22-2002年連載

2007/06/27

2002年 連載<目次>

■「Webマスター入門」(2002年3月11日連載開始)

第1回・ウェブマスターとは?
第2回・ウェブマスターの基本業務
第3回・電子メールの対応
第4回・ウェブマスターに期待される7つの役割
第5回・ウェブマスター3つのパターン
第6回・ウェブマスターの適性
第7回・インターネットを使った儲け方を熟知すべし
第8回・インターネットビジネスシーン、4つのキーワード
第9回・タダで儲かる仕組みが多いのも特徴
第10回・見込み客の囲い込みで販売手数料収入
第11回・あなたがWebマスターに任命されたら?
第12回・インターネットが革命といわれる理由
第13回・情報処理型から情報活用型へ
第14回・情報戦略が効果を発揮できる前提条件
第15回・長期的な視野で情報戦略を考える
第16回・サーチエンジンは情報収集の基本
第17回・アイデアを具体化するサイトチェックのやり方
第18回・メーリングリストは貴重な情報源
第19回・バーチャルモールに参加してテスト運用
第20回・レンタルサーバ3つの最低条件
第21回・独自のドメイン名は必須アイテム
第22回・ミラーサイトの必要性
第23回・HTML は難しくない
第24回・HTML はタグで書かれた設計図
第25回・社内制作か、アウトソーシングか?
第26回・制作会社の選び方と外注コスト
第27回・著作権を守るために
第28回・電子決済を阻む要因
第29回・電子マネーの現状
第30回・セキュリティをどこまで確保するか
第31回・暗号化とSSL
第32回・個人情報の漏洩は致命傷
第33回・ジャンクメーラーやメール爆弾への対応
第34回・CGIの仕組み
第35回・アクセスログで何がわかるか
第36回・なぜアクセスが増えないのか
第37回・サーチエンジンの重要性
第38回・プレスリリースの上手な活用方法
第39回・リンクの交換は高級テクニック
第40回・インターネット広告の種類
第41回・アフィリエイト・プログラム
第42回・インターネットアンケート実施のメリット
第43回・インターネットアンケートの種類
第44回・アンケートを実施する目的を明確に
第45回・プレゼント情報サイトに登録する方法
第46回・アンケートを実施する際の注意点
第47回・オートレスポンダで資料請求を自動化
第48回・ニュースグループとメーリングリスト
第49回・スパムは禁じ手
第50回・顧客サポートの重要性が増す
第51回・トラッキングサービスとサポート体制
第52回・クレーム対処は迅速に
第53回・ウェブで公開すべき情報
第54回・社内でのフィードバックも重要
第55回・Webマスターのネットワーク
第56回・Webアンケートの実施手順(1)
第57回・Webアンケートの実施手順(2)
第58回・Webアンケートの実施手順(3)
第59回・Webアンケートの実施手順(4)

■「サイトチェック」(2002年4月1日連載開始)

第1回・わかりやすさを追求する洋書販売サイトの老舗
第2回・着物を一点から卸売り価格で販売
第3回・子供と一緒にショッピングができる楽しいサイト
第4回・無名でも旨い地酒120種類を厳選
第5回・客への心配りが伝わってくるサイト
第6回・産地直送は新鮮さと安さで勝負
第7回・石鹸の選ぶ楽しさを提供するサイト
第8回・150種類の和菓子を翌日配達
第9回・オーダーメードにも対応する磁石販売サイト
第10回・60万曲以上の楽譜を網羅
第11回・メールマガジンから生まれたミステリー専門古書店
第12回・人気サッカーショップとスポーツカード専門店が結合
第13回・日用雑貨からアート品までアジア輸入雑貨が揃うショップ

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「Webマスター入門」(55)

第55回・Webマスターのネットワーク

ウェブマスターには、大手企業に属する人もいれば、数人で会社を運営している人もいたりで、立場は人それぞれだが、専門職として横のつながりはできやすい。ウェブマスターという職業柄、ネットワーク上に広い人脈を持っているが、やはり同じ業務に携わっている人への連帯感は強い。実際に、ウェブマスターだけが集まっているメーリングリストもあり、所属する会社の利害を超えたところで、交流し、情報を交換している。

ウェブマスターであるなら、あるいはウェブマスターになろうとするなら、これらのネットワークには積極的に参加する方がよい。いい勉強になることは間違いないし、同じウェブマスターということで、スムーズに仲間にとけ込める。

これまた姑息な慣習かもしれないが、オフ会という名目で、しばしば勉強会というか宴会が行われる。なかなか普段は会って話すことのできないウェブマスターの本音が聞けるチャンスである。

インターネットが定着すれば、都会に住む必要がなくなる、「地方の時代」が来る、とよく言われるが、現状では、地方に住んでいたのでは、この種のオフ会になかなか参加できない。決して地方ではダメと言う気はないが、依然として、東京には「人が集まる」という優位性はあるし、その意味からも、本当の「地方の時代」はなかなか来ないのかな、とさえ思っている。

インターネットでは情報収集力で差がつく。インターネットで発信されている情報にしても、結局は人が作って、人が発信している。やはり、情報は「人」が持っているものだ、と痛感することが多くなった。

ウェブマスター同志との交流にこだわることはない。インターネットで知り合った人は、すべてインターネットがもたらしてくれた財産である。介しているのはパソコンという機械であっても、人と人のつき合いとして、大事に広げていきたいものである。

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 ◎初出:2003年4月14日
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「Webマスター入門」(54)

第54回・社内でのフィードバックも重要

ホームページを立ちあげて、これまで説明してきたPR戦略を実行に移せば、かなりのアクセス数を記録し、反響も大きいことは間違いない。アクセス数が増えれば、当然、それにつれて、お客様からのメールも増えてくる。必ずしも、いい内容ではないかもしれない。自社の商品やサービスに対する、痛烈な批判かもしれない。お客様の声は謙虚に受けとめて、問題を指摘された部分の改善に、会社をあげて取り組まなければならない。

そのためには、アクセス状況やお客様からの反応などのデータを、的確に社内の関係スタッフ間で共有しなくてはいけない。時には、社内で、気の進まない報告をしなくてはならないこともあるだろう。しかし、得られたデータを社内でフィードバックするのは、ウェブマスターの重要な仕事の一つである。なぜなら、お客様の直接の声を聞ける立場にあるのは、ウェブマスターだからである。

ウェブマスターとすれば、自分の企画したホームページを発表し、効果的なPR戦略を実行して、アクセス数が順調に伸びれば、ある意味で、達成感を得る。会社のトップにしても、自社のホームページに毎月10万件のアクセスがある、と聞けば、悪い気はしないだろう。

だが、ウェブマスターの仕事は、それだけでは終わってはならない。アクセス数が伸びているのに、お客様からの反応はなぜ伸び悩んでいるのか、アクセスが本当に自社商品のイメージアップにつながっているか、など、様々な視点でデータを分析しなくてならない。

規模の大きな会社なら、別のセクションに「広報部」が存在する場合も多い。継続的にプレスリリースを発信していくなら、社内の「横」のつながりにも気を配る必要があろう。

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 ◎初出:2003年4月7日
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「Webマスター入門」(53)

第53回・ウェブで公開すべき情報

店舗が実在せず、店主の顔が見えないバーチャルショップにとって、お客さまの信頼を勝ち取ることが成功の第一歩となる。デザイン的に優れたホームページが信頼を得る最大の手段、と思っている人もいるかもしれないが、お客さまの立場にたってみると、最も重要なのはショップの運営者に関する情報がどこまで開示されているか、である。

なお、通信販売の法規では、以下の項目についてホームページ上で情報を公開することを定めている。

通信販売の法規(訪問販売法)に基づく表示

販売業者 (販売業者の法人名、個人名)
運営統括責任者 (責任者の氏名。法人であれば、肩書きも)
所在地 (販売業者の住所)
商品代金以外の必要料金 (消費税、送料、振込手数料などを誰が負担するか)
申込の有効期限 (商品ページを参照、という表現が多い)
不良品 (良品と交換もしくはご希望により代金返還、などと明記)
販売数量 (商品ページを参照、という表現が多い)
引き渡し時期 (在庫のあるものは、何日以内に発送するか、など)
お支払い方法 (お客さまが利用可能な代金決済方法。代引、電子マネーなどを明記)
お支払い期限 (後払いの場合は、商品到着後何日以内に、などと明記)
返品、交換期限 (納品より10日以内、未使用に限る、などと条件を明記)
交換送料 (交換の場合、送料をどちらが負担するか)
返品送料 (返品の場合、送料をどちらが負担するか)

これらの情報は、商売をするならあって当然の項目で、このうちどれか一つでも欠けていても、お客さまに不信感を与えてしまうだろう。つまり、これらの項目は「最低限」ホームページに記載するべきである。しかし、お客さまの信頼を得たいと考えるなら、これでは十分でないことに気が付くだろう。別の会社案内のページで、会社の所在地の地図や、代表者の顔写真付きメッセージ、会社のおおまかな決算内容など、公開できる情報はまだまだあるはずだ。

情報はどこまで開示すればよいか?これは、運営者の事情によってまちまちだろう。しかし、基本は「公開できる情報はすべて公開する」ことである。

繁盛しているバーチャルショップをいくつかチェックしてみるとよい。売れているショップは、デザインセンスや品揃えが優れているだけでなく、よく観察すると、さりげなく運営者に関する情報を開示する努力をしている場合が多いのである。

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 ◎初出:2003年3月31日
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「Webマスター入門」(52)

第52回・クレーム対処は迅速に

ビジネスにクレームは付き物。ないにこしたことはないが、取り扱い数が増えれば、クレームは必ず発生するものと考えておいていい。ただし、「東芝事件」以来、クレームに対する対応の悪さが大きくクローズアップされるような雰囲気があるから注意が必要だ。

クレームのメールが届いたら、手元のデータで事実関係を確認して、最優先で返事を出す。輸送中の事故で、明らかに運送業者に落ち度があったとしても、他人のせいにするのは逆効果。「商品が注文した通りに届かなかった」ことは事実なので、お客さまには謝らなければならない。その上で、お客さまに納得していただける解決方法を見つけることが重要だ。

クレームの対処には、次の点を心がけるようにしよう。

クレームが来たら、まず事実関係を確認する。
「お客さまに満足いただけなかったこと」に対して誠意を持って謝る。
クレームの原因を究明して、再発の防止に役立てる。
メールによるクレームは「文字」になっている分、きつく感じる。常に冷静さを失わないよう心がける。
お客さまの満足度を測定できるようなアンケートを定期的に実施する。

誠意を持って、かつ迅速に対応すれば、クレーム対応の悪さで大騒ぎになることは避けられる。ウェブマスターとしては、あまり神経質にならないで、「お客さまが鍛えてくれている」と前向きに取り組むのが秘訣だ。

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 ◎初出:2003年3月24日
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「Webマスター入門」(51)

第51回・トラッキングサービスとサポート体制

電子メール自動化によって可能になることの一つが、「トラッキングサービス」である。例えば、注文フォーム経由で注文を受け付けると同時に、お客さまに受注確認の電子メールを自動的に発送するサービスは、大手のウェブ通販サイトでは珍しくない。受注確認メールには、注文の詳細とともに、トラブルが発生した時の照会先や受付け番号が書かれている。お客さまは、注文に関して聞きたいことがあれば、その受付け番号を記載するだけでサポートが受けられる。

さらに、「本日、ご注文の商品を発送しました」とか、「そろそろ到着する頃かと思います。あと2、3日以内に届かない場合は、ご連絡ください」などと、1回の注文に対して、何度も電子メールで通知が来る。すべて自動化されているから、サイト運営側の手間はほとんどかかっていないが、このように細かいアフタフォローをすることで、お客さまの満足度は高まり、結果としてリピート率の上昇に大きく寄与することになる。

今後、電子メールの自動化技術は、カスタマーサポート分野に応用できることが期待されている。企業、特にハードやソフトウェアメーカーは、購入客に対するサポート体制をどうするかという大きな問題を抱えている。「カスタマーサポートの電話につながらない」という苦情は、企業のイメージを悪くするし、かといっていつでもつながるだけの回線とオペレーターを常時用意するのは莫大なコスト増になってしまう。

そこで、過去の苦情に対する対応方法など、カスタマーサポートに関するノウハウをデータベース化して、電子メールの問い合わせ内容をコンピュータに読み取らせて、関連する情報を自動的に返送するような「無人サポートセンター」の研究が進められている。

電子メールの自動化と、近年進化の著しい「コラボラティブ(協調的)フィルタリング」技術を組み合わせたサービスも登場している。アメリカのデジタルインパクト社は「ニアレスト・ネイバー(もっとも近いお隣さん)」という名称の個別電子メールサービスを開始した。お客さまの属性、過去の購入履歴、サイト内の行動データなどのデータベースから、それぞれのお客さまの好みを類推して、自動的に推奨する商品をピックアップして、電子メールの文面を自動生成する機能を持っている。

なお、同社の電子メール自動生成技術を、音楽CDを販売するサイトで実験してみたところ、大きな成果があがったという。具体的には、過去1度だけ購入したことのある人をピックアップして、2つのグループにわけた。一方には、全米チャート上位の売れ筋のCDを一律に案内し、もう一方では、デジタルインパクト社の技術を使って、お客さまが好みそうなタイトルを個別に推奨する電子メールを一斉配信したところ、レスポンス率は個別推奨した人たちのグループの方が70%も高かったと報告されている。

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 ◎初出:2003年3月17日
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「Webマスター入門」(50)

第50回・顧客サポートの重要性が増す

顧客サポートと言えば、ベンダーの電話サポートをイメージする人も多いだろう。顧客サポートは、直接お客さまの「声」が届く窓口であるし、その対応記録は立派なナレッジとして活用できる。また、クレームに的確に対応することで、企業の評価が高まり、お客さまの口コミによって、売上げ増にかなりストレートに反映される。改めて強調する必要はないが、「顧客サポート」は企業にとって非常に重要な部門である。

だが、顧客サポートはコストがかかる。市販ソフトウェアやパソコンメーカーのサポートセンターに電話をしても、一発でつながったためしはない。企業側も、電話回線の増設や、オペレーターの増員など、できるだけ「サポートセンターに電話がつながらない」という状況を改善しようと工夫しているが、それでも一向につながらない。このままでは、顧客サポートに利益を食いつぶされてしまうのでは、という危機感を募らせる企業も少なくない。

しかし、ITの進化は、顧客サポートについても、これまでの形態を大きく変えようとしている。その一つが、最近、キーワードとして注目を集めているCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション Computer Telephony Integration )である。簡単にいうと、電話、FAX、電子メールを統合して、パソコンで一括管理するシステムの総称である。インターネット、イントラネットとの連携も可能であるため、データウェアハウスなどのデータベースから過去の問題解決事例などナレッジを瞬時に参照して、お客さまに的確な対応ができるようになる。

電話にかわって電子メールに特化したサポートセンターというアイデアもある。過去の苦情に対する対応方法など、顧客サポートに関するナレッジをデータベース化して、電子メールの問い合わせ内容をコンピュータが判読して、関連する情報を自動的に返送するような研究が進められている。先に触れた「テキストマイニング」や類似検索などの技術がフルに応用されることになるだろう。

これに音声認識技術が加われば、コールセンター全体を無人化、自動化することが、将来的には可能と考えられている。ここまでくれば、AI(人工知能)というべきテクノロジーであろう。

「無人コールセンター」実現は少し先の話であろうが、製品のバグ、欠陥情報、クレーム、その対処方法など製品に関するあらゆる情報をデータベース化した「顧客サポートデータベース」はすぐにも必要だ。

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 ◎初出:2003年3月10日
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「Webマスター入門」(49)

