25-2005年連載

2007/06/30

2005年 連載<目次>

■「Webアンケートのやり方」(2005年2月7日連載開始)

第1回・Webアンケートの企画
第2回・アンケートページとプログラム
第3回・アンケートの告知とデータ集計
第4回・アンケート集計結果の発表

■「Web マーケティングを実現するテクノロジー」(2005年3月7日連載開始)

第1回・マーケティングサイトに必要なテクノロジー
第2回・汎用CGIの活用でかなりのことができる
第3回・CGIを使った機能例
第4回・クッキーの仕組みと使い方
第5回・クッキーを活用した行動履歴の取得
第6回・パスワード・コントロール
第7回・CGIを使った占いやゲーム
第8回・ECに適したWebサイトの条件
第9回・Webテクノロジーはどこまで実用化されているか
第10回・パーソナライズドWeb
第11回・オートレスポンダの活用
第12回・ファイルのアクセス権限
第13回・ルート権限とパスワード管理
第14回・ネットワークを不正アクセスから守る
第15回・クッキーの仕組みと使い方
第16回・クッキーを活用した行動履歴管理
第17回・ECに適したWebサイトの条件
第18回・情報処理型から情報活用型へ
第19回・情報戦略が効果を発揮できる前提条件
第20回・長期的な視野で情報戦略を考える

■「「Web マーケティングの基礎知識」(2005年8月1日連載開始)

第1回・バナー広告
第2回・メールマガジン広告
第3回・アフィリエイト・プログラム
第4回・アフィリエイト・プログラム運営の注意点
第5回・プレゼント企画
第6回・ヴァイラル・マーケティング
第7回・CRMとワン・トゥ・ワン・マーケティング
第8回・顧客情報の種類
第9回・コラボラティブ・フィルタリング
第10回・パーソナライズド電子メール
第11回・データマイニング
第12回・データの洗浄
第13回・データマイニングの分析結果を活かすには
第14回・分析の落とし穴
第15回・Webマーケティングの優位性
第16回・対消費者販売と企業間取引
第17回・中堅・中小企業にとっての選択
第18回・Webマーケティングを導入する際の注意点

■「「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」(2005年12月5日連載開始)

第1回・高額商品で購入層がある程度限られているケース
第2回・会場や店舗への誘導が必要なケース
第3回・サンプルの配布が効率的なケース
第4回・買い替え需要が期待できるケース
第5回・店頭で購入したり相談したりしにくいケース
第6回・スペースの予約を受け付けることが可能なケース
第7回・事業所や企業をターゲットにするケース

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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (7)

第7回・事業所や企業をターゲットにするケース

これまでは、消費者に直接商品やサービスを販売する例を中心に取り上げてきた。ところが、実際の商売では、お客さまが個人ではなく、会社であったり、個人商店であったりするケースも多い。対事業所向けの商売は、B-B(Business to Business)とか、企業間取引などと呼ばれている。

インターネット利用者のうち、会社員の比率は高いが、個人店主や商工自営業者となると、その数はガタッと少なくなってしまう。大手企業では、利用率は9割を越すが、それはあくまでも会社単位のこと。企業の中に数名存在する「購買担当者」に到達するには、そう簡単ではない。事業所や企業をターゲットにする場合、決裁権を持つ担当者が集まるコミュニティを作ることが鍵になる。

実は、個人商店や自営業者をターゲットにしたプロモーションは難しい。すでに触れたように、利用率が低いことの加えて、彼らは仕事で忙しく、なかなかアンケートにも答えてもらえないという事情があるからだ。そこで、B-Bのビジネスを考える場合、本人をピンポイントで狙うより、誰かより紹介してもらう方法を考えた方が早いかもしれない。

紹介手数料を強調しすぎると、マルチ商法のような胡散臭さがつきまとう恐れがあるものの、紹介者に成功報酬ベースでキックバックする方法は有効である。あまり、販売代理店という色を出さず、個人的に紹介してください、という軽いノリで個人のネットワークをうまく使わせてもらうことを考えよう。

すでに触れたように、大手企業のインターネット導入率は約9割に達しているが、個人商店や商工自営業者の利用率となると極端に低くなる。そこで、インターネットで個人商店や自営業者を狙うとなると、長期的な戦略が必要になる。やはり地道なアンケートとメールによる継続的なプロモーションは必要だろう。商品やサービスをできるだけ多くの人に知ってもらうこと、ブランドを確立することが取引先を増やす上で、遠回りのようで近道かもしれない。

