23-2003年連載

2007/06/28

2003年 連載<目次>

■「メルマガ広告活用術」(2003年2月17日連載開始)

第1回・インターネットで手軽に広告
第2回・メルマガ広告の特徴
第3回・広告に適したメルマガの探し方
第4回・レップを利用するメリット
第5回・リーチを最大にする媒体選び
第6回・メルマガ広告の効果測定
第7回・ホームページとの連動

■「インターネット広告・これまでの歩み」(2003年4月7日連載開始)

第1回・インターネット広告の誕生
第2回・日本のインターネット広告業界
第3回・インターネット広告企業の株式公開相次ぐ
第4回・アフィリエイト・プログラムの登場
第5回・インターネット視聴率調査の役割
第6回・多様化するウェブ広告
第7回・ウェブ広告の効果を測る指標
第8回・次世代インターネット広告のキーワード
第9回・検索エンジンとインターネット広告の新しい関係

■「消費者から見たインターネット最新トレンド」(2003年6月9日連載開始)

第1回・急速に普及するブロードバンド
第2回・手軽にできるホームLAN
第3回・手軽に参加できるネットオークション
第4回・オンラインゲームの魅力
第5回・タイプの異なる検索エンジンを使いこなす
第6回・ウィルス対策は万全ですか?

■「ITビジネスのニュートレンド」(2003年8月25日連載開始)

第1回・無線LANの普及でモバイル環境が身近に
第2回・ブロードバンド時代に求められるコンテンツとは
第3回・相次ぐ個人情報漏洩の原因は?
第4回・ウェブ・ユーザビリティの重要性
第5回・インターネットリサーチを活用する方法
第6回・実用レベルに近づくテキストマイニング技術
第7回・ホームネットワーク普及のカギは配電線搬送技術
第8回・SEO(サーチエンジン最適化)が注目される背景
第9回・多様化するドメイン名
第10回・マーケティング支援ツール活用のコツ
第11回・オンラインショッピングにおける電子決済の現状
第12回・インターネット広告とサーチエンジンの新しい関係
第13回・アメリカで定着するアフィリエイト・プログラム
第14回・ネットビジネスのマーケティングコストとリスク要因

■「メールマガジン配信入門」(2003年12月1日連載開始)

第1回・メールマガジンの基本を知っておこう
第2回・メールマガジンが配信される仕組み
第3回・メールマガジンを企画してみよう
第4回・目的・業種別メルマガ企画例
第5回・メルマガを発行するために必要なシステム
第6回・メールマガジン発行で注意したいこと(1)
第7回・メールマガジン発行で注意したいこと(2)
第8回・アンケートで購読者を集客する方法
第9回・HTMLメールマガジンのメリット・デメリット
第10回・パーソナライズに挑戦
第11回・メルマガ活用・成功事例(1)
第12回・メルマガ活用・成功事例(2)
第13回・メルマガ活用・成功事例(3)

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「ITビジネスのニュートレンド」(14)

第14回・ネットビジネスのマーケティングコストとリスク要因

本格的にネットビジネスに参入するとなると、様々なリスク要因が発生する。その一つに、意外とマーケティングコストがかさむことがあげられる。

ネットにおけるプロモーションは、どちらかといえばアクティブユーザをターゲットにしたものが主流になっている。ウェブアンケートで、オンラインショッピングの経験の有無を質問すると、おおむね8割以上の人が「経験あり」と回答する。懸賞サイトなどで情報を検索してウェブアンケートに回答する層と、オンラインで商品を積極的に購入する層はかなり重なっているといえる。ネットでの新規顧客獲得競争は、他のサイトでも購入した経験を持つ人たちを奪い合っているのが実情だろう。

有力サイトの購入コンバージョン率は、取り扱い商品にもよるが平均すると2%前後とされている。サイトに100人誘導することができれば、およそ2件の注文が得られるという計算だ。

ITバブルが最盛期だった1999年頃、アメリカの有力サイトにおける新規顧客獲得コストの平均は30ドルとも40ドルとも言われた。いくら顧客囲い込みを優先するとはいえ、3回のリピート注文によって得られる利益を先払いするようなコストをかけていては経営が成り立つはずもない。事実、マーケティングコストの負担に耐え切れずに破綻するドット・コム企業が相次いだ。

幸い、ここ数年で新規顧客獲得コストは大きく低下している。インターネット広告の料金(クリック単価)が下がったこともあるが、アフィリエイト・プログラムやサーチエンジンのキーワード広告など、コンバージョンに直接結びつきやすいプロモーション手法が確立されたことも貢献しているといえる。

ネットビジネス特有のリスク要因を事前に理解するには、アメリカのネットビジネスを参考にするのがいいかもしれない。アメリカの株式市場には数多くのネット関連企業が上場している。日本でも業界関係者ならみんな知っているメジャーな企業もあれば、アメリカでもあまり知られていないマイナーな企業まで、実にバラエティに富んでいる。

ディスクロージャー先進国であるアメリカでは、投資家向けに上場企業のデータは広く公開されている。特に参考になるのが、新規公開予定企業の目論見書に記載された「リスク要因」という項目である。今後の事業展開においてどのようなリスクが考えられるかを、こと細かに分析して公表している。もしも、公開後に目論見書に記載されていない要因で業績が悪化して株価が下がるようなことにでもなれば、株主から次々と訴えられるのは目にみえているからである。よって、「ここまで心配しなくてもいいんじゃないの」ということまで「可能性」として書いているのである。

これを読めば、その業界がどのような問題に直面しているか一目瞭然である。アメリカのインターネット広告業界のことを知りたければ、ナスダックで公開を予定しているインターネット広告関連企業の目論見書を読めばいい。どんな理論書よりもインターネット広告業界のことがわかるだろう。

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 ◎初出:2003年11月25日
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「ITビジネスのニュートレンド」(13)

第13回・アメリカで定着するアフィリエイト・プログラム

ここ数年でアメリカのECサイトにおいて、有力なマーケティング手法として定着しつつあるのが、アフィリエイト・プログラムである。アフィリエイトとは、「提携」という意味である。具体的には、ネット販売を行う企業(マーチャント)が、ウェブサイトを開設している企業や個人(サイトオーナー)にバナー広告を貼り付けてもらう。実際の作業は、数行のタグをHTMLに貼り付けるだけで、ほとんど手間もかからない。

アフィリエイト・サイトのバナーを経由してアクセスしてくれた人が、首尾よくマーチャントのサイトでお買い物をしてくれれば、購入金額の一部がキックバックとしてサイトオーナーに支払われるというシステムである。なお、アフィリエイトに加盟するには、加盟金や手数料は一切いらない。

アフィリエイト・プログラムの発祥は、1996年に書籍販売のアマゾン社が導入した「アソシエイト・プログラム」と言われている。

アメリカでは、アフィリエイト・プログラムは、特に物品を消費者向けに販売するネット通販サイトにおいて、かなりの割合で導入されている。例えば、ネット上でギフト商品を販売する有力サイトを調査したところ、5社のうち4社が採用していた。

なぜ、アフィリエイト・プログラムが短期間のうちに普及したのであろうか?

まず理由としてあげられるのは、アマゾン社の成功である。その成長に大きく寄与したのが、同社で言うところの「アソシエイト・プログラム」である。アマゾン社では全世界に50万サイト以上のアフィリエイトサイトをネットワークしている。

アフィリエイト・プログラムでは、通常、売上の5%から10%をキックバックするシステムになっている。一見すると、販売促進コストの上昇を招く要因と見られがちだが、それでもアフィリエイト・プログラムを導入する企業が後を絶たないのは、売上の10%程度のコミッションで新規顧客が獲得できることに、大きな魅力を感じているからだ。

インターネットで新規顧客を獲得するコストは、思ったより高くついている。調査によると、有力ネット販売企業は、新規顧客の獲得のために1人あたり10ドルから20ドルかけているという。客単価50ドルでコミッション率10%としても、わずか5ドルで新規顧客が獲得できるし、アフィリエイトに加盟するサイトの数が増えれば、累計のバナー表示回数も膨大になる。販促費用を押さえ、かつ無料で表示されるバナー広告でブランド認知効果も期待できる。まさに、一石二鳥のマーケティング手法なのである。

アメリカの調査会社によると、アメリカでは、すでにネット通販の売上のおよそ25%がアフィリエイト・プログラム経由によるものと推測している。

日本でもアフィリエイト・プログラムは徐々に認知されてきている。先日、アフィリエイト・プログラムに参加する企業や個人のための「アフィリエイトマーケティング協会」が設立された。今後の活動に期待したい。