第49回・スパムは禁じ手

インターネットでは、同じ文面の営業メールを同報機能で一斉に発信することを「スパム」と呼んで、一般的には「好ましくない行為」とされている。郵便のダイレクトメールなら、発信する側に多大なコストがかかり、その一部が切手代などとして国に還元されるし、受け取る側も読みたくなければ、廃棄すればコストはかからない。一方、スパムメールは、発送する側はほとんどタダで発信できるのに対して、受け取る側が電話料金などの負担を強要されてしまう点が問題だ。

中には、電子メールでダイレクトメールを送り付けておきながら、問い合わせは電話のみ受付け、という業者もいる。電子メールアドレスを明記すれば、クレームが殺到して商売どころでない、とわかっているのだろう。いずれにしても、このようなスパムメールを送り付けてくる企業は「いかがわしい」という印象を持たれてしまうことは避けられない。

スパムメールが違法という認識は広がっているものの、どこまでをスパムと認定するか、線引きについては意見が分かれている。例えば、個人名を記載して、「何々様だけに特別にお知らせします」という内容の電子メールであれば、電子メールアドレスをどこで入手したかは別にして、それを一律「スパム」と決め付けるのは問題がある。

しかしながら、商売をする側にとってみれば、合法かどうかはさほど大きな問題ではない。重要なのは、そのような営業メールを迷惑と感じ、発信主の業者を「いかがわしい」と思っている人が大半を占める、という事実である。

低コストでできる宣伝だと、スパムを送り付けるような営業を続けていては、サイトの信用は生まれないだろう。また、いろいろなコミュニティで、「あのショップはスパムを送り付けてくる、とんでもない連中だ」と陰口をたたかれる可能性も高くなる。

確かに、確率の問題で、1万通のスパムを送り付ければ、直後に2人や3人から注文が舞い込むかもしれない。しかし、その裏で大きな不評を買ってしまったことを忘れてはならない。
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 ◎初出:2003年3月3日
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「Webマスター入門」(48)

第48回・ニュースグループとメーリングリスト

ニュースグループとメーリングリストの最大の特徴を一言で表すなら、「専門性」という言葉がピッタリだろう。特定の分野に興味のある人、と明確にターゲットを絞れるならば、ニュースグループやメーリングリストの効果も大きい。

ニュースグループは公共の場、という性格が強いので、「ネチケット」と呼ばれるローカル・ルールを遵守しなくてはならない。とは言っても、守るのは常識的なことばかりである。

1、商用利用が許可されていないグループでは、商売の話は禁止。
2、グループのテーマとかけ離れた投稿をしない。
3、同じ内容の投稿を、多数のグループに投稿しない。
4、特定の人を攻撃、中傷するような内容は書かない。

などである。1の「商用利用」は、どこまでの範囲を指すかで解釈は分かれるが、厳密なグループでは、自分のホームページのURLを紹介することも「商用利用」とみなされる場合がある。いずれにせよ、PRのために唐突に投稿するのではなく、関連のありそうなグループに参加して、その一員としてとけ込むことが必要だろう。

ニュースグループでもメーリングリストでも、理想を言えば、自分のビジネスの専門分野に関する質問に答える立場に立つことである。あまり、でしゃばらない程度に、みんなからの質問が出れば、丁寧に答える。そうすることで、ビジネスに関する相談や注文が、個人メールで入ってくるようになる。

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 ◎初出:2003年2月24日
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「Webマスター入門」(47)

第47回・オートレスポンダで資料請求を自動化

オートレスポンダとは、大げさに訳すと「自動返答システム」となる。実際は、アメリカではよく使われているインターネットビジネス用の「ローテク」ツールである。基本的な機能は、特定のアドレスにメールを送ると、あらかじめ用意された文面を差出人に自動的に送り返してくれること。電子メールで送れる資料であれば、オートレスポンダに登録しておくことによって、お客さまはいつでも自由にメールで資料を取り寄せることができるわけだ。

メールで送れる程度の資料であれば、ホームページに掲載する手もあるが、ホームページは、いわば誰でも見られる掲示板のようなものなので、多くの人に見てもらえる可能性がある反面、「誰が」見てくれたかはわからないのが弱点である。

その点、オートレスポンダで希望の資料を電子メールで自動配送する形にしておけば、資料請求者の「メールアドレス」が記録に残る。ここがオートレスポンダの最大のメリットである。わざわざ資料を請求してくださった方のリストだから、有望な見込み客として使うことができるのだ。

アメリカでは、電子メールとオートレスポンダの組み合わせだけで、つまりホームページを持たずにインターネットでビジネスをしている人も少なくない。例えば、オートレスポンダで請求できる資料を10種類くらい取り揃えて、関心のある人には詳しいレポートを無料でお送りします、という広告を電子メールマガジンなどに出す。後はオートレスポンダが資料請求者へのフォローを自動的にやってくれる。お客さまのニーズさえわかれば、後は「ワン・トゥ・ワン」のコミュニケーションで商談を進めていけばよい。

お客さまは一人一人違う。よって、ニーズも一人一人異なる。お客さまのニーズを聞いてから商品の提案や見積もりを行うコンサルティング・セールスが主流の業界も少なくない。そのようなケースでは、画一的な価格や条件をホームページで不特定多数に提示することは商売のマイナスになる場合もある。

ホームページに商品を掲載して、それを見に来てくれる人だけをあてにするより、電子メールとオートレスポンダの組み合わせの方が、むしろ積極的な営業活動と言える。

まず、資料や案内書の請求をすべて自動化してみよう。資料と言っても、ホームページに掲載しているコンテンツの一部でもいい。例えば、販売している商品の使用例やお客さまからの声をまとめた「読み物」など、商品に関心を持った人だけが読みたいと思うような内容ならグッドだ。用意できた資料の数だけオートレスポンダを用意する。そして、お客さまが欲しい資料をメールで自由に引き出せる仕組みを作っておくといい。

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 ◎初出:2003年2月17日
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「Webマスター入門」(46)

第46回・アンケートを実施する際の注意点

集客方法として、プレゼントやアンケートをホームページで実施するサイトが増えている。わずかなプレゼント予算で、千人単位のアクセスが見込めるプレゼント企画は、販促費用の予算があまり取れない小さなサイトにとっては、欠かすことのできない販促手段である。しかし、ホームページでプレゼントを実施するのにもルールが存在する。

実例として、回答者から大いに顰蹙を買った例をあげてみよう。

(ケース1)PHSや携帯電話が全員に当るプレゼント

「高級パソコン1名様、PHS10名様」という触れ込みにもかかわらず、応募すると必ず「PHSが当選しました」という返事がくる。そう、最初からPHSをタダで配るのが目的だったのだ。

(ケース2)書かれていない賞品が当るプレゼント

リゾート宿泊券がペアで当る、とだけしか書かれていないプレゼントに応募すると、「おめでとうございます。2等のリゾート宿泊優待券(割引券)が当りました」という連絡が来る。これもケース1と同様、割引券を配る目的で行われたプレゼントだ。

(ケース3)メールマガジンの購読を強要されるプレゼント

プレゼントには、応募の条件がつくこともある。「無料会員登録者を対象に」ときっちりうたっているプレゼントは問題ないが、中には応募者の同意を取らずに、勝手に会員登録をして、定期発行のメールマガジンを一方的に送り付ける業者もいる。メールアドレスがわかったから、できるだけ多くの人にメールマガジンを送りたい気持ちはわからないでもないが、逆効果であることに気が付いていない。

また、商品の購買を伴う「クローズド」懸賞は、販売する商品の価格によって賞品が制限されるなど「景品法」に抵触していないかどうかに注意する必要がある。

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 ◎初出:2003年2月10日
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「Webマスター入門」(45)

第45回・プレゼント情報サイトに登録する方法

インターネットアンケートのPRは、はっきりとした2本柱がある。一つは、「プレゼント情報サイトへの登録」、もう一つは電子媒体に対する「プレスリリース」、この2つである。

インターネット上でプレゼント情報を提供しているサイトは、有名なものだけで50以上ある。もちろん、情報を登録するのは無料。各サイトのトップページから入れば、登録のページが用意されている。しかしながら、50以上ものサイトを次々訪問して、微妙に違う登録フォームに一つ一つ記入していくのは大変な手間である。

そこで、お勧めしたいのが、プレゼント情報サイト一括登録サービスである。ここから、主要プレゼント情報サイトに一括登録できるのである。しかも、無料のコースもある。あらかじめ100字から200字以内に、アンケートの趣旨やプレゼントの内容、主催者の社名などをまとめておこう。慣れれば、15分程度で登録が完了する。

プレゼント情報サイトの中には、伝言板の書き込みのように、その場でページにアップしてもらえるものもあるが、たいていは、担当者が内容をチェックしてからサイトにアップされる。とはいえ、このサイトで登録を完了したわずか10分後に最初の回答が寄せられることがあるので、登録するまでにアンケートページをアップして作動テストを終了しておかなければならない。

あるプレゼント情報サイト一括登録サービスの登録フォームでは、種類を次のように分類している。アンケート、クイズ、コンテスト、無料会員登録、ゲーム、クローズド、簡単なフォームの7つである。簡単なフォームとは、回答項目5問以下の「申し込むだけ」のプレゼントを指す。クローズドは、商品の購入を伴うものであったり、参加費用がかかるものと定義されている。

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 ◎初出:2003年2月3日
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「Webマスター入門」(44)

第44回・アンケートを実施する目的を明確に

正直なところ、インターネット上のアンケートは、「なんとなく」実施されているものが多いように見受けられる。

例を一つあげてみよう。個人商店が運営するバーチャルショップの中にアンケートコーナーを設け、毎月、プレゼントの抽選を行っているサイトがある。プレゼントの賞品は、そこで売られている物だけ。応募資格は、「ホームページに対する感想を記入すること」である。狙いはわからないでもない。おそらく、新規客を集めることと、ホームページに対する「評価」を得ることの2つだろう。この2つが同時に達成できるのなら、確かに主催者にとっては魅力がある。取り扱い商品をプレゼントすることで、モニター的な効果も期待でできるかもしれない。皮肉な言い方かもしれないが、このパターンで回答者が殺到するなら、今のやり方を継続されることをお勧めしたい。このやり方で満足な結果を得ているところは希であろう。なぜなら、アンケートの目的が非常にあいまいだからである。

ホームページの感想を聞きたいのか、取り扱い商品を廉価で試用してくれるモニターを集めたいのか、常連客へのサービスなのか、それとも新規の見込み客を開拓したいのか、それがはっきりしない。

新規客を広く開拓するなら、できるだけ多くの人にアクセスしてもらうことに主眼が置かれるので、取り扱い商品を「賞品」にするのは必ずしもプラスとは言えない。(取り扱い商品が特殊なものであり、その購買層がはっきり限定されている場合は、見込み客の絞り込みとして有効なこともありうる。)

プレゼント目当てで応募する人がアクセスした時、自分のサイトが何を販売していて、何の目的でアンケートを実施しているのか、明確にアピールしなければならない。上手にアピールできていれば、わざわざ賞品を「自社商品」にしなくても、回答の際に取り扱い商品に関する情報を見てもらえる。

インターネットでアンケートを実施するなら、まず、目的を明確に決めること。考え方として、切り口は2つあるだろう。一つは、あなたの会社が、インターネットビジネスをすでに展開しているかどうか。もう一つは、消費者ニーズの把握に徹するのか、見込み客の獲得が目標なのか。別の言い方をすれば、「調査」なのか、「販促」なのか、ということである。これらのことが整理できれば、おのずとアンケートの「形」が決まってくる。

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 ◎初出:2003年1月27日
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「Webマスター入門」(43)

第43回・インターネットアンケートの種類

まず、「インターネットアンケート」の定義であるが、ごく単純に「インターネットを使って参加できるアンケート」と広く定義しておきたい。

インターネットでアンケートを実施する「手段」としては、主に次の3つが考えられる。

1、電子メールを使ったアンケート
2、専用BBSを使ったアンケート
3、ホームページを使ったアンケート

2のBBSを使ったアンケートとは、以前からニフティサーブなどのパソコン通信で行われてきたアンケートであり、必ずしもインターネットを経由する必要がないので、厳密にはインターネットアンケートには属さないとの意見もあるが、一方でインターネット経由でログインできることから、インターネットアンケートの一種と形と考える方が妥当であろう。

1の電子メールを使ったアンケートも同様である。インターネットがそれほど普及していなかった段階から、パソコン通信内では、電子メールを使ったアンケートは行われてきた。今は、インターネットユーザであり、自分の電子メールアドレスさえあれば、この種のアンケートにインターネット経由で参加できるようになっている。

ホームページは、不特定多数に情報を発信する形態であることから、3のホームページを使ったアンケートは、「広く不特定多数を対象としたアンケート」と特徴づけることができる。いわば、「オープン」形式のアンケートである。

一方、1や2は、登録済みの会員やモニターを対象に実施される「クローズド」なアンケートで多用されるのが特徴である。こう考えると、インターネットアンケートは、

1、電子メールやBBSを使った「クローズド」アンケート
2、ホームページを使った「オープン」アンケート

の2つに大きく分類することができる。

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 ◎初出:2003年1月20日
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「Webマスター入門」(42)

第42回・インターネットアンケート実施のメリット

最近、インターネットで懸賞付きのアンケートを実施するサイトが増えている。インターネットアンケートが急増している理由は、一言で表現すると、コストパフォーマンスのいい集客方法であることが認識され始めたからである。インターネットでアンケートを実施すると、2週間で3000から5000くらいの回答が集まる。つまり、それだけの人数を自分のサイトに誘導することができるわけだ。

もちろん、賞品が抽選で当たるということがアクセスしてくれる直接の動機になっているので、アクセスしてくれた人すべてが見込み客になるわけではない。それでも短期間に千人単位の人をサイトに誘導できる効果は大きい。しかも、アンケートのやり方さえ習得すれば、1回のアンケートに必要なコストは、提供する賞品だけ。1回のアンケートで2、3万円の予算でできてしまう。3万円の販促予算で、3000人をサイトに誘導する方法は、アンケートを除けばおそらく存在しないだろう。つまり、抜群にコストパフォーマンスがいいのである。

しかも、アンケートなので、将来見込み客になるかもしれない人たちの生の声を集めることができる。郵送のアンケートと異なり、インターネットで回収したアンケートは、回収した時点でデジタル化されているので、集計や加工が簡単だ。データベース化した後に、一人一人に違った文面のフォローメールを送ることも可能になる。インターネットアンケートは、消費者の声を聞くという本来の目的はもちろん、見込み客を効率的に集めるマーケティング手段としても有効であり、まさに一石二鳥なのである。

なお、インターネットアンケートは「ローテク」で十分である。本格的なデータベースマーケティングを実施するなら話は別だが、通常のインターネットアンケートを実施するだけなら特別な設備や技術は必要ない。すでにインターネット接続ができていて、ホームページを立ち上げている企業にとっては、追加コストはほとんどゼロと考えてもらってよい。

誤解のないように説明しておくが、高性能の設備や、専門の集計ソフトウェアなどはあれば便利である。だが、かなりのコストがかかってしまう。すでにそういう設備、資源をお持ちの方はそれをフル活用していただければよい。

インターネットにおける販促手段としては、バナー広告などのインターネット広告も有力な手段であるが、ウェブマスターとしては、インターネットアンケートを積極的に実施することをおすすめしたい。

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 ◎初出:2003年1月14日
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「Webマスター入門」(41)

第41回・アフィリエイト・プログラム

アメリカにおいて、有力なインターネット・マーケティング手法として定着しつつあるのが、アフィリエイト・プログラムである。アフィリエイトとは、「提携」という意味である。