最近では、日本でも徐々にB-Bの取引を仲介するコミュニティサイトが誕生している。これらのサイトは基本的に小規模企業が受発注を行う場なので、バナー広告を出すには向いていると言える。期間限定で効果をテストしてみる価値はある。企業の担当者の割合が高いと思われる、有料のビジネス系メールマガジンなどに広告を出すことも検討したい。

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 ◎初出:2006年1月23日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (6)

第6回・スペースの予約を受け付けることが可能なケース

店頭で販売するのは「モノ」かもしれないが、利用する人は、そのお店の雰囲気などを含めた「スペース」を買っているという商売もある。高級レストランもその要素があるだろう。支払いは、食べた料理の金額で計算されるが、利用者は料理以上に、食事の間に体験できたゴージャスな雰囲気に対して価値を認めることもある。

このように、スペースを貸して商売している業態は意外に多いものだ。スペースならば、予約を受け付けるという手が取れる。インターネットでは、すでに一部のホテルが予約受付けサービスを行っている。空いている部屋を指定したり、その部屋の窓から見える景色を仮想体験できるなど、高度なテクニックを駆使したホームページも登場している。

レストランで食事をするのは、もちろんおいしいものを食べたいという理由もあるが、中級以上のレストランの場合は、「記念日」に出かけるという人も多い。家族の誕生日や、夫婦の結婚記念日などは、ちょっとしゃれたレストランで外食を、というわけだ。特に、事前に予約を入れてまでレストランで食事をしたいという人には、必ず何らかの理由があるものだ。

記念日告知サービスは「リマインダ」とも呼ばれており、定期的にメールを送るための定番サービスである。その仕組み自体は簡単なので、少しプログラムを書ける人間がいれば、メールサーバと組み合わせて自社専用のシステムを構築することもできる。これらのサービスは、ギフト専門店のみならず、バーチャルモールなどでも無料で提供されている。まずは、利用者としてこれらのサービスを使ってみて、どのようなフォローメールが送られてくるのかを勉強するといいだろう。

レストランが予約をインターネットで受け付ける絶好のきっかけは、クリスマスやバレンタインデーなどの全国共通イベントの日だろう。その日だけのデコレーションを特別にデザインするなど、特別な気分を味わえる演出ができれば、インターネット上のニュースになる可能性もある。

他の業界ではよくあるが、たとえばクリスマスの特別な夜に特等席を借り切る権利を1円からオークションにかけるという手もある。クリスマスのデートの模様をホームページで掲載すると、落札したカップルにとってはいい思い出になるし、格好のお店の宣伝にもなるだろう。その時に入札してくれた人にフォローする。だたし、ここでも「オプト・イン」を基本にしなければならない。単に入札してくれただけの人に、許可もないのに、勝手に営業のメールを送りつけるのは慎まなければならない。

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 ◎初出:2006年1月16日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (5)

第5回・店頭で購入したり相談したりしにくいケース

お客さまからのアプローチをひたすら待たなければならない業態もある。世の中には、家族とはいえ、なかなか周囲の人に相談できない悩みもある。もちろん、それらの人が相談を受けられる場所は存在するのだが、周りの目を気にして相談に足を運べない気の弱い人も少なくない。

これらの業界では、とにかくできるだけ多くの人に知ってもらうために、マス媒体での広告が販促の中心になる。マス媒体なので、広告の効果測定がやりにくいものの、広告を減らせば売上も下がってしまうので、広告を出し続けることになる。一般的に、この業界の利益率は高いので、「相談者」をインターネットで効率的に集めることができれば、その効果は大きい。相談者には、インターネットの匿名性が安心感を与えるので、インターネットを使った集客は理にかなっていると言えるだろう。

整形美容に関心があるのは、圧倒的に若い女性である。しかしながら、面談で悩みを打ち明けるには抵抗がある人が多い。そのような、悩める女性の警戒心を解き、本音レベルでの相談を受けるようにするにはどうすればいいだろうか。

