2012/01/30

第3回・MEO(Map Engine Optimization)

Googleで駅名などの地域名と一緒に業種名を入力して検索すると、検索結果ページの一番上に「Googleマップ」の縮小版とともに、「Googleプレイス」に登録されている企業・店舗がマップ上にピンで表示されます。上位7社(モバイル版では上位3社)については、地図の横に情報が表示されます。MEO(Map Engine Optimization)とは、検索結果ページ上部に地図と一緒に企業・店舗情報が表示されるようにする手法です。「マップエンジン最適化」とも表記されますが、もともとMap Engine Optimizationは和製英語で、アメリカではLocal SEOが一般的な表現です。

Googleプレイスは、Googleマップに店舗やオフィスの住所や電話番号、地図、画像などの情報を無料で登録できるサービスです。Googleプレイスへの登録は無料ですが、Googleマップ上に表示することが前提になっていますので、実在しない住所では登録が受付けられません。登録申請後、本人確認のため、電話または郵送でPINナンバー(暗証番号)が伝達され、PINナンバーの入力をもって正式な申請受け付けとなります。Googleプレイスに登録された情報は、前述のようなGoogle検索での「地域名+業種」検索や、Googleマップでの検索の結果に反映されます。

MEOが注目される背景としては、Googleが地図情報との連動に力を入れたことで、マップの上位に表示される企業や店舗への集客効果が高まったことがあげられます。特に、Googleモバイルで店舗を検索する場合、検索結果ページはGoogleマップと一緒に表示される上位3社だけで画面が一杯になり、自然検索の結果は画面の外に隠れる形になってしまいます。また、Yahoo!が「Yahoo!地図」や「Yahoo!地域情報」などのサービスを統合して、2011年6月からGoogleプレイスと同様なサービス「Yahoo!ロコ」を開始したこともMEOの注目度を高める要因になっています。

MEOの基本は、Googleプレイスに正しい情報をできるだけ詳しく登録することです。Googleプレイスの表示順位をどのように決定しているかというアルゴリズムは非公開ですが、登録したプレイスページに「食べログ」などのクチコミサイトから収集したレビューが自動的に表示されることから推測して、クチコミサイトやソーシャルメディアにおける「言及(サイテーション)」の数や質が順位に影響していると考えられています。SEOの場合は外部からのリンク数が重視されますが、MEOにおける言及は必ずしもリンクが張られていなくても評価の対象になる点が異なります。

第3回・MEO(Map Engine Optimization)
キーワード MEO(Map Engine Optimization)
概要 Googleで「地域名+業種」を検索した際に、検索結果ページ上部に地図と一緒に企業・店舗情報が表示されるようにする手法。以前から定着しているSEO(Search Engine Optimization)にまねた和製英語で、アメリカではLocal SEOなどと呼ばれている。
注目の背景 検索結果に地図が表示されることが多くなり、地図と一緒に表示された店舗への集客効果が高まっている。それを受けて、日本でもMEOサービスを提供する企業が増加。上位表示が実現できた場合に成功報酬を支払う料金体系が採用されるケースが多い。
今後の予想 企業サイトにおいても、SEO(サーチエンジン最適化)と同様にMEOが重要視されるようになる可能性が高い。ソーシャルメディアにおける言及を増やすなど、自社で実施可能な基本的な施策を継続することが長い目で見て効果的と思われる。

日本では、2008年頃からMEOサービスを有料で提供する企業が登場し始めました。MEOサービスは、対象になる企業・店舗の業種、業態、所在地によって上位表示の難易度が大きく異なるため、成功報酬ベースで提供されるケースが多いようです。今後、GoogleプレイスやYahoo!ロコに登録する企業・店舗が増えるにつれ、MEOサービスのニーズはますます高まるでしょう。その一方で、今年1月に発覚して問題になった「食べログ」へのやらせレビューのように、ネット上の言及を不正に操作して順位を上げようとするような悪質なサービスの蔓延を懸念する声もあります。

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 ◎初出:2012年1月30日
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2012/01/27

Vol. 12-6 2012年度の企業IT予算は前年度に比べて増加傾向

□2012年度の企業IT予算は前年度に比べて増加傾向

日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が上場企業を中心とした会員企業433社を対象に実施した「企業IT動向調査2012」の速報値によると、2012年度の開発費や保守運用費などのIT予算が前年度より増加すると回答した企業の割合が減少する企業を上回りました。「増加」する割合から「減少」する割合を差し引いて求めたDI(ディフュージョン・インデックス)は8.1ポイントとなり、前年度調査時の6.0ポイントからわずかながら増えました。

