078-業界別・Webマーケティングのトレンド

2009/12/28

第11回・不動産会社

不動産業界においてもあらゆる業態でWebサイトが活用されています。マンションなど住宅を販売する会社では物件情報の提供や資料請求の受付、商業用施設を運営する会社ではテナントや周辺地域の情報発信など、活用形態も様々です。今回は、オフィスビル、商業施設、マンションなどの開発を手がける大手不動産会社5社(三菱地所、三井不動産、住友不動産、東急不動産、野村不動産)を取り上げます。

大手不動産会社は、規模の大きな物件を特定の地域に集中して開発することで街づくりに貢献しています。三菱地所は丸の内・大手町・有楽町エリア、三井不動産は銀座・日本橋エリアに数多くの物件を保有しているのが特徴です。東急不動産は東急電鉄グループということで、東急沿線の開発を進めています。Webサイトでは、各社とも主要な物件ごとに専用サイトを設けて利用者への情報提供を行うとともに、物件周辺の地域に密着したコンテンツに力を入れています。

不動産会社が運営する地域情報ポータルサイトとしては、三菱地所が1999年に開設した「Marunouchi.com」が有名です。大手町・丸の内・有楽町エリアのイベントや店舗などの情報が充実していて、会員向けにメールマガジンを定期的に配信しています。三井不動産は、主に銀座エリアのショッピング情報などを発信するサイト「MIDCITY」を運営しています。また、東急不動産では、「街」をテーマに主要商業施設ごとに独自ドメインでサイトを運営していて、主にテナントのショップ情報を発信しています。

マンションや住宅を主に販売している不動産会社では、購入見込み客や自社物件購入客を対象にした会員制サイトも運営しています。野村不動産では、無料会員制の「PROUD CLUB」を運営していて、Webサイトでも会員専用コンテンツを提供しています。同社では、自社物件購入者だけが登録できる会員制サイト「野村オーナーズクラブ」も運営しています。住友不動産では、マンションなど住宅購入希望者向けの会員制サイト「住まいクラブ」を運営するとともに、発売中のマンションごとに専用サイトを設けて、Webから来場予約を受け付けて物件の販促に積極的に活用しています。

第11回・不動産会社
サイト名 Webマーケティングの特徴
★三菱地所
http://www.mec.co.jp/
・コーポレートブランドのページを設置
・丸の内情報サイト「Marunouchi.com」
・住宅情報サイト「三菱地所の住まいのギャラリー」
・イベント情報サイト「TOKYO-EVENT.JP」
★三井不動産
http://www.mitsuifudosan.co.jp/
・運営するオフィスビルのオフィシャルサイト一覧
・銀座エリアの情報提供サイト「MIDCITY」
・日本橋活性化への取り組みを紹介「まち日本橋」
・ステークホルダーとのコミュニケーションツール
★住友不動産
http://www.sumitomo-rd.co.jp/
・発売中マンションの特設サイトで来場予約受付
・会員制情報サイト「住まいクラブ」
・「土地に関するご相談窓口」を開設
・マンション作品集「THE MASTER-PIECES」
★東急不動産
http://www.tokyu-land.co.jp/
・商業施設ごとに独立した専用サイト
・トップページに検索キーワードランキング表示
・新しいライフスタイルのWeb講座「未来創造学」
・環境への取り組み「BRANZ GREEN PROJECT」
★野村不動産
http://www.nomura-re.co.jp/
・会員制情報サイト「PROUD CLUB」
・購入者専用サイト「野村オーナーズクラブ」
・住宅情報サイト「三菱地所の住まいのギャラリー」
・不動産情報サイト「ノムコム」

今回取り上げた5社は株式を上場していることから、環境対策など上場企業としての社会的責任を果たすことが求められています。各社ともWebサイトではCSR報告書を掲載するなど、CSR活動への取り組みをアピールしています。三菱地所では、トップページに目立つボタンでコーポレートブランドのページへのリンクを設置して、ブランドスローガンおよびブランドステートメントをわかりやすく説明しています。街づくりを担う不動産会社にとって、会社の理念を広く知ってもらいブランドイメージを浸透させることもWebサイトの重要な役割といえるでしょう。

※連載「業界別・Webマーケティングのトレンド」は、今回で終了となります。新年からは新連載がスタートいたしますので、ご期待ください。

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 ◎初出:2009年12月28日
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2009/12/21

第10回・新聞社

新聞全体の発行部数が減少傾向にある中、新聞各社はWebサイトによる情報発信に力を入れています。新聞社のWebサイトには、新規購読者の獲得、既存購読者との関係強化という目的がありますが、Webサイトで提供されるニュースなどのコンテンツは無料で閲覧することができ、ビジネスモデルとしては広告料収入をメインとしているポータルサイトに似たものとなっています。今回は、全国紙5紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞)のWebサイトに焦点をあてます。

新聞社のWebサイトは、紙面に掲載されたニュース記事に加え、テレビ局のWebサイトと同様、エンターテインメントなど幅広いジャンルのコンテンツが充実しています。各社で共通するコンテンツとしては、新聞購読者を対象にした会員制サイトがあります。読売新聞の「ヨリモ」、朝日新聞の「アスパラクラブ」、毎日新聞の「まいまいクラブ」、日本経済新聞の「日経ネットPLUS」は、いずれも購読者でなくても会員登録が可能ですが、紙面との連動企画など購読者向けサービスにウエイトが置かれています。