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 ◎初出:2003年11月17日
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「ITビジネスのニュートレンド」(12)

第12回・インターネット広告とサーチエンジンの新しい関係

インターネット広告は、インターネットの商用利用開始とほぼ同時に誕生した。1994年10月に「HotWired」のサイトに14社のロゴが掲載されたのが最初と言われている。形状が横長の旗のように見えたことから、「バナー広告」と呼ばれるようになった。

その後、バナー広告は、クリックされた回数(スポンサーのサイトに誘導できた回数)によって料金が課金される「クリック保証型」が主流になった。バナー広告を提供するサイトでは、クッキーを使って同じ広告を表示する回数を制限したり、過去の行動履歴からもっとも興味を持つと思われる広告を優先的に表示したり、広告料収入を最大化する努力を重ねてきた。

最近の傾向としては、バナー広告のバリエーションが豊富になってきていることがあげられる。見た目に新鮮なバナー広告が次々と登場する背景には、ブロードバンドの普及によって、容量の大きな広告が配信できるようになったこともあるが、最大の理由はバナー広告の効果が著しく低下していることである。

バナー広告の効果を示す指標の一つとして、広告が表示された回数に対し、閲覧者が何回広告をクリックしたかを表す「クリック率」がある。ここ数年、クリック率は急速に低下していて、通常のバナー広告では平均0.3%程度と言われる。つまり、1000回露出しても、サイトに誘導できるのはわずか3人という計算になる。

スポンサー離れが進むバナー広告に対して、最近注目されだしたのが、サーチエンジンの検索結果のページに表示されるテキスト広告である。特定のキーワードで検索した時のみ表示されるため、一般的に「キーワード広告」と呼ばれている。

日本でキーワード広告が広く知られるようになったきっかけは、Google が独自のキーワード広告「アドワーズ」をスタートしたことだろう。Google でキーワード検索を行うと、検索結果のページの右上に文字広告が何件か表示されるのに気づく。これがアドワーズ広告である。料金体系は、キーワードの人気度によって変動するが、基本的には「クリック保証型」と同様でクリックされた回数分だけ課金される仕組みで、少ない料金から契約できることから人気を集めている。

アドワーズ広告の有効活用の鍵は、いうまでもなくキーワードの選定である。利用者がどのキーワードを使った時に、自社の広告を表示すればよいか。普段からアクセスログを分析していれば、おのずと答は見えるはずだ。ただし、アドワーズ広告はあくまでも広告であり、サーチエンジン本来の目的である検索結果の順位には何ら影響しない。これに対して、アメリカでは広告料金を支払うことで、順位を上げてもらえるというサービスも存在する。

ポータルサイトにアクセスしてきた不特定多数にバナー広告を表示するよりも、何らかの目的を持ってサーチエンジンを利用した人にピンポイントで広告を露出するほうが効果は高いのは当然といえる。スポンサーのサイトに誘導することだけでなく、見込み客獲得に直結するインターネット広告として、今後ますます注目度は高まるだろう。

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 ◎初出:2003年11月10日
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「ITビジネスのニュートレンド」(11)

第11回・オンラインショッピングにおける電子決済の現状

インターネットが普及し始めた頃は、間もなく電子マネーがオンラインショッピングの標準的な決済手段になると期待されていた。実際、ICチップを埋め込んだクレジットカードや、プリペイド式の電子マネー、オンラインショッピングのみに利用できるバーチャルクレジットカードなど、様々な電子決済が登場した。そのうちいくつかは今でもサービスが提供されているが、正直なところ「標準的な決済手段」には程遠いという現状である。

結局、以前から通信販売等で行われてきた、郵便・銀行振込、代金引換、クレジットカードなど「ローテク」の決済手段が生き残った形となった。

一消費者の立場でいえば、やはりクレジットカード決済は便利だ。その場で決済が完了するし、利用代金は銀行口座から後日引き落とされる。国内航空会社のチケットレスサービスなどは、クレジットカード決済には割引料金まで適用されるのだから、なおさらである。

ところが、欧米に比べると日本ではクレジットカード決済は思ったほど普及していない。その代わり、日本では中小のサイトを中心に、「コンビニ払い」という形態が主流となりつつある。

コンビニ払いとは、商品を先に宅配便などで送り、同封された払い込み用紙を最寄のコンビニに持参して代金を支払う方法である。代金は後払いで、払い込みに必要な手数料もかからず、24時間好きなときに手続きができる。コンビニ払いを採用するサイトが多い理由として、日本では中小サイトがクレジットカード会社と契約を結ぶのが難しいという事情がある。

基本的に、クレジットカード会社では、SSLを導入し第三者機関に認証を受けたサーバで受信したカード情報のみ決済を認めている。第三者機関に認証を受けるには、レンタルサーバではなく独自のサーバを用意する必要がある。さらに、過去数年の決算報告書などを提出した上で審査を受けなければならない。この審査が、アメリカなどに比べて格段に厳しいといわれる。審査に通って契約が認められても、当初は手数料8%前後からのスタートになるという。

クレジットカード決済のために独自サーバを用意し、手数料を8%も徴収されてしまうのでは、中小のサイトにとっては大きな負担になる。それならば、数%の焦げ付きを覚悟しても、代金後払いであるコンビニ払いを採用したほうが、利用者にも安心してもらえるのではないか、と考えるのも当然かもしれない。

最近では、クレジットカード決済を代行してくれるサービスも登場している。この種の決済代行サービスを利用すれば、直接クレジットカード会社と契約しなくてすむので、レンタルサーバでも比較的簡単にクレジットカード決済が可能になる。クレジットカードが使えることで、売上増につながる可能性はある。決済手段を分散することで事務的な作業が増え、手数料のために利益率が低くなるデメリットもあるが、これまでコンビニ払いを中心にしてきたサイトにとっては、一つの選択肢といえるだろう。

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 ◎初出:2003年11月4日
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「ITビジネスのニュートレンド」(10)

第10回・マーケティング支援ツール活用のコツ

インターネットマーケティングの進化の歴史は、自動化への挑戦といえるのではないだろうか。インターネットの商用化が本格的に始まると同時に、マーケティングを支援する技術やツールが次々と開発された。

いち早く実用化された手法の一つは、クッキーで得られた行動履歴に基づいて、利用者がもっとも興味を示すだろうと思われる広告を表示するバナー広告ネットワークである。その後、この技術は購買履歴や行動履歴を他の人々のパターンと照らし合わせて利用者の好みを類推するレコメンデーションに応用されるようになり、現在では書籍や音楽CDなど主要な販売サイトに採用されるに至っている。

1998年頃からアメリカではEMA (Enterprise Marketing Automation) と呼ばれるソフトウェアが相次いで登場した。データベースと連携して、キャンペーンの設計、セグメンテーション、顧客プロフィール収集、リードマネジメント、コミュニケーション、追跡、分析・評価、報告などを効率的に設計、実行するウェブサーバ用のツールである。顧客のプロフィールや行動履歴に基づき、パーソナライズされたホームページや電子メールを自動生成するなど「ワン・トゥ・ワン」の対応を行うことが基本になっている。

当時、Annuncio 社のEMA ツールがネットスケープのポータル「ネットセンター」に採用されたり、Rubric 社はヒューレット・パッカードと共同で、顧客コールセンターにも対応したEMA ツールを開発するなど、業界として盛り上がりを見せていたものである。

これらのソフトウェアは、最近ではCRM ツールの一部として組み込まれていて、EMA という言葉はアメリカでもあまり聞かれなくなった。それでも一時は盛んに日本に紹介されていたが、期待していたほど日本企業には導入されなかったようだ。理由は、ローカライズが遅れたことや、ライセンス料が安くないことなどがあげられるが、やはりどのように使いこなせばいいのかわかりにくかったのだろう。今後、日本の商慣習に基づいてローカライズされた廉価なツールの登場が期待される。

これらのツールをうまく活用すれば、完全に自動化することは無理にしても、マーケティング活動に伴う作業を効率化することは可能である。比較的自動化しやすいプロセスとしては、資料請求者に対するメールのフォローや、メールマガジン配信などエラーで戻ってきたメールの整理およびデータベースへの反映、などがあげられる。

ただし、これを導入すればすべて解決する、という夢のようなシステムは期待すべきではない。システムありきの発想ではなく、どの工程が自動化できるかという「プロセスの効率化」という視点で考えるべきだろう。プロセスに対する理解や処理するノウハウが不足していては、いくら部分的に自動化しても、効率が逆に低下することになりかねない。