アフィリエイト・プログラムとは、現実の世界にたとえるなら、「お友達紹介システム」とでも表現すればいいだろうか。具体的には、オンライン販売を行う企業が、ホームページを開いている個人や企業(アフィリエイト)に横長の画像広告(バナー広告)を貼り付けてもらう。つまり、「お友達」向けの入り口を作ってもらうわけだ。そして、首尾よくお友達がバーチャルショップに入ってきて、お買い物をしてくれれば、購入金額の一部をお礼としてキックバックしてくれる仕組みになっている。アフィリエイト・プログラムとして有名なのは、書籍販売のアマゾン社の「アソシエイト・プログラム」だろう。入り口を経由して購入に至った場合、合計金額の5%から15%がキックバックされる。

なぜ、これほどアフィリエイト・プログラムが短期間のうちに普及したのであろうか?第一に理由としてあげられるのは、アマゾン社の成功である。現在大赤字の同社を「成功」と表現するのには異論もあろうが、年商ベースで20億ドルの売上をわずか数年で実現できた成長性は大いに評価してもいいだろう。アフィリエイト・プログラムでは、通常、売上の5%から10%をキックバックするシステムになっている。例えば、客単価100ドルとして10%なら10ドルということになる。それでもアフィリエイト・プログラムを導入する企業が後を絶たないのは、売上の10%程度のコミッションで新規のお客さまがゲットできることに、大きな魅力を感じているからだ。

実は、インターネットで新規顧客を獲得するコストは、思ったより高くついている。業態にもよるが、1人獲得のために20ドルから40ドルかかっている。なぜ、こんなにコストがかかるのかと言えば、有名ポータルサイトのバナー広告料金は高止まりしたままなのに、クリック率は大きく低下しているからだ。費用対効果に優れ、露出回数も確保できる販促手段はないだろうか。そこでひねり出された秘策がアフィリエイト・プログラムなのだ。

アフィリエイト・プログラムの基本は、加入したサイトに無料でバナー広告を表示することである。バナーを表示しただけでは、一切報酬は支払われない。実際に、買い物をして初めて、コミッションがキックバックされる仕組みだ。

つまり、成功報酬ベースで、単価100ドルでキックバック率10%としても、わずか10ドルで新規顧客が獲得できるし、提携サイトの数が増えれば、累計のバナー表示回数も膨大になる。販促費用を押さえ、かつ無料で表示されるバナー広告でブランド認知効果も期待できる。まさに、一石二鳥の方法なのである。

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 ◎初出:2003年1月6日
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「Webマスター入門」(40)

第40回・インターネット広告の種類

インターネット広告には、「バナー広告」にもいろいろな形態がある。中でも、最近急速に勢力を伸ばしつつあるのが、「スポンサーシップ」と「インタースティシャル」という形態である。

スポンサーシップは、ウェブ全体を広告にする手法で、紙媒体のペイド・パブリシティのようなものとイメージしてもらえればよい。全面広告とも呼ばれるが、要は、バナー広告が、あくまでもウェブに挿入された「孤立したスペース」であるのに対して、スポンサーシップは、広告をコンテンツの一部として関連性を持たせたことに特徴がある。

現在は、バナー広告の割合が過半数を占めているが、5年後にはバナー広告の割合はグンと下がって3割程度になると予測する向きもある。バナー広告に代わって、過半数の勢力を占めるのが、前述のスポンサーシップと見られている。バナー広告の比率が下がりつつあるのは、いくつかの理由があるからだ。その一つは、バナー広告の効果が下がっていることがあげられる。

広告を単純に露出回数でカウントする場合、1000人に対して露出されるコストを意味するCPMが使われることが多い。現在、バナー広告の平均的なCPMは30ドル弱で、この数字は年々下がってきている。

CPMが下がっているということは、スポンサーにとって朗報かといえば、必ずしも話は簡単でない。バナー広告の場合、見てもらっただけでは効果があったとは判断できない。スポンサーは、興味のある人にバナーをクリックしてもらい、スポンサーのウェブに掲載された商品の情報を閲覧してもらうことを期待するだろう。バナーをクリックして、スポンサーのウェブに誘導された人の割合が「クリック率」と呼ばれる指標である。

現在、平均的なクリック率は 0.1% から 1% と言われている。例えば、クリック率が1%なら、バナーを1000回露出しても、ウェブに来てくれるのは、そのうちわずか10人ということになる。CPMが30ドルだとすると、30ドルで10人をウェブに誘導できたので、1人あたりのサイト誘導コストは3ドルということになる。もちろん、サイトに来てくれた人がすべてお客さまになるわけではない。アクセスしてくれた人の何割かが、資料請求などのアクションを起こし、さらにその何割かの人が、ようやく注文するのが現実だろう。と考えると、新規のお客さま獲得のコストは、かなり高くついてしまう。

「ウェブに誘導するだけ」のバナー広告がネットにおける最適な販促手段かどうか、という根本的な部分に焦点が当てられつつある。ネットビジネスを行うスポンサーの究極のニーズは、新規のお客さまを獲得することである。もちろん、購買などのトランザクションを伴って初めて、本当の「お客さま」になる。

スポンサーのニーズに応えるには、バナー広告だけでは十分でないのではないか?インターネット広告を提供する企業なら、真剣に取り組むべき課題である。そして、トランザクションに結びつきやすい広告を模索する流れとして、スポンサーシップの効果検証が進められているのが現状と言えるだろう。

もっとも、バナー広告はバナー広告で進化している。最近では、クッキーによって得られた行動履歴を参照して、閲覧者が興味を示す可能性の高いバナー広告を優先して表示するなど、クリック率を高める工夫が凝らされている。つまり、同じウェブを閲覧しても、見る人によって表示されるバナー広告は異なるのである。

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 ◎初出:2002年12月24日
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「Webマスター入門」(39)

第39回・リンクの交換は高級テクニック

ネットサーフィンをしていると、ホームページの中に、他のサイトへのリンク、というコーナーが目につく。これらは、一方的にリンクを張っている場合も多いが、最近では、お互いにリンクを張っているケースも増えてきている。そして、これがアクセス数を増やす有効な手なのである。

ただし、リンクを交換するというのは、言うのは簡単だが、実行するのは意外と難しい。ここで説明しているPR戦略の中では、高等テクニックの部類に入るだろう。

リンクの交換は、趣味のページなら、比較的簡単だ。同じ趣味を持つ人たちなら、よろこんでリンクを交換してくれるだろう。だが、ビジネスとなると、話はガラリと変わってくる。まして、同業者にリンクの交換を提案するのは、無理と考えた方がいいだろう。相手のお客様を「くれ」と言っているようなもの。もちろん、リンクを交換することで、相手に大きなメリットがあれば別だが、同業者というのは対象外と考えた方が無難である。

では、どこを狙うかと言えば、周辺産業というか、関連産業である。一例では、日本の浮世絵を扱うのであれば、現代美術の画廊とか、西洋のアンティーク・ショップ、あるいは、コインや切手商などが対象になるだろう。

ただし、ホームページを立ちあげた直後では、リンクの交換は提案しずらい。なぜなら、相手にはわからないかもしれないが、こちらのアクセス数はまだ少なく、よって、相手から入ってきてくれる人は期待できるが、こちらから相手に行く人が少ないから、相手にリンクを交換するメリットが少ない。ある程度、実績を積んで、アクセス数のログを提示できるくらいになってから、リンクの交換を提案するほうが、成功する可能性が高い。やはり、何事も、実績と継続が大切なのだ。

注意したいのは、友人が運営しているサイトに「友情リンク」を張る場合は、これらのリンクとは別に扱いたい。張っているリンクに整合性がなければ、アクセスしてくれたお客様には、「お金もらってリンク張っているの?」と広告と同じように見られてしまう。あくまでも、お客様に「関連するサイトの情報」を提供する、という姿勢がなくては支持を得られないだろう。

有効な相互リンク集をプロデュースするのも、ウェブマスターの腕の見せ所だ。

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 ◎初出:2002年12月16日
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「Webマスター入門」(38)

第38回・プレスリリースの上手な活用方法

ネットビジネスをスタートする際に、プレスリリースをマスコミに送らない手はない。もちろん、これには事前のお膳立てが必要になる。お膳立てといっても、費用がかさむわけではない。効果的なプレスリリースを書く、これがすべてである。

プレスリリースとは、簡単にいうと、「記事のモトになる原稿」と考えればよい。記者が、スムーズに記事を書けるように、発表したいことを的確にまとめることが重要である。発表する内容にもよるが、プレスリリース自体は、せいぜい2、3枚の用紙にワープロで打ったものが多い。

ネットビジネスに関する記事は、たいていは経済部(新聞社によっては、政経部という部署がある)の管轄になるが、とにかく彼らは忙しい。だから、小難しい技術的な特徴を延々と説明するのは逆効果。手短にあっさりと、要所を網羅しておくのが理想である。

できあがったプレスリリースは、マスコミあてに郵送する。FAXで送る手もあるが、特に知り合いの記者がいない場合は、まずは郵送する方がいいだろう。ここでも、少々手間がかかるが、効果が上がるセオリーというものがある。

まず、発送予定先に電話をかけて、担当者の名前を確認する。インターネットでこんな斬新なビジネスを始めました、と簡単に説明をしてから、「ついては、プレスリリースを送らせて頂きたいのですが、どちら様あてに送らせて頂けばよろしいでしょうか?」と聞けば、通常、担当者の名前を教えてくれる。この種の応対には慣れているので、受付の女性であっても、キチンと教えてくれるはずだ。運がよければ、その場で担当者につないでもらえる。そんな時は、相手の仕事のことも考えて、手短に切り上げた方が、好印象が残る。後日、「先日は、電話で失礼しました。近くに参りましたから、ご挨拶に寄らせて頂きました」と、お礼に出向けばさらに効果的である。

しかし、いかにテクニックを駆使しても、プレスリリースの出来が悪ければ、無視される運命にある。簡単な誤字・脱字は致命傷になる可能性もあるし、第一、記者本人が気を悪くするだろう。そうなったら、取材どころではなく、後でいくらフォローしても、冷たくあしらわれるだけ、という寂しい結果に終わってしまう。

よいプレスリリースを書くにはどうすればいいのか?確実に言えるのは、プレスリリースは、営業用のパンフレットではない、ということだ。自社の商品やサービスの特徴を説明することは必要だが、「宣伝」になってはいけない。あくまで、ニュースのネタとして、事実を客観的に表現しなくてはならない。

あと、経済関係のニュースであるから、売上目標、利益目標などの数字をきっちりと出したい。もちろん、目標であるから、どうにでも書こうと思えば書けるのだが、経済部の記者から見れば、ハッタリはすぐに見破られる。あまりにも控えめな目標は、かえって記事としての価値を下げてしまうが、記者に対する誠実さも必要になるだろう。

いいプレスリリースを書く練習とすれば、新聞の経済欄の記事を書き写してみることである。どのような流れで、どのような焦点で記事が書かれているか、記者の視点=読者の視点が見えてくる。新聞記事にそのまま使えるようなプレスリリースを書ければ、それに越したことはないが、最初から完璧なリリースを書こうとむきになることもないだろう。ただし、理想的なプレスリリースとは、それを読むだけで、記者がきちんとした記事を書けるリリースであることを頭に入れておいて欲しい。

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 ◎初出:2002年12月9日
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「Webマスター入門」(37)

第37回・サーチエンジンの重要性

インターネットには、欲しい情報をキーワードで検索できる便利なサイトがいくつか存在する。これらのサイトは「サーチエンジン」と呼ばれているが、たとえるなら、インターネットの「職業別電話帳」といったところだろうか。

人気のあるサーチエンジンでは、1日に100万件を超える検索要求がある。つまり、サーチエンジンに登録しておけば、検索結果を見て、サイトの存在を知った人からのアクセスが期待できる。しかも、嬉しいことに、情報を登録するのは無料。ウェブマスターとしては、こんなにいいPR媒体を利用しない手はない。

サーチエンジンに登録するには、各サーチエンジンのホームページから、「情報を登録する」というページに進み、自分のサイトの特徴やアドレスなどを記入する。だいたい2週間前後でサーチエンジンに登録が完了することが多いようだ。

サーチエンジンの中でPR効果が一番高いと言われる「ヤフー」の場合、登録を申請しても、必ずスタッフが一度ホームページをチェックして、登録する価値があるかどうかの審査することになっている。未完成の状態であわてて申請すると、却下される危険性も高くなる。申請から登録に少々時間がかかるので、早めに申請したい、という気持ちはわかるが、ホームページが完成してからサーチエンジンに登録を申請した方がいいだろう。

サーチエンジンがアクセス増加にどれだけ影響するかは、アクセスログで検証できる。すでに書いたように、ブラウザに記録されている一つ前のページのアドレス(URL)がすべてログに残る。よって、サーチエンジンで検索して、その検索結果のページからジャンプしてきてくれた人が何人、と正確に把握できるのだ。

ログを分析することで、どのサーチエンジンで、何というキーワードで検索した人がアクセスしてくれる確率が高いかが判明する。そのデータをもとに、どのようなキーワードでPRするのが一番効果的か、という戦略を立てることができるのである。

問題は、サーチエンジンに登録される際の「順位」。サーチエンジンを利用したことがある人は、何とか自分のサイトを、検索結果の上位、できれば1ページ目に表示されるトップ10位以内に表示させたいと考えるだろう。せっかくサーチエンジンに登録されても、100位以下では見てくれる人がほとんどいないと推測されるからだ。

サーチエンジンで上位にランクされるためには、いくつかの条件がある。逆に、その条件を満たしたページを作れば、上位にランクされて、サーチエンジン経由でアクセスする人が増えることが期待できるのだ。

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 ◎初出:2002年12月2日
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「Webマスター入門」(36)

第36回・なぜアクセスが増えないのか

バーチャルショップを開店した直後に、注文が殺到することは希である。むしろ、注文はおろか、問い合わせも来ないということの方が多いのが実状だろう。ただし、反応がないからといって、販売している商品やサービスにニーズがない、と判断してしまうのは時期尚早である。スタート直後に注文が来ないのは、商品に魅力がないのではなく、単にPR不足でアクセス数が少ない場合がほとんどなのだ。

たとえて言うなら、お店を開店したのに、誰も店の中に入ってきて、売っている商品を手にとって見てくれていない状態と言える。ホームページだけ立ち上げて、後はお客さまが来るのを待っているだけではウェブマスターとしては失格である。ショップの存在を広く知ってもらうように努力をしなければ、商売人とは言えない。

「じゃ、オンラインショップの宣伝をすればいいのですね」と考える人もいるだろう。確かに宣伝には違いないが、「インターネットを利用している人が、バーチャルショップの存在に気付いてアクセスしてくれるような宣伝」をしなければ意味がない。言うまでもないが、インターネットを利用しているかどうかわからない人に向けて、多大なコストをかけて広告を打つのは効率が悪い。

ここでいうPR方法とは、インターネットの中で、コストをかけずに、しかもインターネットユーザに直接、情報を伝える手段のことである。日経BP社のアンケートの結果を一部引用させていただこう。ここに掲げるアンケート結果は約50問ある質問の中の一つである。

(質問)あなたは、見たいホームページを主にどうやって見つけますか?