整形美容は、基本的には保険が効かず、自己負担金額は高額になるというイメージが強い。また、極秘に相談したいという希望から、信頼できるクリニックかどうかが関心の的になる。女性側からすれば、一生を左右しかねないほどの重大事であると思っているから、相談をする相手の選別にも自ずと真剣になる。もちろん、すぐにでも相談に乗ってもらいたいという深刻な人をターゲットにすることも考えられるが、マーケットのボリューム的には、「美しくなることに関心はあるけど、整形となるとどこにどう相談していいかわからないし…」という普通の女性にアプローチする手が考えられる。

若い女性をターゲットにしたアプローチとして、きっかけ作りに効果的なのが「占い」である。占いの内容は深刻なことは避けたほうがいいだろう。むしろ、やや謎めいた文章で構成して、どのような意味にでもとれる内容の方が適しているかもしれない。若い女性は、潜在的にみんな美しくなりたいと思っているので、さりげなく美しくなるための秘訣ということで、肌の手入れや腕を細くする運動などのレポートを、希望者にオートレスポンダで請求してもらう。あまり営業色が出ないようにするのがコツである。

また、無料相談券を同様にオートレスポンダで配布し、具体的な相談を無料で受ける。クリニックの近くに在住している人には、無料診断の案内を定期的に配信するなど、相談したいという気持ちを盛り上げるようにフォローする。

メールで相談があれば、それに対してはできるだけ長い文面で返事をするといい。一から担当者が文面を考えて書くのは大変だから、あらかじめ返事に使える文章をパーツで豊富に用意しておき、いくつかを組み合わせて使うと省力化できる。ただし、肝心の部分は心をこめて返事を書くことが重要である。さらに相談したいというそぶりの人には来店を勧める。一度、足を運んでくれた人は、高い確率でお客さまになってもらえるだろう。

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 ◎初出:2006年1月10日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (4)

第4回・買い替え需要が期待できるケース

小売り業者は、基本的には商品をメーカーや問屋から仕入れる。しかしながら、お客さまから仕入れる業態も数多く存在する。その代表例が、中古品業界である。中古品商売のうまみは、お客さまから安く仕入れられることもあるが、それ以上に、買い取りをしたお客さまに、別の商品を販売できるケースが多いという点である。

例えば、中古車ディーラーに車を売りに来る人の大半は、売却した代金で新しい車を買いたいという人である。一言で言ってしまえば、「買い替え」であるが、ここでミソなのは、「買いたい」という人を新たに見つけるより、「売りたい」という人を探した方が効率がいい、ということである現に、骨董品や古銭を扱う業者は、ちゃんと小売りの店舗を構えているのに、「高価買入れ」という広告だけを継続的に出しているところが多い。一度、買い取った人はいいお客さんになる。一方、一見の「買いたい」お客さまを広告で捕まえようとするのは、効率が悪い、ということなのだろう。

これらの商品は、一度固定客になると、何度も売買が行われる可能性が高い。過去の売買履歴を活かしたワン・トゥ・ワン・マーケティングがやりやすい業界でもある。

中古ゲームソフト販売店にとって、お客さまはズバリ、ゲームマニアである。マニアは、とにかくあらゆる種類のゲームを体験したいので、できるだけ購入費用を安くすませるために、積極的に中古のゲームソフトを購入している。さらに、増え続けるゲームを買い続けるために、攻略し終ったゲームソフトを売る人が多い。つまり、一人のマニアが売ったり買ったりを繰り返してくれるので、中古ゲームソフト販売店にとっては、マニアを何人つかむかが商売の成否をわけることになる。

新たなマニアを獲得するには、「中古ゲームソフトを高く買い取りますよ」というアプローチが効果的である。マニアに食い込むためには、ゲームに関する情報武装も必要になる。ゲームマニアが喜びそうなメールマガジンを発行して、その購読者を増やすためのプロモーションを考えてみよう。購読者の数が万人単位になれば、おのずと売りたい人、買いたい人からのニーズに対応するだけで、かなりの商売が成立するようになる。単にメールマガジンを発行するだけでなく、購買履歴やアンケートを組み合わせて、一人一人の好みを推測した上で、ワン・トゥ・ワンの対応ができれば理想的だ。