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 ◎初出:2003年10月27日
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「ITビジネスのニュートレンド」(9)

第9回・多様化するドメイン名

ここ数年、インターネット上の「住所」であるドメイン名が急速に多様化している。ドメイン名は、アドレスとしての役割に加え、自社の事業内容や社名を広く知ってもらうためのブランド効果も大きい。仕組み上、同じドメイン名は存在しないので、使用したいドメイン名を使えるかどうかは、単に早く登録したかどうかにかかってくる。要するに「早い者勝ち」である。

自社の社名やブランドをそのままドメイン名に使用したいという要望に対応する狙いもあってか、様々な種類のドメイン名が新しく登場している。Network Solutions のサイトでも、従来の.com や .net などに加えて、.tv、.us、.info など計9種類のドメイン名の登録が可能になった。これ以外にも、.shop ドメインなど、次々新しいドメイン名がデビューする予定になっている。

これまで希望のドメイン名が取れなかったために、やや不本意なものを使ってきた企業にとって、最近登場した新しいドメイン名に乗りかえるべきかという判断は重要な問題である。ドメイン名の乗り換えによって会社名や商品名をそのままドメイン名として利用できるメリットは大きいが、すでに名刺やレターヘッドに印刷して取引先などに浸透しているものを変更するデメリットも小さくない。

また、すべてのドメイン名が同じ条件で登録できるわけではない。たとえば、.com ドメインは、1社でいくつでも登録できるが、.co.jp ドメインは、法人に限るうえ、1法人1ドメインに制限されているなど、ドメイン名登録を管理する団体によって規定はまちまちで、年間の利用料も異なる。

一方、一時期マスコミで騒がれた日本語.com や日本語.jp など、いわゆる日本語ドメイン名はASCII互換文字列に変換するアルゴリズムの標準化作業が遅れている関係で、まだ本格的な運用には至っていない。仮に標準化作業が完了し、運用が正式に開始されても、日本語ドメインは期待されたほど普及しないだろう。日本語ドメインは、パソコンや英語が苦手な高齢者にやさしい、アクセシビリティに考慮したドメイン名と思われがちだが、実際はかえって利用しにくい面もある。

ドメイン名が多様化するに伴い、一見するとよく似たドメイン名が存在するようになった。たとえば、company.com、company.co.jp と company.jp は全く別のドメイン名であるが、利用者が間違って記憶していた場合、混乱が生じる恐れがある。

ドメイン名は、ウェブサイトへアクセスする際の URL や、電子メールアドレスに使われる。URL の場合、間違ったドメイン名を入力すれば、別の会社のウェブが開き、その時点で間違いに気づくから特に損害は生じない。ところが、電子メールアドレスのドメイン名部分を間違えてしまうと、電子メールが全くの他人に届いてしまう可能性がある。企業にとって、自社のドメイン名を正しく覚えてもらう工夫も必要ということである。

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 ◎初出:2003年10月20日
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「ITビジネスのニュートレンド」(8)

第8回・SEO(サーチエンジン最適化)が注目される背景

昨年以来、インターネットマーケティング業界の流行語になっているのがSEO(Search Engine Optimization=サーチエンジン最適化)である。一般的な解釈としては、サーチエンジンでキーワード検索した際に、自社サイトの情報ができるだけ上位に表示されるようにサーチエンジン対策を講じること、と説明されている。

サーチエンジンには、ディレクトリ型とロボット型の2種類がある。ディレクトリ型とは、ファイルを保管するディレクトリのように階層状に登録情報があらかじめ整理されているタイプのもので、代表的な例ではYahoo!があげられる。

これに対してロボット型と呼ばれるサーチエンジンは、ロボットと呼ばれるプログラムがインターネット上に存在するウェブページを収集してきて自動的に登録する。巨大なデータウェアハウスのような構造になっていて、キーワードによる全文検索で必要な情報を探す仕組みになっている。ロボット型のサーチエンジンの強みは、登録されているウェブページの「量」である。たとえば、Googleは合計30億ページの情報をデータベース化しており、検索対象の網羅性では群を抜いている。

最近になってロボット型サーチエンジンの表示順位が重要視されるようになったのは、ランキングを決めるアルゴリズムが急速に進化し、利用者が探したい情報とサーチエンジンで上位に表示される情報がかなり一致するようになったからである。以前はHTMLのソースに記載されているキーワードの登場頻度などが順位に大きく影響していたが、最近では他のサイトからリンクされている数や、検索結果として表示された際のクリック率など、総合的なサイトの実力を重視するようになった。別の表現でいえば、そのサイトが他の人からどれだけ役に立つと思われているかを基準にして順位を決めようというわけである。Googleでは、150を超える指標をある計算式で数値化して、ランキングを決めているという。そのため、順位は短期間で大きく変動することがある。

アメリカでは、Googleで検索した時の順位で新規客からの問い合わせ数に大きな差が出るといわれている。実際、Googleでの順位が突然下がってしまったため、売上が減少したと訴訟に至っている例がいくつかある。

SEOは、小手先だけのテクニックでサーチエンジンの順位を上げようとすることが目的ではない。ただ、サーチエンジンの基本的な仕組みを知らないがために、ちょっとしたHTMLの不備で順位を大きく損ねているケースも少なくない。そういう意味では、自社のウェブページのソースを再点検してみる価値はある。しかし、SEOの本当の目的は、サーチエンジンの評価を自社サイトの改善に活かすことであり、その結果として順位があがることが望ましいのである。

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 ◎初出:2003年10月13日
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「ITビジネスのニュートレンド」(7)

第7回・ホームネットワーク普及のカギは配電線搬送技術

「ホームネットワーク」という言葉が最近よく聞かれるようになった。ホームネットワークの定義にもいろいろあるが、冷蔵庫やエアコンなどの白物家電といわれる家電機器の制御や防災安全機器の制御など、従来のホームオートメーション(HA)の機能に加え、パソコンやテレビなどを使って家庭でインターネットや電子メールを利用することを指す場合が多い。

ホームネットワークは家庭内だけにとどまるものではなく、社会とも広く関わってくるため、電機機器メーカーはもちろん、通信事業者、電力会社、アプリケーション事業者、工事サービス事業者、行政機関、学校、病院、交通機関なども含めた巨大な産業と成長する可能性がある。

ただし、ホームネットワークの規格の標準化についてはまだまだこれからという感が強い。インフラという観点からは、すでにある配電線と電話線のほか今後、無線と光ファイバーが有力な候補と考えられている。電話線を使う規格としては「Home PNA」、配電線を低周波で使う規格として「Home Plug」や日本独自の「ECHONET」、AV機器およびPC関連機器間を結ぶ規格としては「IEEE1394」と「USB」がすでに広く使用されている。また、無線インフラ規格としては、「HomeRF」が一部で実用化されていると共に、近距離のモバイル機器用として「Bluetooth」が立ち上り始めている。オフィスなどで使用されている無線LANの「IEEE802.11」規格もホームネットワークで使用される動きがある。

デジタル家電分野専門の調査会社、ブレーンチャイルドがまとめたホームネットワークの市場予測によると、配電線を利用した家電ネットワークの規格「ECHONET」が家庭に浸透し、2006年には世帯普及率が49%に達するという。無線LAN規格のIEEE 802.11bとBluetooth、ECHONETは有望だが、HAViは異なる規格が多い上に規格間の接続性が保証されないこと、HomePNAは日本の住宅内にモジュラーが少ないこと、またHomeRFはIEEE 802.11bに比べ製品化が遅れたことから、この3規格は淘汰されると見ている。Bluetoothはモバイル機器、IEEE 802.11bはPCが中心で、結局「ホームネットワークと呼べるものはECHONETが唯一」と結論している。

配電線搬送は、従来は技術的に低周波搬送のみ可能だったが、配電線で高速インターネット可能な高周波搬送技術が実用化されつつある。日本では配電線に高周波を載せることは電波漏洩の問題などから電波法で規制されているものの、規制緩和の対象として検討が続けられている。

ホームネットワークの分野は、配電線搬送など新しい技術が次々開発され、実用化に向けて改良が進められている。規制が緩和され本格的な導入が始まれば、急激に伸びる潜在力を秘めた市場であることは間違いない。

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 ◎初出:2003年10月6日
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「ITビジネスのニュートレンド」(6)