(回答)
第1位:サーチエンジンで検索する   55.99%
第2位:メールニュースで情報を得る  20.77%
第3位:新聞・雑誌などの記事     12.98%
第4位:リンクをたどる         4.75%

上位4つで90%以上を占めている。上の4つの方法で自分のバーチャルショップのPRをすれば、効果が高いということを意味する。

つまり、ウエブマスターとしてやるべきことは、(1)サーチエンジンにオンラインショップのURLを登録する、(2)メールニュースに記事を投稿する、(3)同様に新聞や雑誌に紹介されるようにプレスリリースを発送する、(4)できるだけ多くのサイトからリンクを張ってもらう、の4点であることがわかるだろう。

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 ◎初出:2002年11月25日
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「Webマスター入門」(35)

第35回・アクセスログで何がわかるか

インターネットのサーバは、完全に「オンデマンド」の情報発信しか行わないので、どの場所から、どのファイルを送れという要求が届いたかをすべて記録することができる。これが、アクセスログと呼ばれるデータである。

インターネットというものは、対等なホスト同士の通信が基本。サーバも一つのホストなら、サーバに要求を出す側も一つのホストとみなされる。わずかなアドレスを入力するだけで特定のサーバに接続できるのは、インターネットに接続するすべてのホストをIPアドレスで一元的に管理できているためである。つまり、インターネット参加者は、すべて固有のIPアドレスという身分証明書を持っているのである。

アクセスした人の身分証明書のデータが、その都度、サーバに残る。これがアクセス元のドメイン情報である。プロバイダからはランダムでIPアドレスが振り当てられるので、個人は特定できないが、どのプロバイダを経由してアクセスされたかについては、きっちりデータとして残る。専用線を引いている企業からのアクセスでは、企業まで特定することができる。まとめると、「どのIPアドレスから、どこのホームページを経由して、どのページにのべ何回のアクセスがあったか」、これがアクセスログで「わかること」である。

しかし、サーバが記録として残すのは「生ログ」であって、膨大なデータが羅列されているにすぎない。この生ログから必要な部分を抽出してサーバ管理者が見やすいように集計してくれるのが、アクセスログ集計ソフトである。アクセスログ集計ソフトはサーバに組み込まれて、アウトプットをブラウザでいつでも好きな時に見ることができるようになっているのが一般的である。

アクセスログ集計ソフトには、いろいろな種類があるが、筆者のサーバで使用しているものはAnalog というフリーウェアである。グラフ化などの機能はないが、シンプルで見やすく、UNIX用のアクセスログ集計ソフトでは屈指のシェアを誇っている。

設定によっては、アクセスした人のドメイン名(IPアドレスから逆引き)のデータを残すこともできるが、逆引きはサーバに負担がかかる上、ログの容量も大きくなるので、特に必要のない限り取っていない。ドメイン名をみると、だいたい国名が推測できるので、英語のサイトを運営する場合、どの国や地域からアクセスがあったかを知りたい場合などは有効かもしれない。

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 ◎初出:2002年11月18日
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「Webマスター入門」(34)

第34回・CGIの仕組み

CGIは一種のプログラムで、通常、Cや Perl などで書かれている。CGIは、サーバに置かれるが、外部からアップロードしただけでは起動しない。使用できるよう、そのサーバで指定された「許可チャンネル」に合わせる。これを「パーミッションを変更する」と言う。もちろん、その作業は管理者がパスワードを使ってサーバにログインしないとできない。

CGIが開放されている、ということは、自作のCGIをアップロードして、パーミッションを変更して、使えるようにしてもかまわない、という意味である。CGI作成の支援ツールとして、「Perl Builder」などが知られているが、正直なところCGIを一から自分で書くには、プログラマとしての勉強が必要になる。ただ、「Perl Builder」はウィンドウズ上でCGIを快適に書くことを可能にしたツールなので、CGIをカスタマイズする環境はかなり整ってきた。オリジナルCGIを開発するコストも下がるだろう。

ここでは、オリジナルを作るのではなく、汎用CGIをカスタマイズして使うことで話を進める。これらの汎用CGIは、サーバをレンタルしているプロバイダが用意してくれているケースも多いし、インターネットでもFTPサーバから無料でダウンロードできる。とは言っても、どのようなCGIがあって、どんなことができるのかは一通り押さえておいた方がいいだろう。インターネットビジネスに関係の深いものをリストアップしてみた。

メールCGI
アンケート集計CGI
アクセスコントロールCGI
データベース連携CGI

1のメールCGIは、入力されたデータを、アンケート主催者のアドレスに電子メールの形でその都度送る機能をもっている。

2は、入力されたデータを読み取って、サーバの簡易データベースに取り込む機能を持つ。この場合、ウェブマスターは時期を見て、サーバ内で膨らんだデータファイルをダウンロードして、集計ソフトなどにデータをインポートすることになる。よく使われるのが、CSVというコンマ区切りの形で蓄積されたファイル形式である。CSVファイルであれば、主な表計算ソフトや集計ソフトに簡単にインポートできる。

3のアクセスコントロールとは、特定のページにアクセスするのにパスワードの入力を要求し、正しいパスワードが確認できて初めて情報を表示する「制限」を設けること。会員専用のページを設けて、アクセスできる人を制限する時に使う。ちなみに、登録者にパスワードを自動的に発行するCGIもある。

4は、あらかじめサーバに用意されたデータベースの情報を参照するCGI。典型的な使われかたは、在庫管理のデータベースと連携させて、ウェブで注文のあった商品の在庫があるかどうかを、その場でチェックするような場合である。

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 ◎初出:2002年11月11日
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「Webマスター入門」(33)

第33回・ジャンクメーラーやメール爆弾への対応

今、インターネットで問題になっていることの一つがSMTPサーバ(発信専用メールサーバ)のただ乗り(リレー)である。

企業が運営するSMTPサーバには、ファイアウォールなどで守られていない場合、誰でも自由にアクセスして、そこからメールを発信することができる。最近では、POPサーバにログインした後の一定時間しかSMTPサーバを利用できないという規制を設けるプロバイダが増えた。POPサーバにログインするには、パスワードが必要だ。よって、POPサーバのログインに成功した人なら、正式な契約者と判断できる。

インターネットで広く配布されているジャンクメール発信ソフトを利用すれば、その仕組みが一発でわかる。これらのジャンクメールソフトは、インターネットに接続したのち、複数のSMTPサーバに同時に接続して、ひたすらジャンクメールを発信するようにプログラムされている。ジャンクメールソフトの中には、同時に最高8つのSMTPサーバにアクセスして、1時間あたり最高10万通のジャンクメールを発信できる機能を売りモノにしているのもある。

だが、ジャンクメーラーにこれをやられると、SMTPサーバを勝手に使われた企業はたまらない。一度に何万通というメールを処理しないといけないから、当然サーバのパフォーマンスは極度に低下。あるいは、サーバが負荷に耐えられずダウンすることも少なくない。また、彼らが使用するメールアドレスのリストは、精度が低く、極端な話、半分近く「受取人不明」で戻ってくる。当然、何万通という「エラーメール」も発信元のメールサーバに戻される。往復でサーバに負担がかかるわけだ。

さらに、ジャンクメール受取人には、「発信元のIPアドレス」としてトレースされてしまうので、抗議のメールが殺到する。ホームページにアクセスしてくるお客さまにはサーバの反応が悪くなったと叱られ、見知らぬ人から抗議のメールが殺到するのだから、踏んだり蹴ったりである。

話はちょっと変わるが、一サイト運営者がジャンクメーラー被害を受けた話にも触れておこう。あるアメリカのジャンクメーラーが、勝手に実在する日本企業のアドレスを「発信者」と「エラーメール戻り先」に使ってしまった。するとどうなったか。ある日突然、1時間のうちに1万通を超えるエラーメールが、その日本企業のメールボックスになだれ込んで来たのである。

このケースでは、その日本企業のSMTPサーバがリレーされたわけではないし、単にジャンクメールの「発信者」アドレスに使われただけなので、事前に察知することもできず、防ぎようがない。急遽、メールサーバにフィルターを設置して、なだれ込んでくるエラーメールはシャットアウトしたが、この事件はいつ、誰に起きても不思議ではない。

ウェブマスターは、このような事態が起きても、冷静に対処できるだけの準備はしておかなくてはならない。

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 ◎初出:2002年11月5日
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「Webマスター入門」(32)

第32回・個人情報の漏洩は致命傷

ウェブサイトを運営していくと、おのずとお客さまのリストができてくる。さらに、顧客管理によって、過去の購買情報のデータなどが蓄積され、非常に貴重な個人情報データベースとなる。当然ながら、これら個人情報の取り扱いには、最新の注意が必要になる。

顧客リストを転売するなどは論外だが、ちょっとした不注意で個人情報が漏洩してしまう可能性がある。

例えば、プレゼントやアンケートを実施する際、集まった回答をサーバに蓄積する方法が取られることが多いが、保存する場所を間違うと、データがそっくりブラウザから覗き見されてしまう危険性がある。事実、ある出版社が書籍購買者のデータをうっかりブラウザから除ける場所に放置していたため、外部からアクセスされてしまい新聞に記事として報道され、大問題になったことがあるなど、いくつかの個人情報漏洩事件が報告されている。大半は、サーバ管理者のうっかりミスで起きている。

また、よくあるのが、顧客リストにメールマガジンなどを一斉配信する際に、誤って「宛先」欄に、顧客リストを羅列してしまうことだ。これをやってしまうと、受け取った人には、他の受取人のメールアドレスが全部見えてしまい、結果として、顧客リストが流出したことになってしまう。

あってはならないことだが、万が一に個人情報を誤ってネットに流してしまった場合は、できるだけ早く正直に事実を公表したほうがいい。希にではあるが、トラブル対処の姿勢が評価されて、逆にお客さまから信頼を得たという例もある。

購買記録やアンケートの回答データなど、個人情報の取り扱いは、慎重の上に慎重を期すくらいの心構えで望みたい。

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 ◎初出:2002年10月28日
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「Webマスター入門」(31)

第31回・暗号化とSSL

ホームページ上で入力されたデータは、サーバに到達する間、いくつかのネットワークを経由する仕組みになっている。インターネットでの情報伝達は、ホームページで入力されようが、電子メールで送信されようが、第三者の所有するホストを経由する点では全く同じである。

インターネットで伝達される情報は、中身を覗かれる可能性があるので、クレジットカード情報を注文フォームに入力したり、電子メールで送るのは危険だ、とされている。それを解消する手段として、広く使われている技術は、送信中のデータを暗号化することだ。つまり、暗号化されたデータを誰かが覗き見しても、復号のためのキーがなければ、中身を読むことができない、というわけだ。

しかし、インターネットでクレジットカード情報を入力するお客さまにとって、もっと重要なことがある。それは、「相手が間違いなく、このバーチャルショップを運営している企業かどうか」ということである。

すでに古典的な事例になっているが、アメリカでは、有名なバーチャルモールをそっくりに真似て、お客さまからクレジットカード情報を入力してもらい、その情報を犯罪グループに売り渡していたという事件が発覚して、FBIが事件解決に乗り出したことがあった。ホームページのコンテンツは簡単にコピーできるし、ドメイン名も良く似たものなら登録できるということが悪用されたのだ。利用者は、てっきり実在する有名企業が運営しているものと思い込んで、安心してクレジットカード情報を入力してしまった。

そこで、現在では、第三者による認証を受けることでサイト運営企業に間違いないことを証明する「認証」と、前述の「データ暗号化」を組み合わせることで、お客さまの不安を取除くことが一般的になりつつある。これを実現するのが、SSLと呼ばれる技術である。

SSLを使って、第三者機関(ベリサインなどが有名)に認証を受けるには、独自サーバが必要となるので、レンタルサーバを前提に検討している中小企業には負担が大きいかもしれない。しかし、オンラインショッピングでクレジットカードや電子マネー決済を希望する場合、クレジットカード会社からは、SSLを導入することを条件につけてくることは確実である。今では、それだけSSLに対する信頼は高い、ということになる。

なお、第三者の認証は受けられないが、レンタルサーバでSSL機能を利用することもできる。この場合は、データが暗号化されて運営企業のサーバまで届く、というメリットしかないが、それでもお客さまの不安をやわらげる効果はある。

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 ◎初出:2002年10月21日
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「Webマスター入門」(30)

第30回・セキュリティをどこまで確保するか

LANをインターネットにつなげる際に、必ず問題になるのが、セキュリティの問題である。インターネットにつながるということは、インターネットにつながっている膨大な数のホストにつながっているのに等しい。当然、招かざる客が侵入を試みることもある。外部からの不正な侵入をシャットアウトするのが、一般に「ファイアウォール」と呼ばれている技術である。

レンタルサーバを借りる場合でも、プロバイダはそれなりのファイアウォールを構築しているから、そう簡単にはクラッカーと呼ばれる人たちに、内部を荒らされるということはない。

サーバから発信される情報というのは、基本的に、みんなに見てもらいたい情報、オープンになっている情報である。仮に、サーバの中味が荒らされて、ファイルを全部破壊されても、バックアップしていたファイルを再びアップロードすればよいだけのこと。

問題になるのは、個人情報や、パスワード情報などのデータベースをサーバ内に構築する場合である。例えば、会員制のバーチャルショップなどは注意が必要だ。登録料や会費は無料だが、中に入るのにIDとパスワードの入力を求められる。会員登録する際には、電子メールの形で情報が運営会社に届き、IDとパスワードの部分だけが、データベースとしてサーバの中に蓄積される。仮に、クラッカーが不正に侵入できれば、IDとパスワードのリストをコピーすることが可能になる。もっとも、もともと無料のサービスなので、経済的な被害は無いに等しいだろう。

ところが、IDとパスワードで買い物もできるシステムだと、話は極端にややこしくなる。IDとパスワードだけで、実際に商品が注文できてしまうからだ。商品によっては、クレジットカード会社に登録した住所にしか発送しません、という自衛手段も可能かもしれないが、ギフトなどは、買う人と受け取る人が違うことも多い。IDとパスワードが盗まれてしまうと、実質、クレジットカードの情報が盗まれたのと同じ被害がでる可能性がある。

残念ながら、インターネットでは、100%安全なファイアウォールというものはない。クラッカーとのいたちごっこが続いている。今後も、レベルを高めながら、続いていくだろう。

この問題は難しい。お客様のプライバシーは守らないといけないが、完璧なセキュリティを追求すると、コストが膨大にかさむ。自社のビジネスには、どの程度のセキュリティが最低必要なのか。自社のサーバには、どのようなデータベースを構築しないといけないのか。まず、そのあたりを十分に吟味することが大切である。

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 ◎初出:2002年10月15日
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「Webマスター入門」(29)

第29回・電子マネーの現状

オンラインショッピングを楽しむ人が着実に増えている背景には、手軽に利用できる電子決済システムが登場していることも無関係ではない。現在、インターネットで利用されている電子決済方法は様々だ。分類すると、次の4つのカテゴリーに分類できる。

(1)プリペイドカード型

あらかじめ支払った額の範囲内で買い物ができる。書店で実際にカードとして販売されているものもあれば、一般的に「電子マネー」と呼ばれるものまで形はいろいろ。しかし、あくまでも「財布」にかわるもの。財布にお金を先に入れておかないと、買い物はできない。主に、小額の決済に使われ、加盟店手数料も10から20%と非常に高い。

各地で実証実験が行われているICカード型の電子マネーも、インターネットなどで利用するには、まず使いたい金額を電子マネーに「換金」しておく必要があるので、電子決済の型としては、プリペード型に分類できる。

(2)クレジットカード介在型

クレジットカードの番号や有効期限などの情報をあらかじめ第三者機関に登録しておき、加盟店で買い物をする際は、その機関の発行してくれたIDとパスワードだけでOKという仕組み。仲介機関がカード会社とのやりとりを行い、加盟店には一切、会員のカード番号などの情報は渡らないので、利用者には安心感の大きな仕組みだ。ただ、クレジットカード会社に加えて、もう一社、中に介在する関係で、加盟店の手数料は10%程度とクレジットカードの手数料よりさらに高くなる。

(3)バーチャルクレジットカード型

インターネットで買い物をするためのバーチャルなクレジットカードを新たに発行するもの。カードというより、「与信」といった方がわかりやすいかもしれない。申し込み者の信用状態を調べて、10万円から50万円程度の「枠」を与える。利用金額は、クレジットカードと同じく、約1ヵ月後に銀行口座から引き落としになる。