朝日新聞では、全国紙で最初にYouTubeに公式チャンネルを開設したほか、Twitterの公式アカウントも早い段階で開設しています。なお、Twitterには、読売新聞、毎日新聞も公式アカウントを開設しています。産経新聞では、関連サイトとして記者がブログでニュースを伝えるサイト「イザ!」を運営していて、毎日jpも2007年の開設時より、外部ブロガーのコンテンツを積極的に掲載する方針を採用して話題になりました。各紙とも、動画共有サイトやブログなどソーシャルメディアに積極的に対応していることがわかります。

コンテンツを充実する目的で、新聞社や通信社間での連携が進んでいます。2007年10月、産経新聞グループがマイクロソフトと提携して「MSN産経ニュース」の運営を開始しました。ほぼ同時に日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社が業務提携を発表し、その成果として2008年1月に3社共同運営によるニュースサイト「新s(あらたにす)」を開設しました。毎日新聞社は、2009年11月に共同通信社と提携して、2010年4月から毎日新聞が共同通信に加盟することを発表しました。

第10回・新聞社
サイト名 Webマーケティングの特徴
★読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/
・読者向け会員制サイト「ヨリモ」
・女性向け情報サイト「大手小町」
・毎日朝にポッドキャストでニュース配信
・ネットショップ「よみ・もの得選」を運営
★朝日新聞
http://www.asahi.com/
・読者向け会員制サイト「アスパラクラブ」
・Twitterに公式アカウントをいち早く開設
・YouTubeに公式チャンネルをいち早く開設
・読売、日経と共同で「あらたにす」を運営
★毎日新聞
http://mainichi.jp/
・読者向け会員制サイト「まいまいクラブ」
・各種ツールを提供する「毎日jpラボ」
・英語サイト「The Mainichi Daily News」
・FAQをまとめた「毎日jpの歩き方」
★日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/
・読者向け会員制サイト「日経ネットPLUS」
・英語サイト「Nikkei Net Interactive」
・「大人のレストランガイド」をぐるなびと運営
・読売、朝日と共同で「あらたにす」を運営
★産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/
・マイクロソフトと提携で「MSN産経ニュース」
・記者ブログによるニュースサイト「イザ!」
・経済情報専門サイト「SankeiBiz」
・YouTubeに公式チャンネルを開設

日本では、新聞社のWebサイトの情報は無料で提供されるのが一般的でした。2009年12月15日に、「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本語版」の有料サービスが開始されました。アメリカのダウ・ジョーンズ社と、オンライン証券会社などを経営する日本のSBIホールディングスの合弁会社が運営にあたります。WSJ紙はアメリカで1996年よりWebサイトでの有料サービスを開始し、現在では100万人を超える有料購読者の獲得に成功しています。テレビ局の有料動画配信サービスが苦戦する中、新聞記事の有料配信サービスが利用者の支持を得られるかどうかが注目されます。

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 ◎初出:2009年12月21日
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2009/12/14

第9回・テレビ局

テレビ局もWebサイトの活用に早くから取り組んできた業界です。テレビ番組の放送予定や出演者の情報をテレビ局のWebサイトで調べる人も多く、視聴者への情報提供手段として欠かせないものになっています。テレビ局のWebサイトは、番組に関する情報以外にも多種多様なコンテンツが充実していて、総合エンタテインメント情報提供サイトと表現した方が的確かもしれません。今回はNHKに東京の4つのキー局(日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日)を加えた5つのテレビ局のWebサイトを見ていきます。

民放4局の共通するコンテンツとしては、番組で紹介した商品やオリジナルグッズを販売するショッピングサイトがあります。日本テレビの「日テレショップ」、TBSの「ishop」、フジテレビの「e!ショップ」、テレビ朝日の「Ropping」とも、テレビ番組と連動させて相乗効果を狙うというコンセプトはほぼ同じです。比較的新しいサービスでは、日本テレビとTBSが番組連動のガジェットなどのアプリを無料で配布しています。フジテレビとテレビ朝日では、無料会員制を採用していてWebサイトの各種サービスを利用できる共通IDを発行しています。

テレビ局は、動画をインターネットで配信するVODサービスの可能性について模索を続けてきました。日本テレビが2005年10月に会員向けオリジナルコンテンツの有料配信を開始したのが先駆けです。NHKは、過去に放映した番組を配信する「NHKオンデマンド」を2008年12月に開始しました。NHKオンデマンドは開始1年で登録会員は25万人を突破しましたが、無料コンテンツの視聴が多く、収入は計画を大幅に下回っています。視聴できるPCのOSやブラウザが限定されていたことも理由の一つで、2010年4月からYouTubeなどが採用しているFlash Video形式に変更することが決まりました。

日本テレビのVODサービスは、2008年10月に会員登録不要で誰で視聴できる無料サービス「第2日本テレビ」にリニューアルしました。広告料を収入源とするビジネスモデルを転換したことで、2009年10月には単月黒字を達成しました。日本テレビは一部のコンテンツをGyaoでも無料配信しています。その一方、テレビ朝日は2009年6月から「テレ朝動画」で、業界で初めて地上波レギュラードラマを放送終了直後からPCと携帯電話向けに有料で配信を開始するなど有料サービスに力を入れており、テレビ局によってVODサービスへの取り組み方に差が出てきています。

