、人口が少ないため市場規模はそれほど大きくありませんが、小売売上に占める割合(EC化率)が高い点が特徴です。イギリスの価格比較サイトKelkooは、欧州主要14ヶ国の2010年対消費者向け電子商取引市場規模とEC化率の予測を発表しました。それによると、デンマークは46億ユーロ(約5380億円)で7.0%、スウェーデンは45億ユーロ(約5270億円)で5.6%、ノルウェーは39億ユーロ(約4560億円)で7.5%、フィンランドは32億ユーロ(約3740億円)で5.9%となっています。アイスランドは調査の対象に入っていませんでした。ちなみに、経済産業省の統計によると、日本の2010年EC化率は2.5%でした。

第2回・北欧
国数・地域内人口 5ヶ国、約2490万人(2011年)
インターネット利用者数 約2240万人(2010年6月)
人口普及率 89.9%
Facebook浸透率 2011年3月時点のFacebook利用者数は北欧全体で約1160万人。総人口に対する浸透率は46.6%と非常に高い。特に、アイスランド(64.8%)とノルウェー(54.4%)で高い。
EC化率 人口が少ないため電子商取引市場の規模はそれほど大きくないが、2010年のEC化率は、デンマーク7.0%、スウェーデン5.6%、ノルウェー7.5%、フィンランド5.9%と高い。(日本の2010年EC化率は2.5%)
主なネット関連企業 日本で比較的知られているショッピングサイトとしては、スウェーデンの「Webhallen」がある。新製品をいち早く掲載することで有名で、任天堂の「Wii U」を正式発表前に予約受付を開始して話題を呼んだ。

スウェーデンの「Webhallen」は、話題の新製品をいち早く掲載することで有名なショッピングサイトです。今年の4月には、任天堂の「Wii U」を正式発表前に予約受付を開始して話題になりました。フィンランドの「Rovio Mobile」はスマートフォン向けのアプリを開発するベンチャー企業ですが、2009年12月にリリースしたiPhone向けゲーム「Angry Birds」がApp Storeで累計2億回ダウンロードされる大ヒットとなりました。Rovio Mobileは今年に入ってフィンランドのアニメ制作会社を買収して、Angry Birdsを「エンタテインメント・プラットフォーム」にする戦略を打ち出しています。

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 ◎初出:2011年7月4日
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2011/06/27

第1回・南米

今回より「地域別・世界のWebビジネス最新事例」(全11回)の連載を開始いたします。毎回一つの地域に焦点を当てて、インターネット普及率、電子商取引市場規模、ソーシャルメディア利用率など、各地域の特徴的なインターネットビジネス事情と共に、地域を代表するWebビジネスの事例を紹介します。
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南米は、12の独立国と英領フォークランド諸島および仏領ギアナで構成されています。地域内の総人口は約4億人で、2011年3月末時点で総人口の40.7%にあたる約1億6300万人がインターネットを利用しています。インターネット利用者数が一番多い国はブラジルの約7600万人で、南米全体の約47%を占めています。国別の人口普及率では、アルゼンチンが66.0%と一番高く、ブラジルは37.4%と南米の平均を下回っています。南米はインターネットの人口普及率は決して高いとはいえませんが、携帯電話人口普及率は2009年12月の時点で92.4%と欧州並の数字に達しているのが特徴です。

南米のインターネット事情として目立つのがソーシャルメディアの利用率の高さです。2011年3月時点のFacebookの利用者数は南米全体で約6960万人にのぼり、インターネット利用者の約43%がFacebookを利用している計算になります。国別ではチリの利用率が特に高く、インターネット利用者数925万人のうち、85%にあたる787万人がFacebookを利用しています。ちなみに、同じ統計で日本のFacebook利用者数は306万人となっています。また、ComScoreが発表したTwitterの国別リーチ率ではブラジルが23%で世界一、イギリスの調査会社TNSが発表したSNSの平均友達数でもブラジルは231人と世界2位になっています。

最大のインターネット利用者数を抱えるブラジルでは、FacebookではなくGoogleが運営するSNS「Orkut」が一番人気を誇っています。Orkutは、2004年に世界市場を対象にサービスを開始したSNSです。2004年時点では会員に占めるブラジル人の比率は5%程度でしたが、なぜかその後ブラジル人とインド人の会員が急増して、2010年にはブラジル人が48%、インド人が40%という構成になりました。GoogleはOrkutの運営本部を2008年にブラジルに移してポルトガル語のアプリ開発に力を入れるなど、今ではすっかりブラジルの国民的SNSとして定着しています。もっとも、ブラジルでもここ数年、Facebookの利用者数が急増していて、将来、ブラジルの一番人気SNSの座が奪われてしまう可能性もあります。

第1回・南米
国数・地域内人口 14ヶ国・地域、約4億人(2011年)
インターネット利用者数 約1億6300万人(2011年3月)
人口普及率 40.7%
携帯電話普及率 2009年12月時点で、南米全体の携帯電話人口普及率は92.4%と欧州並の数字に達している。特に、アルゼンチンやウルグアイなどが高い。
ソーシャルメディア 人付き合いを大切にする国民性のためかソーシャルメディア利用率は高い。Facebookだけでも南米全体で約6960万人の利用者がいて、インターネット利用者数に占める割合は約43%にのぼる。(人口全体に対する普及率は17.4%)
主なネット関連企業 アルゼンチンの「Mercado Libre」は、ブラジルなど中南米の主要国で大きなシェアを握る南米最大のEC企業。アメリカのeBayも出資している。ブラジルで一番人気のSNS「Orkut」は、2008年に運営本部がアメリカからブラジルに移された。

電子商取引の市場で大きなシェアを握っているのが、アルゼンチンの「Mercado Libre」です。中南米のほぼすべての国に進出していて、特に最大の市場であるブラジルでの知名度は圧倒的です。ショッピングモールをメインにオークションを併設するなど、日本の楽天市場やアメリカのAmazon.comに近い業態といえます。ブラジルの電子商取引市場規模は、2016年には2010年の約2.8倍にあたる約220億ドル(約1兆7600億円)に達すると予測されています。2011年5月、楽天はブラジルのECプラットフォーム会社「Ikeda」を子会社化して、ブラジルでショッピングモール事業を年内に開始すると発表しました。成長潜在力の高い南米市場を狙って、欧州やアジアの企業の進出が今後増えそうです。

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 ◎初出:2011年6月27日
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