(4)デビットカード型

キャッシュカードで買い物ができる、というのが「デビットカード」だが、それと同じ仕組みを主に都市銀行が中心になってインターネットでも使えるように実験中。口座の残高の範囲内で、自由に買い物ができ、しかも、決済は口座からその都度ダイレクトに引き落とされる。

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 ◎初出:2002年10月7日
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「Webマスター入門」(28)

第28回・電子決済を阻む要因

インターネット上での決済方法については、ハイテクと考えられているものから順番にあげると、ざっと次のような方法がある。

電子マネー
クレジットカード
代金引換便(キャッシュ・オン・デリバリー)
代金先払い(銀行振込、郵便振替など)
代金後払い

残念ながら、スタートしたばかりのバーチャルショップでは、なかなか電子マネーやクレジットカード決済は利用させてもらえない。カード会社や電子マネー会社の審査が厳しいからだ。

よって、実際は、3から5の決済方法を採用するサイトが圧倒的に多い。意外にも、バーチャルショップ側にリスクが大きいと思われる「代金後払い」を採用するところが増えている。データとして、未回収の割合がコストとして吸収できる範囲に収まっているようだ。クレジットカード決済の手数料が5%から7%なので、仮に3%が焦げ付いても、まだクレジットカードより実入りは大きいという計算も働いているのだろう。

ウェブマスターから見ると、焦げ付く心配のないクレジットカードや代金前払いを優先して検討したくなるが、それぞれの手段には一長一短があることを忘れてはならない。

取り扱い商品が、単価が比較的低く、換金性の乏しいものなら、代金後払いは十分に検討する価値がある。特に、コンビニ払いは、「後払い」でしかも、24時間好きな時に支払えるということで、最もお客さまに優しい決済方法だと言えるだろう。

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 ◎初出:2002年9月30日
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「Webマスター入門」(27)

第27回・著作権を守るために

ホームページの制作者として、注意を払わなければならないのは、著作権の問題である。インターネットのサーバから発信するとなると、情報が世界中を駆け巡ることになるので、著作権の問題でこじれると、大問題に発展しかねない。よくインターネットの中で問題視されるのが、キャラクターや肖像の無断使用である。一例では、日本のマンガのキャラクターを、勝手に自分のホームページに張り付けている人が多い。

このケースは、あきらかに著作権の侵害ではあるけれども、ほとんどが個人の趣味でやっていること、そして、彼らがマンガの人気を支えているファンの一員であることもあって、著作権者である日本の出版社やテレビ局、映画会社などは、今のところ、あまり問題にしていないようである。理由の一つは、それらの人気マンガのキャラクターは、すでにキャラクターとして広く認知されていて、誤認される可能性も低いからである。

ところが、これが無名のイラストレーターの作品であったり、写真家の作品であったりすれば、論点は全然違ってくる。インターネット上で公開される作品は、すべてデジタルだから、コピーや盗用が容易である。自分の作品が他人にコピーされて、悪意がある人が、「これは私の作品」と発表してしまうと、どっちが本当のオリジナルであるかを、第三者に証明するのは難しくなってしまう。

本来、著作権に関する国際的な条約「ベルヌ条約」では、すべての著作権は、著作物が創作された時点で発生する、という考え方に立っている。要は、著作者は、作品を作った時点で、何の届出や手続きも必要なく、著作権を有することになる。確かに、そうあるべきである。が、第三者から、「あなたの作品は、私の作品の盗作だ」と言われた場合、ややこしいことになる。

上のケースでは、争点になるのが、「いつ創作したか」という「時」を特定できるか、という点である。一方が、例えば2000年1月の時点で、作品を出版物の中に収録していた事実が残していたなら、他方は、それより前に、自分が作品を完成させていた、という証明を出さないと勝ち目はないだろう。

インターネットの場合、いつからホームページで公開していた、という事実は一種の証明になるかというと、必ずしもそうではない。第一、「いつから」を証明する証拠がない。奇特な人が、「確かにいついつホームページで見た」と証言してくれるかもしれないが、「間違いなく、この作品でしたか」と追求されれば、あやふやな証言にならざるをえないだろう。第一、ホームページで公表したところで、それほど多くの人の目に触れるわけではないし、ホームページに載せただけで、「すでに、これは私の作品として、発表済」と考えるのは早計だろう。

かと言って、ホームページで発表する作品が、次々盗用されて、無断で使われたのではたまらない。インターネットで、作品を公表しようという人はいなくなってしまうだろう。最近では、デジタルな著作物の権利を保護する技術が開発されつつある。

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 ◎初出:2002年9月24日
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「Webマスター入門」(26)

第26回・制作会社の選び方と外注コスト

ウェブマスターとして、社内の決定に基づき、ホームページを外注に出すケースも考えられる。特に、比較的規模の大きな会社の場合、会社としてのメンツもあって、見栄えのよいものをトップが望むこともあるし、あるいは、正社員の人件費を考えると、社内で試行錯誤を繰り返して時間をかけて作るより、高くても外部の制作会社にすべてまかせた方がトク、と割り切ることも少なくない。社内に、ホームページをサクサク作れる「即戦力」が見あたらないなら、新たに正社員として雇うのも大変だし、一から社員を養成するのも大変である。

もっとも、ホームページ制作とは一言でいっても、いろいろなパターンが考えられる。すでにコンセプトも原稿も出来あがっていて、後は、HTMLファイルにしたり、素材を動画や画像ファイルに変換したりする場合は、作業だけなので、それほど費用もかからない。むしろ、そこまで社内で作れるのなら、ホームページ完成まで社内でこなせるのではないかと思う。逆に、一番困るのが、何のコンセプトも目的も決まってなくて、単に、いつまでにホームページを開設してくれ、という依頼の場合である。このケースは、社内にウェブマスターがいないケースなので、まずは、社内でウェブマスターを指名して、鍛えなくてはならない。

再度、確認のために書くが、ウェブマスター=ホームページを作る人、ではない。もちろん、ウェブマスターがホームページのコンセプトをまとめなくてはならないが、実際に作るのは、ウェブマスター本人でもいいし、社内の別のセクションでもいいし、外部の制作会社でもよい。ただ、どのようなホームページにするのかを、直接指揮できる人がいないと、中味のないホームページになってしまう。それを指揮するのが、ウェブマスターである。

デザイン重視のホームページ制作を依頼する場合、正直、どこに何を依頼するのがよいか、ケース・バイ・ケースとしか言いようがない。制作会社によって、値段に大きな幅があるし、クオリティにも大きな幅がある。語弊があるかもしれないが、300万円かけて作った作品と100万円の予算内で作らせた作品では、一般の人は、見分けがつかないかもしれない。あるいは、コンテストをしたら、100万円の作品の方が、人気があるかもしれない。

それなら、3社くらいから相見積もりを取って、一番安いところに依頼した方がいい、と考えるのも一つであるし、単に、制作会社として有名なところに依頼するのも一つであろう。

制作コストが予想以上にかさむようなら、そこまでする必要があるのかを、原点に戻って冷静に考えることも重要であろう。制作コストをペイできる見込みがあるのか、それとも、会社の宣伝と割り切って、とにかくホームページを作りたいのか、極論すれば、ビジネスなのか、宣伝なのか、という点は、常に意識しておかなくてはならない。

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 ◎初出:2002年9月17日
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「Webマスター入門」(25)

第25回・社内制作か、アウトソーシングか?

新しい技術を導入したいと考えるなら、まず社内で制作することを検討するべきだが、無理と判断した場合、アウトソーシングということになる。社内のスタッフに研修を受けさせて、一から育てる、という手もないことはないが、スピードが重視されるインターネットにおいて、実践的ではない。

では、アウトソーシングする際に、どのような点に注意すればよいだろうか?どうせ多額の費用がかかるのなら、名前の通った、大手の制作会社の方が安心、と安易に結論を出す前に、今後のことも考えて、独自の外注ネットワークの構築を考えてみよう。

最近、「バーチャル・カンパニー」という形態が注目されている。恒久的施設を持たず、電子空間(サイバースペース)のみに存在する、営利追求組織という意味で、要するに、普段はそれぞれ別の仕事や研究に従事しているが、ネット上で同じプロジェクトに参画するチームのことである。

なぜ、バーチャル・カンパニーが注目されているかというと、在宅勤務を含め、一つの組織だけに縛られないという、これからのビジネス・スタイルを暗示していると考えられるからである。バーチャル・カンパニーを構成するスタッフは、国内に限らない。外国に住んでいるスタッフであっても、インターネットを介して共同作業に参加できる。一例では、高度な技術を駆使した、ホームページの制作がある。

最近ではJAVAやShockWave Flashなど、ホームページで使用できる表現方法は多彩になった。もちろん、その分、専門知識が要求される部分が多くなっているが、1社の制作会社に依頼すると、一部を外注に出すケースが増えてくるため、どうしても見積もりが高くなる。

その点、バーチャル・カンパニー形式で、制作に必要なスタッフをインターネットで組織化すれば、外注に出すのに比べて、驚くほど安いコストで制作することができる。なぜなら、参加しているスタッフにとっては、自宅でできる点や、本業の合間でできる点など、利点が多いので、金銭的な見返りが少なくても、十分にメリットがあるからである。特に、発展途上の国や地域の大学生などをうまく組織化できれば、面白い。

バーチャル・カンパニー形式で制作チームを組むといっても、特別な設備が必要になるわけではない。レンタルサーバを借りれば、それで準備は完了する。共同制作に携わるものには、IDとパスワードを発行して、自分のパーツの制作状況を、随時、サーバにFTPでアップロードする。他のメンバーは、手元のパソコンでインターネットにつなぎ、ブラウザで常に最新の状況を見ることができる。もちろん、ブラウズできるのは、パスワードを入力した人に限られるので、他に情報が漏れることもない。これなら、サーバのスペースは一つあればいいし、各スタッフが地元のプロバイダからインターネットにアクセスさえできれば、制作に参加できるから、コストもかからない。常に作品の進捗状況を、スタッフ全員が確認できるので、意志の疎通を欠くこともない。

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 ◎初出:2002年9月9日
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「Webマスター入門」(22)

第22回・ミラーサイトの必要性

最近、ミラーサイトという言葉を耳にするようになった。文字どおり、ミラー(鏡)のごとく、同じ内容を映し出してくれるサイトのことで、バックアップ用のサイトと考えればいいだろう。

ミラーサイトをわざわざ作る理由は、大きく2つある。一つは、アクセスが集中するのを緩和し、データの転送スピードを維持するため。例えば、あるソフトウェア開発企業のホームページでは、最新のデモ版を無料でダウンロードできるようにしているが、いつも混んでいて、なかなかアクセスできない。そこで、地域別にミラーサイトをいくつも設けていて、できるだけ近くのミラーサイトを利用するよう呼びかけている。

もう一つの理由は、何らかのトラブルでサーバがダウンした際の、応急使用のためである。このケースでは、トラフィックを分散するという意図は薄いから、ミラーサイトの利用をそれほど積極的にアピールしているわけではない。

サーバ自体に問題がなくても、上位のプロバイダがトラブルに見舞われると、そこから専用線を引いているところは全滅する。よって、バックアップが目的でミラーサイトを設けるなら、上位のプロバイダが全然別のところにしないと意味がない。レンタルサーバのスペースを維持するコストは、微々たるものである。レンタルサーバを2社と契約することも、それほど負担にならないだろう。

メインの方に、何らかの障害が発生したとしよう。間髪をいれずにミラーサイトのメーリングリストを使って、お客様に緊急案内を送る。正直にトラブル発生、と書く必要はない。「定期メンテナンスで、いつものサーバがしばらく使えませんので、しばらくはミラーサイトをご利用ください。なお、メンテナンスが終了しましたら、再びご連絡申し上げます」という文章に、ミラーサイトのURLを添えておく。この対応が素早くできれば、今のお客様に「トラブル発生」を悟られることもないだろう。

逆に、お客様からは、「メンテナンスを計画的に行っている、しっかりした会社だ」と評価が高まるかもしれない。お客様に頻繁にメーリングリストで宣伝を送っていたのでは、嫌われてしまうが、メンテナンスのお知らせという、告知ならすんなり受け入れられる。あまり目立たないように、この機会にしっかりと宣伝もしておこう。

このように、用意さえきちんとできていれば、トラブル発生を逆にお客様へのアピールのチャンスに変えることができる。正に、備えあれば憂いなし。

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 ◎初出:2002年8月19日
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「Webマスター入門」(21)

第21回・独自のドメイン名は必須アイテム

独自のドメイン名を持つことの意味を補足説明しておこう。インターネットの原理は、特定の通信規約(プロトコル)で結ばれたコンピュータのネットワークである。ネットワークにつながっているコンピュータは、それぞれが固有の番号を割り振られていて、この固有の番号(IPアドレス)を指定することで、そのコンピュータにアクセスできるようになっている。

つまり、IPアドレスは、インターネット上で唯一存在する、認識番号であり、その管理方法こそがインターネットの最大の特徴でもある。IPアドレスは、ピリオドに区切られた4つの数字(0-255)からなっている。ところが、数字の羅列であるので、打ち間違えの多発が予想される。そこで考えられたのが、ドメイン名というシステムであった。

ドメイン名は、いわばインターネット上の通称名で、一つのIPアドレスに対応している。本来は、自分のサーバにアクセスするには、数字の羅列であるIPアドレスを入力しなければならないのだが、IPアドレスの代わりに、登録した通称名を入力すれば、それに対応するIPアドレスに自動的に接続されるようにしたのである。

話を「レンタルサーバ」に戻すと、単なる「ホームページサービス」とどこが違うのか、を一言で表現するなら、自分専用のIPアドレスを割り当ててもらえるかどうか、の違いである。IPアドレスを割り当ててもらえば、それに対応したドメイン名を登録することができ、外からは、あたかも独立したマシンのように認識してもらえる。インターネットの基本は、IPアドレスによる認識であり、IPアドレスをもっているコンピュータ(ホスト)は並列した対等の関係になる。

実際、レンタルサーバ業者は数台のサーバの中で、複数のIPアドレスを持っていて、それぞれを顧客にレンタルしている。ところが、インターネットでは仮想的に、何百ものマシンを管理しているように認識されるので、レンタルサーバは「バーチャル・ホスティング・サービス」と呼ばれることもある。

レンタルサーバで借りたスペースは、実際には、レンタルサーバ業者が保有するサーバの一部にすぎない。が、仮想的に独立した自分専用のサーバとして、いろいろカスタマイズできる。

イメージとすれば、単なるホームページサービス(独自ドメイン名なし)は大部屋に大人数が同居している形。レンタルサーバは、集合住宅ではあるが、区切られた個室を借り切っている形、と考えればよいだろう。

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 ◎初出:2002年8月5日
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「Webマスター入門」(20)

第20回・レンタルサーバ3つの最低条件

すでに専用線を引いて、自社サーバを構築している企業は、改めてサーバのことは考えなくてもよいだろう。自社にサーバがあるということは、それを使えばすむわけだし、社内に技術に明るいスタッフが揃っているはずだから。

最近では、アクセスプロバイダとダイヤルアップ契約をするとサーバのスペースを無料で貸してもらえる場合が多い。最低条件さえ満たしていれば、無料のスペースを使えばいいのだが、筆者の掲げる「レンタルサーバ3つの最低条件」を満たす無料スペースは少ないようだ。と書くと、「最低条件」ハードルがものすごく高いように感じるかもしれないが、全くそのようなことはない。むしろ、有料のレンタルサーバであれば、ほとんどがクリアできているといって過言ではない。

「レンタルサーバの最低条件」とは次の3つである。

独自のドメイン名を使えること。
CGIの使用を許可していること。
アクセスログを常時見られること。

ドメイン名を取得している、ということは、インターネット上の法務局に自分のサイトを登記しているようなもの。少し前までは、法務局で会社の登記簿謄本が閲覧できるように、インターネットでもドメイン登録者の基礎情報を誰でも閲覧することができる。それでもドメイン名を持っているということは、一種の情報開示行為と見ることもできる。すべての人がそう思うわけではないにせよ、会社名と同じドメインを使っていれば、アクセスする人の不安感は小さくすることができる。