第9回・テレビ局
サイト名 Webマーケティングの特徴
★NHK
http://www.nhk.or.jp/
・PC向けVODサービス「NHKオンデマンド」
・YouTubeやニコニコ動画に公式ページ
・地方局の新着記事を集めた「BLOG ON BLOGS」
・Twitterに公式アカウント開設
★日本テレビ
http://www.ntv.co.jp/
・無料動画配信サービス「第2日本テレビ」
・モバイル版のほかにもPDA版、テキスト版
・アプリ公開サイト「日テレアプリ」
・Gyaoと資本提携してGyaoで動画配信
★TBS
http://www.tbs.co.jp/
・TBSディグネットが番組連動ガジェット提供
・CSデジタル放送でTwitterアカウント開設
・「情熱大陸」でTwitterを双方向で活用
・YouTubeと提携して公式チャンネル開設
★フジテレビ
http://www.fujitv.co.jp/
・人物や商品に絞り込めるサイト内検索
・会員登録サービス「フジテレビID」
・PC、モバイル向け「フジテレビ on Demand」
・Gyaoと資本提携してGyaoで動画配信
★テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/
・無料会員登録「tv asahi id」
・アナウンサーを紹介する「アナウンサーズ」
・PC、モバイル向け「テレ朝動画」
・YouTubeと提携して公式チャンネル開設

ソーシャルメディアの活用では、各局の足並みが揃っている印象があります。TBSとテレビ朝日は、Googleとパートナー契約を結んでYouTubeに公式チャンネルを開設、現在はニュース番組を中心に無料で配信しています。ミニブログサービスTwitterには、NHKやTBSテレビのCSデジタル放送などが公式アカウントを開設しています。テレビ局のTwitterでは、番組情報の一方的な発信で使われるのが一般的でしたが、TBS系「情熱大陸」の番組専用Twitterは、視聴者とリアルタイムのコミュニケーションも試みられており注目すべき事例となっています。

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 ◎初出:2009年12月14日
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2009/12/07

第8回・インターネットプロバイダ

インターネットプロバイダは、インターネットへの接続サービスを提供している会社です。プロバイダのWebサイトは、現在インターネットで広く提供されている個人向け無料サービスを網羅しているのが最大の特徴です。サーチエンジンはもちろん、会員登録すると無料で利用できるWebメールやブログサービス、SNSなどの目的別コミュニティ、各種コンテンツ提供サービスなど、Yahoo!に代表されるポータルサイトとサービス内容はほぼ同じです。今回はインターネット接続サービスを提供しているOCN、BIGLOBE、@nifty、So-netの4サイトをとりあげます。

プロバイダのWebサイトには、接続サービス利用者へのサポートという目的もありますが、サイトで提供されているサービスの大半は、接続サービスを利用していない人でも、簡単な会員登録で利用できます。サイト内にはバナー広告やテキスト広告をはじめインターネット広告が掲載されていて、ビジネスモデルとしてもポータルサイトに近くなっています。BIGLOBEは、実際の農園を月額3980円からレンタルして、作物の育成状況をネットカメラで観察できる「BIGLOBEファーム」を2010年2月から開始するなど、一般消費者向けの有料サービスを積極的に拡大しています。

サービスが多様化するに伴い、同じ会社が運営するサービスを利用するのに別のIDが必要というケースも増えてきました。そこでプロバイダ各社は、利用者の利便性向上のために、同じIDですべてのサービスが利用できるシングルサインオンの導入を進めています。OCNを運営するNTTコミュニケーションズは、OCNブランドのサービスを利用する際に使用するIDを、OCNのメールアドレスに一本化することを発表しました。@niftyでも、従来はサービスごとに異なるIDを発行していましたが、@nifty IDを共通して使用できる仕組みに段階的に変更しています。

コンテンツ強化や会員の利便性向上のために、サイト間の提携の動きも出てきています。BIGLOBEと@niftyは、一部の有料コンテンツをお互いの会員が購入できる提携を発表しました。たとえば、BIGLOBEの会員向けサービスである「アニメワン」の有料コンテンツを、@niftyの会員が購入できるようになります。So-net内では、世界から個人輸入できるサイト「BuyMa(バイマ)」のSo-net版が、いわば外部サイトのOEM版のような形で提供されています。今後は、プロバイダ間のみならず、他のポータルサイトやコンテンツ提供サイトとの間で相互連携の動きが強まると予想されます。

第8回・インターネットプロバイダ
サイト名 Webマーケティングの特徴
★OCN
http://www.ocn.ne.jp/
・メールアドレスをIDに使用するシングルサインオン
・投稿でポイントがたまる比較サイト「お買得ナビ」
・セカンドライフ応援サイト「ブリエ」
・ブログのレビュー記事サイト「TREview(トレビュー)」
★BIGLOBE
http://www.biglobe.ne.jp/
・法人向けサービス専用サイトのコンテンツ充実
・「BIGLOBE β」で新規サービスのベータ版を公開
・人気キーワードがわかる「旬感ランキング」
・市民向けレンタル農園サービス「BIGLOBEファーム」
★@nifty
http://www.nifty.com/
・BIGLOBEとポータルサイトのコンテンツ強化で提携
・キーワードと遷移先URLを集計した「みつけるナビ」
・ビジネスパーソン向けSNS「ビジネススペース」
・「@niftyラボ」で新規サービスのベータ版を公開
★So-net
http://www.so-net.ne.jp/
・エンタテインメント系のコンテンツが充実
・クチコミで作る地図サービス「buzzmap(バズマップ)」
・Flashで表示「Blog Keyword Visualizer」
・世界中から個人輸入できるサイト「BuyMa(バイマ)」