マニアックな人を対象としたコミュニティは、人を集めやすい。口コミで情報が広まるからである。しかし、そこまで認知されるには、購読者以上の知識が必要になる。たとえば、ゲームソフトを扱うのであれば、一般のゲームマニアから博識と一目置かれるくらいの存在にならなければならない。アンケートで購読者を募集するならば、懸賞付きの「人気投票」がいいだろう。好きなゲームソフト名、キャラクター名とその理由を記入してもらう形の人気投票なら、ゲームにあまり関心のない人は回答せずに帰ってしまう可能性が高いので、回答数は減るかもしれないが、ゲームマニアだけが残る。

注意すべきは、店舗を持たずに営業する場合でも、「古物商」の「行商」免許が必要になる。免許といっても許可制ではなく、申請すれば必ずもらえるので、最寄の警察署に相談に行けばいいだろう。ホームページやメールマガジンには、必ず正式の免許を所持していることを示す告知が必要だ。

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 ◎初出:2005年12月26日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (3)

第3回・サンプルの配布が効率的なケース

新商品の販促では、まずサンプルを大々的に配布するという手法が取られることもある。よくあるのは化粧品業界であろうか。無料お試しセットを電話でお申込みください、というテレビCFを継続的に放送している化粧品メーカーもある。もっとも、テレビや新聞で「サンプル無料配布」のキャンペーンを打つには膨大なコストがかかる。

では、メーカーではなく、地域の一販売店が行うにはどうすればいいだろうか。よく行われているのが、店頭でのサンプル配布である。ところが、よほどのことがない限り、サンプルを受取ってくれた人が、その場で住所・氏名などの個人情報を教えてくれるということはない。あくまでも、サンプルを受取った人が後日、再度来店して商品を注文してくれるのを期待するだけだ。

インターネットでは、「タダなら何でももらう」という人も多いため、単にサンプルを無料で郵送します、という方法は効率的ではない。事前に、見込み客になり得る層であるかどうかを絞り込むことが重要である。そうしないと、サンプルそのものの費用に加えて郵送料が無駄になってしまう。インターネットでは、サンプルを使用する簡易モニターを千人単位で簡単に集められるだけに、無駄打ちすると、そのコストも馬鹿にならない。

モニターを募集する方法は、アンケート、懸賞とほぼ同じ。しかし、モニター応募に難しい条件を設けると、懸賞情報サイトで告知してもらえない可能性が高くなる。地域を特定したい場合は、アンケートやプレゼントをまず実施して、その回答者の中から希望者にモニター登録してもらうという方法もある。アンケートをモニター募集の「第一選考」とする場合は、アンケートのテーマをやや特殊なものにして、特定のテーマに関心のある人だけが回答できるようなものにするといいだろう。

某化粧品メーカーの例では、まず、ホームページでお肌について詳しいアンケートに回答してもらい、回答者の肌にあったサンプルをプレゼントすることで女性の心をつかんだ。その方法を応用して、モニターの特典として、個別診断したアドバイスなどを無料で進呈するようなサービスを付加すると効果的と思われる。

個人情報をホームページで入力してもらう場合は、情報の漏洩に細心の注意を払おう。最近、ホームページより個人情報が漏洩する事件が相次いでいる。特に、女性のプライバシーに関する情報なので、いったん漏洩してしまうと、致命的な信用の失墜を招く恐れがある。

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 ◎初出:2005年12月19日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (2)

第2回・会場や店舗への誘導が必要なケース

高額商品の中には、まず現物をお客さまに見ていただいて、そのよさをわかってもらわないと商売にならないものもある。例えば、絵画、振袖、婚礼家具などがあげられるだろう。これらの共通点は、お客さまの好みに合うことが販売の鍵を握る。つまり、関心のある見込み客に対して、ニーズを聞き、その場でいくつかのバリエーションを提案することが必要になる。

ところが、絵画や呉服などは、一つのお店で豊富なバリエーションを揃えることは難しい。展示スペースもいるし、在庫リスクも伴うからだ。そこで、これらの業界では「展示会」が頻繁に行われている。問屋や業者仲間が集まって、広い会場に在庫を集めて、それぞれの業者がお客さまを会場に連れてくる。そうすれば、お客さまに、一度に豊富なバリエーションを見てもらうことができる。

問題は、会場や店舗に新しい見込み客を誘導する手段である。会場にさえ足を運んでもらえれば、成約率は高いが、それだけに新規のお客さまに来てもらうために四苦八苦している。よくあるのは、チラシや招待状を持参した人に、会場で粗品を進呈するという作戦である。この作戦は、それなりの成果が期待できるが、チラシ配布に加えて、進呈する粗品代が必要になるなど、二重にコストがかかる。粗品が安物だと来場誘導の効果が薄れるし、かといって高価なものを気前よく配れば、それだけを目当てに来場する人が殺到して、思わぬコスト増を招いてしまう。