2012年度のIT予算は増加傾向、JUASが「企業IT動向調査」の速報値を発表(ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120125/379315/

□Google AdWords広告の最大顧客はアメリカの住宅リフォームチェーン

ネット広告分析ソフトウェアを手がけるアメリカWordStreamは、GoogleのAdWords広告に関する最新の推計を公開しました。それによると、2011年にもっともAdWords広告を利用したのは、アメリカの住宅リフォームチェーンLowe's Companiesで、その競合企業であるアメリカThe Home Depotと合わせると1億ドル以上を支払ったと推計しています。業界別では、Googleの売上の10%以上を占める金融および保険業が最大シェアとなっています。

グーグル「AdWords」の最大顧客は?を示したインフォグラフィック(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/service/35013412/

□AMNがブログ影響力測定ツール「ブログチャート」の機能を強化

アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)は、ブログの特徴や影響を測定するサービス「ブログチャート」の機能を強化しました。話題度、議論発生度、共感度、クリップ数、購読数、評価の計6つの要素を指数化して影響力レベルを算出します。ソーシャルメディア上での言及数や共有数を新たな指標として取り入れ、被リンク数や購読数などの累積数値を重視することで、ブログの影響力をより現実的に分析できるとしています。

AMNがブログ影響力測定ツールを刷新、ソーシャル上の言及数を反映(INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120124_506860.html

□ミクシィとDeNAがソーシャルコマース分野で業務提携を発表

ミクシィとディー・エヌ・エー(DeNA)は、ソーシャルコマース分野で業務提携をして、今年3月下旬にもmixiにモール型のソーシャルコマースサービスを立ち上げる予定であることを発表しました。新しいモールには、すでにローソンHMVエンタテイメントやサンリオなどの企業の参加が決定しています。DeNAは総合ショッピングサイト「ビッダーズ」を運営しており、そのノウハウを生かしてソーシャルコマースの拡大を狙います。

ミクシィとDeNAが業務提携、3月にソーシャルコマース立ち上げへ(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/business/35013431/

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 ◎初出:2012年1月26日
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2012/01/24

Vol. 12-5 アメリカ議会がオンライン海賊行為防止法案の審議を保留

□アメリカ議会がオンライン海賊行為防止法案の審議を保留

アメリカでは、海外サイトによる著作権侵害行為を防止する、いわゆる「オンライン海賊行為防止法案」として、上院で「Protect Intellectual Property Act(PIPA)」、下院で「Stop Online Piracy Act(SOPA)」が審議されていましたが、Wikipediaなどの有力サイトが抗議のために一時サービスを停止するなど、インターネット関連企業や業界団体からの大きな反発を受けて上院・下院共に審議を保留にすることを決めました。

米上下院、オンライン海賊行為防止法案を審議保留に(ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120123/379086/

□Facebookがアプリのアクティビティをタイムラインに表示

アメリカFacebookは、サードパーティー製アプリのアクティビティをタイムラインに表示する機能を追加しました。「アプリをタイムラインに追加」というページに、Wall Street Journalなどこの機能を利用できる60以上のアプリの一覧が掲載されています。選択したアプリをユーザが利用すると、「読んだ」「観た」など具体的なアクションがタイムラインやニュースフィード、リアルタイムフィードに表示されるようになります。

Facebook、タイムラインにアプリを追加(ITmedia)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1201/20/news105.html

□日本の共同購入クーポンサイト認知度は中韓台に比べて低い

GMOジャパンマーケットインテリジェンスは、アジア4地域(日本、中国、韓国、台湾)のインターネット利用者を対象に実施したオンラインショッピングと共同購入クーポンの利用実態に関する調査結果を発表しました。それによると、共同購入クーポンサイトの認知度は日本が約6割なのに対して、他の3地域では約8~9割と日本よりも高いことがわかりました。利用率も中国、韓国、台湾、日本の順で、日本が一番低くなっています。

日本、中韓台ほどフラッシュマーケティング機能が十分に発揮されず(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/business/35013294/