第6回・実用レベルに近づくテキストマイニング技術

ここ数年でテキストマイニングの研究やソフトウェア開発が急速に進んでいる。

定量的なデータから類似性や相関性を導き出すデータマイニングについては、かなり高度な分析手法がすでに確立している。しかしながら、アンケートの自由回答などのテキスト形式のデータは、使われる用語の不統一性や日本語特有の主語と述語のあいまいな関係などが障害となり、機械的に解析することは難しかった。それら定性的なデータを解析して、行間に潜む回答者の心理を読み取るのがテキストマイニング技術である。

これまで、訪問による聞き取り調査やグループインタビューなどで得られた定性的なデータは、分析者が一つ一つ読んで、KJ法のように分類する方法などで分析されることが多かった。聞き取り調査などでは、1サンプルあたりの収集コストも高く、コスト面からも分析するデータの量が限られていたため、なんとか対応できていたという事情もある。

しかし、インターネットで大量の定性的データが回収できるようになり、分析するサンプル数は飛躍的に増大した。1回のアンケートで収集される何千もの自由回答を分析者がすべてに目を通して手で分類することは不可能に近い。当然、テキストマイニングの実用化を望む声が高くなる。

アンケート回答の分析以外にも、テキストマイニングの応用が期待されている分野は幅広い。すでに一部で実用化されているのは、企業が主催するコミュニティサイトで行きかうメールや掲示板の書き込みをマイニングして、消費者のニーズや現状の製品に対する不満点を分析し、商品開発に活かすという試みである。グループインタビューでは、全体の方向性が「声の大きい人」の意見に傾きがちだが、インターネットのコミュニティでは、半公共スペースである上に、面とむかって反論するというプレッシャーがないため反対意見も活発に出て、参加者の意見がほぼ等しく反映されるというメリットがある。

また、テキストマイニングをCRMに応用した例としては、メールによる顧客サポートを支援するシステムがある。サポートセンターに寄せられる質問の文意を自動的に解釈して、蓄積された膨大な対応マニュアルの中から、最もソリューションに関連していると思われるデータを抜き出してサポートスタッフに回送されるという仕組み。スタッフは、メールを開いた瞬間に、回答の際に役に立つと思われるデータが添付されているので、すぐに的確な返答ができる。

ただし、テキストマイニングは、現在販売されているシステムは必ずしもビジネスに使えるレベルに達しているとはいえない。が、翻訳やあいまい語検索など人工知能技術が高度化しつつある現状を考えると、テキストマイニング技術の実用化はすぐ目の前まで来ているといってもいいだろう。

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 ◎初出:2003年9月29日
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「ITビジネスのニュートレンド」(5)

第5回・インターネットリサーチを活用する方法

ここ数年、ウェブや電子メールを使って主に消費者を対象としたアンケートが盛んに行われるようになった。特に流行しているのが、事前に個人情報を登録したモニターに対してインターネットでアンケートを実施し、短時間に必要なサンプル数を回収するサービスである。インターネットでは、比較的簡単に消費者を組織化しやすいこともあり、数十万人単位のモニターを擁するインターネットリサーチ会社も登場している。

これらのモニター制度は、登録時に詳細な個人情報を記入してもらう代わりに、企業から依頼されたアンケートに回答するごとにポイントが加算され、ポイントがたまると金券や商品と交換できる仕組みが一般的だ。

インターネットリサーチは、「安いのが特徴」とよくいわれる。確かに、ウェブで回答されたデータはすでにデジタル化されているので、集計作業は従来の郵送や面接によるアンケートに比べると大幅にコストダウンが可能である。インターネットリサーチを専門に行っている企業の中には、数日で100サンプルを回収して価格は5万円から、という廉価なサービスを提供しているところもある。

しかし、安くなるのは「実査」の部分だけ。リサーチは設問の設計や回答の分析が重要なので、安くリサーチを実施することを追求しすぎては、調査結果が役に立たずに結局、高くついてしまった、ということになりかねない。むしろ、従来のリサーチ手法では何度も検証のリサーチが行えなかったことや、技術的に不可能だったことを行う機会を提供してくれるものと考えればいいだろう。

インターネットリサーチの特徴の一つは、対象者のサンプリングを同時に行えることだ。たとえば、ハイビジョンテレビを最近1年以内に購入した人を対象にアンケートを行いたいという場合、これまでなら対象者のリストを入手するのが一苦労だった。

インターネットリサーチなら、まずインターネット利用者全員を対象に、「最近1年以内に購入した電化製品・IT機器は何ですか?」と質問をする。そして、数多くの選択肢の中から「ハイビジョンテレビ」を選択した人だけを抽出して、本来のアンケートを依頼すれば簡単にリサーチ対象者を集めることができる。

このように、インターネットリサーチは、単に安く実施できることだけでなく、工夫次第で様々なリサーチが行える。すでに多くの企業が、商品開発や顧客満足度向上などにインターネットリサーチを積極的に取り入れているのは、メリットを実感できているからに他ならない。

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 ◎初出:2003年9月22日
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「ITビジネスのニュートレンド」(4)

第4回・ウェブ・ユーザビリティの重要性

ウェブマスターに今後の課題を質問すると、「ウェブサイトのユーザビリティ向上」を上位にあげる人が多い。ユーザビリティは、一言で表現するなら「使い勝手」という意味で、もともと設備、機器、ソフトウェア、サービスなどに適用される概念である。一般に「ウェブ・ユーザビリティ」と表現される場合は、ブランドビルディングを目的とした「芸術性」と、使いやすさをルール化した「操作性」の両方を意味する。

「操作性」の改善はすぐに効果が数字に表れる。日比谷花壇のサイトでは、昨年までページビュー数は順調に伸びたが、売上は伸び悩んでいた。操作性に問題があると推測し、消費者の立場で使いやすさを追求して、徹底的にリニューアルを実施した。すると、ページビュー数は約4割減少したものの、売上は約2倍に増えた。以前は、操作性に問題があったために、利用者が途中でショッピングを中止してしまうケースが多かったのである。

「操作性」向上のもう一つの目的は、障害者、高齢者等、様々な人々が利用しやすいウェブサイトにすることである。たとえば、記者会見とほぼ同時にウェブサイトにプレスリリースを掲載したり、人材募集の受付窓口をウェブに一本化したりする企業が増えている。企業が運営するウェブサイトも情報源としての公共性が求められるようになった。パソコンに詳しい一部の人だけに見てもらえばいい、という考え方は通用しない。

アメリカでは、誰もが同じようにウェブサイトを利用できるようにする「アクセシビリティ」が法制化されるなど、サイトを運営する団体や企業が守るべきガイドラインも細かく定められている。これからは「アクセシビリティに配慮して作られている」ことも、優秀なサイトの条件に加えられることになるだろう。

自社サイトのユーザビリティをチェックする方法としては、ウェブサイト特有の原則や認知心理学上での原則をまとめて評価軸を設定し、それを専門家が診断する「ヒューリスティック評価(発見的評価)」や、利用者に実際にウェブサイトを使用してもらい、その結果や反応を、いろいろな方法で観察、記録する「ユーザー・テスティング」などがある。

富士通では「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」として49項目の指針をサイトで公開している。この49項目は、いわばユーザビリティを向上するためのガイドラインとして参考になる。まずは、このようなガイドラインに照らし合わせて、自社サイトを自己採点してみるのと、改善すべき課題が見えてくるかもしれない。

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 ◎初出:2003年9月16日
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「ITビジネスのニュートレンド」(3)

第3回・相次ぐ個人情報漏洩の原因は?