「BIGLOBEβ」や「@niftyラボ」は、開発中の新しいサービスのベータ版を公開する場です。So-netでも、ブログで登場するキーワードの関係をFlashアニメで次々と表示する「Blog Keyword Visualizer」を公開するなど、新しいサービスの開発に積極的です。新サービスの中には、ブログやSNSなど、いわゆるソーシャルメディアのデータをマーケティングに活用できるタイプのものが数多く含まれています。それらのデータ分析を企業向け有料サービスとして立ち上げたプロバイダもあり、新しい収益源として企業向けサービスにも力を入れていることがわかります。

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 ◎初出:2009年12月7日
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2009/11/30

第7回・ネットバンク

最近のインターネット調査によると、インターネットで普通預金の残高参照や振込手続きなどがおこなえるインターネットバンキングの利用率は約7割に達しています。今では都市銀行をはじめ、数多くの銀行がインターネットバンキングのサービスを提供していますが、普及の大きなきっかけになったのが2000年に営業を開始したジャパンネット銀行のような、店舗を持たずインターネット専門で業務をおこなうネットバンクの登場です。今回はネットバンク主要4行(イーバンク銀行、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行)を取り上げます。

ネットバンクでは、決済などの基本機能に加え、資産運用に関するサービスが充実しているのが共通点です。各行とも、金融商品仲介業者として株式や外国為替証拠金取引(FX)のサービスを提供しています。イーバンク銀行では、資産運用のための情報サイト「イーファンタジア」を運用しています。また、証券会社や保険会社など、他の会社で保有している口座を一括管理できる資産管理ツールを提供している点も共通しています。ジャパンネット銀行の「JNBアグリゲーション」や、ソニー銀行の「人生通帳」などがこれにあたります。いずれも口座開設者は無料で利用できます。

銀行業務として幅広いサービスを提供する一方で、利用目的別に特徴を打ち出す動きも出ています。イーバンク銀行は、ネットオークションの決済などを想定して、個人間でメールのやりとりだけで手軽に送金できる「メルマネ」を提供しています。ジャパンネット銀行は、ネットショップを開業したい個人向けのコンテンツを充実させていて、売上代金を受け取る口座としての利便性をアピールしています。住信SBIネット銀行では、目的別に口座を分けられる「目的別口座」という他のネットバンクにはないサービスを提供しているのが特徴です。

ネットバンクでは、過去に不正アクセスで預金が引き出されるという事件も発生しており、各行ともセキュリティ強化には力を入れています。ジャパンネット銀行では、業界では初めてトークンによるワンタイムパスワードを2006年に導入しました。トークンで1分に1回生成される6桁の数字をパスワードとして使用する仕組みで、1分後には無効になるためパスワード盗難による不正行為を防止する効果があります。ワンタイムパスワードは、その後、三井住友銀行やみずほ銀行など主要銀行のインターネットバンキングでも採用されています。

第7回・ネットバンク
サイト名 Webマーケティングの特徴
★イーバンク銀行
http://www.ebank.co.jp/
・楽天グループのサービスやサイトと連携を強化
・資産運営サイト「イーファンタジア」を運営
・預かり資産によって特典が受けられるプログラム
・メールで送金できる「メルマネ」
★ジャパンネット銀行
http://www.japannetbank.co.jp/
・他の口座状況をチェックできる「JNBアグリゲーション」
・ワンタイムパスワードを採用したセキュリティ
・ネットショップ開業支援のコンテンツ
・提携証券会社の口座開設申し込み
★ソニー銀行
http://moneykit.net/
・初心者投資家向けコンテンツが充実
・外国為替証拠金取引(FX)に注力
・「人生通帳」など資産管理ツールを提供
・投資情報「マーケットニュース&レポート」
★住信SBIネット銀行
http://www.netbk.co.jp/
・金利と手数料などの条件面で定評
・親会社運営のコミュニティ「SBIマネーワールド」
・目的に合わせて活用する「目的別口座」を開設可能
・株式投資に充当できる「SBIハイブリッド預金」

ネットバンク共通の課題と思われるのは、携帯電話での利用率向上です。楽天リサーチが2009年9月に実施した調査によると、携帯電話からのインターネットバンキング利用率は約16%で、1年前の調査からほとんど増えていないことがわかりました。携帯電話での利便性を改善する余地はありそうです。2008年7月、KDDIと東京三菱UFJ銀行は、携帯電話にアプリをインストールして利用する世界初の携帯電話専用ネットバンク「じぶん銀行」を開業しました。PCからの利用と携帯電話からの利用でネットバンクの業態が分かれるのかどうか、じぶん銀行の動向が注目されます。