□IPAが「標的型サイバー攻撃の事例分析と対策レポート」を公開

情報処理推進機構(IPA)は、特定の企業などを対象にした標的型サイバー攻撃についての対策手法と課題をまとめた「標的型サイバー攻撃の事例分析と対策レポート」を公開しました。IPAのWebサイトから無償でダウンロードできます。レポートでは2011年に発生した事例をとりあげ、具体的な攻撃手口を解説しています。また、攻撃情報を共有する目的で設立された「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)」の活動例も紹介しています。

IPA、「標的型サイバー攻撃」への対策レポートを無料公開(INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120120_506333.html

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 ◎初出:2012年1月24日
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2012/01/23

第2回・モバイルファースト

モバイルファーストとは、Webサイトを構築する際にスマートフォンなどモバイル端末からの閲覧を想定してモバイルサイトの設計から着手するという考え方です。もともと、アメリカのインタラクションデザイナーLuke Wroblewski氏が2009年に提唱したとされるサイトの設計思想ですが、その後、GoogleやFacebook、Adobeなど数多くの有力企業がこの考え方を発展させて、Webサイトの構築にとどまらず、「インターネットで提供するあらゆるアプリケーションやサービスについてもモバイルからの利用を第一に考えて開発する」という意味に拡大されて定着しつつあります。

モバイルファーストが支持を得ている背景には、スマートフォンの急速な普及があります。アメリカIDCが公表した世界スマートフォン市場に関する調査結果によると、2010年第4四半期の世界スマートフォン出荷台数はPC出荷台数を上回りました。アメリカGartnerの調査によると、アメリカでは個人のモバイル端末の業務使用を認めている企業がすでに半数近くに達していて、2014年までに90%になると予想しています。企業においてモバイル端末が業務に使われるようになると、モバイル端末に最適化されていない企業サイトは大きな機会損失を生じる恐れがあります。

先日公開されたMicrosoftの次期OS「Windows 8」の開発者向けプレビュー版には、スマートフォンOSとして開発された「Window Phone 7」と同じユーザーインターフェイスが採用されています。Windows 8が搭載されるタブレットの発売も予定されており、モバイルを第一に考えて開発されたモバイルファーストなOSといえます。Googleのシュミット会長も、「優れたベンダーはモバイルサービスから提供していく」と発言しており、アメリカではビジネスアプリもモバイルファーストになるという認識が業界のコンセンサスになっているようです。

Luke Wroblewski氏が提唱するモバイルファーストの基本方針は、本当に必要な情報や機能を決めて先にモバイルサイトを作成してから、それに慎重に機能を付け加えていってPC向けWebサイトにするというものです。今後、モバイルファーストによって、企業サイトの設定手法が変わる可能性があります。その一方、モバイル端末からの利用がアプリ中心になるのか、Webとの併用になるのかは、アメリカの専門家の間でも意見が分かれています。Luke Wroblewski氏は自著「Mobile First」の中で、「Webとアプリは相互補完できるので、可能なら両方するべき」と書いています。

第2回・モバイルファースト
キーワード モバイルファースト
概要 Luke Wroblewski氏が2009年に提唱した、Webサイトを構築する際にモバイルサイトの設計から始めるという考え方。現在では、サイトの構築だけでなく「アプリケーションやサービスについてもモバイルを第一に考えて開発する」という意味で定着しつつある。
注目の背景 すでに2010年第4四半期において、スマートフォンの世界出荷台数はPCを上回っている。アメリカでは、スマートフォンやタブレットの業務利用が進んでおり、モバイルからの利用を想定していない企業サイトやサービスは大きな機会損失となる可能性がある。
今後の予想 今後、PCにタッチパネルが採用されるなど、PCとモバイル端末の融合が進むことは間違いない。アメリカでは、ビジネス向けアプリについてもモバイルファーストが適用され、モバイルアプリが先行して開発されるようになると予想される。

日本でもスマートフォン利用者は増えており、近い将来、従来の携帯電話を追い抜くという予想が有力になっています。しかしながら、日本では携帯電話が独自の進化を遂げ、早くからPC向けとは独立したモバイル市場を形成してきた経緯があります。モバイルファーストの考え方は日本市場でも徐々に浸透する可能性はありますが、ほとんどPCしかなかった状態からモバイル端末に急速に移行しているアメリカ市場とは事情が異なる点も考慮する必要があります。いずれにしても、企業サイトのモバイル対応をどうするかが大きな課題になることは間違いないでしょう。

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 ◎初出:2012年1月23日
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