最近、ウェブサーバから個人情報が漏洩して大きく報道されるケースが後を絶たない。エステティック大手チェーンのサイトから、3万人を超える資料請求者の情報が漏洩したことが判明し、大騒ぎとなったことは記憶に新しい。

もちろん、個人情報が漏洩してしまうと、企業にとってはブランドイメージを損ねかねない大きな損失となる。事実、前述のエステティック大手チェーンも、事件対応のホットラインをすばやく設置したものの、マスコミからは散々非難されてしまい、損失は金額に換算するとしたら、億単位になることは間違いないだろう。

情報の漏洩と聞くと、悪質なハッカーにセキュリティを破られてサーバに不正侵入されることをイメージするかもしれない。意外に聞こえるかもしれないが、インターネット経由の個人情報漏洩事件のほとんどが、実は簡単な人為的なミスが原因で発生しているのである。 ウェブ上で資料を請求したり、アンケートに回答したりする場合、通常は利用者が記入した情報はCSVと呼ばれるデータ形式で一時的にサーバに記録される。サイト運営者は、蓄積されたCSVファイルをダウンロードして、顧客データベースに追加するなどの作業を行うわけだが、問題は一時的にサーバに記録する際の「データ保存場所」である。

サーバの内部は、ブラウザを使ってURLを入力すれば誰でもアクセスできる領域と、管理者でないとアクセスできない領域に分かれている。資料請求者などの個人情報は、管理者でないとアクセスできない領域に記録するのが鉄則であることはいうまでもない。しかし、個人情報が漏洩した事例のほとんどは、個人情報のCSVファイルをインターネットから誰でもアクセスできる領域に保存し、そのまま放置していたことが原因である。この種のミスは、データを保存するパスを正確に書く、つまりプログラムを数文字書き換えるだけで防げていたはずだ。サイト管理者の怠慢に他ならない。たったそれだけのことで、会社のトップが公式に謝罪を求められるような大きな事件に発展するかもしれないのである。

毎回マスコミで取り上げられている個人情報漏洩事件も、実は氷山の一角にすぎない。たまたまマスコミ関係者の知るところとなったために報道されただけのことで、誰でもアクセスできる領域に放置されている個人情報は今も数多く存在している。

ウェブで資料請求を受け付けるのは、もはや常識になっている。うまく活用できれば、大きなマーケティング効果を得ることも可能だろう。しかし、サーバの管理や運営を他人にまかせっきりでは、思わぬ落とし穴に陥ってしまう危険性もある。まずは、自社サイトの運営体制を再チェックしてみるのがいいだろう。

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 ◎初出:2003年9月8日
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「ITビジネスのニュートレンド」(2)

第2回・ブロードバンド時代に求められるコンテンツとは

最近、「ブロードバンド」という言葉があたりまえのように使われるようになりました。政府はe-Japan構想の中で、2005年度には3000万世帯に高速インターネット接続環境、つまりブロードバンドを普及させる目標を掲げています。まさにここ数年でブロードバンド時代を迎えることになりそうです。

ブロードバンドの直接の意味は、広い帯域の回線で大容量のデータを速く伝達できることですが、利用者にとっては、定額料金でいつもインターネットにつながっているという「常時接続」が大きな意味を持ちます。常時接続の場合、基本的には何時間利用しても料金は同じですので、魅力的なコンテンツやサービスがあれば、接続料金を気にすることなく利用時間を増やすようになるでしょう。実際、ネットレイティングスが公表しているデータでも、128Kbps未満のいわゆるナローバンドユーザーの月間平均インターネット利用時間が7時間24分なのに対して、ブロードバンドユーザーは17時間45分と2倍以上になっています。

ブロードバンド向けのコンテンツやサービスといえば、映像や音楽などマルチメディア情報の配信を連想するかもしれませんが、ブロードバンドを利用している人を対象にアンケートを実施すると、ブロードバンドに期待するものは、「エンタテイメント性」よりむしろ「利便性」、つまり生活に密着した情報やサービスという意見が圧倒的に多いのです。さらに、利用者の声を分析してみると、望まれているのは利便性を通じて生活に「ゆたかさ」を感じられるもの、特に、わからないことを教えてくれるサービスであることがわかりました。このニーズに合致するものとしては、「eラーニング(遠隔教育)」、「電子行政サービス」、「遠隔医療」などがあげられます。

「わからないことを教えてくれる」サービスとは、「エージェント」的な要素が含まれていることを意味します。たとえば、日々の運動データを入力すれば専任コーチがアドバイスをしてくれる健康管理サービスを提供しているサイトがありますが、このようなサービスは、利用者の満足度も高いという結果が出ていて、今後いろいろな分野でも応用されることは間違いありません。

こういった「エージェント」の要素を取り入れつつ、ブロードバンドによってもたらされる双方向性や画像等の大容量・高速通信の特徴を活かしたコンテンツやサービスを創り出すことができれば、大きなビジネスチャンスに膨らむ可能性も高いでしょう。

ブロードバンドだから大容量の情報を配信できる、という視点だけでなく、利用者にゆたかさを提供できるコンテンツやサービスは何かを考えることが、ブロードバンド時代に成功するカギだといえます。

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 ◎初出:2003年9月1日
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「ITビジネスのニュートレンド」(1)

第1回・無線LANの普及でモバイル環境が身近に

ブロードバンド接続といえば、現在はADSLやCATV(ケーブル)の普及率が高く、将来的にはFTTH(光ファイバー)が本命といわれています。しかしながら、最近になってFWA(無線LAN)という伏兵も急浮上してきました。

無線LANは、およそ100m半径に電波を発信するアンテナ経由でインターネットに接続するサービスのことで、仕組み自体はPHSや携帯電話に似ています。利用するためには、無線LANカードが必要ですが、最近では安く手に入るようになってきています。

ここにきて無線LANが注目されてだした背景には、マンションなどの集合住宅では、CATVやFTTHが工事の関係で設置しにくいという事情や、外出先でもブロードバンドインターネットを利用したいというユーザのニーズがあります。さらに、IEEE802.11a と呼ばれる高速接続の規格が標準化されてきて、ADSLをはるかにしのぐ高速接続が可能になったことや、アンテナ設置コストの劇的な低下で新規事業者の参入が容易なことも影響しています。

昨年、NTTコミュニケーションズが、東京都内約200ヶ所にアンテナを設置し、高速無線LANサービスを月額1600円で提供するサービスを開始しました。それに対抗するかのように、ソフトバンクグループが、マクドナルドの店舗で無線LANサービスを開始しました。海外では、無線LANに接続可能なエリアは「ホットスポット」と呼ばれていますが、まさにホットスポットがこの数ヶ月の間に急増しています。

ホットスポットは、ホテルのロビー、カフェ、コンビニ、ファーストフード店のほかに、駅の構内などに設けられています。将来的には、通勤電車や新幹線の車内でも利用可能になるでしょう。

ホットスポットを利用するには、実質的にはノートパソコンを利用することになりますが、近い将来、無線LAN経由でインターネットに接続できるPDA(携帯情報端末)が発売される予定です。また、時期は未定ですが、同様の機能を持ったデジカメも開発中とのことです。つまり、簡単な端末を持っていれば、外出中でも高速インターネットに常時接続される環境を得ることができるようになるわけです。

ホットスポットの利用者が増えると、新しいビジネスモデルがいろいろと登場しそうです。なぜなら、PHSと同様に、アクセスしている最寄のアンテナより位置情報も得られるため、エリアを絞り込んだタイムリーなマーケティングが可能になるからです。

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 ◎初出:2003年8月25日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(6)

第6回・ウィルス対策は万全ですか?

最近、コンピュータがインターネット経由でウィルスに感染してしまうケースが増えています。

ウィルスと呼ばれているものは、コンピュータに取り付いて勝手に悪さをしてしまう不正プログラムの総称です。数年前は、ウィルスといえば、画面に文字が正しく表示されなくなったり、いつも使っているソフトが起動しなくなったり、感染したことがすぐにわかるものが主流でした。しかし、最近のウィルスは、破壊的な活動を行わない代わりに、感染したことが本人にもなかなかわからないのが特徴です。よって、気がつかないまま、長期にわたってウィルスの悪戯を許してしまうことも少なくありません。

ウィルス感染源は主にメールです。メールによる感染は、さらに「添付ファイル」と「HTMLメール」の2つに分類できます。

一般的に使われているメールソフトには、メール本文にファイルを添付する機能がついています。そして、添付ファイル付のメールを受取った人は、添付ファイルをダブルクリックするだけで、添付ファイルを開くことができます。問題は、添付ファイルが実行プログラムやワード、エクセルなどの業務ソフト用形式のファイルの場合です。これらのファイルをいきなりダブルクリックすると、コンピュータがプログラムを実行してしまい、仮に添付ファイルがウィルスだった場合、一発で感染してしまいます。

ただし、添付ファイルによる感染を防ぐ方法は簡単です。添付ファイルをいきなり開かなければいいのです。安全な方法の一例としては、コンピュータにウィルス対策ソフト(ウィルス駆除ソフトあるいはワクチンとも呼ばれます)をインストールしておき、添付ファイル付メールを受信すると、いったん「添付ファイルを保存」して、ウィルスチェック(ウィルススキャンともいいます)して安全を確認してから、添付ファイルを開く、という方法です。ここで鍵となるのは、最新のウィルス対策ソフトを導入しておくことです。