ドメイン名は一種の商標みたいなもので、自社の活動とともに「育てて」いくようなものだから、会社名あるいは取り扱いブランド名のドメインを押さえておきたい。同じドメインは登録できないから、早いもの勝ちだ。

とにかく、サーバを借りるのであれば、この3つを満たしているところを選ぶ。どれが欠けていても不自由してしまう。コスト的に言うと、安い業者だと上記の3つを満たしたレンタルサーバが月5000円程度で借りることができる。

安いところは安いなりの理由があるが、簡単なバーチャルショップを開店して商売するなら、とにかく上記の3条件さえ満たしていれば事足りる。逆に、月5000円のコストを1000円節約したいが故に、「最低条件」をクリアできていないところを選ぶというのはナンセンス以外の何ものでもない。

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 ◎初出:2002年7月29日
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「Webマスター入門」(19)

第19回・バーチャルモールに参加してテスト運用

インターネットビジネスにおいて、実験やテストは必要ないと思う。いや、お客さまにとってみれば、テストであろうが本番であろうが関係のない話。スタートする以上は、真剣にやらなければ信頼など得られない。とはいえ、スタートする前に実践形式のテストをやってみたい、というウェブマスターもいるだろう。

そんな人に検討をお勧めしたいのが、企業の運営する「バーチャルモール」にテナントとして出店することである。バーチャルモールとは、仮想商店街のこと。日本国内で約300のサイバーモールが存在するという統計がある。

バーチャルモールは、テナントとして入居するバーチャルショップに、「商売をしやすい環境」を提供することで、月々定額のテナント料を受け取り、それを収入源とするビジネスである。別の視点から見ると、「インターネット商取引支援」ビジネスということになる。平たく言えば、「インターネットで儲けたい企業・個人を相手にした商売」である。

バーチャルモールが提供してくれる「商売をしやすい環境」には、取り扱い商品のデータベース化、受注システムの共同利用などが含まれていて、本部の指導によって、バーチャルショップ運営の経験がない人でも、スムーズに立ち上げるための支援が受けられる。

最近では、バーチャルモールも競争が激化している関係で、本部からの指導などのサービスが充実される一方で、テナント料は大幅に低下している。一例では、月1万円以下で出店できるバーチャルモールも登場した。1年間はバーチャルモールでみっちり勉強する、と期間を区切ってモールに入居するのも有力な選択肢として考えてもいいだろう。

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 ◎初出:2002年7月22日
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「Webマスター入門」(18)

第18回・メーリングリストは貴重な情報源

インターネットの中の情報源はいろいろあるが、メーリングリストとニュースグループは欠かせない。インターネットの基本はメールとニュース、とよく言われる。全くその通りだと思う。メールとニュースこそ、インターネットの本来の目的である、情報の共有、情報の交換を行う手段であるからだ。ここでは、ニュースグループの利用の仕方について、一から書くつもりはないが、ニュースグループ利用に関する適当な参考書、入門書がほとんど見あたらないのも事実。

もっとも、参考書が多く出ていれば、それだけでみんなが快適にニュースグループを使えこなせるようになるかは、これまた別の問題である。最終的には、結局、自分自身がチャレンジしてみるしかない。

インターネットには、3万を超えるニュースグループが存在すると言われている。アクセスするニュースサーバによって、購読できるグループの数に差がある。基本は、ニュースリーダと呼ばれるアプリケーションを立ちあげて、契約しているプロバイダのニュースサーバにアクセスするだけでよい。最近のブラウザには、ニュースを読む機能が標準装備されているので、特別なソフトをインストールする必要はない。

ニュースリーダには、「サブスクライブ(購読)」という機能も付いているが、これは数多いニュースグループから興味のあるグループだけを選んでおいて、次回からは、選んだグループだけを素早く表示する、というものだ。

ニュースグループもメーリングリストも、インターネットの中での情報共有手段であるが、性格はかなり異なる。

ニュースグループは、事前の手続きいっさいなしで参加できる。投稿を読むのも自由なら、書き込むのも自由。ただし、オープンスペースということで、他人の目をある程度意識せざるをえない。誰が読んでいるか、わからないからである。

この点、メーリングリストは、やや閉鎖的な情報共有手段といえる。まず、参加するには、管理人に参加希望のメールを送る。手続きが自動化されているものもあるが、建て前は、主宰している管理人に参加を認めてもらわなければならない。これは、ニュースグループと違って、メーリングリストは、管理人の「私有地」で運営されているからである。よって、管理人が気に入らない人は、参加を断ることもできる。また、メーリングリストは、存在自体が公になっていないものも多い。一種の会員制クラブのようなものである。

だから、メーリングリストの場合は、参加者が限られている分、連帯感が生まれ易いし、それだけディープな会話が行われている。英語にちょっと自信のある人でも、メーリングリストに出てくるスラングをすらすら理解できる人は少ないだろう。だが、アメリカ人のインターネット起業家が、いったい何を考えているかという生の声を聞ける魅力は大きい。

注意してもらいたいのは、オリンピックではないが「参加することに意義がある」わけではない、ということ。情報収集や人脈の拡大、提携先の発掘などの明確な目的があるわけだから、効率を考えなくてはならない。手当たり次第に、何でも参加するのは効率が悪い。なぜなら、ニュースグループやメーリングリストで自分の存在をアピールしておかなくては、いざと言う時、誰もレスをつけてくれないからだ。普段は何の発言もせずに、自分の都合のよい時だけに、「これこれ教えて」と出てきても、「あの人、誰?」となってしまう。

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 ◎初出:2002年7月15日
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「Webマスター入門」(17)

第17回・アイデアを具体化するサイトチェックのやり方

サイトチェックを始めるには、まず、URLのリストを入手する。ここでサーチエンジンが威力を発揮する。サーチエンジンには、いろいろと個性があって、強い分野も違うから、いくつか試してから、自分と相性のよいサーチエンジンを見つけて、とにかく慣れ親しんでおこう。サーチエンジンが上手に活用できるかどうかだけで、情報収集力に大きな差が出る。

検索結果は、ブックマーク形式でブラウザに表示されるので、これを一旦、ハードディスクに保存しておく。この時点で、すでにいろいろなサイトにジャンプすることも可能だが、ジャンプしたまま、どこから来たのかわからなくなったりすると、調査の効率が悪くなるから、ここはブックマークの収集に力を入れる。同じパターンで、複数の検索結果をハードディスクに保存できれば、インターネットからは一時離脱して、オフラインで先ほどのファイルを編集する。

次に準備するのは、「サイトチェック表」である。書式はどのようなものでもかまわない。ワープロで表を作って、それをサイトの数だけコピーしておけばよい。内容は、少なくとも次の項目を網羅しておく必要がある。

ホームページのURL
ホームページのタイトル
取扱い商品、サービス
代金決済方法
注文用紙の有無(暗号化の有無)
お客様とのコミュニケーション手段
ホームページの印象
使われている高度な技術
サイトの特徴(200字程度にまとめる)
総合評価(5段階)

所用時間は、1サイト20分程度が目安となる。1サイト20分でも、1時間に3サイトだから、15サイトチェックするには5時間かかる計算になる。

サイトの特徴を200字にまとめるのは、最初は苦労するかもしれない。だが、この部分は省略しない方がよい。いくつものサイトを見てまわっていると、記憶が混乱するのは目に見えている。後で、あのサイトはどこだったかな、と探す羽目になる。しんどくても、サイトの特徴を200字程度でまとめておこう。中には、特徴がなかなか思いつかず、はたと困ってしまうサイトもある。そのようなサイトがいいのか悪いのか、あるいは、なぜそのサイトの特徴をまとめにくいのか、一利用者の目としてサイトを評価するわけだがら、ホームページの欠点が見えてくるようになる。もちろん、いいところは見習えばよいし、悪いところは反面教師として、ホームページの企画に役立てよう。

周辺ビジネスを行っていて、共同戦線が張れるようなサイトとは、リンクの交換を申し出ればいいのだが、その際の候補をピックアップする情報にも使える。よって、サイトチェックする際は、ライバルを見る目と、パートナーを見る目の両方で相手のホームページをチェックする気持ちを忘れないことである。

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 ◎初出:2002年7月8日
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「Webマスター入門」(16)

第16回・サーチエンジンは情報収集の基本

失敗するインターネットビジネスには、企画の段階で大きな欠陥があることが多い。しかも、その欠陥は、ほとんどの場合、基礎的な調査を怠ったことによる「思い込み」や「妄想」なのだ。

商売の基本中の基本である、「お客さまの立場に立った市場調査」が全くできていないのだから、そんな人たちが企画したインターネットビジネスが成功するはずはない。市場調査というと、専門の調査会社に委託して行う本格的な調査をイメージする人もいるかもしれないが、ここでいう「お客さまの立場に立った市場調査」は極めて簡単なことを指している。

これからライバルになるであろうサイトを、一人のお客として訪問してみて、先行する企業がどのようなやり方で商売を行っているのかを偵察すること、たったそれだけのことである。現実の世界に置き換えてみるとよくわかる。居酒屋を開こうと考えれば、周辺の居酒屋をしらみつぶしに訪れてみて、お客の入り具合や売れ筋のメニューなどを調査するのは常識だろう。

実は、この簡単な調査に、「インターネットでビジネスを行う難しさ」が凝縮されている。

ある調査で、過去にインターネットで買い物をしたことがない人に、理由を聞いたところ、「欲しい商品を売っているショップがない」、「インターネットで販売されているアイテムが少ない」という答えが上位に並んだ。しかも、驚くべきことに、その割合は1年前の同じ調査に比べて、減るどころかむしろ増えていたのである。

営業しているサイトの数は増えている。当然、売られているアイテムの種類も豊富になっている。なのに「欲しい商品が見つからない」、「売られているアイテムが少ない」と不満を持つ人の割合は減っていない。

これは何を意味するのだろうか?実は、欲しい商品を売っているサイトは探せばあるのだ。が、インターネット上のホームページの数があまりにも増えすぎてしまって、お客さま、特に初心者の方は自分の力でショップを探し当てることができないのだ。インターネットでは、豊富なアイテムが売られていて、一方でそれを買いたい人が大勢いるにもかかわらず、情報の大海に埋没してしまい、両者が出会うことなくお互いに不満が募る結果を生じてしまっているのである。

ウェブマスターがまず、体験すべきことは、販売しようとしている商品の見込み客になったつもりで、インターネット上のバーチャルショップを自分で探すことだ。サーチエンジンと呼ばれるサイトでキーワード検索することになるが、その際に、どんなキーワードを使うと探しやすいのか、あるいは多数表示される検索結果からどのバーチャルショップを優先して見に行くのか、「お客さまとしての行動」の一つ一つがバーチャルショップ運営のためのノウハウとなる。

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 ◎初出:2002年7月1日
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「Webマスター入門」(15)

第15回・長期的な視野で情報戦略を考える

企業は、インターネットの普及により、人類がかつて経験したことのない変革期に直面している。はっきり言えることは、情報戦略を誤ると一瞬のうちに競争から脱落してしまうくらい、企業を取り巻く環境が厳しくなってきていることだ。もう一つ、高度成長期やバブルの一時期のように、景気がよければみんな儲かる、という時代は終焉した、ということだ。ダメな企業は確実に衰退する。しかも、その差はすぐに拡大する。「勝ち組」として残り続けるのは大変である。逆に、「負け組」に転落するのは一瞬である。

厳しい情報化時代の競争に生き残るための戦略として、次の5つの点を掲げる。

(1)情報化投資の優先順位を決定する

情報化と言っても、その範囲は広すぎる。アメリカでは、「ナレッジ・マネジメント」か「エレクトロニック・コマース」か、という切り口で論議されることも多いが、必ずしも同調する必要はない。自社や業界を取り巻く現状を客観的に見る目があれば、おのずとウェイト配分は決まってくる。

(2)優秀なCIOを据える

情報化には、少なくない投資が必要である。時には、痛みを伴う決断もしなければならない。戦略の採用、即実行でなければ前に進まない。経営トップがプロジェクトに主体的に参加すべきである。そのためには、ウェブマスターやシステム部を統括する情報戦略担当役員(CIO)に、優秀な人材を据えることが大切である。スピードアップが期待できる、行動力のある人間をあてることを言うまでもない。

(3)ナレッジを積極的にデータベース化する

「情報を共有する」ことの必要性は頭で理解できていても、どのような情報を共有すべきか、については意外なほど軽視されている。なぜ情報を共有しなければならないのか、情報を共有することで何が変わるのか、社員一人一人が意識することも重要であるが、体系的なアプローチでナレッジをデータベース化する仕組みを導入するのがベターである。これが「ナレッジ・マネジメント」の基本である。

(4)高付加価値を創造できる企業文化を育てる

イントラネットやグループウェアは、ナレッジの発掘を支援してくれるツールである。しかしながら、いくら技術やシステムが導入されても、自発的に創造性を発揮するという「企業文化」が未熟だと社員はアクションを起こせない。社内の電子コミュニティを上手にリードするなど企業文化を育成することは、チームリーダやマネージャにとって、新しい任務となる。

(5)外部のコンサルタントを上手に利用する

情報戦略を立案、遂行するために必要な人材が揃っている企業は、とても恵まれている。限られたスタッフで、不足するスキルを補いながら情報化を進めていくのが一般の企業の現実だ。スキルの不足を痛感する場合は、外から優秀な頭脳を借りてくればいい。コンサルタントの活用は、情報戦略の「高速化」をもたらしてくれる大きな武器だ。

30年後、50年後の経済環境がどうなっているかを正確に予測するのは、困難というより不可能だ。しかし、「われわれはこういう企業を目指そう」という理念は持つことができるし、計画を実行に移すこともできる。要は、どのような企業文化を持っているか、で方向性は決まる。情報戦略は企業文化を大きく変えることができる一方、企業文化の進化を伴わない情報戦略では、単に情報処理システムを導入しただけに終わる危険性が高い。

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 ◎初出:2002年6月24日
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「Webマスター入門」(14)

第14回・情報戦略が効果を発揮できる前提条件

情報戦略や情報化という話になると、どうしても総論的な「こうあるべき」という展開になりがちである。先ほど、「情報化=情報系システムの導入ではない」と書いたが、現実問題として、情報系システムなくして情報化を進めることはできない。情報戦略は、情報系システムが導入されていることが前提条件となる。しかし、これから情報系システムを導入しよう、という企業にとっては、その情報系システムをどう入れればいいのか、というのはきわめて現実的で重大な問題だ。

戦略に基づいてシステムの仕様を決めればよい、というと聞こえはいいが、建前論にすぎない。そこで、これから情報系システムを導入される方は、「情報戦略を立てるのは、情報系システムを使いこなせるようになってから」と割り切って、できるだけ早急に導入すべきだろう。

理由は2つある。これから情報系システムを入れよう、という時点で大きく出遅れてしまっている。その遅れを一日でも取り戻すためには、計画を前倒しでスピードアップするしかない。これが第一の理由である。もう一つの理由は、情報系システムは、業務系システムに比べて、導入後に柔軟性がある。どうせ変更や追加があるなら、最初はプロトタイプのつもりで導入して、徐々にカスタマイズする方が実践的である。

しかしながら、情報系システムを導入する以上、ある程度の受入れ体制の整備も必要になる。その一つの基準が、各職場でシステム的な考え方ができていること。紙媒体でもいいからファイリングシステムが職場単位に共有されている、あるいはファイルの管理がきちんと構造化されて流れていれば、比較的システムが乗りやすい。