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 ◎初出:2009年11月30日
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2009/11/16

第6回・ショッピングモール

日本では、消費者向け電子商取引においてショッピングモールというビジネスモデルが大きなシェアを占めています。日本流通産業新聞社が2009年4月に公表した「ネットショップ売上高ランキングベスト508社」のうち、ショッピングモールに出店しているショップは、「楽天市場」296店、「Yahoo!ショッピング」214店、「ビッダーズ」64店でした。独自サイトに加えて大手ショッピングモールに出店する企業が多いことがわかります。今回は、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ビッダーズの3サイトの特徴や共通点を見ていくことにします。

出店するショップ数が多くなると、販売されている商品数も膨大になります。そこで各社とも、欲しい商品をできるだけスムーズに見つけられるよう、サイト内検索に独自の工夫を加えています。複数のショップで同じ商品を扱っている場合は、価格などの条件を比較できる機能を提供しています。いわば、モール内で価格.comのような比較サイトが設置されていると表現できます。楽天市場では、「最近チェックした商品」に加え「最近チェックしたショップ」を表示でき、一度訪問したことがあるショップには再訪問しやすい配慮がなされています。

共通するマーケティング手法としては、出店しているショップの販売支援のために独自のアフィリエイトネットワークを運営していることがあげられます。Yahoo!や楽天では、運営しているポータルサイトで会員向けにブログサービスなども提供していて、アフィリエイトネットワークを構築しやすいという優位点があります。また、楽天市場やビッダーズは、Googleなどサーチエンジンで商品やカテゴリ名を検索した人をモールに誘導できるよう、リスティング広告に積極的に出稿して外部からの新規客獲得に力を入れています。

大手ショッピングモールでは、ショッピングとオークションが融合しつつあります。特に、オークションサイトとしてスタートしたビッダーズでは、商品検索するとオークション形式、固定価格形式、共同購入形式の3つの形式が一緒に表示されます。ショップがオークション形式で販売しているものも少なくなく、オークション形式で商品をショップから買う、という購買行動が定着しつつあることがわかります。Yahoo!オークションにも「ストア出店」という形態があり、今後はYahoo!ショッピングとYahoo!オークションの連携も強化されるものと思われます。

第6回・ショッピングモール
サイト名 Webマーケティングの特徴
★楽天市場
http://www.rakuten.co.jp/
・会員向けにマイページ「my Rakuten」機能
・最近チェックした商品やショップの履歴
・共同購入、オークション、懸賞の専用ページ
・「楽天アフィリエイト」を運営
★Yahoo!ショッピング
http://shopping.yahoo.co.jp/
・ポータルサイトの強みを活かした集客
・Yahoo!オークションストアという業態も用意
・オンライン決済「Yahoo!ウォレット」を提供
・「Yahoo!ショッピングアフィリエイト」を運営
★ビッダーズ
http://www.bidders.co.jp/
・モバイル中心の展開で店舗数が急増
・ショッピングとオークションが融合
・ワンクリックで簡単に応募できるプレゼント
・「ビッダーズアフィリエイト」を運営

知名度と規模で優位に立つ楽天市場、ポータルサイトの集客力が強みのYahoo!ショッピング、モバイル分野で先行するビッダーズと、各社特長を伸ばしつつ成長を続けていますが、今後ライバルとなりそうなのがアマゾンです。取り扱い商品を拡大してきており、分野によってはモールに匹敵する品揃えを誇ります。また、法人向けのAmazonマーケットプレイス大口出品サービスを利用することで、外部企業が実質的にストア出店できるようになりました。レコメンデーション機能をいち早く採用するなど、ショッピングサイトとして常に最先端を走ってきたアマゾンが大手ショッピングモールに進化する可能性もあります。

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 ◎初出:2009年11月16日
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2009/11/09

第5回・総合スーパー

総合スーパーは、店舗ごとに発行しているチラシなど地域密着コンテンツの配信において早くからWebサイトを活用してきました。グループのネットワークを生かしたネット通販やネットスーパーなど、ネット関連の事業も積極的に拡大しています。今回はセブン&アイ・ホールディングスのイトーヨーカ堂、イオンのジャスコに加え、イオンと提携関係にあるダイエー、外資系の傘下に入った西友の4社のWebサイトに焦点をあてたいと思います。

総合スーパーは、グループ内で数多くの店舗ブランドがあり、多彩なサービスを提供しています。企業サイトのあり方を考える上で、総合スーパーのサイト構成は参考になるかもしれません。ジャスコでは、持株会社であるイオンの企業サイトには「aeon.info」、お客さまサイトなどは「aeon.jp」、ネット通販サイトは「aeonshop.com」と、目的に応じてドメイン名を使い分けています。これに対してダイエーは、企業サイトをはじめ、ネット通販サイト、ネットスーパーなどでドメイン名を「daiei.co.jp」に統一していて、サブドメインを使い分けているのが特徴です。

共通点としては、チラシやセール情報など各店舗から発信されるコンテンツに力を入れている点です。イトーヨーカ堂では、すべての店舗がブログ形式で最新情報を発信しています。ジャスコは、最新のデジタルチラシを自動的に受信できる独自のRSSリーダーを無料配布しています。ダイエーは、クッキーを使って会員登録しなくても利用できる、最寄り店舗の最新情報を表示する「My店舗登録」機能を提供しています。西友では携帯電話から最新のチラシをチェックできる携帯サイトを充実させるなど、各社とも独自性を打ち出していることがわかります。