HTMLメールとは、簡単に表現するとホームページ形式のメールで、受信した側は、HTMLメールを開くと自動的にホームページにアクセスする仕組みになっています。HTMLメールは、ホームページと同様に画像などが使えますので表現力は豊かです。しかし、受信者の意思に関係なくホームページにアクセスしてしまうので、悪意があればその間にウィルスを仕込まれてしまいます。このパターンで感染する例としては、HTMLメールを開くと、海外のアダルトサイトにアクセスしてしまい、その間にコンピュータが勝手に海外に電話をかけてしまう不正プログラムに感染する例が多く報告されています。

HTMLメールによるウィルス感染を防ぐには、メールを読む際に「オフライン作業」に切り替えておけば安心です。常時接続環境の人は、メールソフトの設定でHTMLメールのアクセス制限をかけておけばいいでしょう。

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 ◎初出:2003年7月14日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(5)

第5回・タイプの異なる検索エンジンを使いこなす

インターネット上に存在するホームページの数は、すでに100億ページとも言われていて、まだまだ増加の勢いは衰えていません。インターネットは情報の宝庫であることは間違いありませんが、これだけホームページの数が増えますと、自分が欲しい情報が掲載されたホームページを探すの大変です。

インターネットでホームページを探すツールとしては、検索エンジン(あるいはサーチエンジン)が有名ですが、検索エンジンにもいろいろな種類があり、それぞれが長所・短所を持っています。

検索エンジンには、大きく分類して「ディレクトリ型」と「キーワード検索型」の2つがあります。

ディレクトリ型とは、ホームページの情報があらかじめカテゴリ別に分類されていて、カテゴリを大分類から中分類、小分類と絞り込むことで目的のページを探すタイプのものです。

ディレクトリ型の代表例は、Yahoo! Japanです。Yahoo! Japanのトップページには、「ビジネスと経済」など14のカテゴリがあります。ページをめくる感覚でカテゴリを細分化していけば、目的のホームページを探せるというわけです。

一方、キーワード検索型は、キーワードを指定することで目的のホームページを探すタイプのものです。記載されているすべてのテキスト情報の中からキーワードと一致するホームページをリストアップしてくれますので、「全文検索型」と呼ばれることもあります。

キーワード検索型は、ロボットと呼ばれるプログラムがインターネット上に存在するホームページを自動的に収集して、すべてのテキスト情報を取り込んでデータベース化したものです。キーワードと一致する文字列を含むホームページをすべて抜き出しますので、検索結果として表示されるホームページの数は、ディレクトリ型に比べて圧倒的に多くなります。

キーワード検索型の代表例は、Google です。Googleでは、キーワードを入力することで、現在およそ30億ページを対象に全文検索を行うことができます。

一般的に、探すホームページのカテゴリが具体的にイメージされている場合はディレクトリ型、欲しい情報が漠然としている場合や、複数のカテゴリにまたがると思われる場合はキーワード検索型が向いていると言われています。

ただし、キーワード検索では、指定したキーワードと完全に一致する文字列が含まれないと検索にひっかかりません。探したいホームページがどんな言葉を使っているかをいろいろ連想してみることが、選択肢を増やすコツといえるでしょう。

ディレクトリ型とキーワード検索型では、登録されている情報の量や分類のされ方に大きな違いがあります。目的のホームページを効率よく探すためには、両方の検索エンジンを上手に使い分けることが大切です。

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 ◎初出:2003年7月7日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(4)

第4回・オンラインゲームの魅力

ADSLに代表されるブロードバンド接続が急速に普及しています。ブロードバンドの魅力は、大容量のデータを送受信できることと、インターネットに常時接続されることです。

インターネットに常時接続されることによって、インターネットの楽しみ方が多様化しています。最近、利用者が急増しているのが「オンラインゲーム」です。

オンラインゲームとは、インターネットを介して複数のユーザーと一緒にプレイするゲームのことをいいます。インターネットでは、すでに数多くのオンラインゲームが存在していますが、切り口によっていくつかのカテゴリーに分類できます。

まず、参加するのに専用ソフトをインストールする必要があるものと、ブラウザがあれば特に追加のソフトを必要としないものがあります。専用ソフトを必要としないものは、その都度、Javaなどで書かれたプログラムをダウンロードしてパソコン上でプログラムを起動するか、CGIなどサーバ上のプログラムを起動してプレイします。

もうひとつの切り口は、無料か有料かという分類です。インターネット上には、たとえばヤフーなどポータルサイトと呼ばれる総合情報提供サイトが無料でオンラインゲームを提供しているケースも少なくありません。ただ、無料ということで参加者が多く、混み合うと反応が遅くなり楽しみが半減してしまうこともあります。

一方、企業が有料で提供するオンラインゲームのサイトでは、会員の管理はもちろん、過去の成績によって実力を判別するレーティングなど、利用者が安心して対戦できるよう数々のサポートが用意されています。

オンラインゲームのタイプとしては、特定の小人数間で行う対戦型のゲームと、不特定多数が同時に参加するマルチプレーヤー型のゲームに大きく分類できます。小人数対戦型の代表格は、将棋、囲碁、麻雀など、一方のマルチプレーヤー型はRPG(ロールプレイングゲーム)と呼ばれるものが主流です。

小人数対戦型のゲームでは、まずユーザー登録を済ませて、通常ロビーと呼ばれる待合室で対戦相手を探します。たとえば、将棋や囲碁では、事前に棋力や得意戦法などが登録されていますので、ロビーに待機している人の登録情報を見ながら、これはと思った人にチャットで対戦を申し込みます。相手がOKすれば対局場に移動して対戦開始となります。

一方ロールプレイングゲームでは、まずグループを見つけて仲間に入れてもらうことからスタートします。無料のロールプレイングゲームでは、新しく参加する人は手取り足取り教えてもらえるわけではありませんから、ゲームに慣れるまでに少々時間がかかるかもしれません。

オンラインゲームサイトも、同じ趣味を持つ人たちが集まる一種のコミュニティです。オンラインであれオフラインであれ、交流を楽しむためには、自分から行動を起こすことが大事です。まずは、様々なオンラインゲームのサイトにアクセスしてみて、観戦することから始めてみてはいかがでしょうか。

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 ◎初出:2003年6月30日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(3)

第3回・手軽に参加できるネットオークション

ネットオークションは、インターネットでの購入スタイルとして定着した感があります。すでに数多くのネットオークションが開催されていますが、その種類は大きく2つに分類することができます。

まず一つは、企業が在庫品を販売する手段としてオークションを採用しているケース。一例としては、大手ショッピングモールの「楽天市場」では最低価格1円からスタートするオークションが定期的に開催されています。

もう一つは、個人が自由に出品できる、フリーマーケット型のオークションです。そして、今人気が集中しているのが、このタイプのオークションなのです。

フリーマーケット型オークションの人気の秘密は、個人でも気軽に参加できることです。なかには入札だけでなく、出品や落札手数料も無料というネットオークションもあり、手元にある不用品をフリーマーケットやガレージセールのような感覚で出品する人も少なくありません。フリーマーケット型オークションでは、出品者のほとんどが個人ですから、うまくいけば掘り出し物に出会える可能性もあります。

ヤフー!オークションでは、常時、何十万点という膨大な商品がオークションにかけられています。順番に出品物を見ていたのでは、時間がいくらあっても足りません。そこで、自分が欲しい商品が出品されているかどうかを、キーワードを入力して検索をかけてみましょう。商品名やブランド名、メーカー名で検索すると、締切日順に出品物のリストが表示されます。

ネットオークションは、システム的にも洗練されていて、現在の最高値より低い価格では入札を受け付けてもらえませんし、価格帯によって入札できる最小単位が決められています。

ネットオークションは、締切時刻がくると自動的に閉鎖されて、その時点で一番高い値段を入れていた人が商品を購入する権利を獲得します。人気商品では、締切5分前から急に価格が釣り上がったり、激しいバトルが繰り広げられます。それを横から見ているだけでも十分楽しめるのが、ネットオークションの面白さといえるでしょう。

晴れて落札すると、出品者からメールで連絡が来ますので、入札のページに示された取引条件にそって、出品者との間で話をまとめます。通常は、落札した人が先にお金を支払うケースが多いのですが、金額が大きくなる場合は、すぐにお金を振込まずに、出品者の住所や電話番号を確認して、一度本人と直接話をしてみることをおすすめします。