情報戦略を考える上で、ナレッジ・マネジメントでもそうであるが、職場単位や部署単位の「各論」をベースにすることが重要である。全社一斉に同じシステムや同じ仕組みを導入すると言えば、カッコよく聞こえるかもしれないが、「総論」だけの戦略では現場で混乱を生むだけである。

全社で共有すべきは「ナレッジ」と「企業文化」であって、実際のオペレーションはタスク別に一番適した方法を考えなければならない。情報化が「万能」とは思わないことだ。

情報化を進める具体的なシステムとしては、イントラネット、ERP、プラットフォームなどが考えられるが、情報戦略に「差別化するための戦略」という経営戦略的要素を盛り込もうとするなら、少なくともイントラネットを導入して、データベースの情報をインターネット経由で共有できるような環境が欲しいところである。

キーワードとして何度も登場している「ナレッジ・マネジメント」は、専用のソフトが登場しているが、実は、データベースとインターネット・サーバ、つまりイントラネットさえあれば十分に実践できるのである。

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 ◎初出:2002年6月17日
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「Webマスター入門」(13)

第13回・情報処理型から情報活用型へ

企業の情報戦略を考える上で、まず「情報化」とは何か、を理解しておくことが大事だ。かつての情報化というのは、いわば情報処理が中心で、人間が行っていた大量の単純作業をコンピュータに置き換える「機械化」のことを指していた。しかし、そのような「情報化」は、ほぼ行きつくところまで行ってしまった。次の段階として、コンピュータに蓄えられたデータをどう活用するか、コンピュータのネットワークをどう活用するか、つまりデータベースとネットワークの活用が焦点になってきている。

これらの情報技術は、ITと呼ばれているが、ITを取り入れること、あるいは情報系システムを導入することイコール情報化ではない。ITは、ビジネス・ソリューションの道具にすぎないのである。現在のビジネス・ニーズにどのような技術で対応していくのか、また、技術の進歩からどのようなビジネスやサービスを創造できるのか、という2つの視点を忘れてはならない。

ちなみに、企業のシステムは、大別すると業務系システムと情報系システムに分類できる。業務系のシステムは、従来の業務をそのまま当てはめてイメージできるので導入しやすいが、情報系システムの場合、システムデザインを描きにくい、という声をよく耳にする。これは、戦略に基づいたビジネスモデルがきちんと描けていないことに起因するケースが多い。情報系システムの導入に際しては、ベンダーの導入コンサルタントに実状をあますところなく伝えて、コミュニケーションを重ねることから始めるのが一般的である。

企業の戦略には、「差別化されないための戦略」と「差別化していくための戦略」がある。「差別化されないための戦略」とは、業界内でライバル企業に取り残されないための戦略である。コンピュータによる単純なデータ処理を行ったり、サーバに蓄積された情報を社内で共有するといった従来の「情報化」は、この「差別化されないための戦略」に属する。

これから目を向けるべきは、「差別化するための戦略」である。そのためにはデータベースに蓄積された情報を高度活用するための仕組み作りが必要になる。しかし、これまでの企業文化に沿った業務プロセスでは、重要度の低いデータは共有できるが、そこから新しい智恵やアイデアはなかなか生まれてこない。

まず、データベースを高度活用して、差別化するための戦略とするには、データベース化する情報そのものを高度化しなければならない。これまで、個々の経験や勘については、文書化されることは少なかったし、文書化さらにデータベース化しようと思えば、莫大なコストが必要だった。おそらく、企業にとって、必要な知識のうち、データベース化されている情報はせいぜい数%ではないだろうか。ほとんどの知識は、社員の脳みその中で保管されているにすぎない。これでは、いくらITが進化しても、社員の脳みその中までは検索できないから、企業が保有する情報を社員全員が共有して有効活用しているとは言えない。

その上で、これまでの企業文化を変革する必要がある。自分が持っている知識を積極的に文書にしてデータベース化する、あるいは、他人の知識をデータベースから検索することで自分自身の知識や経験として消化して、そこから新しいアイデアや知識を生み出す。これらは、社員一人一人の能力というより、企業文化にかかわる問題だ。そういう企業文化が醸成されていなければ、いくら豊富な情報や知識が共有されていても、ビジネスに高度活用されることもないに等しいだろう。つまり、従来の「情報処理」型から「情報活用」型に脱皮するためには、最新のITを導入すること以上に、社員一人一人が「情報の高度活用を積極的に行う」ような企業文化に変えていく戦略が大切だということである。

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 ◎初出:2002年6月10日
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「Webマスター入門」(12)

第12回・インターネットが革命といわれる理由

よく、インターネットビジネスは「革命」と表現される。なぜ、「革命」なのか?企業にとって、インターネットビジネスに取り組むメリットとは何だろう。「ウェブサイトにおいて低コストで商品販売ができること」だろうか?

確かに、それはメリットの一つかもしれないが、けっして十分な答とは言えない。インターネットビジネスが本当に効果を発揮するのは、ウェブで販売を含めたマーケティング活動をすることで、サプライチェーンを最適化して、新しいビジネスモデルに再構築できた時だ。その新しいビジネスモデルについては、まだ十分に検証されたわけではないが、仮説として、売上の増大に伴い、利益率が加速度的に増大する「収益逓増型」のビジネスモデルと考えられている。

サプライチェーンの最適化については、ここでは詳しく触れない。が、一般にサプライチェーン・マネジメントは、メーカーが部品や資材の調達を効率化したり、外注先とのデータ交換を電子化することなどが重視されているが、もっと大きな目で見ると、原材料から製品が作られて、消費者の手元に届き、顧客満足が得られるまでの全工程をコントロールするというイメージになる。

デル・コンピュータの場合、まさしくそれに近い形が実現されようとしている好例だろう。デルはパソコンメーカーであるが、卸売業者でも、小売業者でも、ビジネスモデルいかんでは、メーカーやディストリビュータ、さらに消費者を巻き込んだ雄大なバリューチェーンを構築することが可能になる。

日本の書籍流通においては、中間業者である取次が絶大な影響力を握っているが、一部有力書店や運送会社が取り組んでいる書籍のネット通販は、取次を巻き込んだ新しいバリューチェーンを実現できるかもしれない。もちろん、出版社が集結して、既存の取次を通さない販売チャネルを構築することも全く可能性がないわけではなく、そういったことも含めて、これまでのビジネスモデルが破壊されることが、「革命」なのである。

設備投資型の製造業は、売上が伸びても、原材料などのコストは必ず増えていくので、利益率は低く、しかも理論上の限界値を超えることはない。しかし、収益逓増型のインターネットビジネスの場合、収支が均衡した後は、売上が2倍になれば、利益は5倍、10倍になる可能性を秘めているのである。

それを可能にする大前提が、企業がインターネットを中心としたIT技術を取り入れて情報化することなのである。ウェブマスターとしては、なぜ自分の会社がインターネットビジネスに参入するのか、さらに、その効果を最大化するには、どのような情報戦略が必要なのかを経営者的な視野で考えなければならない。

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 ◎初出:2002年6月3日
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「Webマスター入門」(11)

第11回・あなたがWebマスターに任命されたら?

もし、あなたが突然、ウェブマスターに任命されたとしたら、まず何から手をつければいいだろうか?繰り返しになるが、以前からインターネットビジネスを展開していて、すでにウェブマスターも何人かいるような企業においては、それほど心配はしなくてもいいかもしれない。インターネットビジネスを運営していく過程において、問題点の洗い出しやその対応がある程度完了していると考えられるからだ。

しかし、これからインターネットビジネスを開始する、あるいはインターネットのビジネス活用に本格的に取り組む、という場合、ウェブマスターとして日常の業務計画を立てる前に、やらなければならないことがある。

それは、自社が、インターネットビジネスを行う準備としての情報化ができているかどうかをチェックすることだ。もちろん、チェックしただけでは十分ではない。もしも、インターネットビジネスに対応できる環境が整っていなければ、一日も早く情報化戦略をとりまとめてトップに提言しなければならない。

極論を言ってしまえば、情報化ができていない企業が、いきなりインターネットビジネスを開始するのは難しい。ホームページの開設くらいはできるだろうか、そのメリットを享受するどころか、逆にホームページを開設したことでデメリットが生じる危険性もある。

情報化戦略にはトップの決断が必要になる重要事項である。しかしながら、その必要性を一番理解できるのは、トップではなく、第一線にいるウェブマスターである。

ウェブマスターに任命されたら、自社の情報化レベルを診断し、インターネットビジネスに対応できる環境ができているかどうかをチェックすることだ。もし、準備ができてもいないのに、上からの命令だからと性急にインターネットビジネスをスタートさせたのでは、ウェブマスターが日常業務にいくら頑張っても失敗は目に見えている。そうなると、評価を落とすのはウェブマスター本人である。

もちろん、会社の規模や業種によって、現実的にクリアすべき情報化レベルは異なる。しかし、インターネットビジネスに参入するということは、単に新しい販路や収入源を一つ増やすだけのことではない。大げさにいえば、従来のビジネスのやり方を根本的から変えることを意味する。

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 ◎初出:2002年5月27日
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「Webマスター入門」(10)

第10回・見込み客の囲い込みで販売手数料収入

ショッピングモールは、ポータルサイトの機能として、比較的最近に付け加えられたものである。もちろん、アメリカオンライン自身が商品の在庫を抱えて販売しているわけではない。基本的には売上の一定額を販売手数料としてアメリカオンラインが受け取ることになっている。つまり、ショッピングモールの形態を取った仲介ビジネスである。

ネットビジネス初期の段階では、ECを本格的に展開する企業が少なかったので、アクセスしてきた不特定多数に広告を露出することで広告料をもらう方がやりやすかったが、会員という形で利用者を囲い込むことができれば、今なら具体的にモノを仲介して、売れた額に応じて販売手数料をもらうビジネスも十分に成り立つことがわかった。

現在、ポータルに限らず、無料情報サービスを行うサイトでは、利用者の組織化、囲い込みを進めている。会員組織を維持するには、その分コストが必要だが、それ以上に収入のチャンスが広がると踏んでいるからである。

中には、無料会員を十万人単位で集めて、サイト丸ごと売ってしまおう、という魂胆がみえみえのものもある。会員組織を持ったサイトを丸抱えで買う側の論理としては、サイトを新しく立ち上げて一から会員を集めるとなると、時間もコストもかかる。ならば、1人あたりの獲得コストが少々高くても、サイトごと買収した方が手っ取り早いではないか。

言えることは、現在展開されているネットビジネスには、無料情報サービスに分類できるものは意外に多いということである。さらに、それらのサイトは、初期投資を考えると、現時点では全くペイしていないところが多い。にもかかわらず、将来は有望として、赤字垂れ流しでありながら株価が上昇し続けているものさえある。

今は儲からなくても、見込み客を囲ってしまえば、後は儲ける方法はいくらでもある。だから、「儲かるかどうか」は、短期間で「利用者を囲い込めるかどうか」で判断すればいい、と唱える人もいる。賛否両論あろうと思うが、ネットビジネスの現状の一面であることは否定できない。

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 ◎初出:2002年5月20日
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「Webマスター入門」(9)

第9回・タダで儲かる仕組みが多いのも特徴

インターネットビジネスのキーワードの一つは、「タダ」である。本来なら、多額の料金を徴収してもいいような便利なサービスが、インターネットでは無料で提供されているケースも珍しくない。インターネットの無料サービスとして最初に思い付くのがサーチエンジンである。サーチエンジンは、広告料を主な収入源として成り立っているビジネスである。

役に立つ情報を無料で提供すれば、人気サイトになり、広告料収入が伸びる。確かに、それは一つのビジネスモデルである。ところが、サイトの数が爆発的に増え、無料サービスを行うライバルが出現するにつれ、注目を集め続けるためには、より質の高いコンテンツを継続的に供給しなくてはならなくなっている。これらの無料情報サービスが、「コンテンツ・プロバイダ」とも呼ばれている所以である。

質の高いコンテンツを制作するのにはコストがかかる。コストをカバーできるだけの広告料収入を狙わざるを得なくなると、必然的にターゲット層を広げてトラフィックを独占することを考える。つまり、みんながインターネットの「入り口」として、ネットサーフィンの拠点にするようなサイトである。これが、「ポータル(入り口)サイト」である。

ポータルサイトは、トラフィックを独占することで、インターネット広告を独占しようというのが狙い。現に、アメリカでは一部の大手サイトがインターネット広告を寡占している。

アメリカでは広告を掲載しているサイトは約5000と言われているから、わずか上位1%に相当する50サイトで、インターネット広告収入の93%を独占していることになる。インターネット広告は人気サイトに集中する傾向があることがわかる。

一方で、トラフィック独占を狙うポータルの影響力は頭打ちのようだ。ECの市場規模などの調査に定評があるフォレスター・リサーチがポータルに関するレポートによると、9大ポータルサイトがインターネット広告料収入の67%を寡占しているものの、2000年を境に大きく下がり、2003年にはわずか30%になるだろうと予測している。インターネット上の全トラフィックの15%を占めているが、その割合は漸増するものの、影響力は低下するためである。

インターネットのすそ野が拡大する中で、いかに巨大なポータルサイトとはいっても、多様化するユーザのニーズに応えるコンテンツを供給し続けることは難しいのだ。トラフィックを独占できないなら、バナー広告を露出するだけの広告料では収入に限界があることが判明した。そこで、ポータルが次に照準を定めたのが、「販売手数料」収入である。

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 ◎初出:2002年5月13日
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「Webマスター入門」(8)

第8回・インターネットビジネスシーン、4つのキーワード

インターネットが社会に与える影響力は、計り知れないものがある。来世紀にどういう社会になっているか、という議論はさて置いて、今、インターネットがビジネスシーンにどのような転換を促しているかを見てみよう。

よく言われるのは、次に掲げる「4つの転換」である。言葉自体はありふれているが、状況を端的に表現しているので、大いに参考になるだろう。

「リアル」から「バーチャル」へ
「マス」から「パーソナル」へ
「スケジュール」から「オン・デマンド」へ
「サプライヤー」から「ユーザー」へ

上記の4つの中で、左側の「リアル」、「マス」、「スケジュール」、「サプライヤー」がこれまでの状況、そして、右側の「バーチャル」、「パーソナル」、「オン・デマンド」、「ユーザー」がインターネットによって転換された状況を表している。

簡単に全体像を説明すれば、これまではサプライヤーの都合で、同じ商品、サービスを、定期的に供給していた。つまり、主導権は、サプライヤー側にあった。

例えば、月刊誌の場合、毎月1回、決められた日に発行するわけだが、考えてみれば、これはすべて出版社の都合である。内容を編集するのに時間がかかる、印刷コストが高いので、月2回発行しても定価は下がらない。広告営業をするのも月2回は大変だから、月1回の発行でいこう、という具合である。読者には、来月号の発行日まで、新しい情報を得る機会は一切与えられない。

ところが、インターネットで情報を発信する「電子雑誌」の場合、状況は一変する。まず、読者は、自分の欲しい情報だけを検索して見ることができる。100人の人が見れば、100通りの雑誌が存在するに等しい。これが、上記でいうところの「パーソナル」である。全員に均一の情報を押しつけるのではなく、各人が興味のある情報だけを提供する形態に変わってきているのだ。

さらに、アクセスする度に、新しい情報が加わっているので、常に、最新情報を入手することができる。月刊誌の場合は、発行日だけが、最新(といっても、実際に書かれた日からかなりたっているので鮮度は悪い)情報を入手できる日であるが、電子出版の場合は、読者が見たいと思ったその時が、最新情報を得られる時である。これが、「スケジュール」に対する「オン・デマンド」という意味である。