各社ともネット通販サイトを運営しています。イトーヨーカ堂は、同じグループであるセブンイレブンの流通網を生かして、注文1500円以上は全国送料無料で、指定したセブンイレブンの店頭で商品を受け取ることも可能です。また、主にクリスマスや正月など季節商品をネットで予約してイトーヨーカ堂の店頭で受け取れる「店頭受け取り予約サイト」を運営しています。イトーヨーカ堂、イオン、ダイエーが独自の通販サイトを持っているのに対して、西友は楽天市場の中に「e-西友楽市オンラインショップ」を出店するという形態をとっています。

第5回・総合スーパー
サイト名 Webマーケティングの特徴
★イトーヨーカ堂
http://www.itoyokado.co.jp/
・ショッピングサイト(itoyokado.jp)を運営
・各店舗がブログを運営、最新チラシをPDFで配信
・季節商品などが予約できる店頭受け取り予約サイト
・86店舗でネットスーパー、会員数33万人(2月末時点)
★ジャスコ(イオン)
http://www.aeonretail.jp/jusco/
・イオン公式サイトには.infoドメインを採用
・ショッピングサイト(aeonshop.com)を運営
・チラシ自動配信ツール「ちらしカタログ宅配便」配布
・コミュニティ機能を備えた「イオンお客さまサイト」
★ダイエー
http://www.daiei.co.jp/
・サブドメインでショッピングサイト運営
・おすすめレシピなど「食べる」関連コンテンツ
・クッキーを利用した「My店舗登録」
・店舗別に購読できる「おトクメール」
★西友
http://www.seiyu.co.jp/
・ネットスーパーではイトーヨーカ堂に次いで業界2位
・携帯サイトからも最新チラシをチェック可能
・楽天市場に「e-西友楽市オンラインショップ」出店
・登録制のインターネット商談サイト

業界の最近の傾向としては、最寄店舗から同日中に自宅に配達するネットスーパー事業を拡大していることがあげられます。ネットスーパーは2000年頃に登場しましたが、一度は縮小、撤退した経緯があります。再び脚光を浴びている理由は、店舗単位での配送やピッキングを行うシステムを構築したことで、採算に合うビジネスモデルに進化したためです。イトーヨーカ堂では、2009年2月末現在で全国86店舗で実施していて、登録会員数は33万人に達しています。まだ大きな利益にはつながっていませんが、大きな可能性を秘めている分野といえるでしょう。

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 ◎初出:2009年11月9日
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2009/11/02

第4回・家電量販店

大手家電量販店は、比較的早い時期から家電製品のネット通販に取り組んできました。各社ともネット通販の普及とともに売上を拡大してきましたが、最近ではアマゾンが取り扱い商品を家電製品に拡大したり、一部メーカーが直販サイトを開設するなど、家電製品のネット通販市場の競争が激しさを増しています。今回は、大手家電量販店5社(ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、コジマ、ベスト電器)が運営するネットショップにおけるWebマーケティングを取り上げることにします。

今回取り上げた5社のうち、ベスト電器はネット通販のための専用会社を設立していますが、他の4社はすべて本体がネット通販を直接行っています。その4社のうち3社は企業サイトとネットショップを別のドメイン名で運営しています。ヨドバシカメラとビックカメラは、企業サイトは「co.jp」、ネットショップは「.com」と使い分けています。コジマは一つのドメイン名で、企業サイトのトップページがネットショップのトップページを兼ねています。一方ヤマダ電機は、ネットショップ名を「ヤマダ電機WEB.COM」として、ドメイン名にもwebが入った「yamada-denkiweb.com」を使用して独自性を打ち出しています。

家電量販店のネットショップで共通しているのは、会員制を採用している点です。無料会員として登録をすると、過去の購入履歴やお気に入り商品が登録できるマイページ機能が使えます。これらの機能は、ショッピングモールやネットショップでもすでに一般化していますが、家電量販店のネットショップでは貯まったポイントを店頭での購入にも利用できるようにポイントの共通化ができることが、会員登録の大きな動機付けになっています。登録会員に対しては、おすすめ商品がメールで配信されるなど、購買履歴に基づいたレコメンデーションが行われます。

各社とも力を入れているのがエコロジー関連のコンテンツです。エコポイントの実施も追い風になり、エコ家電に強いことに加えて、企業としてもエコロジーに積極的に取り組んでいることをアピールする狙いがあります。コジマでは、現在使っているエアコンやテレビなどを最新の省エネタイプに買い換えた場合、どれだけ電気代の節約になるかをシミュレーションできるツールを提供しています。ヤマダ電機とビックカメラは、独自のツールバーを使って検索すると、その収益の一部がエコに活用されるリーフバンクプロジェクトに協賛しています。