最近では、オークション主催者が商品受渡しや代金の授受の仲立ちをしてくれるエスクロー・サービスなどを低い手数料で提供してくれるなど、参加者が安心して売買できる仕組みも整いつつありますので、ネットオークションはますます普及するものと思われます。

いきなり入札するのも勇気がいるかもしれませんが、まずは会員登録をして、出品物を見て回ってはいかがでしょうか。きっと入札してみたくなることと思います。

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 ◎初出:2003年6月23日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(2)

第2回・手軽にできるホームLAN

LANとは、Local Area Network の略で、簡単に説明すると、複数のパソコンをケーブルで接続して使用するネットワークのことです。

LANにもいろいろな方式が存在しますが、パソコンで構築するLANと言えば、一般的にはイーサネット方式を指します。イーサネット方式の特徴は、接続できる距離が比較的短い分、データ転送速度が早く、接続ケーブルの構造が簡単なために初心者でも使いやすいことです。

LANを構築すれば、ネットワーク全体を一つのパソコンのように使うことができます。プリンタなどの周辺機器はもちろん、それぞれのパソコンのハードディスクを共有することができるようになります。

LANという言葉からは、大手企業がオフィスに張り巡らせた本格的なコンピュータネットワークをイメージされるかもしれませんが、実は家庭や小さな事務所でも簡単に構築できるのです。最近のパソコンは、LANカードが標準装備されているモデルが主流になりつつあります。ハブと呼ばれる装置を買い足して、後はケーブルでつないで簡単な設定をするだけでホームLANを構築することができます。コストも、ハブとケーブルの購入費用数千円しかかかりません。(パソコン本体にLANカードが標準装備されていない場合は、空きスロットにLANカードを増設する必要があります。)

パソコンの価格が低下したこともあり、家庭でも一人一台専用のパソコンを持つことも珍しくなくなりました。LANは、2台のパソコンをつなぐだけでも十分にメリットがあります。具体的なメリットをあげてみますと、

他のパソコンのファイルをコピーすることができる
ハードディスクやフォルダを共有することで、他のパソコンの中身をチェックして、必要なファイルをコピーすることが可能になります。

他のパソコンにつながっているドライブやプリンタなどを使える
周辺機能の弱いノートパソコンでも、LANにつなげてしまえば、デスクトップパソコンにつながっているプリンタ、CD、MOドライブなどを使うことができるようになります。

すべてのパソコンからインターネットにアクセスできる
インターネットに接続するときは、あたかも1台のコンピュータのように一つのIPアドレスで交信することが可能です。プロバイダとの契約も一つですみますので、通信コストを節約することができます。

リモートアクセスで外出先からLANに接続できる
例えば、外出先からPHSを使ってLANに接続すれば、届いているメールのチェックはもちろん、デスクトップパソコンのハードディスクに保存されているデータの参照もできます。

また、持っているパソコンをすべてLANにつなげておけば、使われなくなった古いモデルでも快適にインターネットに接続できるようになり、見事に現役に復帰できます。資源を有効に活用し、廃棄パソコンを減らすという意味でも、LANは地球環境にやさしい選択であると言えるでしょう。

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 ◎初出:2003年6月16日
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「消費者から見たインターネット最新トレンド」(1)

第1回・急速に普及するブロードバンド

近年、ブロードバンドという言葉をよく耳にするようになりました。ブロードバンドとは、直訳すると「広い帯域」という意味ですが、実質的には「高速インターネット接続」のことを指します。ブロードバンドを利用している人は2002年9月時点で600万人を超えていて、あるシンクタンクの予測によると、2006年には2216万世帯に拡大すると見込まれています。

ブロードバンドにはいくつかの接続方法がありますが、代表的なものは、電話回線を利用するADSL、有線テレビの回線を利用するCATV(ケーブルテレビ)、光ファイバーを利用するFTTH、無線を利用するFWAなどです。ブロードバンドのメリットは、「高速」、「常時接続」と「定額料金」の3つのキーワードに集約されます。

ブロードバンドの中で、特に利用者の伸びが著しいのはADSLです。従来の電話回線を使用するため、簡単な工事で利用できるようになることや、1本の電話回線契約でインターネットと電話を同時に利用できることが理由にあげられます。

高速インターネット接続がブロードバンドと表現されるようになってから、従来の一般電話回線を使ってインターネットに接続する手段はナロー(狭い)バンドと呼ばれるようになりました。

これからブロードバンドに切り替えたい人は、まずは、接続形態を選ぶことから始まります。住んでいる地域や住んでいる住居の種類(一戸建てかマンションか)によって、利用できるサービスは異なってきます。

では、ブロードバンドによって私たちの生活がどのように変わるのでしょうか?

ブロードバンドの利用者が増えるにつれて、これまでのナローバンドではダウンロードに時間がかかりすぎるなどの理由で配信しにくかった音楽や映画などのブロードバンド専用のサービスやコンテンツが充実してきています。

音楽や映画以外にも、コンサートなどの生放送が楽しめるストリーミング、遠隔操作で講師の指導が受けられる遠隔教育(eラーニング)、お互いの顔を見ながら話しができるテレビ電話、動画をそのままメールに添付して送信できるビデオメールなどがあります。もちろん、オンラインショッピングもこれまで以上に仮想体験ができるようになり、お店にいるかのような雰囲気で買い物できるようになります。

ブロードバンドが浸透すれば、通院しなくても医師の診察を受けられる遠隔医療、ネットを通じて住民票の請求や移転の手続きができる行政サービスなども可能になりますので、ますます生活は便利になるでしょう。

また、ブロードバンドは仕事のやり方も大きく変えてしまう可能性があります。具体的には、家にいながら他の場所のスタッフと連携して仕事が進められる在宅勤務が現実的となるでしょう。

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 ◎初出:2003年6月9日
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「メルマガ広告活用術」(7)

第7回・ホームページとの連動

メルマガ広告のクリック率は、広告の内容や取り扱い商品にもよりますが、平均的な数字としては2%から5%と言われています。(ちなみに、バナー広告は0.1%から1%程度)仮に、5万部発行のメールマガジンに5万円で広告を出して、2%のクリック率があったとしたら、1000人をホームページに誘導することができます。

問題は、ホームページに来てくれた1000人のうち、何人を見込み客としてつなぎとめることができるか、ということです。そのためには、ただホームページに掲載する情報を充実させるだけでなく、ホームページの上で次のアクションを起こしてもらう仕掛けが重要になってきます。

たとえば、無料会員として登録してもらうとか、アンケートに回答してもらうなど、比較的ハードルが低く、その場で完結する仕組みを考えるといいでしょう。

メールアドレスだけを入力してもらえば、商品やサービスに関する詳しいレポートを自動的に電子メールで配信するオートレスポンダを用意して、気軽にメールアドレスを登録してもらうような工夫があると理想的です。

メルマガ広告は、媒体を選ぶことで、わずか数万円の予算で多くの人に告知できる強力なビジネスツールです。おそらく、インターネット広告の中で、もっとも気軽に出せるのがメルマガ広告です。

しかし、手軽だからといって、効果が小さいわけではありません。メールマガジンの読者層とピッタリ合うと、クリック率10%も珍しいことではないのです。

また、メールマガジンの発行を視野に入ても面白いでしょう。もし、こんなメールマガジンがあればすぐにでも広告を出したいと思ったけれど、該当するものがなかったという場合、あなたがメールマガジンの発行者になってみてはいかがでしょうか。

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 ◎初出:2003年3月31日
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「メルマガ広告活用術」(6)

第6回・メルマガ広告の効果測定

メルマガ広告の中に、やたらと長いホームページアドレスを見かけたことはありませんか?例えば、このようなアドレスです。

(サンプル広告)
詳しくはこちら→ < http://sample.com/s/a?8a20d28e52e9cec18bf4bd24c4e43063 >

実はこのアドレス、誰がクリックしたかをトレースするためのもの。もっと具体的にいえば、このアドレスをクリックするとスポンサーのホームページにジャンプしますが、その前にいったんメールマガジン発行者のサーバを経由して、?以降の文字列を記録します。一見意味のない文字列に見えていたものは、購読者を特定するためのIDだったのです。

「誰がクリックしたか」という情報はプライバシーに属しますので、スポンサーに提供されることはありませんが、購読者の行動をデータとして収集することで、メルマガ広告の効果を測定することが可能になります。メールマガジン発行者は、これらのデータを活かして、どんな広告をどんなタイミングで挿入すればレスポンスが高くなるかというデータが蓄積されるので、より効果の高い、つまり高い広告料の取れるメルマガ広告を提案できるようになるのです。