集客にアンケートを行う方法もあるし、バナー広告と併用することで相乗効果も得られる可能性は高いが、ここではクリック保証型のバナー広告とオートレスポンダの組み合わせで集客するプランを立てた。

ホームページなしでもオートレスポンダを連携させる方法もあるが、ホームページはあった方がいいだろう。やはり、絵画を売るということは、長い目で見れば、アーチストの作風を広く知ってもらうことが不可欠だからだ。特に、契約している新鋭のアーチストを育てていきたいと考えるなら、事前にセンスのいいホームページは用意しておくべきであろう。

ここで注意すべきは、バナー広告のキャッチコピーは「タダでグッズがもらえること」だけを強調しすぎないことだ。あまりタダが全面に出てしまうと、全く地域が違うところからのアクセスが増え、無駄が増える。はっきりと、イベントの日時・場所を明確に表示したバナーを制作しよう。来場することでグッズが無料でもらえるのだということがはっきり伝わるようにすれば、物理的に来場が無理な人がクリックする確率を減らすことができる。

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 ◎初出:2005年12月12日
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「対象顧客別・Webマーケティングのヒント」 (1)

第1回・高額商品で購入層がある程度限られているケース

インターネットで高額品が売れるわけないと思っている人も多いかもしれないが、マンションや自動車など、高額品はかなり売れている。これらの商品は、一般的にはクロージングまでに手間がかかるが、一つ成約すれば利益も大きいため、潜在見込み客掘り起こしのために、チラシをばら撒いたり、営業マンが飛び込みで営業するなど、販売コストをふんだんにつぎ込んできた。これまでは販売コストがかさんできた業界だけに、インターネットで効率よく見込み客がゲットできれば、そのメリットも大きくなるのは容易に想像がつくところ。

高額ということは、購入の理由が明確である場合が多く、つまり、購入客の属性が絞り込みやすいという特徴があるということだ。

店頭販売であれば、立地や内装で高級感は演出できるし、来店した人の身なりからだいたい判断できる。ところが、インターネットでは、相手の顔がなかなか見えないだけに、最初から「お金持ち」だけをターゲットにした販促は難しい。もちろん、直接的に「マンション購入希望者」のみをターゲットにしたバナー広告展開も考えられる。が、費用とスピードの面で効率はあまりよくない。

こう考えたらどうだろう。インターネットを利用している人のうち、数%はマンション購入見込み客であることは間違いない。ならば、確率の問題と考えれば、わずか数%でも母数を増やせば、見込み客の「数」は集まる。最初は、誰でもウェルカムな姿勢でアンケートを取り、徐々にその中から見込み客を絞り込んでいく方法を考えてみよう。

メールでフォローするにしても、これらの情報を知った上で作戦を立てれば、攻略する方法はいくらでも考えられる。これらの情報を、1回のアンケートで聞きだそうとすると、答える側にかなり抵抗があることは容易に想像がつくだろう。

回答者に「営業先のリスト集めじゃないか」と警戒されずに、必要なデータを何回かにわけて収集するのがコツである。具体的に言えば、上記の「理想の住まいに関するご意見募集」では、回答者の年収や資産状況などに関する質問は一切省く。もちろん、回答者の電話番号や勤務先などを聞いてはいけない。

また、メールによるフォローは、あくまでも「オプト・イン」ベースで行わなければならない。アンケートに回答してくれた3回とも、「メールマガジン不要」という回答であれば、残念ながらフォローを諦めなければならない。高額商品を売るからこそ、お客さまとの信頼関係の構築には最も気を使うべきである。

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 ◎初出:2005年12月5日
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「Web マーケティングの基礎知識」 (10)

第11回・データマイニング

広義のデータ処理には、「データの収集・整理」と「データの分析」という二つの局面がある。一般に、「データの分析」とされているもののほとんどは、データの整理に過ぎない。抽出して整理したデータを百分率表示するくらいで、分析と称している。データ・マイニングは、真の意味でのデータの分析を目指すものだ。