第4回・家電量販店
サイト名 Webマーケティングの特徴
★ヤマダ電機
http://www.yamada-denkiweb.com/
・企業サイトは「yamada-denki.jp」
・商品詳細ページにメーカーへのリンク設置
・家電の奥義を動画で配信するサイトを運営
・特価品情報をRSSで配信
★ヨドバシカメラ
http://www.yodobashi.com/
・企業サイトは「yodobashi.co.jp」
・シンプルなテキストによるナビゲーション
・商品詳細ページに関連商品とユーザーレビュー
・希望の商品を探してくれる「商品リクエスト」
★ビックカメラ
http://www.biccamera.com/
・企業サイトは「biccamera.co.jp」
・検索枠に注目キーワードを表示
・商品をベースとしたレコメンデーション機能
・「最近チェックした商品」表示機能
★コジマ
http://www.kojima.net/
・企業サイトとネットショップが融合
・店舗のチラシ広告や新聞広告を公開
・最寄店舗の展示処分品を検索できる「展示品.net」
・省エネ比較サイトやローンシミュレーション
★eBEST(ベスト電器)
http://www.ebest.co.jp/
・ネット販売は別会社で運営
・商品詳細ページに関連商品を表示
・送料無料にするための少額おすすめ商品を表示
・バリューコマースのアフィリエイトサイトを募集

共通点が多い家電量販店のネットショップですが、商品詳細ページで微妙な違いもあります。ヤマダ電機では、利用者の利便性を優先してメーカーの公式サイトへのリンクを設置している点が特徴です。ヨドバシカメラでは、購入者が投稿したユーザレビューを商品詳細ページに掲載しています。ベスト電器のeBESTは、5250円以上注文すると送料無料になるため、その額に届くよう少額のおすすめ商品を表示しています。ビックカメラでは、この商品を見た人が他にどんな商品を見ているかを表示しています。個々の機能については他のジャンルのネットショップですでに広く採用されているものですが、どの機能を採用するかで特徴が出ています。

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 ◎初出:2009年11月2日
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2009/10/26

第3回・家電メーカー

家電メーカーは、個人向け家電製品のみならず、産業用機器、FA製品、半導体から宇宙産業まで幅広い分野の製品を手がける総合電機メーカー(三菱電機、日立製作所、東芝)、家電製品に特化した総合家電メーカー(パナソニック、シャープなど)、主にAV家電やデジタル家電を手がけるエレクトロニクスメーカー(ソニーなど)に分類できます。今回は、白物家電をはじめとした家電製品のラインナップが比較的幅広い5社(三菱電機、日立製作所、東芝、パナソニック、シャープ)を取り上げて、そのWebマーケティングの特徴を見ていくことにします。

家電メーカーのWebサイトの特徴としては、幅広い年齢層の利用者がアクセスするため、ユーザビリティに配慮されていることがあげられます。三菱電機は、サイト内検索エンジン「MARS FINDER」を採用して、目的のページを探しやすくする検索手段を提供しています。日立製作所では、Webサイトの文章を音声で読み上げてくれたり、文字を拡大できるツール「ZoomSight」を配布しています。東芝では、通常のFlash版に加え、パソコン操作に慣れていない人や文字情報だけを素早く読みたい人のためにHTML版とテキスト版を用意しています。

家電メーカーでは、一般消費者向けと法人向けのサイトを分けて運営しています。特に、B2Bの比率が高い総合電機メーカーでは、法人向け会員制サイトや営業支援コンテンツが充実する傾向にあります。日立製作所は、中堅中小企業向けに経営課題解決支援サイト「ナビパラ.コム」を運営していて、その中でソリューションの提案やセミナーの案内を行って見込み客獲得につなげています。パナソニックでは、法人向けサイトに「panasonic.biz」という別のドメイン名を使用しているほか、展示会の出店情報をブログ形式で情報発信する「Cyber Showcase Blog」を運営しています。

自社製品購入者へのサポートやタイムリーな買い替えの提案などを目的とした会員制サイトとしては、東芝の「プレミアムステージ」、パナソニックの「CLUB Panasonic」、シャープの「AQUOS.jp」などがあります。三菱電機の「製品登録サービス」は、購入した製品を登録することで、その製品に関する最新情報をメールマガジンなどで受け取れるサービスです。三菱電機では、生活家電に関する会員制コミュニティサイト「シュフレー」の運営も行っています。自社製品購入者をWebサイトを介して組織化していく戦術は、自動車メーカーにも共通する特徴です。

第3回・家電メーカー
サイト名 Webマーケティングの特徴
★三菱電機
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
・サイト内検索エンジン「MARS FINDER」を採用
・法人向けサイトや営業支援コンテンツが充実
・生活家電に関するコミュニティサイト「シュフレー」
・購入者にメルマガ配信など「製品登録サービス」
★日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
・音声読み上げ、文字拡大のツール「ZoomSight」
・ナビゲーションもシンプルなテキストベース
・家事を行う男性向けコンテンツ「男の家事検定」
・中堅中小企業向け情報サイト「ナビパラ.コム」
★東芝
http://www.toshiba.co.jp/
・通常のFlash版に加え、HTML版とテキスト版を用意
・ブランドのドメインでプロモーションサイトを構築
・購入者専用会員制サイト「プレミアムステージ」
・家電直販サイト「LivingDirect」
★パナソニック
http://panasonic.co.jp/index3.html
・会員制サイト「CLUB Panasonic」
・会員が利用できる直販サイト「MyMALL」
・法人向けには「panasonic.biz」ドメインを使用
・展示会の情報ブログ「Cyber Showcase Blog」
★シャープ
http://www.sharp.co.jp/
・「エコロジークラスでいきましょう」エコ関連コンテンツ
・購入者だけのオーナーズラウンジ「AQUOS.jp」
・Q&A集「~上手な家電製品の使い方~」
・サポートページに「故障診断ナビ」