メルマガ広告を出す場合、効果測定ができるような仕組みが整備されているかどうかも、媒体を選ぶ際のポイントとなります。少なくとも、実際の配信数に対して、クリックされた確率(クリック率)や資料請求などレスポンスがあった確率(コンバージョン率)がわかるメールマガジンがいいでしょう。同時に複数のメルマガ広告を出す際は、どのメールマガジンをクリックしてくれた人かを区別できる仕組みも必要です。

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 ◎初出:2003年3月24日
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「メルマガ広告活用術」(5)

第5回・リーチを最大にする媒体選び

百万部を超える発行数を誇るメールマガジンもありますが、当然広告料も高くなりますし、購読者も広く一般の人を対象としたものとなります。購読者に特徴ある発行部数の少ないメールマガジンをいくつか組み合わせるのが実践的といえますが、成功のカギは「リーチ(到達人数)の最大化」です。

メールマガジンは発行部数からリーチがある程度読めますが、逆にいえば、発行部数を超えるリーチは期待できません。つまり、1万部発行のメールマガジンに広告を掲載しても、広告を読んでもらえる可能性があるのは、最大1万人ということになります。レスポンス率を数%と仮定すれば、期待する効果を得るためには何人にリーチすればいいかだいたい試算できます。

たとえば、3万人にリーチしたい広告があったとしましょう。1万部のメールマガジン3誌に広告を出せば、3万人にリーチできると考えるのは間違いです。同じ傾向のメールマガジンは、購読者がダブっている可能性も高く、極端な場合、ほとんど同じ人が3誌すべてを購読しているケースも想定できます。そうだとすると、メールマガジン自体はのべ3万人に配信されますが、リーチという観点からは1万人にすぎないことになります。

どのメールマガジンを組み合わせればリーチを最大にできるのでしょうか。レップの用意している媒体資料や、各メールマガジン発行者の公開しているデータなどをもとに、効果的な組み合わせを工夫してみましょう。

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 ◎初出:2003年3月17日
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「メルマガ広告活用術」(4)

第4回・レップを利用するメリット

メルマガ広告は、まだまだ発展途上の広告で、新聞や雑誌など紙媒体の広告ほど代理店制度は確立されていません。それでもメルマガ広告を実際に出すには、レップとよばれるネット広告専門の代理店を通すケースが多いようです。

レップは、通常、メルマガ広告だけでなく、バナー広告などインターネット広告を総合的に扱っています。レップに相談すれば、メルマガ広告についてもいろいろと親切に教えてくれるでしょう。たとえば、大手レップのホームページでは、取り扱いメールマガジンの料金表がダウンロードできます。このリストを見れば、メールマガジンの発行部数や購読者の男女比、広告料金など基本情報が得られます。

基本的には、レップを通しても通さなくても、スポンサーに提示される広告料金は同じです。メールマガジンによっては、レップを通さずに広告を受け付けているところもあり、発行者に直接交渉をすると、若干のディスカウントを得られるケースもあります。では、発行者に直接交渉した方が得かといいますと、必ずしもそうとはいえません。

レップは、いわばインターネット広告のプロです。メルマガ広告についても、過去、様々な媒体を取り扱ってきており、スポンサーの目的によってどんな媒体を組み合わせると効果があがるかについてもノウハウを持っています。レップを通すということは、レップの持っているノウハウを利用することにもなるのです。

ただし、大手のレップといえども、すべてのメールマガジンを媒体として扱っているわけではありません。レップが扱うメールマガジンの条件としては、「発行部数が1万部以上で、定期発行されている」、「コンテンツが反社会的でなく、発行者の運営体制もしっかりしている」などがあげられます。発行部数が数千以下のマニアックなメールマガジンを狙う場合は、直接発行者にコンタクトを取るしか方法がない場合も少なくありません。

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 ◎初出:2003年3月10日
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「メルマガ広告活用術」(3)

第3回・広告に適したメルマガの探し方

メルマガ広告を掲載するには、まず広告を掲載するのに最適なメールマガジンを探すことが第一歩です。すでに触れましたが、メールマガジンには様々なジャンルのものが存在します。発行形態も、企業が見込み客を対象に定期的に配信しているものから、個人が趣味で不定期に発行しているものまで、いろいろです。

まずは、メールマガジン発行スタンドを覗いてみて、どんなメールマガジンがあるのか体験してみるといいでしょう。その際、一消費者の立場にたってみて、どんなメールマガジンなら購読してみたいかを考えることが大切です。適当なメールマガジンが見つかれば、その場で購読手続きをしてみましょう。ほとんどのメールマガジンが、無料で発行されていて、メールアドレスを入力するだけの簡単な手続きで購読できます。

メールマガジン発行スタンドでは、バックナンバーも閲覧できますので、過去の号にどんな広告が掲載されているかがチェックできます。

まぐまぐ
http://www.mag2.com/

日本最大規模の発行スタンドで、2003年2月現在、24,000誌を超えるメールマガジンが登録されています。ジャンルもビジネスから趣味まで広く網羅しています。

メルモ
http://www.merumo.ne.jp/

携帯メール専用のメールマガジンを扱う発行スタンドです。2003年2月現在、25,500誌が登録されています。

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 ◎初出:2003年3月3日
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「メルマガ広告活用術」(2)

第2回・メルマガ広告の特徴

メルマガ広告は、バナー広告に比較して費用対効果の面で優れている、といわれています。不特定多数の人に対して画像広告を表示するバナー広告と比べてみて、メルマガ広告には次のような特徴があります。

まず、メールマガジンが細分化されていますので、メルマガ広告はターゲットにしている層をほぼピンポイントで狙うことができます。たとえば、愛犬家向けの雑誌はいくつかありますが、メールマガジンなら「シェットランドシープドッグを飼っている人向け」のメールマガジンが存在します。

メルマガ広告の効果が高い理由として、メールマガジンの読者には熟練ユーザの割合が高いことがあげられます。メールマガジンを購読するには、まぐまぐなどのメールマガジン発行スタンドで購読申し込みをする必要があります。自分の意思でメールマガジンを購読している人は、ある程度インターネットを使い慣れた人、つまりアクティブ(活発な)ユーザと表現できます。アンケート結果によると、アクティブユーザのうち約7割の人が過去オンラインでモノを購入したことがあると回答しています。

また、メルマガ広告は、バナー広告に比べて効果測定が容易である点も見逃せません。メールマガジンは購読者のメールボックスに直接届きます。何人が受信して、うち何人がメルマガ広告に反応してくれたか、ほぼ正確な数字を把握することができます。

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 ◎初出:2003年2月24日
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「メルマガ広告活用術」(1)

第1回・インターネットで手軽に広告

利用者が3000万人を突破した今、インターネットは非常に有望な告知手段といえます。バーチャルショップなどホームページを使ったビジネスに携わっている人はもちろん、お店を運営している人や、営業マンなど一般企業に勤める人にとっても、インターネット広告は身近なものになりつつあります。

インターネット広告は、次の3つに大きく分類することができます。

1、バナー広告

ホームページ上に掲載される横長の画像広告。広告をクリックするとスポンサーのホームページにジャンプする仕組みです。「広告が掲載される期間」、「広告が表示される回数」と「広告がクリックされた回数」によって決められる3通りの料金体系があります。最近では、クリックの回数で料金が決められるタイプが主流になりつつありますが、掲載されるサイトによって1クリックあたりの料金は50円から150円と幅があります。

2、オプト・イン・メール

業者が保有する電子メールのリストに、電子メール広告を配信するサービスです。ダイレクトメールの電子メール版と考えればいいでしょう。基本的には、広告メールの受信を許諾した人だけに配信されます。受信者のリストはもらえませんが、受信する人の属性(性別、年代、職業など)を絞り込めるのが特徴です。電子メール文面全体が広告ですので、「読み物」として広告文面を企画することが可能です。ただ、料金はその分高めで、絞込み条件により1通あたり10円から30円となります。

3、メールマガジン広告(メルマガ広告)

企業や個人が発行するメールマガジンに5行程度の文字広告を掲載するものです。掲載できる文字数が限られている分、到達一人あたりのコストは0.1円から3円程度と非常に低コストで広告が打てます。個人の発行するメールマガジンでは、発行者からの推薦が受けられたり、従来のマス媒体にはないメリットもあります。

ここでは少ない予算でも工夫次第で大きな効果が期待できるメルマガ広告活用の方法をさぐってみることにしましょう。

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 ◎初出:2003年2月17日
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