実際問題とすれば、読者の要望に100%応えようとすると、かなりコストは高くついてしまう。毎日、新しい情報に更新するとすれば、そのコンテンツを書く人、情報をアップロードする人など、常駐スタッフを増やさざるをえないからだ。この部分は、やはり程度の問題になってくる。「ユーザー」が主権を持つ時代だからといって、ユーザーに振り回されていたのでは、ペイしない。ただ、言えることは、インターネットビジネスを企画するに際して、上記の4つのトレンドだけは頭に入れておいたほうがいいということである。

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 ◎初出:2002年5月7日
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「Webマスター入門」(7)

第7回・インターネットを使った儲け方を熟知すべし

インターネットビジネスにおいて、「ビジネスモデルが重要」とよく言われる。ビジネスモデルを簡単に表現するなら、「どうやって儲けるか」ということだが、もう少し詳しく表現するなら「誰からどうやってお金をもうか」である。

商売をされている人なら、「どうやって儲けるかって?商品をお客さまに販売して、お金をいただくのに決まってるだろう」と思うかもしれない。確かに、消費者に直接、モノやサービスを提供して、その対価を受取るのは商売の基本である。ところが、インターネットビジネスは、必ずしも消費者にモノを販売するビジネスとは限らない。いや、むしろ消費者からお金をいただかないビジネスも多いのである。収益源が多様なのもインターネットビジネスの特徴であり、また魅力なのかもしれない。

ビジネスモデルは、いろいろな観点で分類することができるが、最も大雑把な分類としては、「誰からお金をもらうか」という点で次の3つに分類することができる。

消費者から直接お金をもらうビジネス
(インターネットビジネスを行う)企業からお金をもらうビジネス
消費者と企業の両方からお金をもらうビジネス

一見すると、両方から収入が得られる3が得なように思える。ところが、実際に3のパターンを実践できているビジネスモデルは意外に少ない。一方、2のパターンは比較的身近に見られる。例えば、ヤフーやグーなどのサーチエンジンあるいはポータル(入り口)と呼ばれるサービスは、この2のパターンにあたる。彼らは、サーチエンジンを無料で開放することで、利用者を増やし、検索結果のページなどに表示される広告料収入を主な収益源としている。

ヤフーのような検索機能はインターネット利用者には欠かせないものとなっている。が、このサービスを有料化すると、情報提供料収入は得られるが、利用者の数が激減することは目に見えている。となると、広告の表示回数も激減するために、広告を出したいスポンサーを失うことになる。

サーチエンジンのように、最初から無料でサービスを提供することで、アクセスしてくれる人を増やして、広告料収入や仲介料収入で成り立つことを目的としたビジネスモデルも数多く存在するのである。

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 ◎初出:2002年4月22日
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「Webマスター入門」(6)

第6回・ウェブマスターの適性

ウェブマスターの適性について考えてみよう。筆者がウェブマスターを任命する立場にあるなら、生粋の技術者は避ける、という意味のことを書いた。

最近の若い人はそうでないかもしれないが、技術者はマルチタスク対応が苦手な人が多い。これは、逆にいうと彼らの仕事は、それだけに集中しないと、効率が悪いのだろう。ウェブマスターは、どちらかというと、営業センスがあり、雑用的なこともこなさなくてはならないから、どうしてもイメージ的に技術者とは重ならない。

もちろん、ウェブマスターに技術的知識が全く不要、という意味ではない。例えは悪いが、自動車ディーラーの営業マンが、お客様にエンジンの位置を質問されて、答につまるようではダメだ。専門的な質問が出れば、技術者につなげば、それで事足りるが、基本的なことを知らないことがお客様にばれれば、その場で信用を失ってしまう。ウェブマスターも同様である。

インターネット部門のスタッフを採用する場合は、「何年やってきた」という時間的な経験より、「今何ができるか」を基準に採用するべきである。何年も同じ分野でやってきた人というのは、今では役に立たない技術や手法に凝り固まっている危険性が高いためだ。昔の経験が、必ずしも今役に立たないところが、インターネットの恐さでもあるし、面白さでもある。

個人的には、ウェブマスターには女性が向いているではないかと思っている。理由はいくつかある。ホームページ作りに女性の発想を取り入れることにも、十分にメリットがある。男性、しかも技術系の人間が企画して制作されたホームページというのは、機能的には優れていても、ややもすると機械的でそっけない印象を与えてしまうこともある。女性特有の暖かさと気配りを取り入れることで、この点は解消される。

心強いことに、最近では女性がインターネットビジネスを始めるケースも見られるようになった。だが、残念ながら、女性の特色を十分に発揮できているサイトは少ない。一方、会社組織の中で、女性がウェブマスターに任命されるケースは、稀である。もし、これからインターネットビジネスを会社組織で始めることを検討中の方がいれば、女性をウェブマスターにすることから事業の企画を考えてみるのも面白いのではないか。

余談になるが、短気な人はウェブマスターに向かないかもしれない。ホームページを立ち上げると、実にいろいろな人からメールが来る。有名な会社であれば、冷やかしやいたずらも多い。中には、露骨に喧嘩を売っているような文面や、背筋がゾッとするような内容のメールを送り付けてくる輩もいる。無視すればいいのだが、無視したら無視したで、「なぜ、返事をよこさない」と追い打ちが来ることもある。ウェブマスターたる者、挑発に乗って暴言を書いたら負けである。逆に、いたずらする相手を誉めたたえるくらいの広い気持ちが必要だ。

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 ◎初出:2002年4月15日
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「Webマスター入門」(5)

第5回・ウェブマスター3つのパターン

企業におけるウェブマスターには、任命された経緯によって大きく3つのパターンに分けられる。

まず、第一番目は、比較的大企業の中で、インターネットビジネスを担当する部署の一員として、ホームページの制作や管理をする立場の人。この場合は、同じ部署か社内の他の部署、つまりは同じ会社の敷地内に、技術的な問題を担当するスタッフが存在する。純粋に「ウェブマスター」的なポジションで、ある意味で恵まれた人である。

ただ、筆者の個人的意見では、スタッフの数が多いのは、インターネットビジネスではプラスに働くとは限らない。分業が確立していて、チームで事業を運営するといった大企業の組織では、結局、合議制で話が進み、ウェブマスターの個性を前に出しにくいからだ。

2番目は、中堅・中小企業に多いのだが、トップから指名されて、社内でインターネットビジネスを1人、ないしは数人で立ち上げる立場の人。なぜ1人かというと、社内でインターネットのことがわかる人間が他にいないから、という理由の場合が多い。当然、1人でいろいろな役割をこなさなくてはいけない。

将来、独立することを前提に中小企業で修行をしているような人にとっては、一番都合のいいパターンかもしれない。会社のリスクで、自分の思い通りのことができる可能性が高いからである。もっとも、会社のリスクとはいえ、メチャクチャやって会社に損害を与えたのでは後味が悪いし、意外に業界は狭いから、独立の障害になるかもしれないので、実験もほどほどにしたほうがいい。

最後は、個人が独立してインターネットビジネスを立ち上げる場合である。この場合は、前述の7つの分野を1人でカバーするのはもちろん、社長業もこなさなくてはいけないから、対外的には「ウェブマスター」と見えないかもしれない。だが、インターネットビジネスをやるために独立したからには、優れたウェブマスターになれるかどうかが、成否を左右する。

3つのパターンはそれぞれ境遇の違いによるものだが、最後のパターンなら、その気があれば誰でもウェブマスターになれる。独立しなくても、自分でインターネットビジネスを始めればいいのだから、ウェブマスターになってみたいという人は、すぐに行動を起こせばいいだろう。

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 ◎初出:2002年4月8日
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「Webマスター入門」(4)

第4回・ウェブマスターに期待される7つの役割

すでにインターネットビジネスを運営している企業において、途中からウェブマスターの一員として参加する場合、「期待される役割」はある程度明確になっているだろう。難しいのは、これからインターネットビジネスを企画してたち上げる企業の場合である。当然ながら、インターネットビジネスを企画する人が必要である。同様に考えていくと、次の7つの分野をカバーできるスタッフが必要になってくる。

企画をする人(プランナー)
情報を収集、整理する人(リサーチャー)
技術関係を担当する人(エンジニア)
ホームページを創作する人(クリエーター)
広報・宣伝活動を行う人(スポークスマン)
遊び心を持った人(エンタテイナー)
商売に結び付ける人(マーチャント)

上記の7種のスタッフが揃えば、インターネットビジネス成功の確率はグッと高まると言っていいだろう。理想を言えば、上記7つの分野を1人、ないしは2人のウェブマスターでカバーできれば一番よい。実際問題として、いくつかの分野は、外部の専門家に依頼する場合が多いかもしれない。

ウェブマスターに期待される業務内容は、本当に幅広い。ある意味で、お客様の苦情窓口のような立場に立たされたり、社内の営業部門のスタッフに意見を申し立てたり、と気苦労も多いかもしれない。だが、これだけはいえる。ウェブマスターは、その会社で一番、インターネットを(技術的に、という意味ではなく)理解している人間で、その人がいなくなると、インターネットビジネスが機能しなくなってしまうくらい重要な位置にいる人のことである。

先ほどあげた7つの分野に、「エンジニア」という項目も入っているが、あくまでも、程度の問題である。専門知識は、ないに越したことはないが、すべての分野に精通しているスーパーマンのような人間はいないだろうし、第一、インターネットビジネスは、そのようなスーパーマンは必要としているわけではない。

ここでいう「技術的な知識」とは、インターネットの仕組みを理解することであり、必要に応じて必要な人材を手配するができる能力を指す。一例をあげると、レンタルサーバを使うことで、少なくともサーバの24時間監視という技術的な問題からは開放される。少人数でインターネットビジネスを立ち上げる場合は、コストの面からも、そうした方が実践的であろう。

結論を述べると、ウェブマスターとは、インターネットビジネス運営の中心的役割となる人で、技術的な専門知識は必ずしも必要ではないが、広範囲に渡る業務をカバーできるバイタリティが要求される職務である。

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 ◎初出:2002年4月1日
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「Webマスター入門」(3)

第3回・電子メールの対応

これらの基本業務の中で、最も大変なのはどれだろうか?

ウェブマスターにとって、一番時間を取られるのが、お客さまからの電子メールへの対応である。インターネット上では、会社を代表する立場にあるので、その対応には機敏さとともに、慎重さが要求される。当然ながら、商品知識や取引条件など、担当部署と連携を取らないと返答できないことも多いので、社内でのコミュニケーション体制をあらかじめ見直しておく必要も出てくる。

概して、ウェブマスターには、インターネットの事情に通じた若手が指名されるケースが多い。若くても根回しに苦労しなくていいよう、手を打っておかないと、結局はお客さまへの返答に時間がかかり、インターネット上で会社の評判を落とすことになってしまう。想定されるお客さまからの質問について、どのような流れで処理するかを、関係部署を交えて、社内ルールを作っておくべきだろう。

ウチはその点、お客さまからの問い合わせが少ないので楽だ、と思っているウェブマスターがいるとしたら、明らかにウェブマスター落第である。お客さまから問い合わせが少ないのは、ホームページに何らかの欠陥がある可能性が高い。多くの場合は、PR不足でアクセス数が少ないことが原因であるが、ウェブマスターは常に、「もっとお客さまからの反応が来るようにするには」という点を考えて、気付いたことがあれば、すぐに改善を行う姿勢が必要なのである。

もちろん、お客さまからの「声」は、商品開発や営業戦略のための貴重な資料であるから、社内で適切にフィードバックしなくてはならない。これもウェブマスターの重要な仕事の一つである。

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 ◎初出:2002年3月25日
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「Webマスター入門」(2)

第2回・ウェブマスターの基本業務
 
まず、企業が商用利用のためのホームページをたち上げる際に、新たに必要になる業務を抜き出してみよう。ホームページの管理、運営には、大きく分類すると次の3つの業務を担当するスタッフが必要になる。この3つがウェブマスターの基本業務である。

ホームページにコンテンツを企画、制作する「コンテンツ・マスター」
サーバの技術的なメンテナンスを行う「サーバ・マスター」
お客さまからのメールの問い合わせに応対する「メール・マスター」

ホームページの担当者というと、イメージ的にはコンピューターに詳しく、プログラマーに近い仕事だけをしていると思われがちだが、ウェブマスターの基本業務を見ると守備範囲が非常に広いことに気付くだろう。

コンテンツマスターはホームページを作るのが主な役目だが、決して「作るだけ」の人ではない。どのようなコンテンツを作ればアクセスを増やすことができるのか、そして、費用対効果のバランスは取れているか、など経営者的な判断が要求される。ホームページの制作自体は、外部の制作会社に依頼してもかまわない。実際問題、ホームページのデザインや制作は外部のプロに任せた方が効率もよい。しかし、制作スタッフに的確に指示をするには、ある程度、ホームページ制作に関する知識と経験も必要になってくる。

サーバに関しては、社内にネットワーク関連の技術者がいない場合は、レンタルサーバを利用するのが実践的だろう。サーバの技術的なメンテナンスは、プロバイダに委託できる。それでもサーバの構造を正しく理解した上で、どんな仕掛けを組み込むかを決定したり、ホームページの適時更新を行ったりできなければならない。レンタルサーバを利用するにしても、ウェブマスターはサーバをリモートコントロールする方法を身につける必要がある。

メールマスターの業務は、メールソフトを使用するだけなので、一番ローテクだと言えないこともない。が、お客さまとの直接のコミュニケーションをはかり、商売に結び付けるという、一番重要な部分でもある。インターネットで問い合わせてくる人たちに、会社を代表して返答するのだから、責任も重大だ。特に、商品をインターネットで販売するサイトを運営するなら、成功するかどうかは、「メールマスター」の業務が鍵を握っていると言ってもいいだろう。一番、商売人としてのセンスが問われる業務である。

会社によっては、特に中小企業では、これらの業務を1人のウェブマスターがこなしているケースも少なくない。大手企業が展開するインターネットビジネスの場合でも、外からは大きな組織が動いているように見えるかもしれないが、実際は2、3人のウェブマスターがほとんどの業務を行っているのが一般的だ。

わずか数人ではあっても、インターネットでは一人一人ができる範囲は広い。いいウェブマスターのいるサイトは繁盛し、いくら会社の看板があっても、ウェブマスターが育っていないと、なかなかうまくいかない。インターネットビジネスの成功は、ウェブマスターの個人的な力量にかかっているといっても過言ではないだろう。

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「Webマスター入門」(1)

第1回・ウェブマスターとは?

「ウェブマスター」のウェブは、インターネットの「ホームページ」のこと。つまり、ウェブマスターは、ホームページの責任者(マスター)という意味になる。企業によってホームページをたち上げる目的はまちまちであるが、企業がコストをかけて運営する以上は、何らかの経済的メリットを求めてのこと。別の言葉でいえば、商用利用ということだ。ウェブマスターは、ホームページの商用利用に関する責任者というべき、重要なポジションなのである。

そのような重要なポジションながら、最近でこそ、「ウェブマスター」という肩書きの名刺を持つスタッフも増えているが、会社によってウェブマスターの仕事はまちまち。中堅・中小企業では、他の仕事をやりながらの兼任も多い。一方、アメリカではウェブマスターという職種はポピュラーになっている。

アメリカのサイトを覗いていると、ホームページの一番下に、ウェブマスターの氏名を公表している場合が多いのに気がつくだろう。あるいは、アメリカの雑誌などで、ホームページの画面が紹介される場合、URLに加えて、ウェブマスターの氏名を明記するケースが多い。社内はもちろん、対外的にも地位は高いようだ。

ウェブマスターとは、具体的には、どのような仕事をする人なのであろうか?それを知るには、インターネットビジネスを立ち上げることを想定した場合、どのような業務をこなせるスタッフが必要かを考えればいいだろう。

ホームページの責任者と言うことは、インターネットビジネスの業務の中で、重要な役割を占めるであろうから、社内で必要な業務を抜き出せば、ウェブマスターに期待される守備範囲が見えてくるに違いない。

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 ◎初出:2002年3月11日
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