家電メーカーがWebサイトに期待する役割の一つに、故障や操作方法に関する電話の問い合わせを減らすことがあります。シャープでは、Q&A集として「くらしのアドバイス~上手な家電製品の使い方~」というページを設けているほか、サポートページには製品が故障していた場合にどう対応すればいいかを自己診断できる「故障診断ナビ」を用意しています。家電メーカーのサイトは、Webサイトにおける顧客サポートのあり方を考える上で、他の業界でもおおいに参考になるといえるでしょう。

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 ◎初出:2009年10月26日
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2009/10/19

第2回・自動車メーカー

自動車メーカーは、インターネットが普及し始めた頃からWebサイトを積極的に活用してきました。自動車メーカー各社のWebサイトを比較してみると、いくつかの共通点が見られます。その一つは、世界で広く事業を展開していることもあってグローバルサイトが充実している点です。各社とも日本語の公式サイトを「co.jp」ドメイン、グローバルサイトは「.com」ドメインと使い分けていますが、日産自動車ではグローバルサイトであることが一目でわかる「nissan-global.com」というドメイン名を取得して独自性を打ち出しています。

購入単価が高く、メンテナンス等で購入客との関係が長く持続するという製品特性から、自動車メーカー各社は購入客とのコミュニティサイト運営に力を入れています。日産自動車は、日産車オーナーだけが入会できる会員制サイト「N-Link OWNERS」を運営しています。トヨタ自動車の「G-BLOG」は全国各地のスポット情報を投稿できるオープンなブログサービスですが、スポット情報を車内から検索してカーナビの目的地に設定できる機能もあり、ドライブを楽しめるサービスやコンテンツを充実させることで自社製品利用者の満足度を高める狙いがあります。

Webマーケティングにおいて、新しい手法や取り組みを採用するのが早いのも自動車メーカーの特徴の一つです。マツダは、Webサイト上で自分仕様に車をカスタマイズできる「Web Tune Factory」を2001年2月に開設しています。2006年後半にアメリカでSecond Lifeが話題になると、トヨタ自動車や日産自動車はいち早くSecond Lifeに出展して、2007年からは新車が仮想的に試乗できるサービスを開始しました。その後トヨタ自動車は、三次元の仮想都市で新車の試乗などができる独自のメタバース「トヨタメタポリス」を公開しています。

今年に入ってマーケティングに活用する企業が急増しているのがTwitterです。マツダは、すでに2007年5月にTwitterをロータリーエンジン40周年記念のプロモーションに採用して、ブログパーツに寄せられたコメントや最新情報をTwitterで配信しました。このプロモーションは、初期におけるTwitterの活用事例として広く知られています。自動車メーカーの公式Twitterアカウントとしては、トヨタ自動車の「GAZOO.com Gニュース」などが知られています。今後自動車メーカーのTwitter活用が広がる可能性は高いといえるでしょう。

第2回・自動車メーカー
サイト名 Webマーケティングの特徴
★トヨタ自動車
http://www.toyota.co.jp/
・レイアウトをカスタマイズできる「TOYOTA My Page」
・会員制サイト「TOYOTA Web Passport」
・仮想都市で新車の試乗ができる「トヨタメタポリス」
・子供向け知育コンテンツ「クルマこどもサイト」
★本田技研工業
http://www.honda.co.jp/
・ファンサイトなど公式のコミュニティサイトが充実
・ユーザの声が投稿できる「Hondaユーザーの声」
・ブログパーツを提供する「Honda BLOG PARTS」
・膨大なメールマガジンの購読申し込みを簡素化
★日産自動車
http://www.nissan.co.jp/
・「着せ替えシミュレーター」や「他メーカー比較」
・「オンライン見積もり」や「Eメール購入相談」
・日産車オーナー向けサービス「N-Link OWNERS」
・横浜市との共同企画サイト「E1グランプリ」を開催
★マツダ
http://www.mazda.co.jp/
・車をカスタマイズできる「Web Tune Factory」
・会員制コミュニティサイト「マツダウェブメンバーズ」
・「クルマ好きの女の子」向けサイト「Cargirl」
・「最近見たページ」を表示
★三菱自動車工業
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
・簡単に登録できるメールマガジン「me'」
・中古車情報が検索できる「中古車情報M.Cネット」
・キッザニア東京の出展と連動した特設サイト
・ランサーエボリューションの「EVO CLUB」

自動車メーカーのサイトはコンテンツも多く、利用者が目的のページをスムーズに見つけられるかというユーザビリティの向上が大きな課題となっています。各社ともサイト内検索機能は備えていますが、本田技研工業では、「このページを見ている人は、こんなページも参考にしています」という情報を表示する機能を採用しています。他の人が実際に見たページを表示することで、関連する情報を見つけやすくなるという効果が期待できます。このような技術はECサイトで先行して導入されているものですが、消費者向けの企業サイトでも徐々に広がりつつあります。

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 ◎初出:2009年10月19日
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