「データ・マイニングは統計学だ」と説明することがある。データ・マイニング関連の書籍や雑誌記事では、あれこれと定義もされている。それでわかれば結構だが、データのテクニカルな取り扱いに習熟したエンジニアから見れば、具体性と方向性を欠いた議論に思えるだろう。

「SQLで発見できる浅いデータ」とは、いわば生のデータだ。通常のデータベース・アプリケーションで検索、集計を行った結果、発掘できるデータのことだ。その下の層である「OLAPツールで発見できる多次元データ」は、単純な抽出・集計処理では現れないデータを指す。これを掘り出すためには、多次元でのデータ処理が簡単にできるようにチューニングされたOLAP(OnLine Analytical Processing)ツール類が必要となる。

さらに下には、「KDDで発見できる隠れたデータ」がある。ここで言う「KDD」とは、「Knowledge Discovery in Databases(データベースにおける知識発見)」のことだ。この層こそが、データ・マイニングの対象となる部分である。ここにダイアモンドが埋まっている。SQLやOLAPでは取り出せない情報を取り出そうという試みが、データ・マイニングということになる。

データ・マイニングは、基礎となるデータの存在を前提にする。広告効果を測定するために、データ・マイニングの依頼を受けたことがあるが、既存のデータベースに蓄積された情報からは、どうしても導き出せないことがわかり、あらためてアプリケーションを作り直した。情報がある程度貯まらなければ分析ができないため、実際にデータ・マイニングに取りかかれるのは、一年ほど先になった。

データがあっても使えないときがある。あるSFAソフトでは、商談がまとまるかどうかについて、五段階評価を入力するようになっている。この評価は、各営業マンが自分自身の感覚で判断した数値だ。当然ながら、人によって評価の基準は違う。事実よりも希望を優先したがる人もいる。何回も見込み客の元へ足を運んでいるのに、評価が最低の「1」であるのは気まずいので、なんとなく評価を上げておくという具合だ。

このようなデータを基礎として、「来年度の契約件数と金額」などを予測しても、まぐれ当たりくらいしか期待できない。分析できるのは、「どの人の評価が信頼性が高いか」ということくらいだ。結局、十分なデータが蓄積されていなければデータ・マイニングは行えないし、十分にあってもゴミのデータでは成果は期待できない。もちろん、ゴミの中からダイアモンドが見つかることはあるが、わざわざゴミをためる必要はない。

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 ◎初出:2005年10月11日
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「Web マーケティングの基礎知識」 (9)

第9回・コラボラティブ・フィルタリング

明示されていない情報の推論を可能にするのが、コラボラティブ・フィルタリングというテクニックである。このテクニックは、単純な確率的手法を再調整によって最適化するもので、理論としても技術としてもあまり高度なものではないので筆者は買わないが、現時点では、この手法が有効とされている。

コラボラティブ・フィルタリングの基礎は、ルールに基づく類型化だ。最大の特徴は、データベースに蓄積された情報から自動的にルールを見つけだす点にあると言える。

一般的に、ルールの設定は人間が行うものだ。そのルールに基づいて、パターンを当てはめ、営業活動や生産活動を行う。例えば営業に関するルールを決めるとき、我々は頭の中で、顧客に関する様々なデータを相互に関連した一群の変数として定義し、その結果生まれた様々な変数を比較して、最適な値を決定する。実際には、それほど厳密な計算はしておらず、ほとんどは勘に頼っている。これをコンピューターでやろうというわけだ。

コラボラティブ・フィルタリングでは、新しい商品の購入やサイト内での行動など、顧客の新しい活動データを継続的に蓄積していく。そのため、顧客の情報が増えるたび変数の値の集合も更新されて成長していく。さらに、いろいろな変数の値を常に評価し、それぞれの重み付けを必要に応じて修正する。そして、どの変数が重要かをシステム自身が判断する。

ルール設定のためのアルゴリズムまでを含めてパッケージ化したソフトウェアも販売されている。実際には、ソフトウェア会社が販売する汎用ソフトは、過去の解析ソフトの焼き直しで、「レコメンデーション」や「ナレッジ・マネジメント」という謳い文句を連ねて、「コラボラティブ・フィルタリング・ツール」という名前で販売しているので、あらゆる業界に通用するわけではない。ある程度は、自分達の頭脳を使って対処しなければならない。

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 ◎初出:2005年9月26日
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